JPH0449186B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、音声信号等のアナログ信号をパルス
符号変調（以下、単にPCMと称する）して記録
するマルチトラツク固定ヘツド式のデジタル信号
記録再生装置（以下、PCMレコーダと略称する）
に係わり、特に曲の頭出しまたは編集等を容易に
行うことのできるデジタル信号記録再生装置に関
するものである。

最近、高忠実度音声デープレコーダとして
PCMレコーダが開発されているが、その中でも
通常のアナログ式テープレコーダと同一のテープ
走行系を有するマルチトラツク固定ヘツド式の
PCMレコーダは、機械的に簡単であるので実用
化が進められている。この種のPCMレコーダに
おいては、アナログ式テープレコーダに比べて劣
る機能の一つに曲の頭出し及び編集を正確に行う
ことができないという難点がある。すなわち、ア
ナログ式テープレコーダでは、磁気テープのトラ
ツクに記録された信号を再生する際にそのアナロ
グ回路系を再生モードに設定し、機構的にはスト
ツプモードにして、供給リールおよび巻取りリー
ルを両手で持ち、手でテープを走行させると、曲
のある部分では、“ウオウオ”という音が再生さ
れるため、そのテープ上の曲の位置を正確に知る
ことができるとともに、早送りあるいは巻戻しの
時にもアナログ回路系を再生モードに設定するこ
とにより所謂“モンキーボイス”を聞くことがで
きる。しかしながら上記のPCMレコーダにあつ
ては、アナログ式テープレコーダと同様な状態で
PCM回路系を再生モードにして信号を再生して
も、各回路を駆動制御するクロツクパルスが再生
されないかまたは再生されても非常に不整である
ため、各トラツクにPCMで記録された信号を復
調することができず、曲の頭出しあるいは編集等
に支障をきたす不都合があつた。

本発明は、上記のような欠点を除去するために
なされたもので、曲の頭出しあるいは編集点検出
を容易にかつ正確にできるマルチトラツク固定ヘ
ツド式のPCMレコーダを提供することを目的と
するものである。

以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。

第１図は、本発明のPCMレコーダの一実施例
を示す原理的な構成図で、複数チヤンネルに対応
するアナログ信号を記録再生する場合を示してい
る。同図において、１は図示しないテープ走行駆
動機構によつて矢印方向に走行可能な磁気テー
プ、２はアナログ入力信号として音声信号を入力
とする電気回路本体であり、この電気回路本体２
は、音声信号のチヤンネル数に対応して一対のア
ナログ回路系３ａ，…３ｎとPCM回路系４ａ，
…４ｎとからなつている。このアナログ回路系３
ａ，…３ｎは各出力をヘツド５ａ，…５ｎに送出
することにより磁気テープ１に音声信号の１チヤ
ンネル当たり１つのトラツク６ａ，…６ｎをそれ
ぞれ形成して入力される音声信号をアナログ状態
で記録するとともに再生する機能を有し、PCM
回路系４ａ，…４ｎは各出力をマルチトラツク固
定ヘツド７a1〜７a3，…７n1〜７n3に送出する
ことにより磁気テープ１に所要数のトラツク８
a1〜８a3，…８n1〜８n3を形成してPCM記録を
行いかつそれらを復調する機能を有するようにな
つている。この場合、各アナログ回路系３ａ，…
３ｎには通常のアナログ式テープレコーダに用い
られている信号記録再生回路が使用できるもので
あり、記録モードでは、このアナログ回路系３
ａ，…３ｎによつて、入力端子９ａ，…９ｎに入
力された複数チヤンネルの音声信号は、各ヘツド
５ａ，…５ｎにより磁気テープ１上にアナログ状
態で記録し、トラツク８a1〜８a3，…８n1〜８
n3と並行かつ同期したトラツク６ａ，…６ｎを
形成する。また、再生モードでは、各ヘツド５
ａ，…５ｎで読出されたアナログ出力は、そのア
ナログ回路系３ａ，…３ｎによつてイコライズ、
増幅などの信号処理が加えられて各チヤンネルに
対応する元の音声信号として出力端子１０ａ，…
１０ｎから出力されるように構成されている。

