JPH0445375B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、車両のルーフ構造に関し、詳細に
は、ルーフに形成された開口部を開閉自在に覆う
キヤンバストツプを配設した車両のキヤンバスト
ツプ配設構造の改良に関するものである。

（従来の技術） 従来、車両のルーフにおいて、ルーフに開口部
を形成し、この開口部を開閉自在なキヤンバスト
ツプで覆い、キヤンバストツプを開操作すること
によりオープンカーのような解放感を得るように
した構造のものが各種提案されている（例、英国
特許第1315364号明細書参照）。

例えば、第５〜７図に示す車両のルーフにおい
て説明する。第５図に示すルーフ１は、ルーフ１
に形成された開口部２を可撓性が高く、耐水性、
耐候性等に優れたシート状物からなるキヤンバス
トツプ３で開閉自在に覆い、通常時にはキヤンバ
ストツプ３を斜線で示す状態に設定して開口部２
を覆い、オープンカーのような解放感を得たい時
には図に示すように折畳み状態に設定して開口部
２を解放するようになつている。

ルーフ１の両側には、一対のルーフレール１３
が車体前後方向に延設されている。各ルーフレー
ル１３は、第７図に示すように、アウタールーフ
レール１４とインナールーフレール１５とを接合
して閉断面に形成したもので、その前後端部がフ
ロントピラー、リヤピラー（図示せず）等に接合
されている。また、各ルーフレール１３の車室内
側には、アウタールーフレール１４とインナール
ーフレール１５との上部側の接合部が突出して設
けられている。この接合部は接合フランジ部１６
であり、この接合フランジ部１６にルーフパネル
４の側部ルーフパネル７を載置固定し、ルーフレ
ール１３と側部ルーフパネル７との接合部に形成
された溝にルーフモール１７を埋め込み、防水及
び形状調整されている。

ルーフパネル４は、第６図に示すように、中央
に四角形状の開口部２が形成され、この開口部２
の周辺が前部ルーフパネル５、後部ルーフパネル
６及び両側の側部ルーフパネル７となつており、
プレス成型により一体的に形成されている。

ルーフパネル４には、開口部２の周縁に沿つて
平面視四角形状のフレーム部材８を配置し、フレ
ーム部材８の外側端部をクリツプ等の固定部材１
８により側部ルーフパネル７に載置固定してい
る。

フレーム部材８には、所定位置に排水口（図示
せず）を有するレインレール１９及びガイド溝２
１を有するガイドレール２０が設けられている。
このガイドレール２０には、キヤンバストツプ３
の摺動部材２２が車体前後方向に移動するように
設けられている。各摺動部材２２は、ガイドレー
ル２０のガイド溝２１に係合するコロ、シユー等
の滑り部材２３、キヤンバストツプ３を固定支持
する支持部２４及びキヤンバストツプ３の車幅方
向の中間部を支持するステー２５を取り付ける取
り付部２６を備えている。また、ガイドレール２
０のワイヤー嵌合部２０ａには、ワイヤー２７が
挿嵌されており、このワイヤー２７を駆動装置
（図示せず）により駆動することによりキヤンバ
ストツプ３を車体前後方向に移動するようになつ
ている。これにより、キヤンバストツプ３は、開
口部２を開閉自在に覆うように配設されている。

なお、防音、防水等のために、フレーム部材８
の周縁にシール部材２８，２９が設けられ、また
ドアのサツシ３０にシール部材３１が設けられて
いる。

第５〜７図に示す車両のルーフは上記の構造を
備えており、ワイヤー２７を駆動することにより
キヤンバストツプ３を第５図に示す位置に移動し
て開口部２を解放し、オープンカーのような解放
感を作り出すことができる。

しかし、開口部２がルーフパネル４の中央に形
成され、前部ルーフパネル５、後部ルーフパネル
６及び両側の側部ルーフパネル７により囲まれて
おり、しかもルーフパネル４が側部ルーフパネル
７を各ルーフレール１３の接合フランジ部１６に
載置固定して取り付けられているため、車幅方向
の寸法が車幅に比べて相当小さいものとなつてい
る。その結果、キヤンバストツプ３により解放さ
れる開口部２の面積が小さく、十分な解放感を得
ることができない。ルーフパネル４はプレス成型
により形成されるが、中央を開口部２として打ち
抜くため、前部ルーフパネル５と後部ルーフパネ
ル６間にねじれを生じて不良品を発生し易く、製
造歩どまりが悪い。また、ルーフパネル４を車体
に組み付ける際にも前部ルーフパネル５と後部ル
ーフパネル６間にねじれを生じ易く、組立て精度
が悪い、等の問題点がある。

