JPH043933B2 - - Google Patents

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JPH043933B2
JPH043933B2 JP58100510A JP10051083A JPH043933B2 JP H043933 B2 JPH043933 B2 JP H043933B2 JP 58100510 A JP58100510 A JP 58100510A JP 10051083 A JP10051083 A JP 10051083A JP H043933 B2 JPH043933 B2 JP H043933B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は練乳や牛乳を使用して調製する製菓、
製パン、喫茶用に適した練乳様組成物の製造方法
に関する。さらに詳しくは、殺菌時の伝熱面での
焦げ付きが少いため、風味が良く、且つ長期間保
存しても、エマルジヨンが安定な練乳様組成物を
製造する方法に関するものである。 練乳は、コーヒーや紅茶、そして製菓、アイス
クリーム等に広く用いられているが、この原料で
ある牛乳の品質は採取時期や、生産地、飼料の種
類、泌乳期の初めと終り等の数多くの要因により
変動する。 従つて、これらの変動を出来る限り少くし、且
つ均一な製品を得るために、厳重な管理の下に、
荒煮を行い、さらにパイロツト試験を繰返し行な
つて確認したのち製造を行なつているが、加熱臭
や褐変化は避けられず、風味の低下に及ぼす影響
は大きい。 しかし、近年になつて練乳に類似する滅菌濃縮
乳が出来、練乳のような著しい加熱臭がなく良好
なものが得られているが、保存中に粘度が上昇
し、ゲル化するなどの欠点がある。 また、練乳の類似組成物としての製造方法の特
許出願が見られる(イ)特開昭52−64455、(ロ)特公昭
56−1050には、殺菌した濃縮牛乳組成物を用いた
カスタードプリン、ババロア等において、その組
成物中に含まれるカルシウム分に対するナトリウ
ム分の比(以下「Na/Ca」と略記する)とナト
リウム分に対するリン分の比(以下「P/Na」
と略記する)を特定し、Na/Caを単独、又は
Na/CaとP/Naを組合わせることにより、縞
模様の発生や分離を防止することができるという
ことを報告している。(イ)、(ロ)に用いるUHT殺菌
装置は、直接加熱方式、間接加熱方式のいずれも
が使えるものである。しかしながら、直接加熱方
式と間接加熱方式とでは両者の殺菌温度と時間の
条件がほぼ同一であることより、殺菌効果として
大差はないと言えるが、実際には両者の間には、
乳化安定性、風味の変化、蛋白質の熱凝固による
品質上への影響等、種々の問題が存在している。 直接加熱方式では殺菌温度まで昇温させるのに
製品の中へ直接過熱蒸気を注入(スチームインジ
エクシヨン方式)するか、又は過熱蒸気雰囲気中
に製品を噴霧(スチームインヒユージヨン方式)
する方式がある。冷却はいずれも減圧下で過剰な
水分をふたたび蒸発し、その蒸発熱により冷却す
るものである。 このような直接加熱方式は、云わば水蒸気蒸留
を行なつているものであり、水蒸気の蒸発と共に
香料等の揮発成分や風味成分が除かれており、こ
れが直接加熱方式の大きな欠点であり、さらに加
熱蒸気によりエマルジヨンが破壊され、乳化安定
性への影響がある。 これに対して、間接加熱方式によれば、密閉下
で加熱および冷却が行なわれるため、蒸発により
香料成分や風味を失うことはない。しかしなが
ら、間接加熱方式には、製品中の蛋白質が熱凝固
を起こして装置の伝熱面に付着して、焦げ付きが
起こり、これによる風味の低下と共に、伝熱が悪
くなることになる装置の長時間の連続運転が出来
ず、運転を停止して焦げ付き面を清掃しなければ
ならないと言う欠点がある。また、直接加熱方式
では、加熱によるエマルジヨンの安定性の低下に
より、均質化して殺菌処理後に再び均質化を行つ
ているのに対して、間接加熱方式では、殺菌処理
を均質化前に、あるいは均質化後に行なう二通り
あるが、一般的な均質化後殺菌処理の場合は、ど
うしても蛋白質の熱凝固によるエマルジヨン安定
性の低下が見られる。 また(イ)、(ロ)の様に、リン酸ナトリウム塩等を添
加した濃縮牛乳組成物においては、焦げ付きは改
良されるが、リン酸塩等の添加による風味の低下
並びに乳化安定性が劣り好ましくない。 以上述べたような間接加熱方式の欠点が改良さ
れれば、直接加熱方式に比較して極めて風味のす
ぐれた製品が得られるものである。 このような問題点に着眼して、発明者らは鋭意
検討を行なつた結果、本発明を考察するに到つた
ものである。そこで本発明者らは、表−1に示す
ような一連の実験を行なつた。 (1) 組成:大豆硬化油9部、脱脂粉乳20部、水71
部より成る組成物に、表−1の添加物のその添
加量を上載せして加えた。 (2) 練乳様組成物の製造方法:レシチンを使用す
