JPH0443258Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、パチンコ機などの弾球遊戯機に用い
られる入賞球装置に関するものである。〔従来技
術〕 例えばパチンコ機においては、遊戯者の興趣を
引き立てるために各種の入賞球装置が設けられて
いる。このような入賞球装置は、ある特定の入賞
口（セーフ穴）に入賞が生じると、チユーリツプ
やアタツカなどのいわゆるヤクモノを開いて、入
賞を得やすい状態にするものが一般的である。

しかしながら従来の入賞球装置は、基本的に上
述のような構成をもつたものが殆どで、前記チユ
ーリツプやアタツカの形状などを変えたり、ある
いはこれらの開き時間を変えたりする程度の改良
がなされているだけで、遊戯者に新たな興趣を持
たせるためには充分とは言えない。

〔考案の目的〕

本考案は、上記の背景に鑑みてなされたもの
で、パチンコ機などの弾球遊戯機に利用される入
賞球装置として、従来装置にはない新たな興趣を
もつた入賞球装置を提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

本考案による入賞球装置においては、盤面内に
打ち出された球のいくつかを捕捉して貯留するよ
うにしておき、それ以後に打ち出された球が第１
の入り口（例えばセーフ穴）に入つた場合に、前
記貯留されている球を一斉にセーフ穴に入賞さ
せ、第２の入口に球が入つた場合には、貯溜部内
の球を再び一斉に盤面に放出するように構成して
ある。

〔実施例の構成〕

本考案を適用したパチンコ機の一例を示す第１
図において、弾球操作部１を回動させることによ
り、パチンコ球２が盤面３内に打ち出される。盤
面３内には、本考案による入賞球装置５、従来公
知のチユーリツプ６、アタツカ７などが設けられ
ている。入賞球装置５は、後述するように、盤面
３内に設けられたアウト穴８あるいはセーフ穴９
に、パチンコ球２が入ることによつて動作される
ように構成されている。なお、盤面３内には符号
４で示した通常のアウト穴の他、障害釘、風車
（いずれも図示省略）などが設けられている。

前記入賞球装置５の正面を示す第２図におい
て、例えばプラスチツク成型品として構成された
基板１０は、面１０Ａがパチンコ機の盤面３（第
１図参照）と同一面となるように、ビス穴１１を
介して前記盤面３に固定される。入賞球装置１０
には、前記面１０Ａよりも紙面垂直方向に突出し
て上部セーフ穴受け口１３と下部セーフ穴受け口
１２ａ，１２ｂ，１２ｃとが設けられている。基
板１０に形成された開口部を通つて、面１０Ａか
ら突出した位置と面１０Ａから引つ込んだ位置と
の間で移動自在となつている側板１６（第２放出
部）、ピン１７（第１放出部）のそれぞれは、そ
の突出した状態において、面１０Ａから突出して
形成された通路１５と共に、パチンコ球の貯留部
１４を形成している。すなわち、前記側板１６は
貯留部１４の側壁部として、またピン１７はその
底部として利用されている。

前記通路１５には、盤面３上を流下してくるパ
チンコ球２を捕捉し、これを通路１５内に受け入
れる捕捉口１８が設けられている。従つて通常の
状態、すなわち側板１６、ピン１７が面１０Ａよ
り突出した状態においては、第１図に示したよう
に、この貯留部１４内にはパチンコ球２が11個ま
で蓄えられるようになつている。

前記貯留部１４の底部を形成しているピン１７
の下方にはセーフ穴受け口１２ｂが位置してお
り、前記ピン１７とセーフ穴受け口１２ｂとの間
には、ガイド通路１９が形成されている。なお符
号２０は表示窓で、その奥に設けられた表示ラン
プ２１の点滅などにより、この入賞球装置５の動
作を表示するためのものである。また、符号２２
も入賞球があつた場合などの表示部として利用さ
れる。

第３図に示すように、基板１０の背面側には前
記表示ランプ２１等を支持している支持板２６の
他に、ソレノイド２４，２５を固定支持している
取付け板２７がビス止めされている。そして、前
記ソレノイド２４，２５は、それぞれリンク機構
を介して前記側板１６、ピン１７を移動させるよ
うになつている。このため、ソレノイド２４のア
ーム３０にはレバー３１が軸着され、このレバー
３１の他端はレバー３２に軸着されている。レバ
ー３２は、基板１０に植設された支持アーム３３
および軸３４により回動自在であると共に、ばね
３５によつて第４図中時計方向、すなわち側板１
６を図中左方へと突出させる方向に付勢されてい
る。さらに、レバー３２にはレバー３６を介して
側板１６が固定された移動板３７が取付けられて
いる。

一方、ソレノイド２５とピンとの間にもほぼ同
様のリンク機構が用いられ、ソレノイド２５のア
ーム４０、レバー４１、支持アーム４３、軸４４
により回動自在のレバー４２、そしてピン１７が
固定された移動板４７を介して、ピン１７はソレ
ノイド２５あるいはばね４５によつて移動できる
ようになつている。

前記ソレノイド２４，２５は、それぞれアウト
穴８、セーフ穴９にパチンコ球２が入ることによ
つて駆動される。これは、例えば第５図に示すよ
うに、アウト穴８に入つたパチンコ球が通過する
ことによつてON，OFFされるマイクロスイツチ
５１からのパルスにより、駆動回路５２を作動さ
せて前記側板１６を盤面３から引つ込ませるよう
に、ソレノイド２４が作動される。このソレノイ
ド２４の作動は、タイマ５３からの計時終了信号
によつて停止される。

