JPH0732196Y2 - 車両のドア用スライド式窓装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、開閉操作される車両用ドアに取付けられ動力
により駆動されるスライド式の窓装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 一般に、自動車特に大型或いは中型のトラック等の車両
の助手席側の外部の視界を確保するために助手席側ドア
のドアパネルの一部にのぞき窓を形成されているが、こ
ののぞき窓の大きさはドアパネル内の各種装置により限
定される。

特にドア上側のガラス窓が、そのガラス戸をウインドレ
ギュレータで上下させる方式を採用している場合、これ
らレギュレータやガラス戸等がのぞき窓と重ならないよ
う配慮する必要があり、のぞき窓はその形状が狭められ
る傾向にある。

このためドア上側のガラス窓を引戸式として上述の不都
合を緩和した動力により駆動されるスライドガラスを有
するものが実開昭60-23410号公報及び実開昭61-95882号
公報の組み合わせで示される。

これは、固定ガラスを保持する矩形形状の固定フレーム
と、該固定フレームに固定されスライドガラスを摺動自
在に支持する矩形形状のチャンネルフレームとを有する
ものであって、チャンネルフレームに形成された案内溝
に案内されるケーブルによりスライドガラスを摺動させ
ていた。

（考案が解決しようとする課題） しかし、上記した従来の窓装置であると、チャンネルフ
レームにケーブルを案内する案内溝が形成されているた
め、チャンネルフレームの厚みが大きくなり、チャンネ
ルフレームを矩形形状とすることが困難で、チャンネル
フレームの生産性を悪化させる恐れがあった。

故に、本発明は、チャンネルフレームにケーブルの案内
溝を必要としない車両のドア用スライド窓装置を提供す
ることを、その技術的課題とするものである。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記技術的課題を解決するために本発明において講じた
技術的手段は、固定ガラスを保持する固定フレームと、
該固定フレームに固定されスライドガラスを摺動自在に
支持するチャンネルフレームと、該チャンネルフレーム
に固定され前記スライドガラスの下部を前記固定ガラス
の裏面側に摺動案内するデビイジョンフレームとを有す
る車両のドア用スライド式窓装置であって、前記デビイ
ジョンフレームのみに形成された前記スライドガラスを
駆動するケーブルを案内する案内溝を有した、ことであ
る。

（作用） 上記技術的手段によれば、デビイジョンフレームのみに
ケーブルを案内する案内溝が形成されている。よって、
チャンネルフレームは、案内溝を必要としない。

（実施例） 本考案の一実施例を添付図面に基づいて説明する。

第１図には、本考案の一実施例の窓ガラスとフレーム全
体の外観を示している。この窓ガラスは図示しない右ハ
ンドル車の左側ドア用の窓ガラスであり、図の左側が車
両の前方である。

１はスライドガラス７を摺動自在に保持するチャンネル
フレームで、図示した如く車両前方が縦方向に大きい略
矩形形状で、車両後方が縦に少し小さい略矩形形状をし
ている。２は固定ガラス４を取付ゴム５（第２図参照）
により固定するための固定フレームでチャンネルフレー
ム１の前方の矩形と略同形をしている。

３はチャンネルフレーム１の後方の矩形の底辺を固定フ
レーム２側に延長するためのデビジョンフレームで、チ
ャンネルフレーム１内を摺動する摺動ガラス７を固定ガ
ラス４の裏面に案内するためのフレームとなりチャンネ
ルフレーム１に図示しない略Ｌ形をした固定部材を介し
て螺着されている。

次に第２図により固定フレーム２とチャンネルフレーム
１と夫々に保持される固定ガラス4,スライドガラス７と
の関係を説明する。

図示しないドアのインナパネル11とアウタパネル12と
は、窓ガラスの取付部で一体的に重ね合わされている。

この重ね合わせ部の外部には、本考案の車両のドア用ス
ライド式窓装置の組立体のチャンネルフレーム１の内面
部がブチルゴム製の接着材13で接着されている。

14はチャンネルフレーム１とドアの重ね合わせ部を装飾
するトリムである。

固定フレーム２には、ゴム製ウエザストリップ５により
固定ガラス４が取付けられている。又、固定フレーム２
には車両前方側と上下部とに車内側に延在したフランジ
部2aが設けられている。

このフランジ部2aには、チャンネルフレーム１がビス10
により螺着されている。尚、９は、ナットでチャンネル
フレーム１の肉厚が薄いために設けられたものである。

チャンネルフレーム１は、その断面が略ヨ形をしてお
り、レール溝1a及び溝1bが設けられている。このレール
溝1aとこれに連続するデビションフレーム３のレール溝
3aには、ガラスランチャンネル６が設けられており、こ
のガラスランチャンネル６内にスライドガラス７が摺動
可能に配置されている。チャンネルフレーム１の溝1b
は、前述の如くチャンネルフレーム１をドアに取りつけ
た時の装飾のトリム14を取りつけるためのものである。
ガラスランチャンネル６には、雨或いは埃が車内に入る
ことを防止するシール部材6aが一体的に設けられてい
る。

チャンネルフレーム１に固定されたデビジョンフレーム
３の車内側には、その長手方向に沿って突出する突出部
3bが設けられ、この突出部3bにはその長手方向に沿って
且つ上方に開口した溝3cが設けられている。

