JP2508713B2 - 高純度大粒子径シリカゾルの製造法 - Google Patents

高純度大粒子径シリカゾルの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高純度、特にアルミニウム及び鉄の含有率
が著しく低い大粒子径シリカゾルの製造法に関する。
大粒子径シリカゾルは、一般にBET法による比表面積
の測定値から算出される粒子径が約20mμ以上であるコ
ロイダルシリカの分散液であり、紙の表面処理剤、高分
子材料の改質剤、フィルムの表面処理剤、研磨剤、触媒
等に用いられているが、次第に高純度かつ高性能のもの
が要望され、例えば半導体材料の研磨用、フィルムの表
面処理用、触媒用等には30〜100mμの粒径を有し、しか
も粒径の揃った球形の粒子からなるシリカゾルが望まれ
ている。
(従来の技術) 高純度大粒子径シリカゾルの製造法としては、米国特
許第2614995号明細書にアンモニア水溶液中で金属珪素
を酸化することによる水性シリカゾルの製造法が、ま
た、ジャーナル・オブ・コロイド・インターフェース・
サイエンス(J.Colloid Interface Sci.)第26巻第62〜
69頁(1968年)にアルコールとアンモニア水溶液の混合
溶液中でオルト珪酸エチルを加水分解することによるオ
ルガノシリカゾル製造法が示されている。
また、珪酸アルカリを原料とする高純度シリカゲルの
製造法としては、特公昭41-3369号公報に珪酸アルカリ
の水溶液を酸型陽イオン交換樹脂で脱アルカリ処理し、
珪酸ゾルを得て、そのゾルに硝酸を加えてpHを1.2と
し、72時間常温で熟成後、酸型強酸性陽イオン交換樹脂
及び水酸型陰イオン交換樹脂を通過させ、これに直ちに
NaOHを加えてpH8.0に調節し、真空下80℃の温度で常に
一定の液面を保ちながら蒸発濃縮し、Na2O0.3%、SiO
22.5%の珪酸ゾルを得る方法が示されている。
更に別の製造法として、特開昭61-158810号公報に、
アルカリ珪酸塩の水溶液を、強酸型陽イオン交換樹脂で
脱アルカリ処理し、珪酸液を得て、その液に酸を加えて
pH2.5以下温度0〜98℃の条件下で酸処理し、得られた
酸性珪酸コロイド溶液中の不純物を分画分子量500〜100
00の限外濾過膜にて除去してオリゴ珪酸溶液とし、この
オリゴ珪酸溶液の一部にアンモニアを加えて、pH7〜10
で60〜98℃の温度に加熱してヒートゾルを調製し、この
ヒールゾルにオリゴ珪酸溶液の残部を、除々に滴下して
コロイド粒子を成長させる方法が示されている。
一方、大粒子径シリカゾルの製造法としては、特開昭
60-251119号公報に、SiO21.5〜8重量のアルカリ金属珪
酸塩溶液に、pH2〜5、SiO22〜6重量%の活性珪酸の
溶液をSiO2/M2Oモル比20〜40となるまで90〜150℃で徐
添し、同温度で反応を完結させた後、液中のアルカリ金
属分を酸で部分中和し、再び90〜150℃で熟成し、限外
濾過法で濃縮する方法が示されている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記米国特許第2614995号に記載の方法、ジャーナル
・オブ・コロイド・インターフェース・サイエンスに記
載の方法等では、原料である金属珪素、オルト珪酸エチ
ルは高価であり、製造プロセスも複雑となり、製品は安
価には得られない。またこれらの製造方法で得られたシ
リカ粒子は、小粒子径シリカ粒子の凝集によって生じた
二次粒子であって、多孔質乃至非緻密質粒子である。そ
して結合力にも乏しく、用途はかなり制限される。
これに対し、珪酸アルカリを原料とする上記特公昭41
-3369号に記載の方によると、安価に高純度のシリカゾ
ルを得ることができるが、得られたシリカゾルの粒子径
は20mμ以下であり、その上このコロイド状シリカの粒
径は不揃いとなり易い。上記特開昭61-158810号に記載
の方法も、珪酸アルカリを原料とする方法であるが、得
られたシリカゾルの粒子径はやはり20mμ以下であり、
長時間かけても20mμ以上に成長させることができな
い。
上記特開昭60-251119号公報に記載の方法では、大粒
子径シリカゾルは得られても、特別の高純度製品は得ら
れない。一般に、珪酸アルカリを原料とする方法では、
この用いられる珪酸アルカリが、天然珪石や天然珪砂を
アルカリ熔融することによりつくられるため、不純物と
してアルミニウム、鉄などが比較的多量に製品中に混入
する。イオン交換法によってもこのアルミニウムや鉄等
が完全に除去されないのは、これら金属がシリカの粒子
内部に捕捉されていることによると考えられる。従っ
て、これら金属を除くには、コロイダルシリカにまで成
長する前の段階で除去するのがよいと考えられる。しか
し、この段階は活性珪酸が溶解している段階であるか
ら、処理中にゲス化現象が起り易い。
従って、本発明は、かかる従来法の難点を解消したも
のであって、平均粒子径が30〜100mμであり、コロイダ
