JPH04368957A - 電子写真用エンドレスベルト状感光体 - Google Patents

電子写真用エンドレスベルト状感光体

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JPH04368957A
JPH04368957A JP14602491A JP14602491A JPH04368957A JP H04368957 A JPH04368957 A JP H04368957A JP 14602491 A JP14602491 A JP 14602491A JP 14602491 A JP14602491 A JP 14602491A JP H04368957 A JPH04368957 A JP H04368957A
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JP
Japan
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photoreceptor
belt
photosensitive layer
substrate
electrophotographic
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JP14602491A
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English (en)
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Saburo Yokota
三郎 横田
Yukito Matsuda
幸人 松田
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザープリンター等の
コヒーレント光による露光を行う電子写真装置に用いる
エンドレスベルト状感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真法を用いた複写機、プリ
ンターの小型化、軽量化に伴い、感光体を柔軟性のある
ベルト状として用いる方法が注目されている。感光体を
ベルト状とすることにより、従来、極めて大きな口径の
金属ドラムを必要とした高速の複写機、プリンターや、
複数の現像プロセスを必要とするカラー複写機、プリン
ターの小型、軽量化が可能となる。
【0003】一方、感光体をベルト状で用いる場合、こ
れをエンドレスの形態で使用する方法が機構上、簡略化
が可能で有利である。従来、このようなエンドレスベル
ト状感光体としては、シート状の感光体を裁断して、端
面を接合したものが知られている。しかしながら、この
ようなものは、接合面の平面性や強度の面で充分な性能
を有するものは実現されていない。また、継目の無いシ
ームレス状のものを実現するために、キャスティング方
式や、インフレーション方式による樹脂性のベルト状基
体を作成する方法が提案されているが、これらの方法に
よるベルト状基体は、表面平滑性、感光層、導電層の接
着性、寸法精度、強度等の面で充分な性能のものが得ら
れず、未だ実現するに至っていない。また、これらの基
体は、樹脂を材料とするため、電子写真用の基体として
用いるための導電性を付与する為、導電層を設けたり、
カーボン、金属、金属酸化物等の導電性粉末を分散させ
て、それ自体を導電化する処置を必要とするため、コス
トが高くなったり、強度低下を招く恐れがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電鋳法によって作製さ
れたエンドレスベルトを基体として用いる方法は、これ
らの欠点の改善に非常に有効である。しかし、基体の光
反射率が大きいため、レーザープリンターのようなコヒ
ーレント光を露光用光源とする電子写真装置では、感光
層表面と基体表面の反射光が互いに干渉を起こして、画
像に波紋状の濃度むらを生じてしまう欠点があった。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、従来提
案されてきた電子写真用エンドレスベルト状感光体のい
ずれにおいても十分でない点を改善し、実用上より好ま
しい電子写真用エンドレスベルト状感光体を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、電鋳法により作成された金属製ベルトを基
体とする電子写真感光体において、該基体が中心線平均
粗さで0.5〜5μmの範囲内の表面粗度を持つマンド
レルロールによって電鋳作製されたことを特徴とするエ
ンドレスベルト状感光体を提供する。
【0007】また、本感光体は基体の厚みが5〜200
μmの範囲内にあることが望ましく、更に感光層がチタ
ニルフタロシアニンを含有し、かつ膜形成された状態に
おいて、Cu−Kα特性X線のブラッグ角2θが7.5
゜±0.2゜、22.5゜±0.2゜、28.6゜±0
.2゜に明瞭なピークを有することが好ましい。
【0008】一般にレーザープリンター等のコヒーレン
ト光を露光用光源として用いる電子写真装置では、露光
の際、感光体の表面で反射した光と感光層を透過して基
体の表面で反射した光とが互いに干渉して、画像に干渉
縞と呼ばれる波紋状の模様が現れることが知られている
【0009】即ち、感光層の膜厚をd、屈折率をη、入
射角度をθ、露光する光線の波長をλとすれば、2ηd
・sinθ=nλ(nは正の整数を表わす。)の条件と
なるとき、感光体表面での反射光は、基体からの反射光
と位相が揃い、反射が最も大きくなる。従って、感光層
内で光電変換に供される光エネルギーとしては最小とな
り、画像上は濃度が薄くなる。逆に、2ηd・sinθ
