JP2001100445A - 感光体、その製造方法、及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

感光体、その製造方法、及びこれを用いた画像形成装置

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JP2001100445A
JP2001100445A JP27488199A JP27488199A JP2001100445A JP 2001100445 A JP2001100445 A JP 2001100445A JP 27488199 A JP27488199 A JP 27488199A JP 27488199 A JP27488199 A JP 27488199A JP 2001100445 A JP2001100445 A JP 2001100445A
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light source
photoreceptor
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Chikatoshi Satou
周逸 佐藤
Toshisuke Nakajo
敏資 中條
Tatsuya Kitajima
達也 北島
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Original Assignee
Toshiba TEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一波長光を露光光とする電子写真装置に適
用しても干渉縞模様の画像ムラが発生せず、特性の良好
な感光体を得る。 【解決手段】 導電性基体表面をS≠25.4/d×N
×(P2/P1)×n…式(1)となるように切削加工
して感光体を得る。(但し、式中Sは切削ピッチ(mm
/回)、dは露光光源の解像度(dpi)、Nは変調
数、P1は画像出力時のパルス幅の分割数、P2は画像
出力時のパルス幅、nは整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光等の単
色光を用いて像露光を行う画像形成装置及びに適用され
る改良された電子写真感光体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、通常、アルミニウム
またはアルミニウム合金からなる円筒状の導電性基体を
支持体とし、その上に感光層が設けられて構成されてい
る。中でも感光層が電荷発生層と電荷輸送層からなる機
能分離型の積層型電子写真感光体が用いられることが多
い。導電性基体の表面は薄膜の感光層を均一に密着性よ
く形成するために、所要の平滑な表面形状に加工され
る。表面加工方法としては、例えばダイヤモンドバイト
による切削加工が多用されている。加工は、通常、荒切
削と仕上げ切削の少なくとも二段階以上の切削によって
行われる。
【0003】凹凸の山の高さと谷の深さはほぼ同じで、
バイトの移動速度(基体一回転あたりの送りピッチ、以
下、切削ピッチ)で決まる隣合う山と山あるいは谷と谷
の距離はほぼ一定で、規則的な形状に加工されている。
【0004】ところが、このような基体を用いて作製し
た感光体を、ガスレーザーや半導体レーザーなどの単一
波長光を露光光として露光に用いる電子写真装置、例え
ばプリンターに搭載すると、得られる画像に干渉縞模様
の画像ムラが発生する場合が多く、このような画像ムラ
の発生する感光体は実用に耐えないものとなる。このよ
うな画像ムラは、基体表面にまで到達した露光光が基体
表面で反射し、基体表面が鏡面、あるいは非鏡面でも規
則的な形状を有する場合に、この反射光が干渉を起こす
ことに起因することが知られており、これを防ぐため
に、基体表面の粗さに着目した提案がなされている。
【0005】粗面化する手段としては、例えば精密旋盤
による切削によるもの、砥石を用いた、超仕上げと呼ば
れる研削によるもの等が提案されている。
【0006】しかしながら、これらの方法では、比較的
安定した乱反射面が得られる反面、粗面化の過程で、基
体の表面に局所的な「ささくれ」状の欠陥が生じ易く、
それが原因となって画像に欠陥が発生し、収率を悪化さ
せる要因となっている。
【0007】例えば特公平2−59981号公報には、
バイトによる切削加工により、円周方向に幅10〜50
0μm、深さ0.1〜100μmの溝を規則的、かつ並
列に形成して成る円筒状基体及びこれを用いた電子写真
感光体が提案されている。
【0008】また特公平3−64062号公報にはバイ
トによる切削加工により円周方向にその断面形状の主ピ
ークに副ピークが重畳された凸部を螺旋状に、かつ周期
的に形成して成る円筒状基体及びそれを用いた電子写真
感光体が提案されている。
【0009】しかしながら、これらの方法では、干渉縞
模様の画像ムラを完全になくすことは困難であった。
【0010】また、特開平5−34693号公報には、
