JPH0435212Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車両の上部車体構造に関し、特にル
ーフが開口できるキヤンバストツプ車の上部車体
構造に関する。

（従来技術及びその問題点） ルーフを開口し得るキヤンバストツプ車として
は、米国特許第3658378号公報に開示の如くルー
フキヤンバスをピニオン・ラツクにより開閉操作
する方式のものと、ケーブル索引により開閉操作
する方式のものとがある。

ケーブル索引方式のものとしては、第２乃至４
図示のものがある。即ち、ルーフ開口部１を覆う
キヤンバス２を、開口部１両側縁に設けたレール
部材５，５に沿つて移動させることにより、ルー
フを開閉するものであり、キヤンバス２の内側に
は、車両前後方向に所定間隔で適宜数のトツプフ
レーム３……が設けられており、各トツプフレー
ム３の両側端には夫々リンクブラケツト４……が
固定されている。

リンクブラケツト４……は、車両前後方向に延
びるレール５にガイドシユー６を介して移動可能
に係合するリンクブラケツト４１と、レール５に
対してフリー状態のリンクブラケツト４２とが交
互に設置され、第４図示の如く、隣接する一対の
リンクブラケツト４１，４２間は、リンク７とリ
ターンスプリング８とによつて連結されている。
又、プレート１０によつてガイドシユー６と連結
された索引ケーブル９がレール５によりガイドさ
れており、ケーブル９によつてリンクブラケツト
４１が開放方向（第４図右方向）に移動する際に
は、フリー状態にあるリンクブラケツト４２がリ
ターンスプリング８の付勢力によりリンク７を介
して上方移動することによつて、キヤンバス２が
蛇腹状に折畳まれるようになつている。

レール５は、アウタレール１１ａとインナレー
ル１１ｂとから成るルーフレール１１のフランジ
部１１ｃ上面に取付けたルーフパネル１２と、イ
ンナレール１１ｂに固定したフイクシングブラケ
ツト１３間にボルト締め固定された支持フレーム
１４上い設置されている。

一方、キヤンバス２の両側縁は、外周軌道上の
ケーブル９に沿つてルーフモール１６上を、支持
フレーム１４先端に設けたアウタシール１７を介
して摺接移動するようになつており、又、トツプ
フレーム３先端と支持フレーム１４との隙間はイ
ンナシール１８でシールされている。

尚、第２乃至４図中、１９はドアガラス、２０
はドアサツシユ、２１はドアウエザストリツプ、
２２はフイクシングブラケツト１３にボルト締め
固定したボルトプロテクタ、２３は内張りであ
る。

しかし乍ら、上記従来構成ではレール５を支持
する支持フレーム１４の上端をルーフパネル１２
に、又ルーフレール１１の内側方に取付けたフイ
クシングブラケツト１３にその下端を夫々固定し
た構成としている為、レール５が車両内側へ突出
してルーフ開口巾を狭くすると共に、ヘツドクリ
アランスを充分にとることが出来ないという問題
点を有している。

（考案の目的） 本考案は、上記の如き事情に鑑み、ヘツドクリ
アランス及びルーフ開口巾を従来以上に確保し得
る車両の上部車体構造を提供することをその目的
とする。

（考案の構成） この為、本考案に係る車両の上部車体構造は、
車体のルーフ開口部を開閉自在に覆うキヤンバス
を備えた車両の上部車体構造において、ルーフ中
央へ延びる水平辺部とその外縁から立ち上がる垂
直辺部とからなる略Ｌ字状フレーム部材をルーフ
開口部両側縁のルーフパネル上に夫々取付け、各
フレーム部材の水平辺部上にキヤンバスの移動案
内用レール部材を設置すると共に上記Ｌ字状のフ
レーム部材の垂直辺部外側であつて、車体前後方
向に沿つて延設されたルーフレールの外側面上
に、前後方向に延び且つキヤンバス側縁に摺接す
るシール部材を形成したサイドバイザーを直接固
着した事を特徴としている。

この様な構成を採用する事により、レール部材
を従来構造に比べて上方且つルーフレール寄りに
位置せしめることができ、この結果、ルーフ開口
部の幅を広げることができると共に、ヘツドクリ
アランスを拡大する事がで出る事になる。一方、
フレーム部材の垂直辺部外方に、この垂直辺部を
覆つて車両前後方向に延設され、且つ、キヤンバ
ス側縁に摺接するシール部材を形成したサイドバ
イザーを設置する事により、キヤンバス閉成時の
車室内への風雨の侵入及びサイド気流による半開
時のキヤンバス振動を防止することができる事に
なる。