=(n+1/2)λの条件となるときは、感光体表面で
の反射光は基体からの反射光によって打ち消され、反射
が最も小さくなる。即ち、エネルギー効率としては最も
良いことから画像濃度は濃くなる。λを最も一般的な半
導体レーザーの値、0.78μm、入射角度を90゜、
感光層の屈折率を1.5として計算すると画像濃度の一
番薄い部分から次の濃い部分に相当する膜厚の変化はわ
ずか0.13μmに過ぎず、これは感光層の膜厚の変動
として容易に現れる範囲内であって、膜厚の平滑化で干
渉縞を防止することは極めて困難である。
【0010】この干渉縞の防止対策としては、感光層の
光吸収率を上げて透過光を弱くする方法、基体を着色し
反射率を低下させる方法、感光層と基体の間に光散乱層
を設ける方法等が知られているが、基体そのものの表面
粗度を大きくして反射光を散乱させる方法が最も簡単で
大きな効果がある。ドラム状の感光体では、これらの表
面加工は通常、切削加工や、サンドブラスト等の2次加
工によって微細な凹凸を付けることによって為されてい
るが、本発明に係わるようなベルト状感光体の場合は基
体の性質上、このような2次加工を行うことは非常に困
難である。
【0011】電鋳法による金属製ベルトの作成は、通常
、導電性のロール状のマンドレルの表面に電解質溶液内
で金属を堆積させ、所要の厚みの堆積が得られた時点で
マンドレルを抜き出すことによって得られるが、発明者
らはその表面粗度が電鋳される基体の厚みが充分薄い場
合、マンドレルロールの表面粗度をよく再現することに
着目し、本発明に到達するに至った。
【0012】即ち、マンドレルロール自体の表面粗度を
中心線平均粗さで0.5〜5μmの範囲内にして、金属
ベルトを電鋳作製するとベルトの表面もその粗度を精度
良く再現して、レーザープリンター等での使用に好適な
干渉縞の発生がない基体が、面倒な2次加工なしに得ら
れることを見いだしたのである。また、この際、基体の
厚みは、ベルト状感光体としての実用的な機械的強度と
柔軟性を持ち、かつマンドレルロールの表面粗度を忠実
に再現できるように5〜200μmの範囲内にあること
が望ましい。更に、本感光体においては、感光層に膜形
成された状態において、Cu−Kα特性X線のブラッグ
角2θが7.5゜±0.2゜、22.5゜±0.2゜、
28.6゜±0.2゜に明瞭なピークを有するチタニル
フタロシアニンを含有させることによってレーザープリ
ンター等に用いる感光体として好適な優れた特性を得る
ことができる。
【0013】本方式によって得られる金属製ベルトは、
マンドレルロールの表面精度を調整することで、その表
面性を再現し、また寸法精度の優れたシームレスベルト
であることが特徴であり、また導電性、強度も金属を材
料とすることから良好で、電子写真用の基体として極め
て好適である。
【0014】本発明においては、金属製ベルト上に光導
電性材料による感光層を形成して電子写真用感光体とし
て用いられるが、感光層の構造は様々な形態を取ること
ができる。その例を第1〜4図に示した。
【0015】第1図の感光体は電荷発生材料をバインダ
ーに分散させてなる感光層を設けたものである。第2図
は電荷発生材料と電荷輸送材料をバインダーに分散させ
てなる感光層を設けたものである。第3図及び第4図は
電荷発生材料を主体とする電荷発生層と電荷輸送材料を
主体とする電荷輸送層を積層した感光層を設けたもので
ある。これらの感光層の膜厚は5〜50μmの範囲が好
ましい。また必要に応じて金属製ベルトと感光層の間に
バリアー性、接着性を向上させるため中間層を形成する
こともできる。
【0016】本発明の感光体に用いられる金属製ベルト
状支持体の材料としては、例えば、銅、ニッケル、アル
ミニウム、亜鉛、鉄、クロム、モリブデン、バナジウム
、インジウム、チタン、金、銀、白金等の金属あるいは
これらの合金を挙げることができるが、特に銅、ニッケ
ル等が好適である。
【0017】感光層に用いられる電荷発生材料としては
、例えば、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料
、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベンゾイ
ミダゾール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリド
ン系顔料、キノリン系顔料、レーキ顔料、アゾレーキ顔
料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジオキ
サジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、アズレニウ
ム染料、スクウェアリウム染料、ピリリウム系染料、ト
リアリルメタン染料、キサンテン染料、チアジン染料、
シアニン系染料等の種々の有機顔料、染料や、更にアモ
ルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、セレ
ンーテルル合金、硫化カドミウム、硫化アンチモン、酸
化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料を挙げることができるが
、発明者らは特に特定の結晶形のチタニルフタロシアニ
ンを用いた場合に、より良好な結果が得られることを見
いだした。
【0018】電荷発生物質はここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては単独、あるいは
2種類以上混合して用いることができる。
【0019】また、電荷輸送物質としては一般に電子を
輸送する物質と正孔を輸送する物質の2種類に分類され
