JP4137701B2 - 自動二輪車用タイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
この発明は、自動二輪車用タイヤの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動二輪車は、エンジン排気量が増加されることに起因して、高速走行が可能となると共に大型化、重量化されつつある。このため、自動二輪車用タイヤは、ますます性能の向上が要請されている。
ところで、自動二輪車は、旋回走行時に車体が大きく傾斜されるため、自動二輪車用タイヤは、路面に対して傾斜して転動する際に適度なコーナーリングフォース及びキャンバースラストが発生するように設計される必要がある。
【0003】
自動二輪車の旋回走行のみが考慮される場合には、自動二輪車用タイヤは、タイヤショルダー部の高い剛性が確保されることにより、安定した高速旋回走行を実現する。
しかしながら、一般に自動二輪車用タイヤは、タイヤショルダー部の剛性向上に伴ってタイヤトレッド部の剛性も向上される。このため、自動二輪車が直進走行される場合には、自動二輪車用タイヤのタイヤトレッド部の剛性が高くなりすぎ、自動二輪車の直進安定性が低下するという問題がある。
【0004】
すなわち、従来から、自動二輪車用タイヤのタイヤショルダー部の高い剛性が確保されつつも、タイヤトレッド部(特にトレッド中央部)の剛性は、タイヤショルダー部と比較して低く抑えられるべきであるとの要請があった。
この要請に応えるべく、従来から自動二輪車用タイヤの構造は、種々の改良が試みられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−181310号公報
【特許文献2】
特開平5−246210号公報
【特許文献3】
特開平4−339002号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記直進安定性及び高速旋回性の両立を目的として従来から提供されている自動二輪車用タイヤでは、タイヤショルダー部の剛性の向上と、タイヤトレッド部の剛性の抑制とのバランスが必ずしも良いとは言えず、上記直進安定性及び高速旋回性が高いレベルで両立されているとは言えなかった。
また、タイヤトレッド部とタイヤショルダ部との構造的連続性が必ずしも達成されておらず、そのため、直進走行から旋回走行への(又は旋回走行から直進走行への)過渡期における走行状態は、線形性が保持されにくかった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、自動二輪車の直進安定性及び高速旋回性を高いレベルで両立させ、しかも、直進走行から旋回走行あるいは旋回走行から直進走行への過渡状態が良好な線形性を実現することができる自動二輪車用タイヤを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的が達成されるため、本願に係る自動二輪車用タイヤは、トレッド面に沿って形成され且つタイヤ軸方向に沿って対向配置された一対のビードコアにタイヤ軸方向内側から外側に向かって巻回された状態で形成されたカーカスプライと、トレッド面に沿って形成され且つカーカスプライのタイヤ径方向外側に順に積層されたベルトプライ及びバンドプライとを備え、上記カーカスプライは、タイヤ赤道面に対して絶対値65°(degree)〜90°の角度で交差するように配置された有機繊維からなるカーカスコードを有し、上記ベルトプライは、タイヤ赤道面に対して絶対値10°〜60°の角度で交差するベルトコードを有し且つ当該ベルトプライのタイヤ軸方向両側部分は、タイヤ径方向外側へ折り返されて一対の折返部を形成しており、上記バンドプライは、タイヤ赤道面に対して絶対値10°以下の角度で交差する螺旋状に巻回されたバンドコードを有し、上記各折返部の内端寸法は、トレッド幅寸法の20%〜40%に設定され、上記バンドプライの幅寸法は、トレッド幅寸法の20%〜65%に設定され、上記各折返部と上記バンドプライとのオーバーラップ寸法は、15mm以下に設定されていることを特徴とするものである。
【0009】
この構成によれば、カーカスプライは、トレッド面に沿って形成されると共に、カーカスプライの両側部分は、ビードコアに巻回され、タイヤ軸方向内側から外側に向かって巻き上げられる。これにより、自動二輪車用タイヤのサイドウォール部の剛性が向上する。
このように形成されたカーカスプライに対してタイヤ径方向外側にベルトプライが形成され、さらにタイヤ径方向外側にバンドプライが形成されている。これらベルトプライ及びバンドプライによって、カーカスプライが補強され、自動二輪車用タイヤ全体としての剛性が向上する。
【0010】
上記ベルトプライは、トレッド部に沿って形成されるので、カーカスプライを補強すると共に、自動二輪車用タイヤのショルダー部を補強し、当該ショルダー部の剛性が向上する。しかも、ベルトプライの両側部分(すなわち、タイヤ軸方向両側部分)は、タイヤ軸方向外側へ折り返されているので、特にショルダー部の剛性が効果的に向上される。
さらに、この折返部の内端寸法がトレッド幅寸法の20%〜40%に設定されることにより、重量増加が抑制されつつショルダー部の剛性のみが集中的に向上される。
なお、本発明において「トレッド幅寸法」とは、トレッド面測地線に沿って測定されたトレッド部の軸方向寸法である。
【0011】
また、カーカスコードの方向がタイヤ赤道面に対して絶対値65°〜90°に設定され、さらに、ベルトコードの方向がタイヤ赤道面に対して絶対値10°〜60°に設定されているから、カーカスプライのトレッド面に沿う部分が十分に補強されながらも、自動二輪車用タイヤのトレッド部の剛性が過大となることが抑制されている。
【0012】