（考案の実施例） 第１図図示ルーフ開口部側縁構造では、ルーフ
レール１１のフランジ部１１ｃに取付けたルーフ
パネル１２上に、垂直辺部３１ａ及び水平辺部３
１ｂを有する略Ｌ字状フレーム３１がその水平辺
部３１ｂでボルト締め固定されている。又、略Ｌ
字状フレーム３１の水平辺部３１ｂ上には、キヤ
ンバス移動案内用のガイドレール５が設置され、
従来と同様に、リンクブラケツト４・トツプフレ
ーム３等を介してキヤンバス２がスライド自在に
支承されている。

一方、ルーフパネル１２周縁上のルーフモール
１６を押え且つ略Ｌ字状フレーム３１の垂直辺部
３１ａ外方を覆うように、サイドバイザー３２が
ルーフレール１１のアウタレール１１ａに締結さ
れている。このサイドバイザー３２は、ルーフ開
口部１内方に向けてキヤンバス２と略面一となる
流線形を為し、その頂部内壁側を車両前後方向に
亘つて断面略Ｌ字状に切欠き、その底面部にラバ
ー３３を介してキヤンバス２側縁を摺接させるシ
ール部３４を形成している。又、略Ｌ字状フレー
ム３１の垂直辺部３１ａ上端から外方に折曲する
折曲部３１ｃとキヤンバス２との間にインナシー
ル１８を介在させている。

尚、第１図中、第２乃至４図示従来例と同一の
構成要素には同一符号を付して説明を省略してあ
る。

上記の如く構成することにより、キヤンバス２
のスライド機構がルーフパネル１２の上方且つ近
接位置に配置できる為、ヘツドクリアランス及び
ルーフ開口巾を従来に比較して広くすることがで
きる。又、キヤンバス２側縁のシール部３４がサ
イドバイザー３２によつて被覆される為、車両サ
イド側からの気流がサイドバイザー３２によつて
キヤンバス２上面に案内され、シール部３４に直
接当らないこととなるので、キヤンバス２の張り
が多少緩いときでも気流が入り込まず可動部分が
振動するのを防止できる。

尚、第１図中、鎖線で示す如く、サイドバイザ
ー３２の内壁に略Ｌ字状フレーム３１の垂直辺部
３１ａ側に突出する凸部３２ａを設けて、サイド
バイザー３２内壁と略Ｌ字状フレーム３１との隙
間をシールすると、より一層シール性を向上させ
ることが可能である。

（考案の効果） 上記の如き本考案に係る車両の上部車体構造に
依れば、ルーフ開口巾及びヘツドクリアランスを
共に大きくできると共に、車両サイドからの水及
び気流がキヤンバス側縁シール部に直接当らない
為、水及び気流等の侵入に対するシール性を向上
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車両の上部車体構造の一
実施例を示す要部断面図、第２図は従来例を示す
キヤンバストツプ車の全体斜視図、第３図は第２
図のＡ−Ａ矢視断面図、第４図は第３図のＢ−Ｂ
矢視方向要部構成図である。 １……ルーフ開口部、２……キヤンバス、４…
…リンクブラケツト、５……レール、１１……ル
ーフレール、１２……ルーフパネル、３１……略
Ｌ字状フレーム、３２……サイドバイザー、３４
……シール部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体のルーフ開口部を開閉自在に覆うキヤンバ
   スを備えた車両の上部車体構造において、 ルーフ中央へ延びる水平辺部とその外縁から立
   ち上がる垂直辺部とからなる略Ｌ字状フレーム部
   材をルーフ開口部両側縁のルーフパネル上に夫々
   取付け、各フレーム部材の水平辺部上にキヤンバ
   スの移動案内用レール部材を設置すると共に上記
   Ｌ字状のフレーム部材の垂直辺部外側であつて、
   車体前後方向に沿つて延設されたルーフレールの
   外側面上に、前後方向に延び且つキヤンバス側縁
   に摺接するシール部材を形成したサイドバイザー
   を直接固着した事を特徴とする車両の上部車体構
   造。