るが、本発明の感光体には両者とも使用することができ
る。
【0020】電子輸送物質としては、例えば、クロラニ
ル、ブロモアニル、テトラシアノエチレン、テトラシア
ノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン、9−ジシアノメチレン−2,4,7−トリニトロ
フルオレノン、9−ジシアノメチレン−2,4,5,7
−テトラニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラ
ニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサン
トン、テトラニトロカルバゾールクロラニル、2,3−
ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、2,4,7
−トリニトロ−9,10−フェナントレンキノン、テト
ラクロロ無水フタール酸、ジフェノキノン誘導体等の有
機化合物や、アモルファスシリコン、アモルファスセレ
ン、テルル、セレンーテルル合金、硫化カドミウム、硫
化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙げ
られる。
【0021】正孔輸送物質としては、低分子化合物では
、例えばピレン、N−エチルカルバゾール、N−イソプ
ロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール、ある
いはN−メチル−2−フェニルヒドラジノ−3−メチリ
デン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフェニルヒ
ドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール、
p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドジフェニ
ルヒドラゾン、p−N,N−ジエチルアミノベンズアル
デヒドジフェニルヒドラゾン、p−N,N−ジフェニル
アミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、等のヒ
ドラゾン類、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール、1−フェニル−
3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエ
チルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン類、ト
リフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラフェニ
ル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン、N,
N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニ
ル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等が
挙げられる。また、高分子化合物としては、例えばポリ
−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアンス
ラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホルムアルデ
ヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂
、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフ
ェニルメタンポリマー、ポリシラン等が挙げられる。
【0022】これらの材料は、バインダー樹脂に分散さ
れ塗布されるか、真空蒸着、スパッタリング、CVD法
等の手段により成膜されて、感光層に使用することがで
きる。
【0023】電荷輸送物質は、ここに挙げたものに限定
されるものではなく、その使用に際しては単独、あるい
は2種類以上混合して用いることができる。
【0024】バインダー樹脂としては、疎水性で、電気
絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体を用いるのが
好ましい。このような高分子重合体としては、例えばポ
リカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アク
リル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合体
、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリ
コン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド
樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォル
マール、ポリスルホン等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。これらのバインダーは、単独また
は2種類以上混合して用いられる。
【0025】また、これらのバインダーとともに可塑剤
、増感剤、表面改質剤等の添加剤を使用することもでき
る。
【0026】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、ジブチルフタレート
、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレ
ート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフ
ェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0027】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染料
、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0028】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0029】更に、本発明においては、金属製ベルト状
支持体と感光層との接着性を向上させたり、支持体から
感光層への自由電荷の注入を阻止するため、金属製ベル
ト状支持体と感光層の間に、必要に応じて接着剤層ある
いはバリヤー層を設けることもできる。これらの層に用
いられる材料としては、前記バインダーに用いられる高
分子化合物の他、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアル
コール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミ
ド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系
ポリマーラテックス、ポリウレタン、酸化アルミニウム
、酸化珪素、酸化錫、酸化チタン等が挙げられる。
【0030】積層型感光体を塗工によって形成する場合
、上記の電荷発生剤や電荷輸送物質をバインダー等に混
合したものを溶剤に溶解した塗料を用いるが、バインダ
ーを溶解する溶剤は、バインダーの種類によって異なる
が、下層を溶解しないものの中から選択することが好ま
しい。具体的な有機溶剤の例としては、例えば、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール等のアルコール類
;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド等のアミド類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、メチルセロソルブ等のエーテル類;酢
酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジメチルスルホ
キシド、スルホラン等のスルホキシド及びスルホン類;
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロ
エタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トル
エン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼ
ン等の芳香族類などが挙げられる。
【0031】塗工法としては、例えば、浸漬コーティン
グ法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング
法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング
法、ブレードコーティング法、ローラコーティング法、
カーテンコーティング法等のコーティング法を用いるこ
とができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これにより本発明が実施例に限定されるものでは
ない。尚、実施例中「部」とあるのは「重量部」を示す
【0033】(実施例1)ステンレス鋼を加工して、直
径φ150mmで長さ350mmのマンドレルロールを
作成し、その表面をサンドブラスト法により表面粗度が
中心線平均粗さで0.7μmとなるように加工した。こ
れを純水10部に対し塩化ニッケル3部、ホウ酸0.3
部を溶解した電解質溶液に浸漬し、ニッケルを陽極とし
て液温60℃、成膜速度100オングストローム/秒の
条件で電鋳を行ない、厚み50μmのニッケル製ベルト
状基体を作成した。このようにして作成したニッケル基
体の表面粗度は0.6μmで極めて均一なベルト状の基
体であった。
【0034】次に、得られたベルト状基体の上に変性ポ
リアミド樹脂(商品名「AQ−ナイロンP−70」東レ
社製)10部をメタノール50部とn−ブタノール50
部に溶解した溶液で浸漬法によって塗布し、乾燥後の膜
厚が1μmのバリヤー層を得た。
【0035】電荷発生材料としては、チタニルフタロシ
アニンを合成し、濃硫酸溶液から再結晶化したものを用
いた。次に、得られた結晶をアトライターミルにより9
0℃で90分間粉砕したもの5部に、ブチラール樹脂(
商品名「エスレックBL−1」積水化学社製)5部と塩
化メチレン90部を混合し、振動ミルを用いて電荷発生
層用の分散液を得た。この分散液を塗膜化して、X線回
折を行なった結果、第5図に示したようにCu−Kα線
のブラッグ角が2θで7.5゜、22.5゜、28.6
゜に大きなピークが見られ、塗膜状態でも高い結晶性を
保持していることが分かった。この塗料を上記中間層の
上に塗布し、乾燥後の膜厚0.4μmの電荷発生層を形
成した。
【0036】次に正孔輸送物質である、下記構造式のヒ
ドラゾン化合物10部とポリカーボネート樹脂(商品名
「パンライトL−1250W」帝人化成社製)10部を
塩化メチレン80部に溶解した溶液を浸漬法により塗布
後、乾燥し厚さ20μmの電荷輸送層を形成した。
【0037】
【化1】
【0038】(実施例2)実施例1と同一の方法でマン
ドレルロールを作成し、その表面を精密旋盤による切削
によって中心線平均粗さで0.8μmに加工した。これ