る場合には、それを大豆硬化油に溶解してお
く。 別に脱脂粉乳20部を表−1のレシチン以外の
添加物を各々実施例の添加量と共に水に溶解
し、60℃にて、上記の大豆硬化油又はそれにレ
シチンを溶解したものと混合し、温度を約60℃
に保ちながら、ホモミキサーで15分間予備乳化
を行い、次いで、圧力100Kg/cm2の下で均質化
とチユーブラーを用いてのUHT間接加熱方式
により、140℃、2秒間殺菌した後、5℃前後
に急冷し、無菌の練乳様組成物を得た。練乳様
組成物につき、以下に述べる方法により「焦げ
付き」、「風味」、「乳化安定性」を測定した。 (3) 焦げ付き度合の判定:殺菌管内の伝熱面に焦
げ付きが発生すると管が細くなり、配管抵抗が
増す。この事実から、実験前の配管抵抗値と実
験後の配管抵抗値の差を下記のような方法で求
め、焦げ付き度合を判定した。 圧力上昇値(Kg/cm2) 焦げ付き度合 0〜2.0 少 2.1〜5.0 多 5.1以上 著しい 圧力上昇値(Kg/cm2)=実験後の配管抵抗値
(Kg/cm2) −実験前の配管抵抗値(Kg/cm2) 配管抵抗値の測定:製造機のポンプを最高速に
して温水を流し、加熱管入口部での圧力測定を
行なつた。尚、実験前の圧力は5.5Kg/cm2であ
る。 (4) 風味:10人の被験者に対して、市販の缶入り
無糖練乳(ネツスル日本(株)製)を対照に風味や
食感について比較を行なつた。 良品としては、異味・異臭がなく、食感(ざ
らつきの有無)が良好で、褐変がほとんどない
ものとした。問題のあるものは不良品と判定
し、具体的な内容を示した。 尚、このネツスル日本(株)品の無糖練乳は、一
般的な無糖練乳に見られるような焦げ味及び著
しい褐変が見られた。 (本来は焦げ味や褐変がないものが好まし
い。) (5) 乳化の安定性:5℃の冷蔵庫に保管し、1日
後及び1ケ月後に観察を行ないエマルジヨンの
安定性を判断した。 劣る…外観上で沈澱や油の分離が著しいもの 稍劣る…外観上で沈澱や油の分離が少しあるも
の 良…外観上で沈澱や油の分離が全くないもの若
しくはほとんどないもの 以上の実験例につき測定の結果を表−1に示
す。
【表】
【表】 表−1の結果より (i) 無機性の添加物を単体で用いた場合、風味、
乳化安定性が共に劣つている。 (ii) 有機性の添加物を単体で用いた場合、レシチ
ンは焦げ付き防止や蛋白質凝固防止の効果が出
て来るが、1%では風味が若干悪くなる傾向が
出て来る。添加量が少いと上に述べた防止効果
が低下して来る。微結晶セルロースは、焦げ付
き防止や蛋白質凝固防止の作用はなく、添加に
より乳化安定性を増すが、添加量が少いと乳化
安定性が悪く、1.0%では粘度の増大傾向が出
て来る。 (iii) レシチンと微結晶セルロースを組み合わせる
ことにより、レシチン単体の場合に比較して、
乳化安定性が改善され、また微結晶セルロース
単体の場合に比較して、焦げ付きと乳化安定性
が改善される。しかしレシチンを1.0〜1.1%を
使用したものは、エマルジヨンの粘度の上昇が
見られ、同時にレシチン臭が出て来て、風味え
の影響が見られる。 また、レシチンが0.2%以下のものは、焦げ
付付きが起ると共に乳化安定性に若干難点があ
る。 微結晶セルロースの量が、1.0〜1.1%では、
エマルジヨンにゲル化が起り、やはり粘度増加
の傾向が出て来る。0.1%以下の場合には、乳
化安定性が極めて低下して来る。 (iv) 以上の結果をまとめると、 (イ) レシチンは、0.3%以上、1.0%以下の添加
量で用いると良い結果が得られている。 (ロ) 微結晶セルロースは、0.1%以上、1.0%以
下の添加量で良い結果が得られている。 以上の様に、各種リン酸のナトリウム塩、その
他のナトリウム塩類を用いることなしに、レシチ
ンと微結晶セルロースとを組み合わせて使用する
ことにより、間接加熱方式によるUHT殺菌処理
を行つた後においても、焦げ付きが発生せず、風
味や乳化安定性の低下がない練乳様組成物の製造
方法を見出し、本発明を完成した。ここに用いる
レシチンには、大豆あるいは卵黄から得られたも
のがいずれも使用出来る。大豆レシチンまたはそ
の加工品が代表的なものである。 微結晶セルロースには、市販されているもので
良いが、例えばアビセルRC−N81(旭化成工業(株)
製)が挙げられる。 本発明に使用する油脂は、牛脂、ラード、乳
脂、パーム油、大豆油、ヤシ油等の動植物油脂
で、またこれらを水素添加若しくはエステル交換
を行い得られた油脂、または結晶分別により分別
して得られる固体脂もしくは液体脂、等の油脂を
単独あるいは混合して用いることが出来る。 乳固形等の固形物物としては、主に全脂粉乳、
脱脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエイパウダ
ー、植物性蛋白質等が使用出来る。 また、必要により、焦げ付き防止やエマルジヨ