ルシルカ粒子径がよく揃っており、高純度かつ安定なシ
リカゾルを効率よく安価に製造できる方法を提供しよと
するものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明の高純度大粒子径シリカゾルの製造法は、下記
(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)及び
(g)工程を包含することを特徴とする。
(a) SiO2として2〜6重量%のアルカリ金属珪酸塩
水溶液を水素型陽イオン交換樹脂で処理することによ
り、アルカリ金属イオンを除去した活性珪酸の水性コロ
イド溶液を得る工程、 (b) 得られた活性珪酸の水性コロイド溶液に酸を加
えてpH0〜2.0に調整し、熟成した後、水素型強酸性陽イ
オン交換樹脂で処理し、続いて水酸型強塩基性陰イオン
交換樹脂で処理し、再び水素型強酸性陽イオン交換樹脂
で処理することによりSiO2として2〜6重量%の高純度
活性珪酸の水性コロイド溶液を得る工程、 (c) 得られた高純度活性珪酸の水性コロイド溶液に
高純度アルカリ金属水酸化物水溶液を加えて、SiO2とし
て2〜6重量%、pH7〜8、SiO2/M2O(但し、Mはアル
カリ金属原子であるK又はNaを表わす。)モル比が100
〜300の高純度安定化シリカ水性コロイド溶液を得る工
程、 (d) 上記(c)工程で得られた高純度安定化シリカ
水性コロイド溶液に高純度アルカリ金属水酸化物水溶液
を加えることにより得られるSiO2/M2Oモル比が4.5以下
である高純度アルカリ金属珪酸塩水溶液又はこれを濃縮
若しくは希釈することにより得られるSiO2濃度8重量%
以下の高純度アルカリ金属珪酸塩水溶液或は高純度アル
カリ金属水酸化物水溶液に、上記(c)工程で得られた
高純度安定化シリカ水性コロイド溶液を、SiO2/M2Oモ
ル比が20〜60となるまで90〜150℃で充分な攪拌下に徐
々に添加する工程、 (e) (d)工程に引き続き、(d)工程により得ら
れた反応混合液を90〜150℃で攪拌下反応を完結せしめ
る工程、 (f) (e)工程により得られた反応混合液に、該液
中の前記アルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ金属珪
酸塩に由来するアルカリ当量の40〜90%に相当する当量
の酸を添加した後、得られた反応混合液を90〜150℃で
熟成する工程、 (g) (f)工程により得られたシリカゾルを微細多
孔性膜により濃縮する工程。
本発明の(a)工程に用いられるアルカリ金属珪酸塩
水溶液は、アルカリ金属珪酸塩を水に溶解させることに
よって容易に得られる強アルカリ性の液である。アルカ
リ金属珪酸塩は、カリウム又はナトリウム等の珪酸塩で
あり、これらはSiO2/M2Oモル比が異なる種々のものが
知られているが、水に溶解させたとき完全な溶液が得ら
れるものが好ましく、通常上記モル比として1〜4.5程
度のものが用いられる。またこれら用いられるアルカリ
金属珪酸塩としては、金属不純物としてアルミニウム、
鉄などの含有量の少ない市販工業製品で充分である。特
に安価に入手し得る純度の良いモル比2〜4程度の珪酸
ナトリウムが好ましい。
本発明の(a)工程で得られる活性珪酸の水性コロイ
ド溶液は、溶解珪酸及び粒子径3mμ以下の珪酸の低重合
粒子が水中に共存する酸性の液である。
本発明の(b)工程で用いられる酸としては、無機酸
がよく、純度の高い市販工業製品の硫酸、塩酸、硝酸等
が好ましく、特に金属不純物の除去率の高い硝酸が好ま
しい。
本発明の(c)工程で用いられる高純度アルカリ金属
水酸化物としては、高純度の試薬級市販工業薬品の水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等が好ましく、特にシリ
カ粒子の成長に良い効果を与える水酸化カリウムが好ま
しい。
本発明の(f)工程で用いられる酸としては、無機
酸、有機酸のいずれでもよいが、純度の高い市販工業薬
品の硫酸、塩酸、硝酸等が好ましく、特に反応容器がス
テンレス鋼製のときは硫酸が好ましい。これら用いられ
る酸は2〜20%程度の水溶液であるものが更に好まし
い。
本発明の(g)工程に用いられる微細多孔性膜は、通
常コロイド粒子の分散液の濃縮に用いられる市販工業製
品でよく、孔径として5〜20mμ程度の限外濾過膜が好
ましい。
本発明の(a)工程〜(g)工程には、耐酸性、耐ア
ルカリ性及び耐圧性の反応容器、強力攪拌機、温度制御
装置、定量ポンプ等を備えた樹脂被覆製又はステンレス
鋼製の製造装置を用いることが好ましい。また、用いら
れる水素型陽イオン交換樹脂、水素型強酸性陽イオン交
換樹脂、水酸型強塩基性陰イオン交換樹脂等は、いずれ
も市販工業製品でよい。
(作用) 本発明の(a)工程は、アルカリ金属珪酸塩の希薄水
溶液からアルカリ金属イオンを効率よく除去することに
より活性珪酸の水性フロイド溶液を得る工程である。
(b)工程は、この溶液に酸を添加し、pHを0〜2.0に
