JP3442120B2 - シリカヒドロゲルを洗浄する方法 - Google Patents
シリカヒドロゲルを洗浄する方法Info
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Description
料の艶消し、粘度調整剤、ビール等の濾過剤、樹脂のア
ンチブロッキング剤、その他、吸着剤、分離剤、触媒等
として産業上有用なシリカを製造する際に、必須の工程
であるシリカヒドロゲルを洗浄する方法に関するもので
ある。
鉱酸の中和反応によって製造することができ、その製造
方法は湿式法と呼ばれている。湿式法は中性またはアル
カリ性で反応させ比較的濾過し易い沈澱ケイ酸を得る沈
澱法と、酸性で反応させゲル状のケイ酸を得るゲル法と
に分類される。なおシリカの製法としては、乾式法とし
て四塩化ケイ素を酸素/水素炎下で加水分解する乾式法
シリカ(またはフュームドシリカ)の製法も知られてい
る。
39−1207号等に開示されており、中和反応によっ
て構造性を有するように一次粒子を成長させて得られた
沈澱ケイ酸は、水洗、乾燥および粉砕されて製品とな
り、この方法によって得られた沈澱法シリカは主として
汎用のゴム補強剤、農薬の担体、塗料の艶消し剤、粘度
調整剤として使用されている。
ば、USP2466842号等に開示されており、酸性
反応によって得られたゲル状のケイ酸(シリカヒドロゲ
ルと呼ぶ)を水洗、乾燥後、粉砕してゲル法シリカが得
られる。このゲル法シリカは、沈澱法シリカに比べて一
般に構造性が高く、高シェアー下においてもその構造性
を保つので、合成皮革、プラスチック等のコーティング
の分野、ビール濾過剤、樹脂フィルムのアンチブロッキ
ング剤、吸着剤、分離剤、触媒として使用されている。
ゲルの製造において必須として行なわれる洗浄に関する
ものであり、従来のこの洗浄法の具体的例としては、例
えばUSP2466842号により連続的に水を流し3
6〜48hrsかけて洗浄する方法が開示され、また、
特公昭43−7012号によりアンモニア水で洗浄する
方法、および稀硫酸で洗浄する方法が開示されている。
ってシリカヒドロゲルを製造する場合には、硫酸過剰で
ケイ酸ソーダと硫酸を反応させるので、反応で得られた
シリカヒドロゲルには副生する硫酸ナトリウムの他に多
量の硫酸が含まれている。そこでこれらを除去する目的
で水洗が必要となるのであるが、洗浄のために多量の水
を使用して時間をかけて洗浄しなければならないという
問題があり、水量が少ないと硫酸等の除去が不十分とな
って、低電気伝導度の品質のものが得られない。また、
多量の水を用いて洗浄すると、硫酸や硫酸ナトリウムは
除去できたとしても、洗浄中のシリカヒドロゲルの性質
が変化し、その結果、目的の物性を有するシリカを製造
できないという問題が知見された。
るためにシリカヒドロゲルの洗浄方法について鋭意研究
した。その結果、洗浄と、得られるシリカの物性との間
には関連があり、洗浄法をコントロールすれば、安定し
た物性の高品質のシリカをしかも比較的少量の洗浄水で
洗浄して製造できることを見出し、本発明を完成するに
至った。
ルの洗浄方法は、硫酸と硫酸ナトリウムを含むシリカヒ
ドロゲルを洗浄して、それらを含まないシリカヒドロゲ
ルを製造するに当たり、酸性反応により得られたシリカ
ヒドロゲルを、電気伝導度が5000μS/cm以上の
水で洗浄する工程、電気伝導度が500〜5000μS
/cmの水で洗浄する工程、及び電気伝導度が500μ
S/cm以下の水で洗浄する工程をこれらの順序で行な
い、かつ洗浄する各工程をバッチ法で行なうことを特徴
とし、ゲル法シリカの製造工程中における洗浄法として
好適に用いられる。
としては、混合ノズル用いてケイ酸ソーダ水溶液と硫酸
水溶液を硫酸過剰下一定の比率で連続的に反応させる方
法、あるいは撹拌機を備えた反応槽に硫酸過剰下ケイ酸
ソーダ水溶液と硫酸水溶液を同時に供給する方法、硫酸
水溶液にケイ酸ソーダ水溶液を滴下する方法等を挙げる
ことができる。これらの反応法のいずれの場合も、反応
直後は、透明なシリカのゾルが生成するが、次第にゾル
粒子の凝集が起り、数分から数時間の間にヒドロゲルに
変化する。過剰硫酸量はヒドロゲル化する時間に影響す
るが、製品のシリカの物性にも影響するので、反応液の
pHが0.5〜3が好ましい。pHが3を越えるとヒド
ロゲル化が早く、ハンドリングが難しくなるばかりか、
品質の制御も難しくなる。また、pHが0.5よりも低
すぎるとヒドロゲル化に長時間を要する。
0〜29%、硫酸水溶液の濃度は、好ましくは35〜4
5%であり、いずれもこれらの濃度に限定されないが、
これらの濃度を越えて使用すると、反応中の溶液の粘度
が上昇し、操作上困難となる傾向が現われ、また、これ
らの濃度より低い濃度で使用すると、反応中のゲル化を
コントロールすることが非常に難しくなる傾向が現われ
るので、上記範囲とすることがよい。
より好ましくは、30〜60℃である。温度が高くなる