規則的に微細な凸凹形状を有するように加工された後、
さらに切削性砥粒を固着させた研磨テープで研削され
て、任意の断面で不規則な微細な凸凹形状を有するよう
に仕上げた電子写真感光体が提案されている。また、特
開平9−230611号公報には、基体の表面を規則性
や周期性のないランダムな形状となるように加工して反
射光を乱反射させた改良された電子写真感光体を用いた
画像形成方法及び画像形成装置が提案されている。さら
には、基体表面に光の散乱層を設けたり、光の吸収層を
設けたりする対策が採られてきた。
【0011】しかしながら、基体表面を規則性のないラ
ンダムな形状に均一に加工する方法は規則的な形状に加
工する方法よりも一般に複雑であり、技術的に難しく、
また、散乱層あるいは吸収層を設けることはそれだけ感
光体の製造工程が多くなることになり、さらに感光体特
性を悪化させる要因ともなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の問題点を解消するためになされたものであって、単一
波長光を露光光とする電子写真装置に適用しても干渉縞
模様の画像ムラが発生せず、特性の良好な感光体を、容
易に安価に提供することにある。
【0013】本発明の別の目的は、単一波長光を露光光
とする電子写真装置に適用しても干渉縞模様の画像ムラ
が発生せず、同一ロット内で均一な表面特性をもつ導電
性基体を容易に製造することができる感光体の製造方法
を提供することにある。
【0014】本発明のさらに別の目的は、感光体上に単
色光による像露光を施こして画像形成を行っても、干渉
縞に基づくモアレ画像の発生が無く、高濃度、鮮明な画
像を安定して得ることが出来る画像形成装置を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、露光
光源として単色光光源を用いる画像形成装置に適用され
る感光体であって、円筒形の導電性基体、及び導電性基
体上に設けられた感光層を有し、前記導電性基体は、回
転された状態で、切削工具を該導電性基体の軸方向に下
記条件を満足するような切削ピッチで移動して該導電性
基体表面上に接触させ、切削加工されていることを特徴
とする感光体を提供する。
【0016】 S≠25.4/d×N×(P2/P1)×n …式(1) (但し、式中Sは切削ピッチ(mm/回)、dは露光光
源の解像度(dpi)、Nは変調数、P1は画像出力時
のパルス幅の分割数、P2は画像出力時のパルス幅、n
は整数である。) 本発明は、第2に、露光光源として単色光光源を用いる
画像形成装置に適用される感光体の製造方法であって、
円筒形の導電性基体を回転させた状態で、切削工具を該
導電性基体の軸方向に所定の切削ピッチで移動しながら
該導電性基体表面上に接触させ、切削加工を行う工程、
及び加工された導電性基体表面に感光層を形成する工程
を有し、前記切削ピッチが下記条件を満足することを特
徴とする感光体の製造方法を提供する。
【0017】 S≠25.4/d×N×(P2/P1)×n …式(1) (但し、式中Sは切削ピッチ(mm/回)、dは露光光
源の解像度(dpi)、Nは変調数、P1は画像出力時
の露光光のパルス幅の分割数、P2は画像出力時の露光
光のパルス幅、nは整数である。) 本発明は、第3に、感光体上に単色光光源を用いて露光
を行うことにより該感光体上に静電潜像を形成するため
の露光手段、該静電潜像に現像剤を供給することにより
現像剤像を形成する現像手段、該現像剤像を被転写材上
に転写する転写手段、転写された現像剤像を加熱定着す
るための定着装置を具備することを特徴とする画像形成
装置において、前記感光体は、円筒形の導電性基体、及
び導電性基体上に設けられた感光層を有し、前記導電性
基体は、回転された状態で、切削工具を該導電性基体の
軸方向に下記条件を満足するような切削ピッチで移動し
て該導電性基体表面上に接触させ、切削加工されている
ことを特徴とすることを特徴とする画像形成装置を提供
する。
【0018】 S≠25.4/d×N×(P2/P1)×n …式(1) (但し、式中Sは切削ピッチ(mm/回)、dは露光光
源の解像度(dpi)、Nは変調数、P1は画像出力時
の露光光のパルス幅の分割数、P2は画像出力時の露光
光のパルス幅、nは整数である。)
【0019】
【発明の実施の形態】本発明者らは、鋭意研究を重ねた
結果、感光体の支持体として用いられる導電性基体の切
削ピッチと、画像形成装置の露光光源とに関する所定の
条件を満足させることで、干渉縞の発生及びこれによる
モアレ画像を完全に抑え、かつ画像欠陥が少ない感光体
を実現できることを見いだした。
【0020】本発明に用いられる感光体の導電性基体
は、円筒形を有し、特に、露光光源として単色光光源を
用いる画像形成装置に適用されるもので、導電性基体を
回転させ、その軸方向に切削工具を所定の切削ピッチで
移動しながら該導電性基体表面上に接触させ、切削加工
を行う工程、及び加工された導電性基体表面に感光層を
形成するその表面が下記条件を満足するように切削加工