して、溶液中に存在する活性珪酸及び粒子径3mμ以下の
珪酸の低重合粒子に抱き込まれている金属不純物をイオ
ン化させ、溶液内に溶出させ、更に、アルミニウム、鉄
等不純陽イオン及び陰イオンを除く工程である。この酸
処理における熟成は、金属不純物の溶出効率とこの酸処
理活性珪酸の水性コロイド溶液の安定性を考慮して、所
要時間が決まる。この所要時間は温度により異なり、低
温程長時間を要す。常温下、特に0〜40℃の場合では24
時間から120時間の熟成が必要であるが、液温40〜60℃
では2〜10時間そして液温60〜98℃では0.5〜3時間の
熟成が必要である。
熟成において、熟成の時間が所定の時間より長いと、
酸処理活性珪酸の水性コロイド溶液は変質し、増粘・ゲ
ル化する。
次に、水素型強酸性陽イオン交換樹脂で処理し、樹脂
に金属不純物イオンを吸着させ、溶液内より除去する。
そして水酸型強塩基性陰イオン交換樹脂で処理し、添加
した酸、又使用したアルカリ金属珪酸塩に含有されてい
た物質からの陰イオンを樹脂に吸着させ溶液内より除去
する。さらに再度水素型強酸性陽イオン交換樹脂で処理
し、溶液内に微量残存するアルカリ金属イオン、アルカ
リ土類金属イオンと金属不純物イオンを除去する。以上
の処理により、高純度活性珪酸の水性コロイド溶液を得
る。
ここで再度水素型強酸性陽イオン交換樹脂で処理を行
わないと、溶液内に微量残存するアルカリ金属イオンと
アルカリ土類金属イオンにより高純度活性珪酸の水性コ
ロイド溶液のpHが5〜7となり、3時間以内に液はゲル
化する。
本発明の(c)工程は(b)工程で得られた高純度活
性珪酸の水性コロイド溶液に高純度アルカリ金属水酸化
物水溶液を加えて、SiO2として2〜6重量%、pH7〜
8、SiO2/M2Oモル比が100〜300の高純度安定化シリカ
水性コロイド溶液を得る工程である。
上記(a)工程で得られた高純度活性珪酸の水性コロ
イド溶液は3〜10時間以内でゲル化し、また、(c)工
程で高純度安定化シリカ水性コロイド溶液のSiO2/M2
モル比を300以上に設定するとpHが5〜7となり、30時
間以内に増粘・ゲル化するので、引きつづく(d)工程
での使用は可使時間不足から困難である。しかし、
(c)工程によって得られた高純度安定化シリカ水性コ
ロイド溶液はゲル化することなく、(d)工程での使用
は可能であり、(c)工程終了後30時間以内に(d)工
程で使用すれば、(f)工程で得られる反応混合液は小
粒子径シリカ粒子(5〜10mμ)を含まない大粒子径シ
リカ粒子よりなるシリカゾルとなる。(d)工程での使
用する高純度安定化シリカ水性コロイド溶液が(c)工
程終了後30時間経過したもの又はpH8以上、SiO2/M2Oモ
ル比が100以下のものの場合、(f)工程で得られる反
応混合液は小粒子径シリカ粒子を含み、目的の大きさを
持った大粒子径シリカ粒子よりなるシリカゾルとはなら
ない。
本発明の(d)工程は、珪酸の重合反応を起させてシ
リカの微細な核粒子を析出させた後、この核粒子の周り
に更に珪酸を反応沈着させることによりシリカ粒子を成
長させ、ほぼ球形の径が揃った20〜80mμ程度のシリカ
粒子を水中に生成せしめる工程であり、この工程で得ら
れた液は、尚未反応珪酸、未成長シリカ粒子等を含有す
る反応混合液である。この反応混合液は、充分な安定性
を欠くものであるから、(d)工程の期間中に濃縮が起
らないように保つが好ましい。
反応温度が沸点以上のときは、水の蒸発が起らないよ
うに加圧下に行うのもよい。
上記反応温度が90℃以下の場合、シリカ粒子の成長が
遅く、目的とした粒径迄成長しない。また反応温度が15
0℃以上の場合、目的とした粒径となるが、反応容器の
耐圧が絶対圧として5.85atm以上要求されることにな
り、製造装置の耐高圧構造化は経済的負担が増加して好
ましくない。よって反応温度としては、90〜150℃が適
している。
本発明の(e)工程は、(d)工程で得られた反応混
合液中の未反応珪酸及び未成長シリカ粒子を消失せしめ
るための反応完結工程であり、(d)工程に引き続いて
行なわれ、この工程によってシリカの粒径は30〜100mμ
にまで成長させることができる。
本発明の(f)工程は、(e)工程で得られた反応混
合液から安定なシリカゾルをつくるための工程である。
この(f)工程で行なわれる酸の添加をそれに替って
(d)工程又は(e)工程で行なったり或いはその中間
で行なうと反応混合液の安定性が失なわれ、また充分な
シリカ粒子の成長が妨げられたり、或いは場合によって
はゲル化が起ることもある。(f)工程での酸の添加に
よって、反応混合液中に存するアルカリを中和して塩を
生成せしめると共に、所定粒径のコロイダルシリカの安
定化のためのアルカリのみを残存せしめることができ
る。従って、(f)工程での酸の添加により、この残存
アルカリと液中シリカのモル比がSiO2/M2Oとして70〜1
50に調節されると共に、(g)工程での濃縮の際に必要
