JP4319278B2 - 二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二輪車用空気入りタイヤに係り、特に乗り心地性能を維持して操縦安定性を向上させることのできる二輪車用空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、自動二輪車においては、ナイロン等のポリアミド、或いはポリエステル等のテキスタイルコードがカーカス層として用いられており、車両の排気量ランクに応じてそのカーカス層数が1層、或いは2層と適宜選択されている。
【0003】
更に、その内でも2層のラジアルカーカスを用いる自動二輪車用タイヤにおいては、従来2層のラジアルカーカスをビードコアの内側から外側へ向けてカーカス最大幅付近まで同時に巻き上げ係止させた構造(所謂2アッププライ構造)、或いは2層のラジアルカーカスの内の内側プライを上述した巻き上げ構造とし、外側プライを一方の側のビード部から他方のビード部に渡り、その終端をビードコア側方位置まで延在させた構造(所謂アップ・ダウン構造)が一般的に用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、2層のラジアルカーカスをビードコアの内側から外側に向けてカーカス最大幅付近まで同時に巻き上げ係止させた構造においては、特にカーカス最大幅下方(タイヤ半径方向内方)域のカーカス層数が本体部分と巻き上げ部分とで合計4層となって剛性が高くなり過ぎて乗り心地性能に劣り、更にカーカス最大幅上方(タイヤ半径方向外方)域、特にバットレス領域ではカーカス層数が本体部分2層だけのために、カーカス最大幅上下領域での剛性段差が大きく、コーナリング等の操縦安定性に劣る問題がある。
【0005】
一方、2層のラジアルカーカスの内の内側プライをビードコアの内側から外側へ向けてカーカス最大幅付近迄巻き上げ係止させ、外側プライを一方の側のビード部から他方の側のビード部に渡り、その終端をビードコア側方位置まで延在させた構造においては、カーカス最大幅下方領域のカーカス層数が3層となって上述した剛性段差が緩和されるものの、カーカス最大幅上方域、特にバットレス領域でのカーカス層数は2枚のままであるので、コーナリング等の操縦安定性能の改善には至っていなかった。
【0006】
また、近年、とみに高性能化されてきた自動二輪車においては、より一層の操縦安定性が望まれてきている。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、特に乗り心地性能を維持して操縦安定性を向上させることのできる二輪車用空気入りタイヤを提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤは、左右一対のビード部に埋設されたビードコアと、一方のビード部から他方のビード部にトロイド状に跨がり端部分が前記ビードコアの周りをタイヤ内側から外側へ向けて巻き上げて折り返す第1のカーカスプライ及び、前記第1のカーカスプライの外側に隣接配置される第2のカーカスプライによって形成されるカーカス層と、前記カーカス層のクラウン部のタイヤ径方向外側に配置される少なくとも1層のベルト層と、前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されるトレッド部と、を備え、前記第1のカーカスプライ及び第2のカーカスプライは複数本の有機繊維コードからなる有機繊維コード層であり、かつ、少なくともタイヤクラウンセンターにおける前記有機繊維コードのタイヤ赤道面に対する角度が72°〜90°であり、前記第1のカーカスプライの端部分は、カーカス最大幅位置よりもタイヤ半径方向外側へ延設され、前記カーカス層と前記ベルト層を通り前記ベルト層と重複し、かつ、両端部分が互いに重複することなく互いに離間した状態で前記ベルト層の端部領域と前記カーカス層との間に挟持係止されており、前記第2のカーカスプライは、少なくとも前記第1のカーカスプライの巻き上げ端を被覆すると共に前記ベルト層の端部領域からタイヤ半径方向内側へ延設されてサイドウォール部を通りかつカーカス最大幅位置を越えてビード部領域にて終端している、ことを特徴としている。
【0009】
次に、請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤの作用を説明する。
【0010】