されていることを特徴とする。
【0021】 S≠25.4/d×N×(P2/P1)×n …式(1) (但し、式中Sは切削ピッチ(mm/回)、dは露光光
源の解像度(dpi)、Nは変調数、P1は画像出力時
のパルス幅の分割数、P2は画像出力時のパルス幅、n
は整数である。)本発明の感光体は、上述の導電性基体
と、その上に形成された感光層とを有する。
【0022】ここで、切削ピッチとは、回転される導電
性基体の一回転あたりの送りピッチであり、一回転あた
りに軸方向に移動する切削工具の移動距離に相当する。
【0023】切削加工された導電性基体の拡大された断
面図を図1に示す。
【0024】図1に示すように、切削加工された導電性
基体の表面を拡大すると、山と山の距離及び谷と谷の距
離が一定した凹凸を有する。この距離は、回転される導
電性基体の一回転あたりの送りピッチに相当し、本発明
では、この山と山の距離を切削ピッチS(mm/回)と
する。
【0025】本発明者らの研究によれば、この切削ピッ
チS(mm/回)が、単色光例えば発光ダイオードまた
はレーザーの発光間隔の整数倍となる場合に、露光時の
干渉縞が発生することがわかった。
【0026】レーザーの発光間隔は、25.4/d×N
×(P2/P1) mmで表され、本発明によれば、上
記式(1)に示すように、切削ピッチSがレーザーの発
光間隔のn(整数)倍にならないように規定することに
より、感光体基体からの反射光を散乱させて、干渉縞の
発生を防止し、画像形成時のモアレ画像の発生を防ぐこ
とができる。
【0027】また、本発明によれば、基体表面に光吸収
層、光散乱層などを付加して設けることなしに干渉縞模
様の画像ムラの発生を抑止できるので、感光体の製造が
容易となり、しかも光吸収層、光散乱層など感光体の機
能上本質的には必要としない層を設けなくてもすみ、こ
れらの層を付加することによる感光体特性の悪化の問題
も避けることができる。
【0028】このように、本発明を用いると、感光体に
特別な層を設けたり、装置を複雑にすることなく、干渉
縞に基づくモアレ画像や黒点の発生を容易に防止するこ
とができ、高濃度、鮮明な画像が得られる。
【0029】また、本発明の感光層の製造方法は、円筒
形を有する上述の導電性基体を回転させ、切削工具を導
電性基体の軸方向に所定の切削ピッチで移動しながら導
電性基体表面上に接触させ、切削加工を行う工程、及び
加工された導電性基体表面に感光層を形成する工程を有
する。
【0030】本発明の感光体の製造方法によれば、単
に、切削ピッチSを上記式(1)を満足するように設定
することにより、単一波長光を露光光とする電子写真装
置に適用しても干渉縞模様の画像ムラが発生せず、同一
ロット内で均一な表面特性をもつ導電性基体を容易に製
造することができる。
【0031】さらに、本発明の画像形成装置は、上述の
導電性基体を用いた感光体上に単色光光源を用いて露光
を行うことにより、感光体上に静電潜像を形成するため
の露光手段、静電潜像に現像剤を供給することにより現
像剤像を形成する現像手段、現像剤像を被転写材上に転
写する転写手段、転写された現像剤像を加熱定着するた
めの定着装置を具備することを特徴とする。
【0032】本発明の画像形成装置を用いると、干渉縞
によるモアレ現象を完全に抑え、かつ画像欠陥が少ない
画像が得られる。
【0033】以下、図面を参照し、本発明を具体的に説
明する。
【0034】図2ないし図4に、本発明にかかる感光体
の構造の例を示す。
【0035】図2に示す感光体は、円筒形の導電性基体
10と、導電性基体10上に中間層11を介して電荷発
生物質と電荷輸送物質を共に含有する単層構成の感光層
14とから構成される感光体を示す。
【0036】図3に示す感光体は、円筒形の導電性基体
10と、導電性基体10上に中間層11を介して電荷輸
送物質を主成分として含有する電荷輸送層12、及び電
荷発生物質を主成分として含有する電荷発生層13を順
に積層した感光層24とを設けた構造を有する。
【0037】図4に示す感光体は、円筒形導電性基体1
0と、導電性基体10上に中間層11を介して電荷発生
層13及び電荷輸送層12をこの順に積層して成る感光
層24とを設けた構造を有する。なお、感光層34上に
は必要により保護層を設けても良い。
【0038】ここで、中間層11、電荷発生層13の膜
厚は、ともに0.1〜5μmの範囲内が好ましく、また
電荷輸送層12の膜厚は、5〜50μmの範囲が好まし
い。感光層14,24,34の膜厚は、5〜50μmの
範囲が好ましい。
【0039】本発明の感光体に用いられる導電性基体の
材質としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステ
ンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、
インジウム、金、白金等の金属又は合金を用いた金属
板、金属ドラム、ベルト、或いは導電性ポリマー、酸化
インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウ
ム、金等の金属又は合金や導電性カーボン等を塗布、蒸
着、或いはラミネートした紙、プラスチックフィルム、
板、ドラム、ベルト等が挙げられる。
【0040】上記導電性基体は、さらにダイヤモンドバ
イトまたは超硬鋼バイト等の切削工具により切削加工さ
れる。
【0041】電荷発生層に用いられる電荷発生物質とし
ては、例えば、アゾ系顔料、キノン系顔料、ベリレン系
顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベン
ゾイミダゾール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナク
リドン系顔料、キノリン系顔料、レーキ顔料、アゾレー
キ顔料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジ
オキサジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料等の種々
の有機顔料や、更にアモルファスシリコン、アモルファ
スセレン、テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウ
ム、硫化アンチモン、及び硫化亜鉛等の無機材料を挙げ
ることができる。
【0042】これらの材料は、バインダー樹脂に分散さ
れ塗布されるか、真空蒸着、スパッタリング、CVD法
等の手段により成膜されて、それぞれの電荷発生層とし
て成膜されて用いられる。また、バインダーと共に分散
安定剤、レベリング剤等の添加剤を使用することもでき
る。
【0043】電荷発生物質は、ここに挙げたものに限定
されるものではなく、その使用に際しではそれぞれの電
荷発生層に単独、或いは2種類以上を混合して用いるこ
とができる。
【0044】電荷発生層に用いられるバインダーとして
は、電気絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体が好
ましい。このような高分子重合体としては、例えば、ポ
リカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アク
リル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シ
リコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォ
ルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビ
ニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、
ポリアミド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニ
リデン系ポリマーラテックス、及びポリウレタン等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。これら
のバインダーは、単独又は2種類以上混合して用いられ
る。
【0045】また、電荷輸送物質としては、一般に電子
を輸送する物質と正孔を輸送する物質の2種類に分類さ
れるが、本発明の感光体には両者とも使用することがで
きる。
【0046】電子輸送物質としては、例えば、クロラニ
ル、ブロモアニル、テトラシアノエチレン、テトラシア
ノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン、9−ジシアノメチレン−2,4,7−トリニトロ
フルオレノン、9−ジシアノメチレン−2,4,5,7
−テトラニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラ
ニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサン
トン、テトラニトロカルバゾールクロラニル、2,3−
ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、2,4,7
−トリニトロ−9,10−フェナントレンキノン、テト
ラクロロ無水フタール酸、ジフェノキノン誘導体等の有
機化合物や、アモルファスシリコン、アモルファスセレ
ン、テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫
化アンチモン、酸化亜鉛、及び硫化亜鉛等の無機材料が
挙げられる。
【0047】また、正孔輸送物質としては、低分子化合
物では、例えばピレン、N−エチルカルバゾール、N−
イソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾー
ル、或いはN−メチル−2−フェニルヒドラシノ−3−
メチリデン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフェ
ニルヒドラシノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾ
ール、p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドジ
フェニルヒドラゾン、p−N,N−ジエチルアミノベン
ズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、p−N,N−ジフ
ェニルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン等
のヒドラゾン類、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、1−フェニ
ル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−
ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン
類、トリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラ
フェニル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミ
ン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチ
ルフェニル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジア
ミン、及びブタジエン類等が挙げられる。
【0048】また、高分子化合物としては、例えば、ポ
リ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビ
ニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアン
スラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホルムアル
デヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリ
フェニルメタンポリマー、及びポリシラン等が挙げられ
る。
【0049】これらの材料は、バインダー樹脂に分散さ
れ塗布されるか、真空蒸着、スパッタリング、CVD法
等の手段により成膜されて、電荷輸送層に使用すること
ができる。電荷輸送物質は、ここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては、単独、或いは
2種類以上混合して用いることができる。
【0050】感光層のバインダーに用いられる材料とし
ては、電荷発生層のバインダーとして挙げたものを単
独、或いは2種類以上混合して用いることができる。ま
た、これらのバインダーとともに可塑剤、増感剤、表面
改質剤等の添加剤を使用することもできる。
【0051】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、ジブチルフタレー
ト、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタ
レート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾ
フェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、及び各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0052】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、及びチアピリリウム染料等が挙げられる。
【0053】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0054】また、必要に応じて、基板と電荷発生層の
間に接着剤層、中間層を設けることもできる。
【0055】積層型電子写真感光体を塗工によって形成
する場合、電荷発生剤や電荷輸送物質をバインダー等に
混合したものを溶剤に溶解した塗料を用いる。バインダ
ーを溶解する溶剤は、バインダーの種類によって異なる
が、下層を溶解しないものの中から選択することが好ま
しい。具体的な有機溶剤の例としては、例えば、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール等のアルコール
類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド等のアミド類;テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、メチルセロソルブ等のエーテル類;
酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジメチルスル
ホキシド、スルホラン等のスルホキシド及びスルホン