な塩をシリカゾル中に共存せしめることができる。
本発明の(g)工程は、(g)工程によって得られた
低濃度のシリカゾルを高濃度の安定な製品シリカゾルに
するために、微細多孔性膜を通して水と共に、製品シリ
カゾル中に残存していてはゾルの安定化に妨げとなる量
のアルカリ金属イオン及び酸根をも除去するための工程
である。(g)工程によって得られたシリカゾルは安定
なゾルであるから、そのまま製品として前記各種用途に
使用できる他、更にこのゾルには各種の変成を施すこと
もできる。
また、シリカゾルのシリカ粒子の径については、シリ
カ粒子を球状粒子とし、比表面積S(m2/g)より平均
粒子径D5(mμ)を求める算出式S=6×103/密度×
d=2720/D5を用いて、BET法(窒素吸着法)により得ら
れた比表面積より求められる。
更に、シリカゾルのシリカ粒子の径が揃っているか否
かは、シリカゾルのシリカの粒子を電子顕微鏡写真に撮
影し、写真に映ったシリカ粒子像を画像解析する方法に
よって行なわれていたが、これによる表示は的確でな
い。ジャーナルオブケミカルフィジックス(Journal of
Chemical Physics)第57巻第11号(1972年12月)第481
4頁に記載の準弾性レーザー光散乱法(以下、動的光散
乱法という。)により測定される平均粒子径Ddと粒子径
の標準偏差Sdとの比Sd/Ddで表わされる変動係数はシリ
カゾルのシリカ粒子径の分布を表現するのに極めて適
し、この値は小さい程径がよく揃っていることを表わ
す。この変動係数の値で表わすと、従来の製造法で得ら
れた大粒子径シリカゾルの変動係数は0.3近辺又はそれ
以上であるが、本発明によるものは、これよりはるかに
小さい。
(実施例) 実施例1 (a)工程 JIS 3号珪酸ナトリウム(SiO228.8重量%,Na2O9.47重
量%,Al23280ppm,Fe2345ppm,CaO46ppm,MgO25ppm)8
76gと超純水(電気伝導度0.06μS/cm以下)6,124gとで
調製した希釈珪酸ナトリウム水溶液(SiO23.60重量%)
7,000gを水素型陽イオン交換樹脂アンバーライトIR-120
Bで処理することにより、室温の活性珪酸の水性コロイ
ド溶液(SiO23.54重量%,pH2.78,電気伝導度667.5μS/c
m)5,950gを調製した。
(b)工程 活性珪酸の水性コロイド溶液5,950gに試薬特級硝酸
(比重1.38:HNO361.3重量%)20.2gを加えて、pHを1.54
とし48時間室温で熟成後、水素型強酸性陽イオン交換樹
脂アンバーライトIR-120Bで処理後、続いて水酸型強塩
基性陰イオン交換樹脂アンバーライトIRA-410そして再
度水素型強酸性陽イオン交換樹脂アンバーライトIR-120
Bで処理し、室温の高純度活性珪酸の水性コロイド溶液
(SiO23.52重量%,pH4.38,電気伝導度27.20μS/cm,Al2
30.25ppm,Fe230.19ppm,CaO0.08ppm,MgO0.02ppm)5,
030gを得た。
(c)工程 直ちに得られた高純度活性珪酸の水性コロイド溶液42
06gに試薬特級水酸化カリウムと超純水より調製した10
重量%水酸化カリウム水溶液(K2O8.40重量%)19.6g
を加えて、室温の高純度安定化シリカ水性コロイド溶液
(SiO23.50重量%,pH7.36,電気伝導度566.0μS/cm,K2O
0.0389重量%,SiO2/K2Oモル比141)を得た。
(d)工程 攪拌機、コンデンサー及び滴下ロートを備えた5lのガ
ラス製反応器に、(a)工程で得られた高純度活性珪酸
の水性コロイド溶液254.6gと10重量%水酸化カリウム水
溶液55.4gを投入して、高純度珪酸カリウム水溶液(SiO
23.01重量%,K2O1.50重量%,SiO2/K2Oモル比3.01)310
gを調製し、攪拌下加熱して水の沸騰還流状態に保っ
た。(c)工程で得られた高純度安定化シリカ水性コロ
イド溶液4,000gを上記還流状態にある反応器中の高純度
珪酸カリウム水溶液中へ沸騰状態を保ちながら定量ポン
プを用いて20時間を要して添加して反応混合液を生成さ
せた。
(e)工程 引き続きこの反応混合液を還流状態に保ちながら2時
間加熱を続けて反応を完結させ、反応混合液(SiO23.46
重量%,pH10.70,電気伝導度1,905μS/cm,K2O0.144重量
%,SiO2/K2Oモル比37.7)を得た。
(f)工程 次いででこの反応混合液に、試薬特級硫酸と超純水よ
り調製した10重量%硫酸水溶液35.6gを還流下0.5時間を
要して添加した後、引き続き還流下8時間熟成すること
によりシリカゾル(SiO23.43重量%,pH9.61,電気伝導度
2,635μS/cm,硫酸カリウム1460ppm,SiO2/K2Oモル比8
5)を得た。このシリカゾルのシリカ粒子径をBET法によ
り測定したところ44mμであった。
(g)工程 次いで、このシリカゾルをポリサルホン製管状限外濾
過膜を使用した市販工業製品の限外濾過装置を用いて、
