JPH0453192B2 - - Google Patents

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JPH0453192B2
JPH0453192B2 JP60211471A JP21147185A JPH0453192B2 JP H0453192 B2 JPH0453192 B2 JP H0453192B2 JP 60211471 A JP60211471 A JP 60211471A JP 21147185 A JP21147185 A JP 21147185A JP H0453192 B2 JPH0453192 B2 JP H0453192B2
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JP
Japan
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composition
recording
film
concentration
amorphous
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JP60211471A
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JPS6273439A (ja
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Kunio Kimura
Noboru Yamada
Masatoshi Takao
Susumu Sanai
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Priority to DE3689815T priority patent/DE3689815T2/de
Priority to DE3689886T priority patent/DE3689886T2/de
Priority to EP86113211A priority patent/EP0217293B1/en
Priority to EP89118260A priority patent/EP0355865B1/en
Publication of JPS6273439A publication Critical patent/JPS6273439A/ja
Publication of JPH0453192B2 publication Critical patent/JPH0453192B2/ja
Priority to US08/053,346 priority patent/US5278011A/en
Priority to US08/053,343 priority patent/US6268107B1/en
Priority to US09/765,677 priority patent/US20010019810A1/en
Priority to US10/389,615 priority patent/USRE42222E1/en
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、光、熱などを用いて高速かつ、高密
度に情報を記録、消去、再生可能な光学情報記録
部材に関するものである。 従来の技術 近年、情報量の増大化、記録、再生の高速化、
高密度化に伴ない、レーザ光線を利用した光デイ
スクが注目されている。光デイスクには、一度の
み記録可能な追記型と、記録した信号を消去し何
度も使用可能な書き換え可能なものがある。追記
型光デイスクには、記録信号を穴あき状態とし
て、再生するものや、凹凸を生成させて再生する
ものがある。書き換え可能なものとしてはカルコ
ゲン化物を用いる試みがあり、Te−Geを初めと
して、これにAs,S,Si,Se,Sb,Biなどを添
加した例が知られている。 これに対し、本発明者らは先に、Te−TeO2
ような酸化物を含んだ系の相転移による反射率変
