JPH05204177A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH05204177A
JPH05204177A JP1205092A JP1205092A JPH05204177A JP H05204177 A JPH05204177 A JP H05204177A JP 1205092 A JP1205092 A JP 1205092A JP 1205092 A JP1205092 A JP 1205092A JP H05204177 A JPH05204177 A JP H05204177A
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JP
Japan
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plating layer
layer
electrophotographic
photosensitive layer
coherent light
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JP1205092A
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English (en)
Inventor
Yukito Matsuda
幸人 松田
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Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 支持体上に感光層を形成してなる電子写真用
感光体において、該支持体と感光層との間にコヒーレン
ト光を吸収するめっき層を設けた特徴とする電子写真用
感光体。 【効果】 レーザープリンター等での使用に好適な、画
像に干渉縞の発生のない優れた特性の感光体が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザープリンター等の
コヒーレント光による露光を行なう電子写真装置に用い
る感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真法を用いた複写機、プリ
ンターの小型化、軽量化に伴い、電子写真用感光体を柔
軟性のあるベルト状として用いる方法が注目されてい
る。電子写真用感光体をベルト状とすることにより、従
来、極めて大きな口径の金属ドラムを必要とした高速の
複写機、プリンターや、複数の現像プロセスを必要とす
るカラー複写機、プリンターの小型、軽量化が可能とな
る。
【0003】一方、電子写真用感光体をベルト状で用い
る場合、これをエンドレスの形態で使用する方法が機構
上、簡略化が可能で有利である。従来、このようなエン
ドレスベルト状電子写真用感光体としては、シート状の
電子写真用感光体を裁断して、端面を接合したものが知
られている。しかしながら、このようなものは、接合面
の平面性や強度の面で充分な性能を有するものは実現さ
れていない。また、継目の無いシームレス状のものを実
現するために、キャスティング方式や、インフレーショ
ン方式による樹脂性のベルト状基体を作成する方法が提
案されているが、これらの方法によるベルト状基体は、
表面平滑性、感光層、導電層の接着性、寸法精度、強度
等の面で充分な性能のものが得られず、未だ実現するに
至っていない。また、これらの基体は、樹脂を材料とす
るため、電子写真用の基体として用いるための導電性を
付与する為、導電層を設けたり、カーボン、金属、金属
酸化物等の導電性粉末を分散させて、それ自体を導電化
する処置を必要とするため、コストが高くなったり、強
度低下を招く恐れがあった。
【0004】電鋳法によって作製されたエンドレスベル
トを基体として用いる方法は、これらの欠点の改善に非
常に有効である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基体の
光反射率が大きいため、レーザープリンターのようなコ
ヒーレント光を露光用光源とする電子写真装置では、感
光層表面と基体表面の反射光が互いに干渉を起こして、
画像に波紋状の濃度むらを生じてしまう欠点があった。
この干渉縞の防止対策としては、感光層の光吸収率を上
げて透過光を弱くする方法、感光層と基体の間に光散乱
層を設ける方法、基体そのものの表面粗度を大きくして
反射光を散乱させる方法等が知られている。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、従来提
案されてきた電子写真用エンドレスベルト状電子写真用
感光体のいずれにおいても十分でない点を改善し、実用
上より好ましい電子写真用感光体を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、支持体上に感光層を形成してなる電子写真
用感光体において、該支持体と感光層との間にコヒーレ
ント光を吸収するめっき層を設けたことを特徴とする電
子写真用感光体を提供する。
【0008】一般にレーザープリンター等のコヒーレン
ト光を露光用光源として用いる電子写真装置では、露光
の際、電子写真用感光体の表面で反射した光と感光層を
透過して基体の表面で反射した光とが互いに干渉して、
画像に干渉縞と呼ばれる波紋状の模様が現れることが知
られている。
【0009】即ち、感光層の膜厚をd、屈折率をη、入
射角度をθ、露光する光線の波長をλとすれば、2ηd
・sinθ=nλ(nは正の整数を表わす。)の条件と
なるとき、電子写真用感光体表面での反射光は、基体か
らの反射光と位相が揃い、反射が最も大きくなる。従っ
て、感光層内で光電変換に供される光エネルギーとして
は最小となり、画像上は濃度が薄くなる。逆に、2ηd
・sinθ=(n+1/2)λの条件となるときは、電
子写真用感光体表面での反射光は基体からの反射光によ
って打ち消され、反射が最も小さくなる。即ち、エネル
ギー効率としては最も良いことから画像濃度は濃くな
る。λを最も一般的な半導体レーザーの値、0.78μ
m、入射角度を90゜、感光層の屈折率を1.5として
計算すると画像濃度の一番薄い部分から次の濃い部分に
相当する膜厚の変化はわずか0.13μmに過ぎず、こ
れは感光層の膜厚の変動として容易に現れる範囲内であ
って、膜厚の平滑化で干渉縞の発生を防止することは極
めて困難である。
【0010】この干渉縞の防止対策としては、電鋳法に