室温でSiO2濃度約40重量%となるまで濃縮した。濃縮
中、液は安定であり、極めて円滑であった。
得られた高純度の高濃度シリカゾルは測定の結果、Si
O2濃度40.1重量%,pH9.35,電気伝導度4,230μS/cm,SiO2
/全アルカリK2Oモル比79,SiO2/滴定法K2Oモル比4
10,硫酸カリウム濃度1620ppm,Al23濃度2.8ppm,Fe23
濃度2.2ppm,CaO濃度0.9ppm,MgO濃度0.2ppm,BET法による
粒子径44mμ、米国コールター社製の製品名(Coulter N
4Fの装置を用いた動的光散乱法による粒径の変動係数
の値は0.154,25℃の粘度3.3c.p.であり、更に安定性に
ついて試験したところ、60℃1ケ月の保存後でも、また
室温で1年の保存後にも粘度の変化が全く認められなか
った。
実施例2 (a)工程〜(c)工程 実施例1と同様に(a)工程、(b)工程及び(c)
工程を行ない室温の高純度安定化シリカ水性コロイド溶
液(SiO23.54重量%,pH7.24,電気伝導度516.5μS/cm,K2
O0.0359重量%,SiO2 /K2Oモル比155,Al230.25ppm,F
e230.18ppm,CaO0.08ppm,MgO0.02ppm)4375gを得た。
(d)工程 攪拌機、コンデンサー及び滴下ロートを備えた5lのガ
ラス製反応器に、試薬特級水酸化カリウムと超純水より
調製した10重量%水酸化カリウム水溶液53.6gと超純水2
56.4gを投入して、高純度水酸化カリウム水溶液(SiO2
0重量%,K2O1.45重量%,SiO2/K2Oモル比0)310gを調
製し、攪拌下加熱して水の沸騰還流状態に保った。
(c)工程で得られた高純度安定化シリカ水性コロイド
溶液4,147gを上記還流状態にある反応器中の高純度水酸
化カリウム水溶液中へ沸騰状態を保ちながら定量ポンプ
を用いて20時間を要して反応混合液を生成させた。
(e)工程 引き続きこの反応混合液を還流状態に保ちながら2時
間加熱を続けて反応を完結させ、反応混合液(SiO23.29
重量%,pH10.81,電気伝導度1,846μS/cm,K2O0.134重量
%,SiO2/K2Oモル比38.5)を得た。
(f)工程 次いでこの反応混合液に、試薬特級硫酸と超純水より
調製した10重量%硫酸水溶液33.8gを還流下0.5時間を要
して添加した後、引き続き還流下8時間熟成することに
よりシリカゾル(SiO23.27重量%,pH9.90,電気伝導度2,
600μS/cm,硫酸カリウム1350ppm,SiO2/K2Oモル比85)
を得た。このシリカゾルのシリカ粒子径をBETにより測
定したところ40mμであった。
(g)工程 次いで、このシリカゾルをポリサルホン製管状限外濾
過膜を使用した市販工業製品の限外濾過装置を用いて、
室温でSiO2濃度約40重量%となるまで濃縮した。濃縮
中、液は安定であり、極めて円滑であった。
得られた高純度の高濃度シリカゾルは測定の結果、Si
O2濃度40.4重量%,pH9.47,電気伝導度4,380μS/cm,SiO2
/全アルカリK2Oモル比75,SiO2/滴定法K2Oモル比3
22,硫酸カリウム濃度1760ppm,Al23濃度2.9ppm,Fe23
濃度2.1ppm,CaO濃度0.9ppm,MgO濃度0.2ppm,BET法による
粒子径40mμ,実施例1に記載の装置を用いた動的光散
乱法による粒子の変動係数0.174,25℃の粘度3.3c.p.で
あり、更に安定性について試験したところ、60℃1ケ月
の保存後でも、又室温で1年の保存後にも粘度の変化が
全く認められなかった。
実施例3 (a)工程〜(c)工程 実施例1と同様に(a)工程、(b)工程及び(c)
工程を行ない室温の高純度安定化シリカ水性コロイド溶
液(SiO23.56重量%,pH7.64,電気伝導度541.0μS/cm,K2
O0.0373重量%,SiO2/K2Oモル比150,Al230.25ppm,Fe2
30.18ppm,CaO0.08ppm,MgO0.02ppm)4,200gを得た。
(d)工程 上記とは別に、(a)工程より得た高純度活性珪酸の
水性コロイド溶液に、試薬特級水酸化カリウムと超純水
より調製した10%水酸化カリウム水溶液を加えて、SiO2
/K2Oモル比が3.90となる高純度珪酸カリウム水溶液を
調製した。調製した高純度珪酸カリウム水溶液は回転式
蒸発器を用いて50℃でSiO2濃度20重量%まで減圧濃縮を
行ない高濃度高純度珪酸カリウム(SiO220.0重量%,K2O
8.05重量%,SiO2/K2Oモル比3.90,Al231.4ppm,Fe23
1.0ppm,CaO0.4ppm,MgO0.1ppm)を得た。
攪拌機、コンデンサー及び滴下ロートを備えた5lのガ
ラス製反応器に、上記の高濃度高純度珪酸カリウム56.0
gと超純水254.0gを投入して、高純度珪酸カリウム水溶
液(SiO23.61重量%,K2O1.45重量%,SiO2/K2Oモル比3.