類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリク
ロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、
トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベ
ンゼン等の芳香族類などが挙げられる。
【0056】上述の塗料の塗工法としては、例えば、浸
積コーティング法、スプレーコーティング法、スピナー
コーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバー
コーティング法、ブレードコーティング法、ローラコー
ティング法、及びカーテンコーティング法等のコーティ
ング法を用いることができる。
【0057】本発明の電子写真感光体は、比較的長波長
(例えば750nm以上)の半導体レーザ等の単色光源
を使用した電子写真方式プリンタやデジタル複写機等に
好ましく使用することができるが、その他のレーザビー
ム側えばヘリウム−ネオンレーザ、ヘリウム−カドミウ
ムレーザやアルゴンレーザなどを用いた電子写真方式プ
リンタやデジタル複写機にも適している。本発明は、こ
の様なレーザビームなどの可干渉光を光源として使用し
た画像形成時に発生しやすい干渉縞模様を十分に解消す
ることができる。
【0058】次に、本発明の画像形成装置の構成を図5
を用いて説明する。
【0059】図中、この画像形成装置は、矢印方向に回
転する感光体ドラム20と、その周囲に順に配置され
た、クリーニング前除電器28、クリーニング装置2
9、帯電前除電器30、帯電器21例えばスコロトロン
帯電器、像露光22を行うための図示しない発光ダイオ
ードまたは半導体レーザー等の単色光源を用いた露光手
段、及び接触または非接触反転現像用現像器23、転写
電極24、及び分離極25と、分離極25により感光体
ドラム20から分離された被転写材Pを搬送するための
搬送手段26と、その後段に設けられた定着器27とか
ら構成される。
【0060】このような構成を有する本発明に係る画像
形成装置を用いた、画像形成方法の一例を説明する。
【0061】像露光は、例えばスキャナまたはコンピュ
ーター等からのデジタル画像信号により変調されたレー
ザー光等の単色光であり、感光体ドラム20の回転に伴
って書き込まれてドット静電潜像が形成され、得られた
潜像は反転現像器23により現像されてドット状のトナ
ー像が形成される。
【0062】このトナー像は、タイミングを合わせて給
送された被転写材P上に転写電極24により転写され、
分離極25により分離され、搬送手段26により定着器
27へと搬送され、定着される。
【0063】転写後の感光体ドラム20はクリーニング
前除電器28により除電され、クリーニング装置29に
よりクリーニングされ、かつ帯電前除電器30により除
電されて、次の像形成に備えられる。
【0064】なお、本発明の画像形成装置では前述の反
転現像方式に限らず、各種の現像法、例えばカスケード
現像法、磁気ブラシ現像法、パウダークラウド現像法、
ジャンピング現像法や液体現像法などを採用することも
できる。
【0065】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。
【0066】実施例1ないし7 図5に示す構成を有する、半導体レーザー22を露光光
源とする画像形成装置(FC−22、東芝社製)に、本
発明に係る感光体を装着し、温度23℃、湿度50%の
環境条件で、露光条件を種々変化させて印字試験を行
い、干渉縞及びかぶりや黒点等の画像欠陥について、評
価を行った。
【0067】下記表1に、画像形成時の露光条件1〜条
件7として、露光光源の解像度d、変調数N、画像出力
時のパルス幅の分割数P1、面像出力時のパルス幅P
2、式(1)の計算値及び整数nを示す。
【0068】また、下記表2−1に試験評価の結果を示
す。
【0069】使用される感光体は以下のようにして作成
した。
【0070】アルミ合金JIS6063を加工した外径
30mm、長さ350mmの円筒状アルミ抽伸管を用意
し、その表面をダイヤモンドバイトを用いた精密旋盤
(豊田工機社製)により加工して、下記表1に例示され
る画像形成装置の露光条件1〜条件7について、すべて
が、式(1)に基づき、25.4/d×N×(P2/P
1)の整数n倍にならない値となる、切削ピッチS=
0.31mmで、螺旋状に溝を持つ粗面形状に加工し
た。尚、加工後の中心線平均粗さは0.6μmであっ
た。
【0071】加工された円筒状基体は、弱アルカリ性溶
液で洗浄された後、水洗、乾燥して感光体用円筒状基体
を得た。
【0072】次に、加工された円筒状基体に、以下の組
成物を混合溶解して得た塗布液を浸漬塗布して0.3μ
m厚の中間層を形成した。
【0073】 アルコール可溶性ポリアミド(商品名:CM−800
0、東レ社製)3重量部 メチルアルコール 77重量部 1−ブタノール 20重量部 次に、中間層上に以下の組成物を混合し、1mmφガラ