上記構成は、セーフ穴９に関しても同様に設け
られ、それぞれマイクロスイツチ５５、駆動回路
５６、タイマ５７によつて、ピン１７はソレノイ
ド２５が駆動されると盤面３から引つ込んだ位置
に移動される。なお、それぞれのマイクロスイツ
チ５１，５５の直後に接続されているゲート回路
５４，５８は、互いに他方のタイマ５７，５３が
計時動作している間は、ゲートオフされ、ソレノ
イド２４，２５が同時に作動されることを防ぐた
めに設けられている。

〔実施例の作用〕

上記構成による作用は、以下の通りである。ま
ず、遊戯者が弾球操作部１を操作することにより
パチンコ球２は盤面３内に打ち出され、ゲームが
開始される。ゲームの進行と共に、盤面３内を
種々の径路で流下するパチンコ球のいくつかは、
捕捉口１８から貯留部１４内へと入り込み、そこ
に蓄えられる。、すなわち通常の状態においては、
ソレノイド２４，２５は供に駆動されておらず、
従つて側板１６、ピン１７は、それぞれのリンク
機構を介して、ばね３５，４５の付勢力により盤
面３上に突出している。

この状態で貯留部１４内に例えば11個のパチン
コ球が蓄えられた後、セーフ穴９にパチンコ球が
入ると、従来公知のように所定数の景品球が払い
出されると同時に、第５図に示した回路によつて
ソレノイド２５が作動される。この結果、ピン１
７はばね４５の付勢力に抗して、第４図中２点鎖
線で示したように、盤面から引つ込んだ位置に移
動される。従つて、貯留部１４の底部が取り除か
れることにより、それまで貯留されていた11個の
球は、ガイド通路１９を通つて一斉にセーフ穴１
２ｂに入賞することになる。

また、セーフ穴９に入る前にアウト穴８にパチ
ンコ球が入つてしまうと、ソレノイド２４の方が
作動する。この結果、貯留部１４の側壁部を形成
していた側板１６は、第４図中実線で示したよう
に、盤面３から引つ込められることになるので、
それまで貯留部１４に蓄えられた球は、一斉に盤
面３上に放出される。この場合でも、それ以降に
例えばチユーリツプ６等に入賞することもあり得
るが、殆どアウト穴４に流下されることになる。
また、こうして放出されたパチンコ球は、障害釘
２３によりセーフ穴受け口１２ａ，１２ｃには入
りにくいようになつている。

こうして入賞球装置５が作動され、第５図に示
したタイマ５３あるいは５７で設定されている所
定の時間が経過すると、駆動されたソレノイド２
４あるいは２５は駆動停止されるので、側板１
６、ピン１７はそれぞれを突出位置に向かつて付
勢しているばね３５、あるいはばね４５の付勢力
によつて通常の突出状態に復帰される。

なお、上記の実施例においては、捕捉口１８に
までパチンコ球が蓄えられると、それ以上の貯留
ができないようになつているが、例えば通路１５
の適宜の個所にパチンコ球の入り口を形成し、そ
の直前まで貯留するようにし、前記入り口をアウ
ト穴やセーフ穴としたり、そこに入つた球を盤面
３内に設けた出口から出すようにしてもよい。ま
た、貯留部１４の形状等についても、種々の変形
ができると共に、側板１６、ピン１７をそれぞれ
設ける代わりに、パチンコ球を貯留する位置と、
貯留されたパチンコ球をセーフ穴にガイドする位
置およびアウト穴にガイドする位置との３つの位
置をとる制御板を設け、セーフ穴９、アウト穴８
にパチンコ球が入ることに応答して、その位置制
御を行つてもよい。

〔考案の効果〕

上述のように、本考案の入賞球装置によれば、
盤面に打ち出された球を一旦貯留しておき、遊技
中に第１の入口に球が入つたときには貯溜された
球を一斉に入賞球として生かせるようにし、ま
た、第２の入口に球が入つたときには貯溜された
球を再び盤面内に流下させるようにしたから、遊
技者に対し、貯溜された球が一斉に入賞球になる
かあるいはほとんどアウト球になるかというスリ
リングな興味をもたせることができ、パチンコゲ
ームにこれまでにはない斬新な興趣を盛り込むこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案を適用したパチンコ機の正面
図である。第２図は、本考案入賞球装置の一実施
例を示す正面図である。第３図は、第２図に示し
た入賞球装置の背面図である。第４図は、第２図
に示した入賞球装置の側断面図である。第５図
は、本考案に用いられる回路構成の一例を示すブ
ロツク図である。 ５……入賞球装置、８……アウト穴、９……セ
ーフ穴、１０……基板、１２……セーフ穴受け
口、１４……貯留部、１５……通路、１６……側
板、１７……ピン、１８……捕捉口、２４，２５
……ソレノイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 盤面内に打ち出された球を捕捉する捕捉口と、
   この捕捉口から入つた球を所定個数まで貯溜でき
   るようにした貯溜部と、この貯溜部の底部中央を
   閉止する位置と開放する位置との間で移動自在に
   設けられ、盤面内に設けた第１の入口に球が入つ
   たことに応答して閉止位置から開放位置に移動し
   て貯溜部内の球をセーフ穴に連なる入賞導入部へ
   と一斉に放出する第１放出部と、前記貯溜部の底
   部側面を閉止する位置と開放する位置との間で移
   動自在に設けられ、盤面内に設けた第２の入口に
   球が入つたことに応答して閉止位置から開放位置
   に移動して貯溜部内の球を盤面へと一斉に流下さ
   せる第２放出部とを設けたことを特徴とする入賞
   球装置。