（発明の目的） 本発明は、前記従来の問題点を解決するために
なされたものであり、その目的は、開口部の車幅
方向の寸法を大きくして解放感の充実を図るとと
もに、ルーフの製造歩どまり及び組立て精度の向
上を図り得る車両のキヤンバストツプ配設構造を
提供することにある。

（発明の構成） 前記目的を達成するために、本発明では、ルー
フの両側に車体前後方向に延設された一対のルー
フレール、前部ルーフパネル及び後部ルーフパネ
ルの４部材により開口部を形成し、フレーム部材
の外側端部を各ルーフレール上に載置固定すると
ともに内側端部を接合フランジ部に載置し、フレ
ーム部材にキヤンバストツプを配設して開口部を
開閉自在に覆うようになつている。

すなわち、本発明では、ルーフに形成された開
口部を開閉自在に覆うキヤンバストツプを配設し
た車両のルーフ構造であつて、ルーフの両側に車
体前後方向に延設された一対のルーフレールをア
ウタルーフレールとインナールーフレールとで閉
断面に形成し、車室内側に接合フランジ部を水平
状に突出して設けている。

ルーフの前方部と後方部とに所定間隔を置いて
前部ルーフパネルと後部ルーフパネルとを配置
し、各ルーフパネルの両側端部を前記各ルーフレ
ールの接合フランジ部に接合している。

断面〓字状で平面視四角形状に形成されてフレ
ーム部材を前記各ルーフレールと各ルーフパネル
とで形成される四角形状の開口部の周縁に沿つて
配置し、フレーム部材の各外側端部を各ルーフル
レールのアウタルーフレールに載置固定するとも
に、レインレールが形成された各内側端部をレイ
ンレールの部分が各ルーフレールの接合フランジ
部に位置するように載置している。

前記フレーム部材の各内側端部にガイドレール
を前記各ルーフレールに沿つて設けている。

複数の摺動部材を有するキヤンバストツプの各
摺動部材を前記ガイドレールに係合し、前記キヤ
ンバストツプが前記開口部を開閉自在に覆うよう
に配設している。

（実施例） 本発明の実施例を第１〜４図に基づいて説明す
る。第１〜４図において、第５〜７図に示す符号
と同一の符号は同一の機能部材を意味している。

第１〜４図に示すルーフ１は、両側に車体前後
方向に延設された一対のルーフレール１３を備え
ている。各ルーフレール１３は、第４図に詳細に
示すように、アウタールーフレール１４とインナ
ールーフレール１５とを接合して閉断面に形成
し、その上部側の接合部が車室内側に水平状に突
出して設けられている。この接合部は接合フラン
ジ部１６であり、この接合フランジ部１６には前
部ルーフパネル５と後部ルーフパネル６の両側端
部が接合されている。

前部ルーフパネル５と後部ルーフパネル６と
は、別体にプレス成型されたものであり、第１図
に示すように、前部ルーフパネル５はルーフ１の
前方部に設けられた前部ヘツダー１１に接合され
前部骨枠９を形成している。後部ルーフパネル６
はルーフ１の後方部に設けられた後部ヘツダー１
２に接合され後部骨枠１０を形成している。前部
骨枠９と後部骨枠１０とは、ルーフ１の前方部と
後方部とに所定間隔を置いて配置されており、前
部骨枠９、後部骨枠１０と一対のルーフレール１
３とで囲まれた空間部が開口部２となつている。
すなわち、開口部２は、前部ルーフパネル５、後
部ルーフパネル６及び一対のルーフレール１３の
４部材により四角形状に形成されている。

ルーフ１の開口部２には、第３図及び第４図に
示すように、その周縁に沿つてフレーム部材８が
配置されている。このフレーム部材８は、断面略
〓字状で平面視四角形状に形成されたもので、そ
の外側端部が各ルーフレール１３のアウタールー
フレール１４の頂部に載置され、クリツプ等の固
定部材１８により固定されている。また、レイン
レール１９が形成された内側端部が各ルーフレー
ル１６の接合フランジ部１６上に載置されてい
る。これにより、フレーム部材８は、各ルーフレ
ール１３に対して外側端部と内側端部の２辺にお
いて支持されることになり、外側端部の前方部と
後方部とがそれぞれ前部ルーフパネル５と後部ル
ーフパネル６上に載置されていることと相まつ
て、高い剛性で支持されることになる。また、各
ルーフレール１３についてみれば、フレーム部材
８の外側端部がアウタールーフレール１４に固定
部材１８により固定されることにより二重構造に
なるため、剛性の高い構造となつている。