なお、アナログ回路系３ａ，…３ｎは補助用で
あるので、高品質である必要はない。上記PCM
回路系４ａ，…４ｎは、各入力端子９ａ，…９ｎ
に対応するチヤンネルの音声信号をPCM化し、
そのPCM信号をマルチトラツク固定ヘツド７a1
〜７a3，…７n1〜７n3に送出して各トラツク８
a1〜８a3，…８n1〜８n3を形成して磁気テープ
１上にPCM記録しかつそれを復調して再生する
ように構成されている。そして、電気回路本体２
は、記録モードにおいてアナログ回路系３ａ，…
３ｎおよびPCM回路系４ａ，…４ｎが記録機能
をもつように、そして再生モードにおいてPCM
回路系４ａ，…４ｎのみが再生機能をもつよう
に、さらにストツプ、早送りあるいは巻戻しモー
ドにおいてPCM回路系４ａ，…４ｎを不動作状
態に設定してアナログ回路系３ａ，…３ｎのみを
再生モードに設定するようになつている。

このように構成されたPCMレコーダにおいて、
今、１つのチヤンネルに音声信号が伝送される場
合、記録モードに設定されると、アナログ回路系
３ａは入力端子９ａに入力された音声信号をアナ
ログ状態で磁気テープ１のトラツク６ａにアナロ
グ記録すると同時に、PCM回路系４ａは上記音
声信号を各トラツク８a1〜８a3にPCM記録する。
この記録後に、再生モード設定すると、PCM回
路系４ａは、再生モードになり、各トラツク８
a1〜８a3に記録されたPCM信号を復調して出力
端子１０ａから元の音声信号を再生するように動
作する。また、ストツプモードでの手動による低
速順方向あるいは逆方向再生、早送りモード、巻
戻しモードのいづれかにおいて、PCM回路系４
ａは不動作状態で、アナログ回路系３ａのみが再
生モードに設定されると、このアナログ回路系３
ａは上記トラツク６ａに記録されたアナログの音
声信号を出力として出力端子１０ａから取出すた
め、手動による低速再生の場合は“ウオウオ”と
いう音が、また早送りあるいは巻戻し再生の場合
は、“モンキーボイス”を聞くことができる。

従つて、これらの音によりテープ上の曲の位置
を正確に知ることができるので、PCMレコーダ
において曲の頭出しおよび編集点検出を容易かつ
正確にに行うことができる。これにより、マルチ
トラツク固定ヘツド式のPCMレコーダにおいて
不可能とされていた手切り編集を行うことができ
る。

なお、この実施例においては、アナログ回路系
３ａ，…３ｎの出力とPCM回路系４ａ，…４ｎ
の出力は共通の出力端子１０ａ，…１０ｎから取
出す場合を示したが、各回路系の出力端子を独立
して設けることにより、各アナログ回路系３ａ，
…３ｎを記録モードにある時以外には再生モード
とすることができ、シーケンスコントロール系を
簡素化することができる。

第２図は本発明によるPCMレコーダの他の実
施例を示す原理的な構成図であり、第１図と同一
部分は同一番号を付してある。同図においては、
ステレオあるいは４チヤンネルなどのような複数
チヤンネルに対応する音声信号を加算するための
加算器１１を例えばアナログ回路系３ａに付加し
てその加算出力をモノラルの音声信号としてヘツ
ド５ａに送出することにより、複数チヤンネルの
音声信号に対して磁気テープ上に１つのトラツク
を形成して記録するようにしたものである。この
場合、１２はアナログ回路系３ａの出力端子であ
る。この実施例によれば、先に説明した実施例に
比べて磁気テープの利用率を向上させることがで
きると共に、装置の簡素化を図ることができる。

