JPH04362402A - 自動二輪車用ラジアルタイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はトレッド部の耐摩耗性を
向上しうる自動二輪車用ラジアルタイヤに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、自動二輪車用のタイヤにあっては
、小巾の帯状のベルトプライを螺旋状に巻回することに
よってベルト層を形成したものが出現している。このよ
うな螺旋巻したベルト層は、タイヤ周方向にプライの縦
目が生じないため、直進走行性を保持するとともに、旋
回時において車体を傾けて走行するいわゆる傾斜走行時
にあっても安定した旋回走行がなしうるなど走行性能を
高めている。又このような帯状プライは、従来そのベル
トコードとして芳香族ポリアミドからなる有機繊維を用
いて形成していた。

【０００３】なお芳香族ポリアミド繊維は有機繊維の中
では高い強度、即ちスチールコードに略近い引張コード
を有し、タイヤのトレッド部のように繰返し変形を受け
る有効に補強しうる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】他方、芳香族ポリアミ
ド繊維は、曲げ剛性については、スチールに比べて劣る
ため、前記繊維を用いて形成されたベルト層は走行時に
おいて局部的に変形し、その結果、摩耗及び偏摩耗が生
じるという問題がある。又芳香族ポリアミド繊維に代え
てスチールコードを用いた場合には、スチールコードは
剛性が著しく高いため、高速走行時において走行安定性
及び旋回安定性が低下する傾向にある。

【０００５】発明者は、高速走行における直進安定性と
旋回性能及びハンドリング性の著しく低下させることな
く耐摩耗性を高めるには、スチールコード自体の弾性伸
び特性を芳香族ポリアミドと同等とすることにより可能
であることを見出し本発明を完成させたのである。

【０００６】本発明は、走行性能、ハンドリング性を損
なうことなく耐摩耗性を高めた自動二輪車用ラジアルタ
イヤの提供を目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、トレッド部か
らサイドウォール部を通りビード部のビードコアの周り
を折返しかつタイヤ赤道に対して７０°〜９０°の角度
で傾斜させたカーカスコードを具える１枚以上のカーカ
スプライからなるカーカスと、トレッド部の内部かつカ
ーカスの半径方向外側に配される１枚以上のベルトプラ
イからなるベルト層とを具えた自動二輪車用ラジアルタ
イヤであって、前記ベルトプライは、スチールコードか
らなるベルトコードをトッピングゴムに埋設した帯状プ
ライをタイヤ赤道に対して小角度で傾け螺旋巻きするこ
とにより形成し、しかもベルトコードはその引張り荷重
に対する伸びが初荷重２００ｇにおいて引張り荷重が３
．０ｋｇのときに０．２％以上かつ０．６５％以下、引
張り荷重が６．０ｋｇのときに０．４％以上かつ１．２
％以下、引張り荷重が１２．０ｋｇのときに０．６％以
上かつ１．６％以下、及び引張り荷重が２４．０ｋｇの
ときに１．０５％以上かつ２．２％以下とした自動二輪
車用ラジアルタイヤである。

【０００８】なお本発明の空気入りラジアルタイヤは主
として排気量が２５０ｃｃ〜７５０ｃｃ級の自動二輪車
の前輪、又は後輪に装着するタイヤとして形成している
。

【０００９】

【作用】カーカスはそのカーカスコードの傾きをタイヤ
赤道に対して７０〜９０度で傾けたラジアル配列としか
つベルト層のベルトコードは、タイヤ赤道に対して小角
度で傾くことによって、トレッド部においてはカーカス
コードとベルトコードとが大きな交差角度を有して交差
し、トレッド部の剛性を高める。このような構成にあっ
ては直進時における走行性能を保持しうる。

【００１０】又ベルト層が長尺な帯状プライを巻回した
ベルトプライによって形成されているため、ベルト層は
従来のシートプライを継ぎ合わせて形成したもののよう
にタイヤ周方向に継ぎ目が生じることがないため、直進
走行性を一層高めかつ乗心地を向上しうる。

【００１１】ベルトコードを、引張荷重に対する弾性伸
びについて複数段階で規制し、かつその規制値を芳香族
ポリアミド繊維の伸びと略等しくしたため、芳香族ポリ
アミド繊維をベルトコードとして用いた場合における高
速走行時における直進性、旋回性に比べて著しく低下す
ることなく、又芳香族ポリアミド繊維を用いたものと略
同等のハンドリング性を保持しうる。