と細孔分布に影響がでるので好ましくはない。また、温
度が低くなると洗浄効率が悪くなり好ましくない。
固化して硬くなり、離奨水と呼ばれる液が分離してく
る。反応によって生成した硫酸ナトリウムや過剰の硫酸
は、その一部が離奨水として分離するものの、ほとんど
はヒドロゲル中に閉じ込められる。従って、シリカの製
造に際してはシリカヒドロゲルに介在する硫酸および硫
酸ナトリウムを除く必要があり、このために洗浄が必須
とされる。なお上記離奨水とは、反応後の全体としてほ
ぼ固まったシリカヒドロゲルの表面や反応容器壁面との
間にごく僅かにじみでる水をいう。
奨水を除去しあるいは除去することなく粗砕する。シリ
カヒドロゲルの粒度に特に制限はないが、1〜30mm
が良い。大きすぎると洗浄するのに時間を要し、小さす
ぎると通液しにくい。
酸ナトリウムを多量に含むシリカヒドロゲルを、純水あ
るいはそれに近い浄水でいきなり水洗すると、浸透圧の
関係か、製品シリカの細孔容積が小さくなる傾向とな
り、また、細孔径が小さくなる傾向がある。
ヒドロゲル化時に形成された細孔を維持するために、シ
リカヒドロゲルをまず電気伝導度が5000μS/cm
以上の水で洗浄することが必要である(A洗浄)。洗浄
水の電気伝導度が10mS/cm以上になると、電気伝
導度が高すぎて洗浄の効果を示さないので、望ましくは
5000μS/cm〜10mS/cm、より好ましくは
6000μS/cm〜5mS/cmの水で洗浄すること
が好ましい。
続き、電気伝導度1000〜5000μS/cm、より
好ましくは600μS/cm〜800μS/cmの水で
シリカヒドロゲルが洗浄される(B洗浄)。
ロゲルは引続いて電気伝導度500μS/cm以下、よ
り好ましくは5μS/cm〜300μS/cmの浄水で
洗浄される(C洗浄)。
以上繰り返しても良い。繰り返す場合は、望ましくは、
洗浄を繰り返すごとに電気伝導度の低い水を使用するの
が良い、洗浄に使用する水、特にA洗浄、B洗浄で使用
する水は、シリカヒドロゲルの洗浄工程で排水する水
や、それを浄水で薄めた水が望ましい。また、浄水に硫
酸及び/又は水酸化ナトリウム及び/又は硫酸ナトリウ
ムを加えて調製した水も使用することができる。
洗浄をバッチ法で行なうことが必要である。これに対
し、水洗塔にシリカヒドロゲルを入れ、上部または下部
から連続的に水を供給して連続的に排出する、いわゆる
連続法は好ましくない。この連続法によると、上部と下
部、中央部と壁面部の品質ムラが生じ、本発明の目的と
するところの物性が制御された高品質のシリカ製品が得
られないからである。
塔、あるいは水洗槽にシリカヒドロゲルを入れ、水を入
れ、一定時間経過後に水を排出する方法等が例示でき
る。このバッチ法によって、品質にムラのない、物性が
制御されたシリカ製品を得ることができる。
く、循環を実施する場合は抜き出した水の全量をもとの
洗浄槽に戻す。洗浄時間に特に制限はないが、各バッチ
ともそれぞれ、10分から3時間で充分である。温度も
特に制限はなく、10〜95℃が適当である。洗浄に使
用する水量は、望ましくはシリカヒドロゲルに対して重
量比1〜10倍が良い。1回の洗浄水量が多い程、少な
い回数で良い。洗浄水の温度が高い方が洗浄水、回数共
に少なくて良い。
かも物性の制御された、安定した品質のシリカを製造す
ることができるという効果がある。
たがって洗浄することによって、最初から浄水で洗浄す
る場合に比べ、下記実施例と比較例の対比からも分かる
ように、同等の洗浄効果を得るためには大幅に少ない水
量,短い時間で足り、反対に同等の洗浄時間,洗浄水量
を用いる場合には、含有される硫酸等を実質的に含有し
ない程度(比較例に比べて1/2〜1/4程度)、電気
伝導度は数十分の1まで低下させた程度まで洗浄できる
という効果が得られる。その理由は定かではないが、硫
酸及び硫酸ナトリウムを多量に含むシリカヒドロゲルを
初めから浄水で洗浄すると、浸透圧の関係か、細孔が収
縮し残留物が中に閉じ込められて出にくい状態になるの
ではないかと推定される。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例、および比較例において用いた各種試験方法
および各種試料を以下に記す。
で測定した。
た。
c. 製) を用いて30μmのアパーチャーチューブによ
り測定した。
し、10分間撹拌後、pH電極により測定した。
し放冷後、100ccに調製し、調製したものを濾過
し、導電率電極により測定した。
を1〜2に調製する。
Cl2 溶液を加え、また15分間煮沸する。
行う。
ニア水を5ml 滴下して撹拌する。 (6) 0.01M-EDTA標準液で滴定する。
溶液を、混合ノズルを用いて反応させ、SiO2 が1
7.0wt%、Na2 SO4 が1.6wt%、pHが
0.8のシリカヒドロゲルを得た。そのシリカヒドロゲ
ルを約10mmに粉砕し、5kgを下部から抜き出しが
できる20リットルの容器に離奨水を分離して入れた。