なお、複数チヤンネルの音声信号に対して１つ
のトラツクを形成する以外に、数トラツク形成す
るようにしてもよい。

上述した実施例では、オーデイオレコードにつ
いて述べたが、本発明が計測用のデータレコーダ
にも適用し得ることはもちろんである。

以上説明したように、本発明は、アナログ入力
信号をパルス符号変調したPCM信号を、磁気テ
ープの走行方向と直交する直線上に配置されたマ
ルチトラツク固定ヘツドに供給し、上記磁気テー
プの走行方向に沿つて並行してデジタル情報信号
が記録された複数のデジタルトラツクを形成し、
再生時には上記マルチトラツク固定ヘツドにより
上記デジタル情報信号を読出して再生するデジタ
ル信号記録再生装置において、 上記マルチトラツク固定ヘツドと同一直線上に
アナログ信号記録再生ヘツドを設け、 このアナログ信号記録再生ヘツドに上記アナロ
グ入力信号をアナログ状態で供給し、上記複数の
デジタルトラツクと並行かつ同期して、これらの
デジタルトラツク上のデジタル情報信号の頭出し
あるいは編集点検出に用いるためのアナログ情報
信号が記録されたアナログトラツクを形成し、 ストツプモードでの手動による低速順方向ある
いは逆方向再生、早送りモード、巻戻しモードの
いづれかにおいて、上記アナログ信号記録再生ヘ
ツドにより上記アナログトラツク上のアナログ情
報信号を読出して再生するようにしたので、曲の
頭出しおよび編集点検出を容易かつ正確に行うこ
とができる。これにより、マルチヘツド固定式の
PCMレコーダにおいて不可能とされていた手切
り編集を行うことができる。

さらに記録媒体としてのテープの伸縮に対応す
ることができ結果的に編集後の再生音質の良いも
のを得ることが可能になるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のデジタル信号記録再生装置の
一実施例を示す原理的な構成図、第２図は本発明
のデジタル信号記録再生装置の他の実施例を示す
原理的な構成図である。 図において、１は磁気テープ、２は電気回路本
体、３ａ，…３ｎはアナログ回路系、４ａ，…４
ｎはPCM回路系、５ａ，…５ｎはヘツド（アナ
ログ用）、７ａ，…７ｎはヘツド（PCM用）、９
ａ，…９ｎは入力端子、１０ａ，…１０ｎは出力
端子、１１は加算器、１２は出力端子（アナログ
用）である。なお、図中同一符号はそれぞれ同一
あるいは相当する部分を示すものとする。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ アナログ入力信号をパルス符号変調した
   PCM信号を、磁気テープの走行方向と直交する
   直線上に配置されたマルチトラツク固定ヘツドに
   供給し、上記磁気テープの走行方向に沿つて並行
   してデジタル情報信号が記録された複数のデジタ
   ルトラツクを形成し、再生時には上記マルチトラ
   ツク固定ヘツドにより上記デジタル情報信号を読
   出して再生するデジタル信号記録再生装置におい
   て、 上記マルチトラツク固定ヘツドと同一直線上に
   アナログ信号記録再生ヘツドを設け、 このアナログ信号記録再生ヘツドに上記アナロ
   グ入力信号をアナログ状態で供給し、上記複数の
   デジタルトラツクと並行かつ同期して、これらの
   デジタルトラツク上のデジタル情報信号の頭出し
   あるいは編集点検出に用いるためのアナログ情報
   信号が記録されたアナログトラツクを形成し、 ストツプモードでの手動による低速順方向ある
   いは逆方向再生、早送りモード、巻戻しモードの
   いづれかにおいて、上記アナログ信号記録再生ヘ
   ツドにより上記アナログトラツク上のアナログ情
   報信号を読出して再生するようにした ことを特徴とするデジタル信号記録再生装置。 ２ 複数チヤンネルのアナログ入力信号を有し、
   磁気テープに各チヤンネル毎に複数のデジタルト
   ラツクを形成し、また各チヤンネルに対応したデ
   ジタル情報信号を読み出して再生するものであつ
   て、上記チヤンネルの各々または複数に対応する
   アナログ信号記録再生ヘツドを設け、このアナロ
   グ信号記録再生ヘツドに、対応するチヤンネルの
   上記アナログ入力信号をアナログ状態で供給し、
   上記対応するチヤンネルのデジタルトラツクと隣
   接し並行かつ同期して、これらのデジタルトラツ
   ク上の各チヤンネルにおけるデジタル情報信号の
   頭出しあるいは編集点検出に用いるためのアナロ
   グ情報信号が記録されたアナログトラツクを形成
   することを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   のデジタル信号記録再生装置。