JPH0450186Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は四輪駆動車の四輪駆動時のみ回転駆動
される車軸と車輪ハブ間に介装されて車軸と車輪
ハブを動力伝達可能に接続するフリーホイールハ
ブ装置に関するものである。

（従来の技術） 本考案に係る従来技術としては、例えば実開昭
59−51620号公報に開示されたものがある。

これは、車軸管の外端部に回転自在に組付けた
車軸ハブの外端に固着されるボデー、ボデー内に
て車軸管内に挿通される車軸の外端突出部に動力
伝達可能に連結されるインナースリーブ、ボデー
に軸方向摺動可能に組付けられたクラツチリン
グ、ボデーに回動可能に取付けられるハンドル、
ハンドルに連動してクラツチリングを軸方向に摺
動させてインナースリーブと係合させるカムフオ
ロアから成るフリーホイールハブ装置であり、ハ
ンドルを手動にして回動することによつてクラツ
チリングとインナースリーブを噛み合わせて動力
伝達可能とさせるものである。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記技術では手動により二輪か
ら四輪に動力を変換するためのハンドル切換え操
作を手動で車輪部で行うため、その都度車外へ出
る必要があり、気象条件や路面状況の悪い時には
不便でわずらわしいものであつた。

そこで本考案の出願人は、運転席等からでも切
換え操作が出来るように、電気スイツチによつて
モータでハンドル切換えを行なう形式のフリーホ
イールハブ装置を先に出願している。

本考案は、この形式のフリーホイールハブ装置
を車軸に容易に組付けできるようにすることを、
その技術的課題とするものである。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 上記技術的課題を達成するために講じた技術的
手段は、ハンドルに連結されハンドルを駆動する
モータをボデーの側壁に嵌装すると共に、車軸管
と車輪ハブの一方にスリツプリングを固定し、車
軸管と車輪ハブの他方にスリツプリングに相対す
るブラシを固定し、車軸管に固定したスリツプリ
ング若しくはブラシを電源に連結し、車輪ハブに
固定したブラシ若しくはスリツプリングの端子と
モータの端子とを、凹凸嵌合にて連結することで
ある。

（作用） 上記技術的手段は次のように作用する。

すなわち、スツリプリングとブラシは車軸管と
車輪ハブに固定される。またモータはボデーの側
壁に嵌装される。モータと、モータに相対する車
輪ハブに固定したブラシ若しくはスリツプリング
とには凹凸端子が設けられる。従つて、この凹凸
端子を相対位置に合わせ、嵌合させることによ
り、ワンタツチで連結可能となる。この位置でボ
デーを車輪ハブに固定すればよい。車軸管側のス
リツプリング若しくはブラシは電源に連結されて
いるため、電源を例えば運転席で0N−0FF操作
すれば、モータが駆動し、ハンドルを回して二輪
−四輪の切換えを行うことができる。

（実施例） 以下本考案の一実施例を第１〜４図にもとづい
て説明する。このフリーホイールハブ装置におい
ては、車軸管１４の外端上にベアリング３０，３
１を介して回転自在に組付けた車輪ハブ１９の外
端部に筒状のボデー１がカバー２とともにボルト
３により固定されている。ボデー１内にスナツプ
リング５によりリング４が係止され、車軸８と一
体回転するインナースリーブ６はリング４に回転
可能に支持されプレート９、スナツプリング５で
係止されている。ハンドル１２はボデー１に取り
つけられたカバー２のボス部２ａに装着され回転
自在に支持されている。このハンドル１２のボス
１２ａには円周上にカム１２ｂが形成されてい
る。ハンドルのボス部１２ａの外周上にはカムフ
オロア１０が組込まれ、その爪部１０ａがカム面
１２ｂに当接している。

カムフオロア１０に当接してクラツチリング７
がある。このクラツチリング７はその外周面とボ
デー１の内周面とがスプライン結合し軸方向に摺
動可能に取りつけられる。クラツチリング７とカ
ムフオロア１０との間にはテンシヨンスプリング
１３、及びカムフオロア１０とハンドル１２との
間にはコンプレツシヨンスプリング１１が設けら
れる。クラツチリング７の内周面及びインナース
リーブ６の外周面には相互に噛合可能なスプライ
ン７ａ，６ａが各々設けられる。ボデー１の側壁
内にシヤフト１６ａをもつモータ１６が固定され
ている。シヤフト１６ａの先端部にピニオンギヤ
１５が設けられ、ピニオンギヤ１５と噛み合うよ
うにハンドル１２の外周部にギヤ１２ｃが設けら
れる。ベアリング３１の端面にはベアリング３１
の抜止め用にロツクプレート３２とロツクナツト
３３が組付けられる。ロツクナツト３３は車軸管
１４にねじ結合し、ロツクプレート３２は車軸管
１４にスプライン結合し、相互でボルト３４で結
合される。ロツクプレート３２の外周部にはスリ
ツプリング３５，３５が固定される。車軸管１４
には通穴１４ａが設けられ、電気コード３６が貫
通している。この電気コード３６は一方は車軸管
１４の外端部からロツクプレート３２のスリツプ
リング３５，３５の端子に連結され、他方は車内
の制御ボツクス２０、電源２２及び運転席のスイ
ツチ２１に連結される。スイツチ２１は正転側２
１ａ、逆転側２１ｂ、中立２１ｃの３点切換えと
なつている。スリツプリング３５，３５に相対す
る車輪ハブ１９にはブラシボツクス３７が固定さ
れるこのブラシボツクス３７にはばね３８，３８
が収容され、その一端にスリツプリング３５，３
５に当接するブラシ３９，３９が取付けられる。
ばね３８，３８の他端には凹端子４０，４０が連
結され、モータ１６の凸端子１６ｂ，１６ｂと嵌
合している。