90)310gを調製し、攪拌下加熱して水の沸騰還流状態に
保った。
(c)工程で得られた高純度安定化シリカ水性コロイ
ド溶液4,000gを上記還流状態にある反応器中の高純度珪
酸カリウム水溶液中へ沸騰状態を保ちながら定量ポンプ
を用いて20時間を要して反応混合物を生成させた。
(e)工程 引き続きこの反応混合液を還流状態に保ちながら2時
間加熱を続けて反応を完結させ、反応混合液(SiO23.56
重量%,pH10.87,電気伝導度1,920μS/cm,K2O0.140重量
%,SiO2/K2Oモル比39.9)を得た。
(f)工程 次いでこの反応混合液に、試薬特級硫酸と超純水より
調製した10重量%硫酸水溶液32.9gを還流下0.5時間を要
して添加した後、引き続き還流下8時間熟成することに
よりシリカゾル(SiO23.54重量%、pH9.98,電気伝導度
2,710μS/cm,硫酸カリウム1360ppm,SiO2/K2Oモル比8
5)を得た。このシリカゾルのシリカ粒子径をBET法によ
り測定したとろ50mμであった。
(g)工程 次いで、このシリカゾルをポリサルホン製管状限外濾
過膜を使用した市販工業製品の限外濾過装置を用いて、
室温でSiO2濃度約40重量%となるまで濃縮した。濃縮
中、液は安定であり、極めて円滑であった。
得られた高純度の高濃度シリカゾルに測定の結果、Si
O2濃度40.4重量%,pH9.45,電気伝導度3,840μS/cm,SiO2
/全アルカリK2Oモル比81,SiO2/滴定法K2Oモル比4
19,硫酸カリウム濃度1,420ppm,Al23濃度2.9ppm,Fe2
3濃度2.1ppm,CaO濃度0.9ppm,MgO濃度0.2ppm,BET法によ
る粒子径50mμ,実施例1に記載の装置を用いた動的光
散乱法による粒子の変動係数0.187,25℃の粘度3.3c.p.
であり、更に安定性について試験したところ、60℃1ケ
月の保存後でも、また室温で1年の保存後にも粘度の変
化がなかった。
実施例4 (a)工程〜(c)工程 実施例1と同様にa工程を行ない、次にb工程におい
て使用するアルカリ金属水酸化物水溶液に試薬特級水酸
化ナトリウムと超純水より調製した10重量%水酸化ナト
リウム水溶液(Na2O7.75重量%)を使用して、室温の高
純度安定化シリカ水性コロイド溶液(SiO23.39重量%,p
H7.65,電気伝導度397.0μS/cm,Na2O0.0261重量%,SiO2/
Na2Oモル比134,Al230.25ppm,Fe230.18ppm,CaO0.08
ppm,MgO0.02ppm)4235gを得た。
(d)工程 攪拌機、コンデンサー及び滴下ロートを備えた5lのガ
ラス製反応器に、(a)工程で得られた高純度活性珪酸
の水性コロイド溶液254.6gと10重量%水酸化ナトリウム
水溶液39.6gと超純水15.8gを投入して、高純度珪酸ナト
リウム水溶液(SiO22.81重量%,Na2O0.987重量%,SiO2/
Na2Oモル比2.93)310gを調製し、攪拌下加熱して水の
沸騰状態に保った。(c)工程で得られた高純度安定化
シリカ水性コロイド溶液4,000gを上記還流状態を保ちな
がら定量ポンプを用いて20時間を要して添加して反応混
合液を生成させた。
(e)工程 引き続きこの反応混合液を還流状態に保ちながら2時
間加熱を続けて反応を完結させ、反応混合液(SiO23.35
重量%,pH10.76,電気伝導度1,675μS/cm,Na2O0.096重量
%,SiO2/Na2Oモル比36.0)を得た。
(f)工程 次いでこの反応混合液に、試薬特級硫酸と超純水より
調製した10重量%硫酸水溶液37.4gを還流下0.5時間を要
して添加した後、引き続き還流下8時間熟成することに
よりシリカゾル(SiO23.32重量%,pH9.98,電気伝導度2,
380μS/cm,硫酸ナトリウム1260ppm,SiO2/Na2Oモル比8
5)を得た。このシリカゾルのシリカ粒子径をBET法によ
り測定したところ31mμであった。
(g)工程 次いで、このシリカゾルをポリサルホン製管状限外濾
過膜を使用した市販工業製品の限外濾過装置を用いて、
室温でSiO2濃度約40重量%となるまで濃縮した。濃縮
中、液は安定であり、極めて円滑であった。
得られた高純度の高濃度シリカゾルは測定の結果、Si
O2濃度40.1重量%,pH9.43,電気伝導度4,430μS/cm,SiO2
/全アルカリNa2Oモル比80,SiO2/滴定法Na2Oモル比2
23,硫酸ナトリウム濃度1490ppm,Al23濃度2.8ppm,Fe2
3濃度2.2ppm,CaO濃度0.9ppm,MgO濃度0.2ppm,BET法に
よる粒子径31mμ、実施例1に記載の装置を用いた動的
光散乱法による粒子の変動係数0.174,25℃で粘度3.3c.