化を信号とする方式を提案した。さらに、相転移
を利用した書き換え可能な光デイスクとして、
Te−TeO2に対し各種添加物を添加(Sn,Ge,
Bi,In,Pb,Tl,Seなど)した例がある。これ
らの記録部材の特徴は、C/Nが高く、耐湿性に
対しても優れるという特徴を有している。 発明が解決しようとする問題点 カルコゲン化物よりなる書き換え可能な情報記
録部材は、一般的に、記録、消去の繰り返しに対
する安定性が悪いといつた特徴を有する。この理
由は、Te,Geとその他の添加成分が、数度のく
り返しによつて、膜が相分離を生じてしまい、初
期とくり返し後では膜の構成成分が異なることに
帰因すると思われる。消去可能な光デイスクで相
転移を利用する場合、通常は、未記録、消去状態
を結晶質とし、記録状態を非晶質とする方法がと
られる。この場合、記録はレーザ光で、一旦、膜
を溶融させ急冷によつて非晶質にする訳である
が、現在の半導体レーザにはパワーの限界があ
り、できるだけ融点の低い膜が、記録感度が高い
ことになる。このために、上述したカルゴゲン化
物よりなる膜は、記録感度を向上させるために、
できるだけ融点の低い組成、すなわち、Teが多
い膜組成となつている。Teが、他の添加成分よ
り多いということは、くり返し特性においてそれ
だけ相分離が起こし易いことを意味する。したが
つて融点を下げるために添加した過剰のTeをい
かに固定して動きにくい組成にするかが、くり返
し特性や、CNR、消去率の経時変動に大きな影
響を及ぼすことになる。 酸化物を含んだ記録部材にも、以下に記述する
欠点がある。すなわち、消去率が録再消去のくり
返しによつて低下することである。 書き換え可能な光デイスクは、通常、初期状態
を結晶状態とし、記録状態を非晶質として記録を
行なう。消去は初期状態と同様に結晶質とする。
この記録部材の結晶質−非晶質間の相転移は、レ
ーザの徐冷−急冷条件によつて達成される。すな
わち、レーザ光による加熱後、徐冷によつて結晶
質となり急冷によつて非晶質となる。したがつて
記録、消去のくり返しによつて、膜は何度も結晶
質、非晶質状態を経ることになる。この場合、膜
に酸化物が存在すると、膜の粘性が高いので、カ
ルコゲン化物の泳動性が少なくなり、膜組成の偏
折が生じやすくなる。さらに、酸化物の存在は膜
自身の熱伝導が悪くするので、レーザ光の入射側
と反対側の膜厚間で温度分布差を生じ、膜組成の
偏折はやはり生ずる。こうした理由により、酸化
物を含んだ膜は、記録、消去のくり返しによつて
次第に特性が変化するなどの欠点を有していた。 本発明は、上述した酸化物を含む膜のくり返し
特性を向上させることを目的とし、さらに、カル
コゲン化物よりなる従来組成の欠点(C/Nが低
い、消去率が充分ではない、耐湿性、耐熱性が悪
い、くり返し特性が充分ではない)を克服したも
のである。 問題点を解決するための手段 本発明における書き換え可能な記録層は、Te
−Ge−Se−Bi系の組成物であつて、Te、Ge、
Seの組成はその合計原子比を100at%とする3元
組成図である第1図のA1,B1,C1,D1,E1の点
を結んだ領域内にあるとともに、Te、Ge、Seお
よびBiの合計原子比を100at%としたときBiの濃
度が15〜35at%である材料により構成される。 作 用 本発明の特徴は、結晶化転移温度が高いTe−
Ge−Se系にBiを添加して過剰のTeを固定するこ
とにある。BiはTeと化合物(Bi2Te3)を形成
し、Te濃度が50at%以上のBi−Te系では、融点
が最も高い場合、(Bi2Te3)でも585℃である。
この温度は他のTe−Ge,Te−Se、などと比較
しても200℃近くも低い。したがつて、Biの添加
は、Teを母材とする膜の融点を上昇させること
なしに、過剰なTeを固定することが可能となる。 実施例 本発明は、Te−Ge−Se−Biにより構成され
る。本発明においてTeは、Bi、あるいはGeと結
合した状態で、記録前後によつて光学的濃度変化
を呈する母材である。Seは単独でも、またTeと