請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤでは、第1のカーカスプライをベルト端部まで巻き上げ、かつベルト端部領域とカーカス層との間で挟持係止し、さらに、第2のカーカスプライを少なくともベルト端領域からカーカスプライ最大幅位置を越えてビード部まで延在させる構造を採ることにより、バットレス領域からビード部にかけてカーカス層数(カーカスプライの枚数)が3層で一定となり、タイヤサイド全域に渡り均質で適度なタイヤケース剛性を得ることができるので、乗り心地性能を低下させることなく操縦安定性能を大幅に向上することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記第2のカーカスプライは、タイヤクラウン中央領域にて中抜きされている、ことを特徴としている。
【0012】
次に、請求項2に記載の二輪車用空気入りタイヤの作用を説明する。
【0013】
ベルト層により強固に補強されたクラウン領域において第2のカーカスプライを中抜き構造(タイヤクラウン中央付近にプライの無い部分を設けること。)とすると、副次効果として軽量化、低燃費化にも有効であるが、タイヤクラウン部の剛性を適度に調整できるため乗り心地性能を向上することができ、かつクラウン部の曲げ剛性を適度に調整できてロードホールディング性能を向上させて操縦安定性能を向上することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記ベルト層は、アラミドコードを用いたスパイラルベルトプライを有することを特徴としている。
【0015】
次に、請求項3に記載の二輪車用空気入りタイヤの作用を説明する。
【0016】
1本のアラミドコード(例えば、ケブラー(商品名)コード等)をゴムで被覆した長尺状のゴム被覆コードまたは複数本のコードをゴムで被覆した帯状プライをカーカスのクラウン部に螺旋状に巻き回して形成され、コード方向が実質的にタイヤ周方向とされたスパイラルベルトを設けたことにより、従来のクロスベルトに比較して高速耐久性を向上することができ、また、高速走行時のクラウンセンターのせり出しを抑えることができるので、接地形状が大きく変化することによって生じる高速域の接地性不足を解消することができる。このため、高速走行下での操縦安定性能を向上することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記ベルト層は、1層以上のスパイラルベルトプライを有し、少なくとも1層のスパイラルベルトの打ち込み密度が、タイヤクラウン中央領域に比してベルト端領域において密である、ことを特徴としている。
【0018】
次に、請求項4に記載の二輪車用空気入りタイヤの作用を説明する。
【0019】
スパイラルベルトを用いる場合は、その構造的特徴を利用して、コードの打ち込み密度(単位長さ当たりのコード本数)をタイヤクラウン中央領域に比してベルト端領域において密にする事により、タイヤクラウン部の剛性を適度に調整できて乗り心地性能を向上することができ、かつクラウン部の曲げ剛性を適度に調整できてロードホールディング性能を向上させて操縦安定性能を向上させることができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、少なくともタイヤクラウンセンターにおいてタイヤ赤道面に対する角度が実質的に15°〜35°である有機繊維コードからなる少なくとも1層のバイアスベルトプライを有することを特徴としている。
【0021】
次に、請求項5に記載の二輪車用空気入りタイヤの作用を説明する。
【0022】
タイヤ赤道面に対するコード角度を15°〜35°としたバイアスベルトプライを少なくとも1層、好ましくはスパイラルベルト層を併用することにより、タイヤクラウン剛性を過度に高くすることなく適度な剛性の下でスパイラルベルトによる高速耐久性効果を、スパイラルベルトにおいて低いベルト層のタイヤ幅方向曲げ剛性をバイアスベルトプライによって補って操縦安定性能を向上することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、トレッド最大幅間距離wと、トレッド最大幅間を通る直線からトレッドクラウン頂部までの高さhとの比であるトレッド曲率比h/wが0.3以上であることを特徴としている。
【0024】
次に、請求項6に記載の二輪車用空気入りタイヤの作用を説明する。
【0025】
請求項1乃至請求項5の二輪車用空気入りタイヤの構造は、特に、トレッド最大幅間距離wと、トレッド最大幅間を通る直線からトレッドクラウン頂部までの高さhとの比であるトレッド曲率比h/wが0.3以上で設計されることが多いフロントタイヤにおいては、乗り心地性能と操縦安定性能との両立技術として特に有効となる。
【0026】
トレッド曲率比h/wが0.3未満では、hがタイヤ幅に対して充分確保できないため、路面からの突き上げ大きくなりすぎて本構造をもってしても充分な乗り心地性能が確保できない。また、操縦性の面でもコーナリングアクティビティーが不足して良くない。