p.であり、更に安定性について試験したところ、60℃1
ケ月の保存後でも、また室温で1年の保存後にも粘度の
変化がなかった。
比較例 (a)工程 実施例1と同様に(a)工程を行ない室温の高純度活
性珪酸の水性コロイド(SiO23.52重量%,pH4.36,電気伝
導度27.30μS/cm,Al230.25ppm,Fe230.19ppm,CaO0.0
8ppm,MgO0.02ppm)4,800gを得た。
(b)工程及び(c)工程は省かれた。
(d)工程 攪拌機、コンデンサー及び滴下ロートを備えた5lのガ
ラス製反応器に、(a)工程で得られ高純度活性珪酸の
水性コロイド溶液254.6gと10重量%水酸化カリウム水溶
液55.4gを投入して、高純度珪酸カリウム水溶液(SiO
23.01重量%,K2O1.50重量%,SiO2/K2Oモル比3.01)310
gを調製し、攪拌下加熱して水の沸騰状態に保った。
(a)工程で得られた高純度活性珪酸の水性コロイド溶
液4,000gを上記還流状態にある反応器中の高純度珪酸エ
リウム水溶液中へ沸騰状態を保ちながら定量ポンプを用
いて添加したところ、4時間経過すると高純度活性珪酸
の水性コロイド溶液は粘度が上昇して、定量ポンプによ
る添加は不可能となった。また6時間経過すると、高純
度活性珪酸の水性コロイド溶液はゲル化した。よって
(d)工程の継続は不可能となった。
実施例5 実施例3の(c)工程と同様にして得られた室温の高
純度安定化シリカ水性コロイド溶液を室温で30時間放置
したものを使用して、実施例3の(d),(e)及び
(f)工程を行ったところ、得られたシリカゾルのシリ
カ粒子径はBET法による測定の結果28mμであった。この
シリカゾルを透過型電子顕微鏡を用いて、観察したとこ
ろ実施例1〜4には見られなかった5〜10mμの小粒子
径シリカ粒子が数多く存在することがわかった。
実施例6 (a)工程〜(c)工程 実施例1と同様に(a)工程、(b)工程及び(c)
工程を行ない室温の高純度安定シリカ水性コロイド溶液
(SiO23.75重量%,pH7.40,電気伝導度519.5μS/cm,K2O
0.0357重量%,SiO2/K2Oモル比157,Al230.25ppm,Fe2
30.18ppm,CaO0.08ppm,MgO0.02ppm)4360gを得た。
(d)工程 攪拌機、コンデンサー及び滴下ロートを備えた5lのガ
ラシ製反応器に、実施例3で作成した高濃度高純度珪酸
カリウム溶液(SiO220.0重量%,K2O8.05重量%,SiO2/K2
Oモル比3.90,Al231.4ppm,Fe231.0ppm,CaO0.4ppm,M
gO0.1ppm)を40.0gと実施例3の(g)工程終了により
得た高純度大粒子径シリカゾル(SiO240.4%,pH9.45,Si
O2/K2Oモル比419,Al232.9ppm,Fe232.1ppm,CaO0.9p
pm,MgO0.2ppm,BET法による粒子径50mμ)136.0gと超純
水1464.0gを投入して、混合液(SiO23.84重量%,K2O0.2
06重量%,SiO2/K2Oモル比29.2)1640gを調製し、攪拌
下加熱して水の沸騰還流状態に保った。次いで、上記
(c)工程で得られた高純度安定化シリカ水性コロイド
溶液2,640gを上記還流状態にある反応器中の混合液中へ
沸騰状態を保ちながら定量ポンプを用いて12時間を要し
て加え、反応混合液を生成させた。
(e)工程 引き続きこの反応混合液を還流状態に保ちながら2時
間加熱を続けて反応を完結させ、反応混合液(SiO23.67
重量%,pH10.82,電気伝導度1,695μS/cm,K2O0.101重量
%,SiO2/K2Oモル比57.1)を得た。
(f)工程 次いでこの反応混合液に、試薬特級硫酸と超純水より
調製した10重量%硫酸水溶液25.6gを還流下0.5時間を要
して添加した後、引き続き還流下8時間熟成することに
よりシリカゾル(SiO23.65重量%,pH10.10,電気伝導度
2,255μS/cm,硫酸カリウム1055ppm,SiO2/K2Oモル比13
3)を得た。このシリカゾルのシリカ粒子径をBET法によ
り測定したところ、70mμであった。
(g)工程 次いで、このシリカゾルをポリサルホン製管状限外濾
過膜を使用した市販工業製品の限外濾過装置を用いて、
室温でSiO2濃度約40重量%となるまで濃縮した。濃縮
中、液は安定であり、極めて円滑であった。
得られた高純度の高濃度シリカゾルは測定の結果、Si
O2濃度40.4重量%、pH9.65,電気伝導度2,620μS/cm,SiO
2/全アルカリK2Oモル比115,SiO2/滴定法K2Oモル
比674、硫酸カリウム濃度940ppm,Al23濃度2.8ppm,Fe2
3濃度2.0ppm,CaO濃度0.9ppm,MgO濃度0.2ppm,BET法に
よる粒子径70mμ,実施例1に記載の装置を用いた動的
光散乱法による粒子の変動係数0.182,25℃の粘度3.0c.