の化合物状態でも非晶質膜を作成することが容易
である特徴を有するものの、逆に結晶化速度が遅
いこと、結晶転移温度が低い(100℃)ことな
どの欠点を持つ。Te−SeにGeを添加することに
より、結晶転移温度は上昇するが、結晶化速度は
改善されず、光デイスクの実用上必要な結晶化速
度(数百ns)は得られない。本発明はTe−Ge−
Seで構成される、上述した特長、すなわち、結
晶化転移温度が高いことを活かし、しかも欠点で
ある結晶化速度が遅いことをBiを添加すること
により、大巾に改善し、実用可能な書き換え可能
な記録膜を提供しようとするものである。 本発明において、Te、Ge、Se、Biは結晶状態
において、GeTe、GeSe2、Bi2Te3などの結晶状
態をとるものと思われる。この中で、GeSe2は非
晶質状態が安定で、結晶化湿度は470℃程度であ
り、しかも結晶化速度は遅い。このため、膜中に
あつては、主に結晶化転移温度を高め、非晶質化
を容易にする役割を担つているものと思われる。
Ge−Teは、GeとTeの比によつて、結晶化が容
易な領域に別れる。すなわちGe−Te系で、比晶
質状態が最も安定な領域は、Te濃度が70at%程
度のGeTe2が生成される領域である。この点を境
にしてGeが増えると、(量論に近いGeTe濃度が
増すと)、結晶化速度は速くなる。本発明におい
てGeはGeSe2としての他の、GeTeを形成してお
り、Ge−Te−Se系においてGeTeは結晶化速度
を向上させることに寄与しているものと思われ
る。しかしながら、Te−Ge−Seで構成される系
では、実用可能な結晶化速度の速い組成は、Se
量が少なく、GeTeの量論に近い領域となる。こ
の領域の特徴は、結晶化速度は速いものの、
GeTeの融点が725℃と高いため、非晶質化が困
難なことである。したがつて、実用可能な領域
で、結晶化、非晶質化を可能にするのはGe濃度
が低く、Se濃度が高い領域である。 この領域の特徴は、結晶化温度は高いが、結晶
化速度が遅いことである。Biの添加により、膜
中で過剰なTeとBi2Te3を形成し、結晶化を促進
させることができる。Teとの化合物で、結晶化
を促進する元素は、上述したBiに限らず、Sn,
Pb,Pd,Ni,Co,Crなど種々の材料がある。
こうした材料は、確かに、結晶化速度が速いとい
う特徴を有し、添加量を限定することにより、追
記型材料(W/O材料)となり得るが、書き換え
可能な光デイスク材料としては適さない。その理
由は、上述した元素とTeとで構成される合金の
融点が高いことによる。 しかし、こうした材料でもレーザパワーが強
く、膜を充分に溶融させることが可能であれば、
消去可能なデイスクとして使用することは可能で
ある。現在、我々が実用上入手できる半導体レー
ザは、波長が830nmでパワーは30mW程度であ
り、Te、Ge、Seの量論に近い組成(TeGe,
GeSe2)を溶融させることは困難である。(融点
が800℃程度)Te−Ge−Seで記録、消去可能な
領域は、Teが非常に多い領域(80at%以上)に
あるが、この領域の組成は転移温度が低く、熱的
に不安定であること、Teが過剰なため、くり返
しによつて、TeとTeGeあるいはGeSe2に膜が相
分離を起こしやすいことなどの欠点を有してい
る。 本発明のBiは、この過剰のTeをBi2Te3として
安定化させる働きを有する、BiはTeとの合金系
ではTeが50at%以上では、融点が585℃以下で、
Biを添加してもTeの融点が451℃なので、融点を
それ程上昇させることはない。そのため、Biを
添加した膜は現行の半導体レーザパワーでも充分
に溶融させることが可能である。しかも熱的に不
安定な過剰TeをBi2Te3として結合させているた
め、熱的に安定で、かつ、記録、消去のくり返し
によつても相分離を生ずることなく、長期に亘つ
て安定な膜となる。 Biの添加量は、Ge、Seと結合した残りの過剰
Teを固定化するので、必要なBi濃度はTe/(Ge
+Se)の量に支配される。 すなわち、Biの添加量は、Ge−Te−Se系の組