この溝の中には、摺動ガラス７に組付けられたガラス開
閉用の把手13に連結されたレバー15が摺動出来るように
なっている。

第３図は、第１図のB-B断面図でチャンネルフレーム１
の下部の断面形状は、その上部の断面形状と同じである
ことを示している。

第４図は、第１図のC-C断面図で、固定ガラス４とスラ
イドガラス７との位置関係を示している。固定フレーム
２の後方の縦方向フレーム2bには、前述のフランジ部2a
が設けられておらず、その代わりにスライドガラス７と
の間をシールするためのシール部材８の挿入される溝2c
が設けられている。スライドガラス７の後方には、スラ
イドガラス７を開閉するための把手13が取付けられてい
る。把手13は、スライドガラス７に固着される本体13a
とこの本体13aにピン19で枢着されるレバー15とから成
っている。

このレバー15の下端部は、車両の摺動屋根装置の摺動パ
ネルを摺動させるための駆動部のシューと同様に駆動ケ
ーブル16に固着されている。この駆動ケーブルは、芯材
の廻りに螺旋状に線材を巻きつけ固定したものでギァー
ドケーブルとも呼ばれている。この駆動ケーブルは、そ
の外周に案内用の被服パイプを持ち、該パイプの両端の
内の一端にはチャンネルフレーム１の溝3c部の突出部3b
に、他端には第５図示の如くドア内に固定された駆動部
のケース17に固着されている。

この駆動部のケース17には、モーター18が組み込まれ駆
動ケーブルを被服パイプに対し押引きできるようになっ
ており、これにより摺動ガラスの開閉を行っている。

次に以上の構成による本考案の作用を以下説明する。

本考案の車両のドア用スライド式ガラス窓装置を組付け
るには、先ず固定フレーム２の後方の縦方向フレームの
溝2cには、シール部材８を挿入し、固定フレーム２の外
面側には、固定ガラス４をゴム製ウエザストリップ５で
固定する。

その後チャンネルフレーム１の前方，上方，後方及び下
方の順にレール溝1a内にガラスランチャンネル６を挿入
し、次いでスライドガラス７をチャンネルフレーム１の
前方側から後方に向かって挿入する。そして別途ガラス
ランチャンネル６を挿入したデビジョンフレーム３の溝
3aをチャンネルフレームの溝1aに合わせて、デビジョン
フレーム３をチャンネルフレーム１にビスにて固定す
る。

次に固定フレーム２にチャンネルフレーム１を重ね合わ
せ固定フレーム２のフランジ部2aにビス10或いはビス10
とナット９で固定する。

この組付け前にスライドガラス７には把手13を組み付け
ておき、一方レバー15の先端に駆動ケーブルをカシメた
ものをデビジョンフレーム３の溝3cに嵌入せしめ、両者
をピンで枢着せしむれば良い。

このように、固定ガラス４とスライドガラス７とが一個
の固定フレーム２に組付けて窓装置全体を一体化できた
ため窓装置を車両に組付ける際に非常に効率良く組付け
ることができる。又、固定ガラス４を固定フレーム２内
に固定したスライドガラス７をチャンネルフレーム１内
に摺動するようにし、固定フレーム２にシール部材８を
固定したため固定ガラス４とスライドガラス７の両者に
曲率の異なるカーブドガラスを使用しても、ガラス部分
のドアの厚みを大きくするこなく両者の間のシールは十
分に行え雨や埃の車内への侵入を完全に防止できる 〔考案の効果〕 本考案によれば、スライドガラスを駆動するケーブルを
案内する案内溝をスライドガラスを支持するチャンネル
フレームとは別体のデビイジョンフレームのみに形成し
たので、チャンネルフレームは、全体において薄型化さ
れた一定断面となり、生産性の向上及び見栄えの向上を
図ることができる。又、ケーブルがチャンネルフレーム
に案内されることがないので、ケーブルが雨水等にさら
されることを低減することができる。更に、デビイジョ
ンフレームによりスライドガラスの摺動安定性を向上さ
せることができ、スライドガラスを摺動させる際の軋み
もなくスライドガラスのスムーズな駆動を得ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の車両のドア用スライド式窓装
置全体の関係を示す平面図、第２図は第１図のA-A断面
図、第３図は同じく第１図のB-B断面図、第４図は同じ
く第１図のC-C断面図、第５図は車内より見たガラス窓
を閉めた状態での説明図、第６図は同じく車内より見た
ガラス窓を開いた状態での説明図である。 １……チャンネルフレーム ２……固定フレーム、2a……フランジ部 ３……デビイジョンフレーム ４……固定ガラス、７……スライドガラス 10……ビス、13……把手 15……レバー、3c……溝 16……駆動ケーブル、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】固定ガラスを保持する固定フレームと、該
   固定フレームに固定されスライドガラスを摺動自在に支
   持するチャンネルフレームと、該チャンネルフレームに
   固定され前記スライドガラスの下部を前記固定ガラスの
   裏面側に摺動案内するデビイジョンフレームとを有する
   車両のドア用スライド式窓装置であって、前記デビイジ
   ョンフレームのみに形成され前記スライドガラスを駆動
   するケーブルを案内する案内溝を有する車両のドア用ス
   ライド式窓装置。