フレーム部材８の内側端部には、レインレール
１９よりも内側に各ルーフレール１３に沿つてガ
イドレール２０が設けられており、このガイドレ
ール２０に第７図に示す従来のものと同様にして
複数の摺動部材２２を係合し、開口部２を覆うよ
うにキヤンバストツプ３を配設している。キヤン
バストツプ３は、ワイヤー２７に駆動連結されて
おり、駆動装置（図示せず）によりワイヤー２７
を駆動することにより、開口部２を開閉するよう
になつている。

なお、前部ルーフパネル５及び後部ルーフパネ
ル６とルーフレール１３との接合部に形成された
溝には、防水及び形状調整のためにルーフレール
１７が埋め込まれている。

（発明の効果） 本発明によれば、ルーフの開口部を前部ルーフ
パネル、後部ルーフパネル及び一対のルーフレー
ルの４部材で形成し、しかも開口部の周縁に配置
したフレーム部材をその外側端部を各ルーフレー
ルのアウタールーフレールに載置固定するように
なつていることから、開口部の車幅方向の寸法を
従来よりもはるかに大きく設定することができ
る。これにより、キヤンバストツプで開閉する開
口部面積が増大し、より高い解放感を作り出すこ
とが可能になつた。

ルーフの開口部をルーフパネルそのものに開口
を開設して形成する必要がなく、別体で形成され
た前部ルーフパネルと後部ルーフパネルとをルー
フの前方部と後方部とに所定間隔を置いて一対の
ルーフレールに接合することにより形成するた
め、各ルーフパネルの製造歩どまりが良く、しか
も精度良く組立てることが可能になつた。また、
ルーフパネルそのものに開口を開設することによ
り生じる材料の無駄が無くなり、ルーフパネルの
材料を節約することが可能になつた。

フレーム部材の外側端部をルーフレールアウタ
ールーフレールに載置固定し、内側端部しかもレ
インレールが形成されている部分をルーフレール
の接合フランジ部に載置しているため、フレーム
部材の支持剛性を向上することが可能になつた。

また、アウタールーフレールにはフレーム部材
が載置されていることから、ルーフモールを従来
のようにルーフレールの全長にわたつて埋め込む
必要がなく、前部ルーフパネル及び後部ルーフパ
ネルとの接合部の溝にのみ埋め込めばよく、ルー
フモールの使用量を格段に減少することが可能に
なつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の要部であるルーフの
骨枠の斜視図、第２図は同じく前部及び後部のル
ーフパネルの斜視図、第３図は同じくフレーム部
材を取付けたルーフの断面図、第４図は同じくキ
ヤンバストツプを取付けたルーフの要部断面図、
第５図は従来例の全体斜視図、第６図は従来例の
ルーフパネルの斜視図、第７図は第５図のＡ−Ａ
線に沿つた断面図である。 １……ルーフ、２……開口部、３……キヤンバ
ストツプ、５……前部ルーフパネル、６……後部
ルーフパネル、８……フレーム部材、１１……前
部ヘツダー、１２……後部ヘツダー、１３……ル
ーフレール、１４……アウタールーフレール、１
５……インナールーフレール、１６……接合フラ
ンジ部、２２……摺動部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ルーフに形成された開口部を開閉自在に覆う
   キヤンバストツプを配設した車両のルーフ構造に
   おいて、 ルーフの両側に車体前後方向に延設された一対
   のルーフレールをアウタルーフレールとインナー
   ルーフレールとで閉断面に形成し、車室内側に接
   合フランジ部を水平状に突出して設け、 ルーフの前方部と後方部とに所定間隔を置いて
   前部ルーフパネルと後部ルーフパネルとを配置
   し、各ルーフパネルの両側端部を前記各ルーフレ
   ールの接合フランジ部に接合し、 断面略〓字状で平面視四角形状に形成されたフ
   レーム部材を前記各ルーフレールと各ルーフパネ
   ルとで形成される四角形状の開口部の周縁に沿つ
   て配置し、フレーム部材の各外側端部を各ルーフ
   レールのアウタルーフレールに載置固定するとも
   に、レインレールが形成された各内側端部をレイ
   ンレールの部分が各ルーフレールの接合フランジ
   部に位置するように載置し、 前記フレーム部材の各内側端部にガイドレール
   を前記各ルーフレールに沿つて設け、 複数の摺動部材を有するキヤンバストツプの各
   摺動部材を前記ガイドレールに係合し、前記キヤ
   ンバストツプが前記開口部を開閉自在に覆うよう
   に配設したこと を特徴とする車両のキヤンバストツプ配設構造。