成比により異なる。例えば、比較的Se成分の多
い領域(Se≧25at%)においては、非晶質とし
て安定なので、結晶化を促進させるBiの添加量
は多くなる(25〜35at%)。逆にSe成分の少ない
領域(Se≦15at%)では、比較的結晶化速度が
速いので、少ないBi濃度(10〜25at%)で充分
である。同様に、Ge濃度の多い領域(Ge≧25at
%)は、結晶化速度は速いので、Bi濃度は低く
(10〜25at%)Ge成分の少ない領域(Ge≦10at
%)では結晶化が困難なので、比較的多いBi量
を必要とする。 第1図に、本発明のTe−Ge−Sn−Biより構成
される記録部材の適正範囲を示した。図はTe−
Ge−Seより構成されているが、Bi濃度は第1図
に示されたTe−Ge−Se組成に対し、15〜35at%
である。 (Bi濃度は(TexGeySez100-nBinで示した場
合のmに相当、ただし、x+y+z=100) 第1図において各点は以下の組成である。 A1点:Te90Ge5Se5 B1点:Te60Ge5Se35 C1点:Te40Ge25Se35 D1点:Te40Ge40Se20 E1点:Te55Ge40Se5 本発明は上記、Te−Ge−Seの三元系のA1B1
C1D1E1点で囲まれた範囲内であつて、かつ、Bi
濃度が式(TexGeySez100-nBinで表わした場合、
mの値として15〜35at%の範囲内にある。線A1
B1よりGeが少ない場合、膜はTe−Seが過剰とな
り、結晶化転移温度は低く(<120℃)、実用上安
定な記録膜を得ることが困難である。線B1C1
りSeが多い場合は、TeSe、GeSe2の形成量が多
くなり、安定な非晶質膜となり、結晶化が困難と
なる。線C1D1よりTeが少ない場合、結晶化に必
要なBi2Te3の量も少なくなるので、記録部と未
記録部の信号のコントラスト比が低く、充分な記
録特性が得られない。線D1E1よりGeが多い場合、
この領域は、量論的なGeTeが生成する領域で、
結晶化速度は上昇するが、融点の高いGeTeが多
量に存在するので、非晶質化が困難となる。線
A1E1よりSe量が少ない場合は、GeSe2量が少な
くなるため、非晶化が困難となる。しかし同じ
A1E1線上でもGeが少ない場合はGeTe量が少な
いため、非晶質化は比較的容易であるが、結晶化
転移温度が低くなる。 上述した傾向は、当然ながら、添加するBi量
によつて異なつてくる。Te−Ge−Seからなる組
成を限定しBi量を変化させると、Bi量が少ない
場合は非晶質化が容易で、Bi量が増えるに従つ
て結晶化が容易となる。この適正なBi量はTe、
Ge、Seによつて構成される膜の特性によつて異
なるが、本発明の範囲内では15〜35at%で、実用
的な書き換え可能な記録膜が得られる。 以上述べた理由により、本発明は、第1図にお
いて、点A1−B1−C1−D1−E1で囲まれた範囲内
に限定される。すなわち、この領域内のTe−Ge
−SeにBiを15〜35at%添加した場合、実用上、
結晶質と非晶質の可逆性を利用して、情報の記
録、消去が可能となる。 次に第1図のA2−B2−C2−D2−E2あるいはA3
−B3−C3−D3−E3によつて囲まれた領域につい
て述べる。この領域は、第1図のA1−B1−C1
D1−E1で囲まれた範囲より、より実用的な組成
範囲を示してある。 第1図においてA2−B2−C2−D2−E2各点の組
成を以下に示す。 A2:Te83Ge7Se10 B2:Te63Ge7Se30 C2:Te45Ge30Se25 D2:Te45Ge35Se20 E2:Te55Ge35Se10 この各点で囲まれた領域におけるBi濃度は15
〜30at%である。(ただし、(TexGeySez100-nBin
におけるmの値で、x+y+z=100とする。) この領域の非晶質から結晶質への転移温度は
130〜170℃以内である。転移温度はA2が最も低
く、線C2D2の方向にSe、Ge濃度が増えるに従つ
て温度は上昇する。結晶化を促進する上で必要な