ン安定化の補助的な意味で、リン酸類及びクエン
酸のK塩が少量使用出来る。 尚、砂糖を添加することにより、加糖練乳様の
風味にすることが出来る。 間接加熱装置としては、管やプレートによる方
法若しくは掻き取り方式等があり、いずれも水蒸
気等で間接的に加熱する方式である。 チユーブラ方式には、ステリデイール(Stork
社)、スパイラルサーム(Cherry Burrell社)、
プレート方式には、ウルトラマチツク(APV
社)、VTSA(α−Laval社)があり、掻き取り方
式には、サーミユテーター(Cherry Burrell社)
等が一般的であり、いずれも使用出来る。また、
これらの装置と無菌充填包装機とを組み合わせて
使用することにより、長期間保存出来る製品を得
ることが出来る。 以下実施例により、本発明を説明する。 実施例 1 大豆硬化油(融点34℃)9部を70℃に加熱し、
これに大豆レシチン0.5部を溶解する。別に脱脂
粉乳20部、微結晶セルロース(アビセルRC−
N81)0.5部を水70.0部に溶解し、これを60℃に加
熱した後、上記の油相と混合し、約60℃を保持し
ながらホモミキサーで15分間予備乳化を行なう。
次いで圧力100Kg/cm2で均質化し、次いで間接加
熱殺菌装置(チユーブラー方式)にて、140℃、
2秒間殺菌した後5℃に冷却し、無菌の練乳様組
成物を得た。このものは5℃の冷蔵庫に1ケ月保
存しても沈澱や油の分離を起さず良好なエマルジ
ヨンであつた。 実施例 2 大豆硬化油(融点32℃)5.5部を約70℃に加熱
し、大豆レシチン0.5部を入れて溶解する。別に
脱脂粉乳20.0部、微結晶セルロース0.5部を水73.5
部に溶解し、これを60℃に加熱した後に上記の油
相と混合する。以下、実施例1と同じ様に均質化
と殺菌を行ない得られた練乳様組成物は実施例1
と同様に1ケ月保存しても良好なエマルジヨンで
あつた。 実施例 3 ナタネ硬化油(融点36℃)7.0部と精製パーム
油(融点32℃)7.0部を約70℃に加熱し、大豆レ
シチン1.0部、香料0.05部を入れて溶解する。別
に脱脂粉乳20.0部、砂糖10.0部、微結晶セルロー
ス1.0部を水54部に溶解し、これを60℃に加熱し
た後、上記の油相と混合する。以下、実施例1と
同じ様に、均質化と殺菌を行なつて、練乳様組成
物を得た。 この練乳様組成物は、5℃の冷蔵庫で1ケ月保
存してもエマルジヨンは良好であり、且つ練乳や
牛乳を使用して調製した食パン、カスタードクリ
ーム、ババロア等よりも良好な風味であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 食用油脂5.0〜15.0重量%(以下%と記す。)
    に、レシチン0.3〜1.0%、微結晶セルロース0.1〜
    1.0%、乳固形等の固形物10〜40%と水45〜80%
    より成る混合物を均質化して水中油型エマルジヨ
    ンを得るに際し、UHT加熱による殺菌手段とし
    て、間接加熱方式を用いることを特徴とする練乳
    様組成物の製造方法。
JP10051083A 1983-06-06 1983-06-06 練乳様組成物の製造方法 Granted JPS59224652A (ja)

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JPS59224652A JPS59224652A (ja) 1984-12-17
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Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0614835B2 (ja) * 1985-04-30 1994-03-02 旭電化工業株式会社 合成チ−ズ様組成物の製造方法
JP5089673B2 (ja) * 2009-04-20 2012-12-05 森永乳業株式会社 濃厚乳用の焦げ付き防止剤および焦げ付き防止方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5264455A (en) * 1975-11-25 1977-05-27 Asahi Denka Kogyo Kk Method of producing concentrated milkklike composition
JPS54138153A (en) * 1978-04-18 1979-10-26 Asahi Chemical Ind Creamy edible composition
JPS561050A (en) * 1979-06-16 1981-01-08 Daikin Ind Ltd Photographic film drying method

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