以上の構成において、フリーホイールハブ装置
のボデー１を車輪ハブ１９にボルト３締めする
際、モータ１６の凸端子１６ｂをブラシボツクス
３７の凹端子４０に嵌合しさえすれば、ワンタツ
チでモータ１６と車輪ハブ１９との配線が可能と
なる。

尚、フリーホイールハブ装置の作動は以下の如
くである。

第１図のクラツチリング７がインナースリーブ
６と離脱している状態からスイツチ２１を正転側
２１ａに入れると、スリツプリング３５を介して
モータ１６に電流が供給されシヤフト１６ａが正
回転し、ピニオンギヤ１５と噛み合つているハン
ドル１２が正回転し、カムフオロア１０の爪部１
０ａがハンドルのカム面１２ｂにそつて軸方向へ
移動（第１図で左移動・第３図の二点鎖線位置へ
来る）するため、クラツチリング７も同方向へ移
動しインナースリーブ６と係合して、車軸８と車
輪ハブ１９が連結され四輪が駆動可能となる。

前記クラツチリング７とインナースリーブ６が
係合状態の時、スイツチ２１を逆転側２１ｂに入
れると、モータに電流が供給されシヤフト１６ａ
が逆回転し、ハンドル１２も逆回転する。この
際、クラツチリング７とインナースリーブ６との
間には摩擦力が生じており、カムフオロア１０の
爪部１０ａがテンシヨンスプリング１１によつて
ハンドルのカム面１２ｂにそつて軸方向（第１図
で右方向）へ移動しようとするが、クラツチリン
グ７は、上記摩擦力テンシヨンスプリング１３と
の釣り合い状態で止るが、この後車両が動いて車
軸８と車輪ハブ１９との間で相互回転を生じる
と、インナースリーブ６とクラツチリング７との
間でも相互回転を生じ、これにより両者間の摩擦
がなくなつて、テンシヨンスプリング１３によつ
てクラツチリング７が軸方向（第１図で右方向）
へ移動し、インナースリーブ６から外れて二輪が
自由となり二輪駆動状態となる。

スイツチ２１を中立２１ｃとする事によりモー
タ１６は非通電状態となり四輪駆動、二輪駆動の
いずれか前操作でセツトした状態を保持する。

第５図及び第６図は別の実施例であり、車軸管
１４のロツクプレート３２にブラシボツクス３７
が固定され、車輪ハブ１９にスリツプリング３５
が固定される。スリツプリング３５には凹端子４
０が連結され、モータ１６の凸端子１６ｂと嵌合
する。他の構成、作動は第１図の実施例と同一で
ある。

〔考案の効果〕

二輪駆動、四輪駆動の切換えを車輪ハブに取り
つけられたハンドルを手動で行つていたが、モー
タをフリーホイールハブ装置のボデー側壁内に取
りつける事で、スイツチ操作を運転席で行うだけ
で切換え可能となる上、モータと車輪ハブとの配
線の連結を凹凸端子を嵌合させるだけのワンタツ
チで行うためボデーの車輪ハブへの装着が非常に
容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るフリーホイールハブ装置
の断面図、第２図は第１図のブラシボツクス部の
正面図、第３図は第１図のカム面のプロフイルを
示す図、第４図は第１図に係る電気回路図、第５
図は本考案の別の実施例の断面図、第６図は第５
図のブラシボツクス部の正面図である。 １……ボデー、１４……車軸管、１６……モー
タ、１６ｂ……端子、１９……車輪ハブ、３５…
…スリツプリング、３７……ブラシボツクス、３
８……ばね、３９……ブラシ、４０……端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車軸管の外端部に回転自在に組付けられた車輪
   ハブの外端に固定されるボデー、該ボデーの内部
   で前記車軸管内に挿通した車軸の外端突出部上に
   動力伝達可能に連結されるインナースリーブ、前
   記ボデーに軸方向に摺動可能に組付けられたクラ
   ツチリング、前記ボデーの外端開口部に固定した
   カバーを介して回転可能に組付けられたハンド
   ル、該ハンドルに連動して前記クラツチリングを
   軸方向へ摺動させて前記インナースリーブと係合
   せしめるカムフオロアをそなえたフリーホイール
   ハブ装置において、前記ハンドルに連結され前記
   ハンドルを駆動するモータを前記ボデーの側壁に
   嵌装すると共に、前記車軸管と前記車輪ハブの一
   方にスリツプリングを固定し、前記車軸管と前記
   車輪ハブの他方に前記スリツプリングに相対する
   ブラシを固定し、前記車軸管に固定した前記スリ
   ツプリング若しくは前記ブラシを電源に連結し、
   前記車輪ハブに固定した前記ブラシ若しくは前記
   スリツプリングの端子と前記モータの端子とを、
   凹凸嵌合にて連結してなるフリーホイールハブ装
   置。