Bi濃度は、A2点に近い領域では少なく、線C2D2
に近い領域では多くなる。すなわち、A1に近い
領域では、過剰のTeが多く、結晶化速度は速い
ので多くのBi量を必要とせず、C2D2に近い領域
は結晶化が困難なため、多くのBi量を必要とす
る。 その結果、点A1ではTeGe、GeSe2の量が少な
く過剰Teも残存しているので安定な非晶質状態
が形成されず、結晶転移温度は低くなる。A2
よりSe量が多くなると(B2点)転移温度は上昇
するが、結晶化速度は遅くなる。A2点よりGeが
多くなると、転移温度は上昇し、結晶化温度も高
くなるが、非晶質化が困難となる。すなわち、点
A2−B2−C2−D2−E2で囲まれた点で、Bi量が15
〜30at%である場合は、用途、目的に応じて、結
晶化転移温度、結晶化速度の適正値を選択するこ
とが可能である。しかし、このA2−B2−C2−D2
−E2点で囲まれた領域内であつても、現在、市
販されている半導体レーザ出力(25mw程度)
で、全ての点で、録再が可能とは限らない。点
A3−B3−C3−D3−E3で囲まれた領域は、現行の
半導体レーザパワーの範囲で録再が可能で、結晶
化速度が速く、かつ熱的安定性を示す結晶化転移
温度も高く(150〜180℃)より実用的な領域であ
る。この領域における必要なBi量は15〜25at%
である。Biの添加はTe−Ge−Seだけよりなる系
に比べ、結晶への転移温度を10〜30℃高める働き
を有する。しかもBiの添加によつて膜の融点は
下がるため、非晶質化に対しては都合がよい。こ
の理由は、BiはTe濃度に対して40%以下である
場合、最大でも、融点が622℃以下であることに
起因する。一方、Ge、Seなどの場合は、Te濃度
に対し、50at%以下の場合、各々、最大で725℃、
790℃となる。それ故、Biの添加は、熱的安定性
を示す転移温度を上昇させる効果と、膜の融点を
下げ、非晶質化を容易にするといつた利点を有す
る。 以上述べた理由により、本発明のTe−Ge−Se
−Biの最適組成は限定される。 次に本発明による光学情報記録部材の製法につ
いて述べる。 第2図は、本発明の記録層を用いて構成した光デ
イスクの断面の模式図である。図において、1,
5は基板を表わしており、材質は、ポリカ−ボネ
−ト、アクリル樹脂、ガラス、ポリエステル等の
透明な基材を用いることが可能である。2,4は
保護層で、種々の酸化物、硫化物、炭化物を用い
ることができる。この保護層2,4は記録膜3の
記録、消去の繰り返しによる基材の熱劣化を防ぐ
ものであり、さらに、記録膜3を湿度より保護す
るものである。したがって、保護層の材質、膜厚
は、上述した観点より決定される。記録膜3は、
蒸着、スパツタリング等によつて形成される。蒸
着で行なう場合は各組成を単独に蒸着可能な4ソ
ース蒸着機を用いるのが、均一膜を作成できるの
で望ましい。 本発明の記録膜3の膜厚は、保護層2,4の光
学特性とのマツチング、すなわち、記録部と未記
録との反射率の差が大きくとれる値とする。 以下、具体的な例で本発明を詳述する。 実施例 1 4源蒸着が可能な電子ビーム蒸着機を用いて
Te、Ge、Se、Biをそれぞれのソースから基材上
に同時に蒸着した。用いた基材はφ8mmのガラス
で、蒸着は真空度が1×10-5Torr、基材の回転
速度150rpmで行ない、膜厚は1000Åとした。各
ソースからの蒸着速度は記録膜中のTe、Ge、
Se、Biの原子数の割合を調整するため、変化さ
せた。第1表の組成の割合は、この蒸着の速度よ
り換算した値であるが、代表的な組成をX線マイ
クロアナライザー(XMA)で行なつたところ、
仕込値とほぼ同様の定量結果が得られた。したが
つて、表中の仕込み組成は、膜中でも同じと思わ
れる。 上記製法によつて作成された試験片の評価方法
を以下に記す。 〔転移温度〕 転移温度とは、蒸着直後の非晶質状態の膜が熱
によつて結晶状態になる開始温度を意味する。測
定は、膜の透過率の測定が可能な装置を用い、ヒ
ーターにより試験片の温度を昇温速度1℃/sec
で上昇させた場合の透過率が減少を開始する温度