を純水10部に対し、スルファミン酸ニッケル4部、塩
化ニッケル0.3部、ホウ酸0.4部を溶解した電解質
溶液に浸漬し、ニッケルを陽極として、液温50℃、成
膜速度100オングストローム/秒の条件でニッケル電
鋳を行ない、厚み30μmのニッケル製ベルト状基体を
作成した。このようにして作成したニッケル基体の表面
粗度は0.8μmで極めて均一なベルト状の基体が得ら
れた。
【0039】次にこの基体の上に実施例1と同一の方法
で感光層を形成し、ベルト状感光体を得た。
【0040】(比較例)マンドレルロールの表面粗度を
中心線平均粗さで0.3μmの鏡面仕上げとした以外は
実施例1と全く同一の方法でニッケル製ベルト状基体を
作成した。このニッケル基体の表面粗度は0.3μmで
マンドレルの表面状態をよく再現していた。
【0041】次にこの基体の上に実施例1と同一の方法
で感光層を形成し、ベルト状感光体を得た。
【0042】(機械的特性)マンドレルの表面粗度以外
は全て同一条件で作成された実施例1及び比較例のベル
ト状基体の機械的強度を測定したところ、何れも抗張力
 80kg/mm2、硬度300HVで全く同じ値が得
られた。従って、マンドレルの表面粗度を変えても機械
的に何等、問題の無いベルト状基体の得られることが分
かった。
【0043】(電気的特性)ベルト状電子写真感光体の
それぞれの電気的特性を比較するため、静電複写紙試験
装置Model  SP−428(川口電機製作所社製
)を用いて特性を測定した。測定方法は、測定可能な大
きさに裁断した感光体を装置に装着し、暗所で印加電圧
−6kVのコロナ放電により帯電させ、この直後の表面
電位を初期電位V0 として感光体の帯電能の評価に用
いた。次に10秒間、暗所に放置した後の電位を測定し
、V10とした。ここで比 V0/V10によって電位
保持能を評価した。次いで、波長780nmの単色光を
、その表面における光強度が 1μW/cm2になるよ
うに設定し、感光層に光照射を15秒間行ない、表面電
位の減衰曲線を記録した。ここで15秒後の表面電位を
測定し、それを残留電位VR とした。また光照射によ
り表面電位がV10の1/2に減少するまでの露光量を
求め、半減露光量E1/2 として感度を評価した。そ
の結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】表から明らかなように、実施例の感光体は
比較例の感光体に比べ電気特性的に全く遜色の無いこと
が理解できる。
【0046】(画像特性)画像特性の評価には、ベルト
状感光体を使用する試作のレーザープリンターを用いて
、実施例及び比較例で得た各ベルト状感光体を装着し、
テストパターンを印字することによって評価を行った。
【0047】この結果、実施例1及び実施例2の感光体
はいずれも鮮明で優れた画像が得られた。一方、比較例
の感光体は網点画像領域にレ−ザー光の干渉による波紋
状の濃度のムラが顕著に見られた。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、電鋳法により作成され
た金属製ベルトを基体とする電子写真感光体において、
該基体を中心線平均粗さで0.5〜5μmの範囲内の表
面粗度を持つマンドレルロールによって電鋳作成するこ
ととしたので、基体に特別な表面加工をすることなく、
レーザープリンター等のコヒーレント光を光源とする電
子写真装置に用いても干渉縞の発生がなく、強度、寸法
精度の優れたエンドレスベルト状感光体を得ることがで
きる。
【0049】また、本感光体は基体の厚みが5〜200
μmの範囲内にあることが望ましく、更に感光層がチタ
ニルフタロシアニンを含有し、かつ膜形成された状態に
おいて、Cu−Kα特性X線のブラッグ角2θが7.5
゜±0.2゜、22.5゜±0.2゜、28.6゜±0
.2゜に明瞭なピークを有することにより、より好まし
い感光体特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明の感光体の層構成の例を示す拡
大断面図である。
【図2】第2図は本発明の感光体の層構成の例を示す拡
大断面図である。
【図3】第3図は本発明の感光体の層構成の例を示す拡
大断面図である。
【図4】第4図は本発明の感光体の層構成の例を示す拡
大断面図である。
【符号の説明】
1  金属製ベルト状支持体 2a  感光層 2b  感光層 2c  感光層 2d  感光層 3  電荷発生物質 4  バインダー 5  電荷輸送物質 6  電荷発生層 7  電荷輸送層
【図5】第5図は、本発明の実施例1で得た感光体の電
荷発生層のX線回折図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  電鋳法により作成された金属製ベルト
    を基体とする電子写真用感光体において、該基体が中心
    線平均粗さで0.5〜5μmの範囲内の表面粗度を持つ
    マンドレルロールによって電鋳作製されたことを特徴と
    する電子写真用エンドレスベルト状感光体。
  2. 【請求項2】  上記感光体の金属製ベルト状支持体の
    厚みが5〜200μmの範囲内にある請求項1項記載の
    電子写真用エンドレスベルト状感光体。
  3. 【請求項3】  感光層がチタニルフタロシアニンを含
    有し、かつ膜形成された状態において、Cu−Kα特性
    X線のブラッグ角が2θで7.5゜±0.2゜、22.
    5゜±0.2゜、28.6゜±0.2゜に明瞭なピーク
    を有することを特徴とする請求項1項記載の電子写真用
    エンドレスベルト状感光体。
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