pH2.5、電気伝導度7400μS/cmの水溶液を
15リットル加えて、30℃で1時間保持した。液を抜
き出した後、同じ洗浄水を加え、同様に2度繰り返し
た。
酸を含むpH4.2、電気伝導度4390μS/cmの
水溶液を15リットル加えて、30℃で1時間保持し
た。液を抜き出した後、同じ洗浄水を加え、同様に2度
繰り返した。
5リットル加えて、30℃で1時間放置した。液を抜き
出した後、同じ洗浄水を加え、同様に2度繰り返した。
ようなシリカを得た。
離奨水を分離して、連続的に通液、抜き出しのできる2
0リットルの溶液に入り、洗浄水として、電気伝導度8
5μS/cmの浄水を8リットル/hの流速で、17時
間通液した。
砕し次の様なシリカを得た。
Claims (3)
- 【請求項1】硫酸と硫酸ナトリウムを含むシリカヒドロ
ゲルを洗浄して、それらを含まないシリカヒドロゲルを
製造するための洗浄方法であって、酸性反応により得ら
れた洗浄前のシリカヒドロゲルを、電気伝導度が500
0μS/cm以上の水で洗浄する工程、電気伝導度が5
00〜5000μS/cmの水で洗浄する工程、及び電
気伝導度が500μS/cm以下の水で洗浄する工程を
これらの順序で行ない、かつ洗浄する各工程をバッチ法
で行なうことを特徴とするシリカヒドロゲルを洗浄する
方法。 - 【請求項2】 請求項1の洗浄方法において、各工程の
バッチ操作で用いる水の量を、シリカヒドロゲルに対し
て重量比で1〜10倍量用いることを特徴とするシリカ
ヒドロゲルを洗浄する方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、少なくともい
ずれかの工程のバッチ操作を、2回以上行なうことを特
徴とするシリカヒドロゲルを洗浄する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33520493A JP3442120B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | シリカヒドロゲルを洗浄する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33520493A JP3442120B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | シリカヒドロゲルを洗浄する方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07187646A JPH07187646A (ja) | 1995-07-25 |
JP3442120B2 true JP3442120B2 (ja) | 2003-09-02 |
Family
ID=18285930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33520493A Expired - Fee Related JP3442120B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | シリカヒドロゲルを洗浄する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3442120B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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---|---|---|---|---|
DE19943166A1 (de) * | 1999-09-09 | 2001-03-15 | Elenac Gmbh | Optimiertes Verfahren zur Herstellung von Katalysatorträgern auf der Basis von Kieselgel sowie von Kieselgel-geträgerten Chromkatalysatoren |
JP5689038B2 (ja) * | 2011-07-27 | 2015-03-25 | 太平洋セメント株式会社 | 高純度シリカの製造方法 |
JP7079057B2 (ja) * | 2018-09-28 | 2022-06-01 | 太平洋セメント株式会社 | シリカの洗浄方法 |
JP7174483B2 (ja) * | 2018-10-17 | 2022-11-17 | 太平洋セメント株式会社 | シリカの精製方法、およびシリカ粒子 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP33520493A patent/JP3442120B2/ja not_active Expired - Fee Related
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