スビーズを入れたサンドミル分散機にて20時間分散し
て電荷発生層用塗布液を得、この塗布液を中間層上に浸
漬塗布して0.5μm厚の電荷発生層を形成した。
【0074】 ε型銅フタロシアニン(商品名:リオノールブルー、東
洋インキ社製)5重量部 シリコーン樹脂溶液(商品名:KR−5240、信越シ
リコーン社製)45重量部 2−ブタノン 55重量部 次に、得られた電荷発生層上に以下の組成物を混合、溶
解して、電荷輸送用塗布液を得た。この塗布液を電荷発
生層上に浸漬塗布して、90℃で1時間の熱処理を行っ
て、厚さ25μm厚の電荷輸送層を形成して、感光体1
を得た。
【0075】 下記構造式のヒドラジン化合物 10重量部
【0076】
【化1】
【0077】 ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:Z
−300、三菱瓦斯化学社製)10重量部 1,2−ジクロルエタン 80重量部 本実施例では、上記感光体1を5本作製し、その評価結
果の平均について、表2−1に示した。
【0078】なお、各試験、評価は以下のようにして行
った。
【0079】干渉縞試験、評価 初期状態で作成された5本の感光体を、図5に示す画像
形成装置に搭載して印字試験により判断した。得られた
結果について、干渉縞の発生が0本の場合を二重丸、干
渉縞の発生が1本の場合を○、干渉縞の発生が2〜3本
の場合を△、干渉縞の発生が4〜5本の場合を×として
それぞれ評価した。
【0080】かぶり試験、評価 5万回画像形成を行った後、色彩色差計(ミノルタ社
製)を用いて、原稿濃度が0.0の白地部分の複写画像
に対して相対明度をかぶりとして測定して判定した。
【0081】得られた結果について、かぶりが1.0%
未満の場合を二重丸、かぶりが1.0%以上1.5%未
満の場合を○、かぶりが1.5%以上3.0%未満の場
合を△、かぶりが3.0%以上の場合を×としてそれぞ
れ評価した。
【0082】黒点試験、評価 5万回画像形成を行った後、A3用紙1枚の白紙原稿中
の黒点の発生を目視により計測し、その個数からドラム
1本当たりの個数に換算して表した。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】実施例8ないし49,比較例1ないし7 実施例1と同様の円筒状アルミ抽伸管を7本用意し、下
記表1に示される条件1、条件2、条件3、条件4、条
件5、条件6及び条件7の式(1)からそれぞれ計算さ
れた値と等しくなる、切削ピッチ0.23mm、0.2
5mm、0.30mm、0.32mm、0.34mm、
0.38mm及び0.42mmで螺旋状に溝を持つ粗面
形状にする以外は同様にして、各円筒状アルミ抽伸管表
面を加工した。尚、加工後の中心線平均粗さはそれぞれ
0.6μmであった。
【0086】加工されたそれぞれの円筒状基体は、感光
体1と同様にして中間層、電荷発生層、電荷輸送層を塗
布して、感光体2、感光体3、感光体4、感光体5、感
光体6、感光体7及び感光体8を得た。
【0087】得られた各感光体2ないし8について、各
々、下記表1の条件1、条件2、条件3、条件4、条件
5、条件6及び条件7に基づく露光条件で画像形成を行
い、実施例1と同様の試験評価を行った。得られた結果
について、下記表2−2〜表2−8に示す。
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】
【0093】
【表8】
【0094】
【表9】
【0095】また、表2−2ないし表2−8で得られた
結果をグラフ化し、切削ピッチS(mm/回)と、2
5.4/d×N×(P2/P1)×nの計算値との関係
を図6に示す。
【0096】図中、二重丸は各切削ピッチにおける5本
の感光体のうち、干渉縞の発生が0本である場合、○は
各切削ピッチにおける5本の感光体のうち、干渉縞の発
生が1本である場合、△は各切削ピッチにおける5本の
感光体のうち、干渉縞の発生が2〜3本である場合、及
び×は各切削ピッチにおける5本の感光体のうち、干渉
縞の発生が4〜5本である場合をそれぞれ示す。
【0097】図6から明らかなように、各露光条件すな
わち露光光源の解像度d、変調数N、画像出力時のパル
ス幅の分割数P1、面像出力時のパルス幅P2から算出
されるレーザー発光間隔25.4/d×N×(P2/P
1)が整数n倍になるとき干渉縞が顕著に発生し、式
(1)に示すように、レーザー発光間隔25.4/d×
N×(P2/P1)が整数n倍にならないときはほとん
ど発生しないことがわかった。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、感光体や画像形成装置
を複雑化することなく、感光体上に単色光による像露光
を施こして画像形成を行っても、干渉縞に基づくモアレ
画像の発生が無く、高濃度、鮮明な画像を安定して得る
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】切削加工された導電性基体の拡大断面図