とした。 転移温度が高いことは、膜が熱的に安定である
ことを意味する。 〔黒化、白化特性〕 黒化特性とは、非晶質から結晶質への変態に対
しての転移速度を示したもので、白化特性は結晶
質から非晶質の転移速度を示したものである。 測定は、φ8mmのガラス片上の記録膜に、レン
ズを用いて、レーザ光を集光させ、サンプル片を
上下、左右移動可能とした装置を用いて行なつ
た。レーザ光のスポツトは45×0.4μm、パルス巾
200ns、パワー密度10.6mW/μm2波長は900nm
とした。黒化特性は、試験片を比較的、緩かに移
動させた場合の変態(非晶質から結晶質)の速度
を観察し、速度が充分早く、かつ未記録部分と記
録部分のコントラスト比が充分大きいものを◎と
した。×は緩やかに移動させても、黒化しないも
の、あるいは、コントラスト比が小さいものを示
す。○、△は◎と×の中間に位置する。この定性
的な表現において、実用可能な黒化特性は○以上
である。 次に白化特性について述べる。白化特性を観る
場合は、まず、一旦、黒化し、その上を試験片を
速やかに移動させ、急冷状態を作り、白化(結晶
質から非晶質)させる。白化状態が◎のものは、
移動速度が比較的緩やかでも、白化し、しかも非
晶質部分と結晶質部分のコントラスト比が大きい
ものを示し、×は全く白化しないものを示してい
る。○と△は、◎と×の中間に位置する。 上述した表現によれば、黒化、白化特性とも非
常にすぐれている場合は、◎,◎となるが、実際
問題としては同じ移動速度で、どちらも◎となる
ことはあれ得ず、望ましい材料としては、◎,○
あるいは◎,△と、多少黒化特性が優れているも
のである。 第1表に、本発明の範囲でBi濃度を30at%と
して作成した膜の転移温度と、黒化、白化特性の
結果を示す。
【表】 第1表の結果より明らかなように、本発明の範
囲にあるTe−Ge−Se−Bi系記録薄膜は、黒化及
び白化が、それぞれ可能である。即ちこの範囲内
にある記録部材は、加熱条件、例えば照射するレ
ーザー光線の照射強度、照射時間を適当に選ぶこ
とで非晶質状態と結晶状態のいずれの状態も、と
ることが可能であり、光学的に情報を記録し、か
つ消去することが可能である。 本実施例においてはBiの濃度を20at%とした
が、上述の黒化白化特性は、Biの濃度に強く依
存する。一方、転移温度も又、それほど強くはな
いがBi濃度に依存する。 実施例 2 実施例1と同様の作成法、評価法を用い、Te
−Ge−Se系にBiを添加した場合の濃度依存性に
ついて調べた結果を第2表に示す。一例として
Te60Ge20Se20組成を選び、Bi濃度を10〜40at%の
範囲で変化させる。
【表】 第2表の結果から明らかなように、Te60Ge20
Se20に、Biを添加した場合、Bi濃度が15〜35at%
にある場合、レーザー光線によつて、結晶化、非
晶質化のいずれも可能であり、光学記録部材とし
て有効である。 結晶−非晶質の相変態を記録原理として用いる
場合、記録(非晶質化)速度は、照射部が溶融す
るまでの時間、消去(結晶化)速度は、原子配列
の秩序が回復する時間に依存し、一般に前者は後
者に比べて十分速い。従つて本発明の組成領域を
例えば光デイスクに適用する場合、主としてその
消去速度がデバイスとしてのスペツクを決定す
る。 即ち、デバイスとしての使用条件、例えば光デ
イスクの場合には、その回転速度記録半径(線速
度)に応じて組成を選べば良い。即ち、Bi濃度
の低い組成の場合には記録感度(白化感度)は高
いが、消去感度(黒化速度)が低い。従つて、回
転速度が比較的遅い場合に有効である。逆に、
Bi濃度の高い組成の場合には、消去感度(黒化
速度)は十分であるので高速回転に適用可能であ
る。ただし、この場合は、やや大きい記録パワー
を必要とする。 Biの添加効果は、Ge−Te−Se系の組成比によ
りやや異なつている。例えば、比較的Se成分の
多い領域(Se≧25at%)においては比較的Bi濃
度の高い領域20〜35at%が良好な特性を示し、比