【0027】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
次に、本発明の二輪車用空気入りタイヤの第1の実施形態を図1にしたがって説明する。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ10は、タイヤ赤道面CLに対して交差する方向に延びるコードが埋設された第1のカーカスプライ12及び第2のカーカスプライ14から構成されたカーカス層16を備えている。
【0029】
また、カーカス層16のタイヤ半径方向外側には、ベルト層18が設けられている。
【0030】
第1のカーカスプライ12及び第2のカーカスプライ14は、各々複数本の有機繊維コード(図示せず。例えば、ナイロンコード等。)を平行に並べてゴムコーティングした有機繊維コード層である。
【0031】
第1のカーカスプライ12の有機繊維コード及び第2のカーカスプライ14の有機繊維コードは、各々タイヤクラウンセンターにおけるタイヤ赤道面に対する角度が実質的に60°〜90°の範囲内に設定されている。
【0032】
第1のカーカスプライ12は、一方のビード部20、サイド部21から他方のサイド部21、ビード部20にトロイド状に跨がり、端部分がビード部20のビードコア22の周りをタイヤ内側から外側へ向けて巻き上げて折り返されている。
【0033】
第1のカーカスプライ12の折返部分12Bは、カーカス最大幅位置Pよりもタイヤ半径方向外側へ延設され、カーカス層16とベルト層18との間を通り、ベルト層18と重複(オーバーラップ)している。
【0034】
そして、第1のカーカスプライ12の両方の折返部分12Bは、互いに重複することなく互いに離間した状態でベルト層18の端部領域とカーカス層16との間に挟持された状態で係止されている。
【0035】
なお、第1のカーカスプライ12の折返部分12Bとベルト層18との重複量OLは、少なくとも5mm以上取ることが好ましい。
【0036】
また、ビードコア22のタイヤ径方向外側には、第1のカーカスプライ12の本体部分12Aと折返部分12Bとの間に硬質のゴムからなるビードフィラー24が設けられている。
【0037】
第2のカーカスプライ14は、第1のカーカスプライ12のタイヤ外側を被覆するように、一方のビード部20から他方のビード部20へ向けて連続して設けられており、両方の終端14Aはリムフランジ26のタイヤ径方向外側端26Aよりもタイヤ径方向外側に位置している。したがって、第1のカーカスプライ12の巻き上げ端12Cは第2のカーカスプライ14により被覆されている。
【0038】
なお、第1のカーカスプライ12の有機繊維コードと第2のカーカスプライ14の有機繊維コードとは互いに交差しており、また、タイヤ赤道面CLに対して互いに反対方向に傾斜している。
【0039】
本実施形態のベルト層18は、第1のベルトプライ28と第2のベルトプライ30を備えている。
【0040】
第1のベルトプライ28及び第2のベルトプライ30は、各々複数本の有機繊維コード(図示せず。例えば、ナイロンコード等。)を平行に並べてゴムコーティングしたものであり、これらの有機繊維コードは実質的にタイヤ周方向に延びている。
【0041】
ベルト層18のタイヤ径方向外側にはトレッド32が配置されている。このトレッド32は、単一のゴムから構成されていても良く、キャップゴム層とベースゴム層との2層に分かれている所謂キャップ・ベース構造であっても良い。
【0042】
なお、この二輪車用空気入りタイヤ10をフロントタイヤとして用いる場合には、トレッド最大幅間距離wとトレッド最大幅間を通る直線wLからトレッドクラウン頂部までの高さhとの比であるトレッド曲率比h/wを、0.3以上とすることが好ましい。
【0043】
次に、本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ10の作用を説明する。
【0044】
本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ10においては、第1のカーカスプライ12をベルト層18の端部まで巻き上げてその折返部分12Bの端付近をベルト層18の端部領域とカーカス層16との間で挟持係止し、さらに、第2のカーカスプライ14を一方のビード部20から他方のビード部20に延在させたので、バットレス領域19からビード部20にかけてカーカス層数(カーカスプライの枚数)が3層で一定となり、タイヤサイド全域に渡り均質で適度なタイヤケース剛性を得ることができる。
【0045】
このため、本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ10は、乗り心地性能を低下させることなく操縦安定性能を大幅に向上することができる。