【図2】本発明にかかる感光体の構造の例
【図3】本発明にかかる感光体の構造の例
【図4】本発明にかかる感光体の構造の例
【図5】本発明に係る画像形成装置の一例を表す概略図
【図6】切削ピッチS(mm/回)と、25.4/d×
N×(P2/P1)×nの計算値との関係を表すグラフ
【符号の説明】
10…導電性基体 11…中間層 12…電荷輸送層 13…電荷発生層 14,24,34…感光層 20…感光体ドラム 21…帯電器 22…像露光 23…現像器 24…転写電極 25…分離極 26…搬送手段 27…定着器 28…クリーニング前除電器 29…クリーニング装置 30…帯電前除電器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北島 達也 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 東芝テッ ク株式会社柳町事業所内 Fターム(参考) 2H068 AA52 AA54 AA59 CA32 EA07 FA17 FB07 FB08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光光源として単色光光源を用いる画像
    形成装置に適用される感光体であって、円筒形の導電性
    基体、及び導電性基体上に設けられた感光層を有し、前
    記導電性基体は、回転された状態で、切削工具を該導電
    性基体の軸方向に下記条件を満足するような切削ピッチ
    で移動して該導電性基体表面上に接触させ、切削加工さ
    れていることを特徴とする感光体。 S≠25.4/d×N×(P2/P1)×n …式(1) (但し、式中Sは切削ピッチ(mm/回)、dは露光光
    源の解像度(dpi)、Nは変調数、P1は画像出力時
    のパルス幅の分割数、P2は画像出力時のパルス幅、n
    は整数である。)
  2. 【請求項2】 露光光源として単色光光源を用いる画像
    形成装置に適用される感光体の製造方法であって、 円筒形の導電性基体を回転させた状態で、切削工具を該
    導電性基体の軸方向に所定の切削ピッチで移動しながら
    該導電性基体表面上に接触させ、切削加工を行う工程、
    及び加工された導電性基体表面に感光層を形成する工程
    を有し、前記切削ピッチが下記条件を満足することを特
    徴とする感光体の製造方法。 S≠25.4/d×N×(P2/P1)×n …式(1) (但し、式中Sは切削ピッチ(mm/回)、dは露光光
    源の解像度(dpi)、Nは変調数、P1は画像出力時
    の露光光のパルス幅の分割数、P2は画像出力時の露光
    光のパルス幅、nは整数である。)
  3. 【請求項3】 感光体上に単色光光源を用いて露光を行
    うことにより該感光体上に静電潜像を形成するための露
    光手段、該静電潜像に現像剤を供給することにより現像
    剤像を形成する現像手段、該現像剤像を被転写材上に転
    写する転写手段、転写された現像剤像を加熱定着するた
    めの定着装置を具備することを特徴とする画像形成装置
    において、前記感光体は、円筒形の導電性基体、及び導
    電性基体上に設けられた感光層を有し、前記導電性基体
    は、回転された状態で、切削工具を該導電性基体の軸方
    向に下記条件を満足するような切削ピッチで移動して該
    導電性基体表面上に接触させ、切削加工されていること
    を特徴とすることを特徴とする画像形成装置。 S≠25.4/d×N×(P2/P1)×n …式(1) (但し、式中Sは切削ピッチ(mm/回)、dは露光光
    源の解像度(dpi)、Nは変調数、P1は画像出力時
    の露光光のパルス幅の分割数、P2は画像出力時の露光
    光のパルス幅、nは整数である。)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011209438A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Kyocera Corp 画像形成装置
JP2011209437A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Kyocera Corp 電子写真感光体および画像形成装置
JP2013054094A (ja) * 2011-09-01 2013-03-21 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置および画像形成方法

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JP2011209438A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Kyocera Corp 画像形成装置
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