較的Se成分の少ない領域(Se≦15at%)におい
ては比較的Bi濃度の低い領域10〜25at%が良好
な特性を示した。同様に、比較的Ge成分の多い
領域(Ge25at%)においては比較的Bi濃度の
低い領域(10〜25at%)、Ge成分の少ない領域
(Ge≦10at%)が良好な特性を示した。 実施例 3 基材として光ガイド用のトラツクを備えた1.2
オメφ200mmのポリカーボネイト樹脂基材を用い、
記録膜として、(Te60Ge20Se2080Bi20の薄膜を用
いて光デイスクを試作した。 まず、基材上に耐熱層としてZnS薄膜を900Å
蒸着し、その上に記録層を約1000Åの厚さに蒸着
し、更にその上に、同じく耐熱層としてZnS薄膜
を1800Å蒸着した。 この光デイスクの基板側から、光学系を用いて
絞り込んだレーザ光線を照射して信号を記録し、
直ちに消去を行なつた。記録に先立つて、スポツ
ト形状が1μm×10μmの長楕円形のレーザ光線を
14mWの強さでトラツクにそつて照射し、トラツ
ク内の記録膜を結晶化し、次に0.9μmφに絞り込
んだレーザ光線を8mWの強さで照射した。記録
周波数は2MHz、デイスクの回転速度は5m/sで
ある。このとき照射部は非晶質化され、トラツク
に沿つて信号が記録された。スペクトラムアナラ
イザーで、C/Nを測定したところ、50dBが得
られた。このトラツク上に、前述の長楕円スポツ
トを照射したところ、信号は完全に消去された。 実施例 4 実施例3における光デイスクを用いて、寿命試
験を80℃、60%RHの条件下で行つた。試験方法
は、予じめ情報を記録しておき、上記条件で保持
後のC/Nの劣化をみた。1ケ月経過後のC/N
の低下は−0.5dBと無視できる程度であつた。 実施例 5 実施例3における光デイスクの記録、消去の繰
り返し特性を評価した。 10万回記録、消去を繰り返した後のC/Nの低下
は、約1dB程度であつた。 発明の効果 本発明によるTe−Ge−Se−Bi記録薄膜は、耐
熱性及び耐湿性に極めて優れ、記録−消去を繰り
返しても膜が破壊されることが無い。即ち、本発
明によつて実用上、極めて優れた光学情報記録部
材が提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による光学情報記録部材の組
成の範囲を示す組成図、第2図は本発明の一実施
例における光学情報記録部材の構成を示した断面
図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 基板上にレーザ光線の照射によつて非晶質相
    と結晶質相との間で可逆的な相変化が生じる薄膜
    を形成した情報信号の書き換え可能な光学情報記
    録部材において、前記薄膜はTe,Ge,Seおよび
    Biを主成分とし、この主成分のうちTe,Geおよ
    びSeの組成は一般式 (Tex,GEy,Sez) においてx,yおよびzをat%で表しx+y+z
    =100としたとき、40≦x≦90,5≦y≦40およ
    び5≦z≦35であり、Biの組成はTe,Ge,Seお
    よびBiの合計を原子比で100at%としたとき15〜
    35at%の範囲にある光学情報記録部材。 2 Te,GeおよびSeの組成が45≦x≦83,7≦
    y≦35および10≦z≦30であり、Biの組成が15
    〜30at%の範囲にある特許請求の範囲第1項記載
    の光学情報記録部材。 3 Te,GeおよびSeの組成が50≦x≦75,10≦
    y≦30および15≦z≦25であり、Biの組成が15
    〜25at%の範囲にある特許請求の範囲第1項記載
    の光学情報記録部材。 4 Te,GeおよびSeの組成が55≦x≦70,10≦
    y≦25およびz=20であり、Biの組成が15〜
    25at%の範囲である特許請求の範囲第1項記載の
    光学情報記録部材。
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