【0046】
さらに、この二輪車用空気入りタイヤ10をフロントタイヤとして用いる場合には、トレッド最大幅間距離wと、トレッド最大幅間を通る直線WLからトレッドクラウン頂部までの高さhとの比であるトレッド曲率比h/wを0.3以上とすることにより、乗り心地性能と操縦安定性能とを両立することができる。
【0047】
なお、トレッド曲率比h/wが0.3未満になると、hがタイヤ幅に対して充分確保できないため、路面からの突き上げ大きくなりすぎて本構造をもってしても充分な乗り心地性能が確保できない。また、操縦性の面でもコーナリングアクティビティーが不足して良くない。
【0048】
[第2の実施形態]
次に、図2にしたがって本発明の第2の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤ40を説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0049】
この実施形態では、第2のカーカスプライ14は、中抜き構造、即ち、タイヤクラウン中央付近で第2のカーカスプライ14の無い部分を設けた構造としている。
【0050】
この二輪車用空気入りタイヤ40のクラウン領域は、ベルト層18により強固に補強されているが、第2のカーカスプライ14を中抜き構造としているので、副次効果として軽量化、低燃費化にも有効であるが、タイヤクラウン部の剛性を適度に調整(第2のカーカスプライ14の無い部分の幅により調整可能。)できるため乗り心地性能の向上にも効果があり、かつタイヤクラウン部の曲げ剛性を適度に調整できるのでロードホールディング性能を向上させ操縦安定性能を向上することができる。
[第3の実施形態]
次に、図3にしたがって本発明の第3の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤ50を説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0051】
この二輪車用空気入りタイヤ50の第2のカーカスプライ14のクラウン部には、1本のコードをゴムで被覆した長尺状のゴム被覆コード(図示せず)または複数本のコードをゴムで被覆した帯状プライ(図示せず)を螺旋状に巻き回して形成され、コード方向が実質的にタイヤ周方向とされたスパイラルベルト42が設けられている。
【0052】
スパイラルベルト42に用いるコードは、高強度高張力のアラミド繊維コード(例えば、ケブラー(商品名)繊維コード等)が好ましいが、アラミド繊維コードと同等の強度を有するものであれば他の有機繊維コードであっても良い。
【0053】
本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ50では、カーカス層16のタイヤクラウン部分が、コード方向が実質的にタイヤ周方向とされ、かつ高強度高張力のコードからなるスパイラルベルト42により補強されているので、高速走行下での遠心力に対抗でき、高速走行下での操縦安定性能を更に向上することができる。
【0054】
スパイラルベルト42は、長尺状のゴム被覆コードを螺旋状に巻き回して形成するので、タイヤ幅方向のコードピッチを部分部分で容易に変更可能である。例えば、ゴム被覆コードの打ち込み密度をタイヤクラウン中央領域に比してベルト端領域において密にすることにより、タイヤクラウン部の剛性を調整できて乗り心地性能を向上することができ、かつタイヤクラウン部の曲げ剛性を調整できてロードホールディング性能を向上させて操縦安定性能を向上することができる。
【0055】
なお、スパイラルベルト42は、場合によっては2層以上設けても良く、少なくとも1層のコードの打ち込み密度を部分的に変えても良い。
[第4の実施形態]
次に、図4にしたがって本発明の第4の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤ60を説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0056】
本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ60は、第2のカーカスプライ14が中抜き構造とされ、カーカス層16のタイヤクラウン部分にスパイラルベルト42が設けられている。
【0057】
本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ60においても、第2のカーカスプライ14を中抜き構造としているので、軽量化、低燃費化に有効であり、タイヤクラウン部の剛性を適度に調整できるため乗り心地性能の向上にも効果があり、かつタイヤクラウン部の曲げ剛性を適度に調整できるのでロードホールディング性能を向上させ操縦安定性能を向上することができる。