より作成された金属製ベルトを支持体とする電子写真用
感光体においては、該支持体表面にコヒーレント光を吸
収するめっき層を設ける方法、特に、黒色ニッケルめっ
き層、黒色クロムめっき層又は有色クロムめっき層を設
ける方法が簡単で大きな効果があり、確実に干渉縞の発
生を防止することが可能であることが判明し、本発明を
完成するに至ったものである。
【0011】この発明における金属製ベルトの作成は、
まず導電性のロール状のマンドレルの表面に第1電解質
溶液内で金属を堆積させ、次に、黒色ニッケルめっき、
黒色クロムめっき又は有色クロムめっきの如きコヒーレ
ント光を吸収するめっき層を形成するの第2電解質溶液
内で表面処理を行い、所要の厚みの堆積が得られた時点
で、マンドレルを抜き出すことによって得られるが、支
持体の厚みは、ベルト状電子写真用感光体としての実用
的な機械的強度と柔軟性を持たせるため、5〜100μ
mの範囲内にあることが望ましく、表面処理用めっきの
厚みは、0.1〜10μmの範囲内にあることが望まし
い。
【0012】この方法によって得られる金属製ベルト
は、寸法精度の優れたシームレスベルトであることが特
徴であり、また導電性、強度も金属を材料とすることか
ら良好で、電子写真用の基体として極めて好適である。
【0013】本発明においては、金属製ベルト上に光導
電性材料による感光層を形成して電子写真用感光体とし
て用いられるが、感光層の構造は様々な形態を取ること
ができる。その例を図1〜4に示した。
【0014】図1の電子写真用感光体は、電荷発生材料
をバインダーに分散させてなる感光層を設けたものであ
る。図2の電子写真用感光体は、電荷発生材料と電荷輸
送材料をバインダーに分散させてなる感光層を設けたも
のである。図3及び図4の電子写真用感光体は、電荷発
生材料を主体とする電荷発生層と電荷輸送材料を主体と
する電荷輸送層を積層した感光層を設けたものである。
これらの感光層の膜厚は5〜50μmの範囲が好まし
い。また、必要に応じて金属製ベルトと感光層の間にバ
リアー性、接着性を向上させるため中間層を形成するこ
ともできる。
【0015】本発明の電子写真用感光体に用いられる金
属製ベルト状支持体の材料としては、例えば、銅、ニッ
ケル、アルミニウム、亜鉛、鉄、クロム、モリブデン、
バナジウム、インジウム、チタン、金、銀、白金等の金
属あるいはこれらの合金を挙げることができるが、特に
銅、ニッケル等が好適である。
【0016】感光層に用いられる電荷発生材料として
は、例えば、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔
料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベンゾ
イミダゾール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリ
ドン系顔料、キノリン系顔料、レーキ顔料、アゾレーキ
顔料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジオ
キサジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、アズレニ
ウム染料、スクウェアリウム染料、ピリリウム系染料、
トリアリルメタン染料、キサンテン染料、チアジン染
料、シアニン系染料等の種々の有機顔料、染料や、更に
アモルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、
セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化アンチモ
ン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料を挙げることがで
きる。
【0017】電荷発生物質はここに挙げたものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては単独、あるいは
2種類以上混合して用いることができる。
【0018】また、電荷輸送物質としては一般に電子を
輸送する物質と正孔を輸送する物質の2種類に分類され
るが、本発明の電子写真用感光体には両者とも使用する
ことができる。
【0019】電子輸送物質としては、例えば、クロラニ
ル、ブロモアニル、テトラシアノエチレン、テトラシア
ノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン、9−ジシアノメチレン−2,4,7−トリニトロ
フルオレノン、9−ジシアノメチレン−2,4,5,7
−テトラニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラ
ニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサン
トン、テトラニトロカルバゾールクロラニル、2,3−
ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、2,4,7
−トリニトロ−9,10−フェナントレンキノン、テト
ラクロロ無水フタール酸、ジフェノキノン誘導体等の有
機化合物や、アモルファスシリコン、アモルファスセレ
ン、テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫
化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙げ
られる。
【0020】正孔輸送物質としては、低分子化合物で
は、例えば、ピレン、N−エチルカルバゾール、N−イ
ソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール、
あるいはN−メチル−2−フェニルヒドラジノ−3−メ
チリデン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフェニ
ルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾー
ル、p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドジフ
ェニルヒドラゾン、p−N,N−ジエチルアミノベンズ
アルデヒドジフェニルヒドラゾン、p−N,N−ジフェ
ニルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン等の