【００１２】しかもスチールコードを用いることによっ
て、芳香族ポリアミド繊維を用いた場合に比べてコード
自体の曲げ剛性が大となるため、トレッド部の曲げ剛性
を高め走行時におけるタイヤの変形を抑制することによ
り、耐摩耗性を向上する。

【００１３】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図１〜５において自動二輪車用ラジアルタイヤ１は
、トレッド部２と、その両端からタイヤ半径方向内側に
向けてのびるサイドウォール部３と、該サイドウォール
部３のタイヤ半径方向内端に位置するビード部４とを有
し、前記トレッド部２からサイドウォール部３を通り、
ビード部４にのびる本体部６ａに、前記ビードコア５を
タイヤ軸方向内側から外側に向かって巻上げる巻上げ部
６ｂを設けたカーカス６と、トレッド部２の内部かつカ
ーカス６の半径方向外側に配されるベルト層７とを具え
る。又ビードコア５のタイヤ半径方向外側かつ巻上げ部
６ｂと本体部６ａとの間に断面三角状のビードエーペッ
クス９を立ち上げる。

【００１４】前記カーカス５は、カーカスコードをタイ
ヤ赤道Ｃに対して７０〜９０°の角度で傾斜させた１枚
以上、本実施例では１枚のカーカスプライからなり、カ
ーカスコードはナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳
香族ポリアミド等の有機繊維コードが用いられる。

【００１５】前記巻上げ部６ｂは、本実施例では、ビー
ド底面１５からの巻上げ高さＨｃを前記トレッド部２の
端縁Ｅ１、Ｅ２のビード底面１５からのトレッド縁高さ
Ｈｓの０．３倍〜０．６倍の範囲とし、サイドウォール
部に柔軟性を与えている。

【００１６】ベルト層７は、１枚以上本実施例では１枚
のベルトプライ７ａからなり、該ベルトプライ７ａは長
尺の帯状プライ１０を前記カーカス６の外側に巻付ける
ことにより、形成される。

【００１７】帯状プライ１０は図２に示すごとく１本ま
たは平行に配した複数本、本実施例では２本のベルトコ
ード１１をトッピングゴム１２に埋設してなり、前記ベ
ルトコード１１としてスチールコードが用いられる。

【００１８】ベルトコード１１は図３に示す如く、単数
又は複数本の素線２１をより合わせることにより、スト
ランド２２を形成するとともに、このストランド２２を
図２に示す如く複数条集束しかつ互いにより合わすこと
により形成される。

【００１９】本実施例では、ストランド２２は３本の素
線２１…をＳよりすることによって形成するとともに、
ストランド２２を３条合わせて素線２１のよりと同じ向
きのＳ捩りすることによりスチールコードからなるベル
トコード１１を形成している。

【００２０】素線２１は綱線を用いて形成するとともに
、その引張り強さが２７５〜２８０ｋｇ／　ｍｍ　のも
のを用いるのが好ましい。又素線２１は、本実施例では
、図３に示す如く、素線の中心線が波状に湾曲してなる
型づけ素線として形成され、ストランド２２は略同一形
状に湾曲した３本の型づけ素線をより合わせて形成され
る。 このような型づけ素線のより合わせからなるストランド
２２を用いてベルトコード１１を形成することにより、
該ベルトコード１１は引張り荷重が６ｋｇ以下において
は素線２１の引張り荷重による前記湾曲部２１ａの伸直
に伴い伸び率が大となる低弾性となる一方、引張り荷重
が６ｋｇ以上では素線２１の湾曲部２１ａが伸ばされ消
滅することによって、素線２１自体の伸びのみとなる結
果、高弾性率となる。

【００２１】本実施例では前記した如く素線２１を波状
に湾曲させた型づけ素線とすることにより、スチールコ
ードであっても芳香族ポリアミド繊維と同じように初期
の弾性伸びが大きいベルトコードを形成でき、高速走行
時における直進性能、旋回性能を著しく低下させること
なくトレッド部２の剛性を高め耐摩耗性を向上しうるの
である。

【００２２】なお前記トッピングゴム１２は、その１０
０％モジュラスを２５〜４０ｋｇ／ｃｍ２　の範囲とす
るのが好ましい。

【００２３】前記ベルトプライ７ａは、その成形に際し
て、図４に示す如く、帯状プライ１０の隣り合う側縁１
０ａ、１０ａ近傍を互いにラップさせてかつタイヤ赤道
Ｃに対して０°に近い小角度で傾けるとともに、トレッ
ド部２の一方の側縁Ｅ１から他方の側縁Ｅ２に向かって
螺旋巻きすることにより巻回された帯状プライ１０の緩
み止めが施される。