p.であり、更に安定性について試験したところ、60℃1
ケ月の保存後でも、また室温で1年の保存後にも粘度の
変化がなかった。
この実施例の如く、(d)工程において、(g)工程
で得られたゾルと(c)工程で得られる高純度安定化水
性コロイド溶液と高純度アルカリ金属酸化物又は高純度
アルカリ金属珪酸塩の水溶液とをSiO2/M2Oモル比60〜1
00となるまで90〜150℃で混合すると、更にシリカゾル
の粒子径を増大させることができる。
尚、実施例及び比較例での化学組成の分析方法は下記
の通りである。
1) SiO2…重量法 2) 全アルカリK2O及びNa2O濃度…フッ酸処理後、
原子吸光法 3) K2O濃度及び滴定法K2O濃度…中和滴定法(メ
チルオレンジ指示薬) Na2O濃度及び滴定法Na2O濃度…同上 4) Al23,Fe23,CaO及びMgO濃度…フッ酸処理後、
ICP発光分析法 5) pH…室温下での測定値であり、電気伝導度は250
℃での測定値である。
(発明の効果) 上記の如く、貯蔵安定性の悪い高純度活性珪酸の水性
コロイド溶液にアルカリ金属水酸化物水溶液を添加する
ことにより貯蔵安定性の良い高純度安定化シリカ水性コ
ロイド溶液を生成せしめた後、高純度アルカリ金属塩水
溶液と高純度安定化シリカ水性コロイド溶液より、新規
に30mμ以上の高純度大粒子径シリカゾルの効率的製造
法を確立した。
更に、本発明の方法によって得られた高純度の高濃度
大粒子径シリカゾルは、極めて安定であり、これに更に
アルカリ金属水酸化物,アンモニア,第4級アンモニウ
ム水酸化物、水溶性アミン等を加えることによりpH10以
上の強アルカリ性の安定なゾルも得られ、また、陽イオ
ン交換樹脂で処理することによりpH4以下の安定なゾル
も得られる。これらのゾルを混合することによりpH4〜
8.5の安定なゾルを得ることもできる。
このように種々に変成されたシリカゾルも、大粒子径
でありながらしかもその径が揃っている高純度かつ高濃
度であるため、前記用途の他各種の用途に更に性能を向
上させ得るゾルとして極めて有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)、(b)、(c)、(d)、
    (e)、(f)及び(g)の各工程を包含することを特
    徴とする高純度大粒子径シリカゾルの製造法。 (a) SiO2として2〜6重量%のアルカリ金属珪酸塩
    水溶液を水素型陽イオン交換樹脂で処理することによ
    り、アルカリ金属イオンを除去した活性珪酸の水性コロ
    イド溶液を得る工程、 (b) 得られた活性珪酸の水性コロイド溶液に酸を加
    えてpH0〜2.0に調整し、熟成した後、水素型強酸性陽イ
    オン交換樹脂で処理し、続いて水酸型強塩基性陰イオン
    交換樹脂で処理し、再び水素型強酸性陽イオン交換樹脂
    で処理することによりSiO2として2〜6重量%の高純度
    活性珪酸の水性コロイド溶液を得る工程、 (c) 得られた高純度活性珪酸の水性コロイド溶液に
    高純度アルカリ金属水酸化物水溶液を加えて、SiO2とし
    て2〜6重量%、pH7〜8、SiO2/M2O(但し、Mはアル
    カリ金属原子であるK又はNaを表わす。)モル比が100
    〜300の高純度安定化シリカ水性コロイド溶液を得る工
    程、 (d) 上記(c)工程で得られた高純度安定化シリカ
    水性コロイド溶液に高純度アルカリ金属水酸化物水溶液
    を加えることにより得られるSiO2/M2Oモル比が4.5以下
    である高純度アルカリ金属珪酸塩水溶液又はこれを濃縮
    若しくは希釈することにより得られるSiO2濃度8重量%
    以下の高純度アルカリ金属珪酸塩水溶液或いは高純度ア
    ルカリ金属水酸化物水溶液に、上記(c)工程で得られ
    た高純度安定化シリカ水性コロイド溶液を、SiO2/M2
    モル比が20〜60となるまで90〜150℃で充分な攪拌下に
    徐々に添加する工程、 (e) (d)工程に引き続き、(d)工程により得ら
    れた反応混合液を90〜150℃で攪拌下反応を完結せしめ
    る工程、 (f) (e)工程により得られた反応混合液に、該液
    中の前記アルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ金属珪
    酸塩に由来するアルカリ当量の40〜90%に相当する当量
    の酸を添加した後、得られた反応混合液を90〜150℃で
    熟成する工程、 (g) (f)工程により得られたシリカゾルを微細多
    孔性膜により濃縮する工程。
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