ヒドラゾン類、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェ
ニル)−1,3,4−オキサジアゾール、1−フェニル
−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジ
エチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン類、
トリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラフェ
ニル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン、
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフ
ェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン
等が挙げられる。また、高分子化合物としては、例え
ば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−
N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニ
ルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホル
ムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデ
ヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリシラン等が挙げ
られる。
【0021】これらの材料は、バインダー樹脂に分散さ
れ塗布されるか、真空蒸着、スパッタリング、CVD法
等の手段により成膜されて、感光層に使用することがで
きる。
【0022】電荷輸送物質は、ここに挙げたものに限定
されるものではなく、その使用に際しては単独、あるい
は2種類以上混合して用いることができる。
【0023】バインダー樹脂としては、疎水性で、電気
絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体を用いるのが
好ましい。このような高分子重合体としては、例えば、
ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジ
エン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シ
リコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォ
ルマール、ポリスルホン等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。これらのバインダーは、単独又
は2種類以上混合して用いられる。
【0024】また、これらのバインダーとともに可塑
剤、増感剤、表面改質剤等の添加剤を使用することもで
きる。
【0025】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、ジブチルフタレー
ト、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタ
レート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾ
フェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0026】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0027】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0028】更に、本発明においては、金属製ベルト状
支持体と感光層との接着性を向上させたり、支持体から
感光層への自由電荷の注入を阻止するため、金属製ベル
ト状支持体と感光層の間に、必要に応じて接着剤層ある
いはバリヤー層を設けることもできる。これらの層に用
いられる材料としては、前記バインダーに用いられる高
分子化合物の他、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアル
コール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミ
ド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系
ポリマーラテックス、ポリウレタン、酸化アルミニウ
ム、酸化珪素、酸化錫、酸化チタン等が挙げられる。
【0029】積層型電子写真用感光体を塗工によって形
成する場合、上記の電荷発生剤や電荷輸送物質をバイン
ダー等に混合したものを溶剤に溶解した塗料を用いる
が、バインダーを溶解する溶剤は、バインダーの種類に
よって異なるが、下層を溶解しないものの中から選択す
ることが好ましい。具体的な有機溶剤の例としては、例
えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール等の
アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソルブ等のエ
ーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジ
メチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド及び
スルホン類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭
素、トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、
ジクロルベンゼン等の芳香族類などが挙げられる。
【0030】塗工法としては、例えば、浸漬コーティン
グ法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング
法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング
法、ブレードコーティング法、ローラコーティング法、
カーテンコーティング法等のコーティング法を用いるこ
とができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明が実施例に限定されるものではない。