【0058】
さらに、ベルト層18が1層のスパイラルベルト42のみであるためより軽量化が図られている。
【0059】
本実施形態においても、スパイラルベルト42は、場合によっては2層以上設けても良く、少なくとも1層のコードの打ち込み密度を部分的に変えても良い。
[第5の実施形態]
次に、図5にしたがって本発明の第5の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤ70を説明する。なお、本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ70は、前述した第4の二輪車用空気入りタイヤ60の変形例であり、第4の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0060】
本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ70は、スパイラルベルト42の内側に、バイアスベルトプライ72が1層設けられている。
【0061】
バイアスベルトプライ72は、複数本の有機繊維コード(図示せず。例えば、アラミドコード)を平行に並べてゴムコーティングした有機繊維コード層であり、有機繊維コードのタイヤ赤道面に対するコード角度は実質的に15°〜35°である。
【0062】
本実施形態の二輪車用空気入りタイヤ70では、スパイラルベルト42を併用することにより、タイヤクラウン剛性を過度に高くさせることなく適度な剛性の下でスパイラルベルト42による高速耐久性効果を得ることができる。
【0063】
また、スパイラルベルト42はコード方向がタイヤ周方向であるためにクロスベルトに比較してタイヤ幅方向の曲げ剛性は低い性質を有するが、タイヤ幅方向の曲げ剛性を増強したい場合には、ベルト層18のタイヤ幅方向曲げ剛性をバイアスベルトプライ72によって補うことができ、これにより操縦安定性能を向上することができる。
【0064】
なお、バイアスベルトプライ72は、2層以上設けても良い。
(試験例1)
本発明の効果を確かめるために、従来例のタイヤ2種と、本発明の適用された実施例のタイヤ6種を用意し、試験タイヤ(フロント、リア共に同サイズ)を装着したテスト車をテストライダーがテストコースにて走行させ、ハンドリング、タイヤグリップ、操縦安定性及び乗り心地に付いて評価を行った。
【0065】
従来例1:図6に示すように、一方のビード部120から他方のビード部120へトロイド状に跨がる第1のカーカスプライ112及び第2のカーカスプライ114から構成されたカーカス層116を備えており、第1のカーカスプライ112及び第2のカーカスプライ114の各々の端部分はビードコア122の周りをタイヤ内側から外側へ向けて巻き上げて折り返されている(所謂2プライアップ構造)。ベルト層118は、各々複数本の有機繊維コードを平行に並べてゴムコーティングした第1のベルトプライ128と第2のベルトプライ130を備えている。なお、第1のカーカスプライ112及び第2のカーカスプライ114の各々のプライ端は、ベルト層118の端部とは離間している。
【0066】
従来例2:図7に示すように、一方のビード部120から他方のビード部120へトロイド状に跨がる第1のカーカスプライ112及び第2のカーカスプライ114から構成されたカーカス層116を備えており、第1のカーカスプライ112の端部分はビードコア122の周りをタイヤ内側から外側へ向けて巻き上げて折り返されており第2のカーカスプライ114はビードコア122の周りを巻き上げることなく第1のカーカスプライ112の折返部分112Aの外側に配置されている。ベルト層118は、各々複数本の有機繊維コードを平行に並べてゴムコーティングした第1のベルトプライ128と第2のベルトプライ130を備えている。なお、第1のカーカスプライ112及び第2のカーカスプライ114の各々のプライ端は、ベルト層118の端部とは離間している。
【0067】
実施例1:第1の実施形態(図1参照)の構造を有するタイヤである。
【0068】
実施例2:第1の実施形態(図1参照)の構造を有するタイヤである。
【0069】
実施例3:第2の実施形態(図2参照)の構造を有するタイヤである。
【0070】
実施例4:第4の実施形態(図4参照)の構造を有するタイヤである。
【0071】
実施例5:第5の実施形態(図5参照)の構造を有するタイヤである。
【0072】
実施例6:第3の実施形態(図3参照)の構造を有するタイヤである。
【0073】
なお、各試験タイヤのその他の諸元は以下の表1に示す通りである。
【0074】
また、試験結果は10点満点で評価し、以下の表2〜5内に記載した通りである。
【0075】