【００２４】

【具体例】タイヤサイズが１８０／５５ＺＲ１７であり
かつ図１に示す構成を有するタイヤについて、表１に示
す仕様でタイヤを試作し（実施例１、２）を試作しその
性能をテストした。なおベルトコードに芳香族ポリアミ
ド繊維を用いた従来の構成のタイヤ（比較例）について
も併せてテストを行い性能を比較した。

【００２５】又本発明に係るスチールコードからなるベ
ルトコードについて引張り荷重と伸びとの関係を測定し
、従来用いられている芳香族ポリアミド繊維と比較した
。表２には、各コードの組成を示し、又図６にはその引
張り荷重と伸びとの関係を線図で示す。

【００２６】表１に示すテストの条件は、次の通り。 イ）高速安定性（直進）及び（旋回）、ハンドリング性
試供タイヤを７５０ｃｃ級の自動二輪車の後輪に装着し
、該二輪車を舗装路を走行させ、ドライバーのフィーリ
ングにより判定するとともに比較例を１００とする指数
で示した。数値が大きいほど良好である。

【００２７】ロ）耐摩耗性イ）項と同じ車両に装着し、
一般路上を走行することによりトレッドが１ｍｍ摩耗し
た場合の走行距離を比較例を１００とする指数で表示し
た。数値が大きいほど良好である。

【００２８】なお図６に示す荷重と伸びの関係を示すグ
ラフにおいて、テスト条件として、荷重レンジを１００
ｋｇ、試験速度を１００ｍｍ／ｍｉｎ、チャック間の距
離を２５０ｍｍ、初荷重を２００ｇの条件に設定した。

【００２９】

【表１】

【００３０】

【表２】

【００３１】テストの結果、表１に示す通り実施例のも
のは、比較例のものに比べて耐摩耗性が向上する一方、
ハンドリング性は同等であり、又高速安定性については
著しい低下は見られなかった。

【００３２】

【発明の効果】叙上の如く本発明の自動二輪車用ラジア
ルタイヤはベルト層をベルトコードをトッピングゴムに
埋設した帯状プライを螺旋巻することにより形成し、し
かもベルトコードは段々的に設定したそれぞれの引張荷
重における伸びの上限値、下限値を規制したスチールコ
ードによって形成したため、芳香族ポリアミド繊維をベ
ルトコードに用いた従来のものに比べて高速走行におけ
る直進性及び旋回性を著しく低下させることなく、又ハ
ンドリング性を維持して耐摩耗性を向上することが出来
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す断面図である。

【図２】その帯状のプライを示す斜視図である。

【図３】ベルトコードの素線とそのねじりの一例を示す
。

【図４】プライの巻付けを例示する断面図である。

【図５】カーカスとベルト層とを示す展開平面図である
。

【図６】ベルトコードの荷重と伸びとの関係を示す線図
である。

【符号の説明】

２　　トレッド部 ３　　サイドウォール部 ４　　ビード部 ５　　ビードコア ６　　カーカス ７　　ベルト層 ７ａ　　ベルトプライ １０　　帯状プライ １１　　ベルトコード １２　　トッピングゴム Ｃ　　タイヤ赤道

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トレッド部からサイドウォール部を通りビ
   ード部のビードコアの周りを折返しかつタイヤ赤道に対
   して７０°〜９０°の角度で傾斜させたカーカスコード
   を具える１枚以上のカーカスプライからなるカーカスと
   、トレッド部の内部かつカーカスの半径方向外側に配さ
   れる１枚以上のベルトプライからなるベルト層とを具え
   た自動二輪車用ラジアルタイヤであって、前記ベルトプ
   ライは、スチールコードからなるベルトコードをトッピ
   ングゴムに埋設した帯状プライをタイヤ赤道に対して小
   角度で傾け螺旋巻きすることにより形成し、しかもベル
   トコードはその引張り荷重に対する伸びが初荷重２００
   ｇにおいて引張荷重が３．０ｋｇのときに０．２％以上
   かつ０．６５％以下、引張り荷重が６．０ｋｇのときに
   ０．４％以上かつ１．２％以下、引張り荷重が１２．０
   ｋｇのときに０．６５％以上かつ１．６％以下、及び引
   張り荷重が２４．０ｋｇのときに１．０５％以上かつ２
   ．２％以下としたことを特徴とする自動二輪車用ラジア
   ルタイヤ。