尚、実施例中、「部」とあるのは「重量部」を示す。
【0032】(実施例1)ステンレス鋼を加工して、直
径φ120mm、長さ400mmのマンドレルロールを作成
した。これを、純水100部に対し、スルファミン酸ニ
ッケル40部、塩化ニッケル3部、ホウ酸4部を溶解し
た第1電解質溶液に浸漬し、ニッケルを陽極として、液
温50℃、成膜速度100オングストローム/秒の条件
でニッケル電鋳を行ない、厚み30μmのニッケル製ベ
ルト状支持体を作成した。次に、純水洗浄後、これを、
純水100部に対し、塩化ニッケル7.5部、塩化アン
モニウム2.5部、塩化亜鉛2.5部、チオシアンナト
リウム1.5部を溶解した第2電解質溶液に浸漬し、め
っき処理を行ない、厚み1μmの黒色ニッケル皮膜を得
た。
【0033】次に、得られたベルト状基体の上に変性ポ
リアミド樹脂(商品名「AQ−ナイロンP−70」東レ
社製)10部をメタノール50部とn−ブタノール50
部に溶解した溶液で浸漬法によって塗布し、乾燥後の膜
厚が1μmのバリヤー層を得た。
【0034】電荷発生材料として、チタニルフタロシア
ニンを合成し、濃硫酸溶液から再結晶化したものを用い
た。次に、得られた結晶をアトライターミルにより90
℃で90分間粉砕したもの5部に、ブチラール樹脂(商
品名「エスレックBL−1」積水化学社製)5部と塩化
メチレン90部を混合し、振動ミルを用いて電荷発生層
用の分散液を得た。この塗料を上記中間層の上に塗布
し、乾燥後の膜厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
【0035】次に、正孔輸送物質として、式
【0036】
【化1】
【0037】で表わされるヒドラゾン化合物10部とポ
リカーボネート樹脂(商品名「パンライトL−1250
W」帝人化成社製)10部を塩化メチレン80部に溶解
した溶液を浸漬法により塗布後、乾燥し厚さ20μmの
電荷輸送層を形成した。
【0038】(実施例2)実施例1において、第2電解
質溶液として、純水100部に対し無水クロム酸20
部、メタバナジン酸2部、酢酸0.6部を溶解し第2電
解質溶液を用い、黒色クロム皮膜を形成した以外は、実
施例1と同一の方法で感光層を形成し、ベルト状電子写
真用感光体を得た。
【0039】(比較例)実施例1の黒色ニッケル皮膜処
理を施すことなく、実施例1と同一の方法で感光層を形
成し、ベルト状電子写真用感光体を得た。
【0040】(電気的特性)ベルト状電子写真用感光体
のそれぞれの電気的特性を比較するため、静電複写紙試
験装置Model SP−428(川口電機製作所社
製)を用いて特性を測定した。測定方法は、測定可能な
大きさに裁断した電子写真用感光体を装置に装着し、暗
所で印加電圧−6kVのコロナ放電により帯電させ、こ
の直後の表面電位を初期電位V0 として電子写真用感光
体の帯電能の評価に用いた。次に10秒間、暗所に放置
した後の電位を測定し、V10とした。ここで比 V0/V
10によって電位保持能を評価した。次いで、波長780
nmの単色光を、その表面における光強度が1μW/cm2
になるように設定し、感光層に光照射を15秒間行な
い、表面電位の減衰曲線を記録した。ここで15秒後の
表面電位を測定し、それを残留電位VR とした。また光
照射により表面電位がV10の1/2に減少するまでの露
光量を求め、半減露光量E1/2 として感度を評価した。
その結果を表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなように、実施例の電子写
真用感光体は比較例の電子写真用感光体に比べ電気特性
的に遜色の無いことが理解できる。
【0043】(画像特性)画像特性の評価には、ベルト
状電子写真用感光体を使用する試作のレーザープリンタ
ーを用いて、実施例及び比較例で得た各ベルト状電子写
真用感光体を装着し、テストパターンを印字することに
よって評価を行った。
【0044】この結果、実施例1及び実施例2の電子写
真用感光体は、いずれも鮮明で優れた画像が得られた。
一方、比較例の電子写真用感光体は、網点画像領域にレ
−ザー光の干渉による波紋状の濃度のムラが顕著に見ら
れた。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、電鋳法により作成され
た金属製ベルトを支持体とする電子写真用感光体におい
て、該支持体表面にコヒーレント光を吸収するめっき層
を設けることにより、レーザープリンター等のコヒーレ
ント光を光源とする電子写真装置に用いても干渉縞の発
生がなく、強度、寸法精度の優れたシームレスベルト状
電子写真用感光体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用感光体の層構成の一例を示
す拡大断面図である。
【図2】本発明の電子写真用感光体の層構成の一例を示
す拡大断面図である。
【図3】本発明の電子写真用感光体の層構成の一例を示
す拡大断面図である。
【図4】電子写真用感光体の層構成の一例を示す拡大断
面図である。
【符号の説明】
1 金属製ベルト状支持体 2a 感光層 2b 感光層 2c 感光層 2d 感光層 3 電荷発生物質 4 バインダー 5 電荷輸送物質 6 電荷発生層 7 電荷輸送層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年1月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光層を形成してなる電子写
    真用感光体において、該支持体と感光層との間にコヒー
    レント光を吸収するめっき層を設けたことを特徴とする
    電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】 コヒーレント光を吸収するめっき層が黒
    色ニッケルめっき、黒色クロムめっき又は有色クロムめ
    っきである請求項1記載の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の支持体が電鋳法に
    よって作製されたシームレスベルトであることを特徴と
    する電子写真用感光体。
JP1205092A 1992-01-27 1992-01-27 電子写真用感光体 Pending JPH05204177A (ja)

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