【表1】
Figure 0004319278
【0076】
【表2】
Figure 0004319278
【0077】
【表3】
Figure 0004319278
【0078】
【表4】
Figure 0004319278
【0079】
【表5】
Figure 0004319278
【0080】
各試験何れも本発明の適用された実施例の二輪車用空気入りタイヤは、従来例の二輪車用空気入りタイヤよりも操縦安定性と乗り心地が向上しているのが分かる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の二輪車用空気入りタイヤは上記の構成としたので、乗り心地性能を維持して操縦安定性を向上させることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤの断面図である。
【図6】従来例に係る二輪車用空気入りタイヤの断面図である。
【図7】他の従来例に係る二輪車用空気入りタイヤの断面図である。
【符号の説明】
10 二輪車用空気入りタイヤ
12 第1のカーカスプライ
12C 巻き上げ端
14 第2のカーカスプライ
14A 終端部
16 カーカス層
18 ベルト層
20 ビード部
21 サイドウォール部
22 ビードコア
26 リムフランジ
26A タイヤ径方向外側端
32 トレッド(トレッド部)
CL タイヤ赤道面
P カーカス最大幅位置
40 二輪車用空気入りタイヤ
42 スパイラルベルトプライ
50 二輪車用空気入りタイヤ
60 二輪車用空気入りタイヤ
70 二輪車用空気入りタイヤ
72 バイアスベルトプライ
w トレッド最大幅間距離
wL トレッド最大幅間を通る直線
h 高さ

Claims (6)

  1. 左右一対のビード部に埋設されたビードコアと、
    一方のビード部から他方のビード部にトロイド状に跨がり端部分が前記ビードコアの周りをタイヤ内側から外側へ向けて巻き上げて折り返す第1のカーカスプライ及び、前記第1のカーカスプライの外側に隣接配置される第2のカーカスプライによって形成されるカーカス層と、
    前記カーカス層のクラウン部のタイヤ径方向外側に配置される少なくとも1層のベルト層と、
    前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されるトレッド部と、
    を備え、
    前記第1のカーカスプライ及び第2のカーカスプライは複数本の有機繊維コードからなる有機繊維コード層であり、かつ、少なくともタイヤクラウンセンターにおける前記有機繊維コードのタイヤ赤道面に対する角度が72°〜90°であり、
    前記第1のカーカスプライの端部分は、カーカス最大幅位置よりもタイヤ半径方向外側へ延設され、前記カーカス層と前記ベルト層を通り前記ベルト層と重複し、かつ、両端部分が互いに重複することなく互いに離間した状態で前記ベルト層の端部領域と前記カーカス層との間に挟持係止されており、
    前記第2のカーカスプライは、少なくとも前記第1のカーカスプライの巻き上げ端を被覆すると共に前記ベルト層の端部領域からタイヤ半径方向内側へ延設されてサイドウォール部を通りかつカーカス最大幅位置を越えてビード部領域にて終端している、
    ことを特徴とする二輪車用空気入りタイヤ。
  2. 前記第2のカーカスプライは、タイヤクラウン中央領域にて中抜きされている、ことを特徴とする請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルト層は、アラミドコードを用いたスパイラルベルトプライを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  4. 前記ベルト層は、1層以上のスパイラルベルトプライを有し、少なくとも1層のスパイラルベルトの打ち込み密度が、タイヤクラウン中央領域に比してベルト端領域において密である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  5. 前記ベルト層は、少なくともタイヤクラウンセンターにおいてタイヤ赤道面に対する角度が15°〜35°である有機繊維コードからなる少なくとも1層のバイアスベルトプライを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  6. トレッド最大幅間距離wと、トレッド最大幅間を通る直線からトレッドクラウン頂部までの高さhとの比であるトレッド曲率比h/wが0.3以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
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