加えて、バンドプライの幅寸法がトレッド幅寸法の20%〜65%に設定され、且つ上記折返部は、バンドプライと15mm以下でオーバラップしているので、トレッド部からショルダー部に至る領域は、構造的連続性に優れる。つまり、トレッド部からショルダー部に至る領域の剛性は、滑らかに変化する。しかも、自動二輪車用タイヤの重量増加が抑制される。
【0013】
(2) 上記バンドコードは、金属により構成されるのが好ましく、特に有機繊維から構成されるのがより好ましい。
金属によりバンドコードが構成される場合は、カーカスプライの強大な補強が可能となり、有機繊維からバンドコードが構成される場合は、自動二輪車用タイヤの重量増加がさらに抑制される。
【0014】
(3) 上記ベルトプライ及び上記バンドプライによって囲繞される領域に上記トレッド面を構成する材料の弾性係数よりも小さい弾性係数の部材が介在されているのが好ましい。
この構成では、ベルトプライ及びバンドプライによって囲繞される領域にクッションが配置された状態となる。したがって、トレッド部に加わる衝撃は、効果的に緩和され、その結果、自動二輪車は、直進安定性及び乗り心地が向上するという利点がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0016】
A.タイヤの概略構成と特徴点
図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤ(以下、単に「タイヤ」と称される。)10の構造を示す要部断面図である。この図には、タイヤ10の中心を通り且つタイヤ10の赤道面Eと直交する平面に沿った断面が示されている。同図において上下方向がタイヤ10の径方向であり、左右方向がタイヤ10の軸方向である。
【0017】
タイヤ10は、トレッドパターンを除き、赤道面Eを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。タイヤ10は、トレッド部11と、トレッド部11の両側(タイヤ10の軸方向両側)に連続する一対のショルダー部12と、さらにこれらに連続する一対のサイドウォール部13及び一対のビード部14と、カーカス部15と、ベルト部16と、バンド部17と、バンド部17及びベルト部16によって区画される領域に配置された緩衝部18とを備えている。
【0018】
ただし、タイヤ10は、これらトレッド部11、ショルダー部12、サイドウォール部13、ビード部14、カーカス部15、ベルト部16、バンド部17及び緩衝部18が一体的に構成されており、カーカス部15、ベルト部16、バンド部17及び緩衝部18は、それぞれタイヤ10の内部に形成されたカーカス層(カーカスプライ)、ベルト層(ベルトプライ)、バンド層(バンドプライ)及び緩衝層として存在している。以下では、カーカス部15、ベルト部16、バンド部17及び緩衝部18は、それぞれカーカスプライ15、ベルトプライ16、バンドプライ17及び緩衝層18と称される。
【0019】
本実施形態の特徴とするところは、同図が示すように、(1) ベルトプライ16の両端部が折り返されて、折返部19が形成されている点、(2) ベルトプライ16の外側にバンドプライ17が形成されている点、(3) これらベルトプライ16とバンドプライ17とによって囲繞される領域に緩衝層18が形成されている点、及び(4) バンドプライ16の幅寸法JW、上記折返部19の内端寸法SW及びバンドプライ16と上記折返部19とのオーバーラップ寸法LWは、トレッド幅寸法TWに対して後述の関係を有する点である。
以下、タイヤ10の構造についてさらに詳細に説明される。
【0020】
B.タイヤ各部の構造
本実施形態では、トレッド幅寸法TWは、一対のショルダー部12の外端間の距離、すなわち、トレッド部11のトレッド面21(トレッド面測地線)に沿って測定されたショルダー部12の軸方向最縁部20a、20b間の距離である。
また、バンドプライ17の幅寸法JWは、上記トレッド面21(トレッド面測地線)に沿って測定されたバンドプライ17の軸方向の距離である。
さらに、折返部19の内端寸法SWは、上記トレッド面21(トレッド面測地線)に沿って測定された当該折返部19の端部19aと上記最縁部20aとの間(当該折返部19の端部19bと上記最縁部20bとの間)の距離である。
また、上記オーバーラップ寸法LWは、バンドプライ17の両端部と上記各折返部19との重複部分の上記トレッド面21(トレッド面測地線)に沿って測定された長さである。
なお、バンドプライ16の幅寸法JW、折返部19の内端寸法SW、バンドプライ16と折返部19とのオーバーラップ寸法LW及びトレッド幅寸法TWは、タイヤ10が径方向仮想切断面で切断された状態で測定されるものとする。
【0021】
トレッド部11は架橋ゴムからなり、そのトレッド面21は、径方向外向きに凸となるようにアーチ状に形成されている。
自動二輪車が旋回されるときは、運転者が当該自動二輪車を旋回方向内側に傾斜させるが、このとき、タイヤは、路面とキャンバー角を成して接地する。そして、自動二輪車の旋回時に生じる遠心力に対抗するように、タイヤの接地面にキャンバースラストが発生し、この力によって当該自動二輪車は安定した旋回がなされる。このように、安定したキャンバースラストが発生するために、トレッド部11の外面、すなわちトレッド面21は、同図が示すように大きくアーチを描くように形成されている。
【0022】
トレッド面21は、路面と接地する。このため、トレッド面21には、溝部とランド部とからなるトレッドパターン(図示せず)が形成されている。
本実施形態では、トレッド部11は、スチレンブタジエンゴム(SBR)から構成されている。この材料は、弾性係数が5.2MPaである。ただし、このトレッド部11(すなわちトレッド面21)を構成する材料は、上記材料に限定されるものではなく、他の種々のゴム等が採用される。
【0023】
サイドウォール部13は、トレッド部11に連続し、トレッド部11の両端から径方向内向きに延びている。すなわち、サイドウォール部13は、トレッド部11から径方向内向きに屈曲形成されており、両者が連続する部分によってショルダー部12が構成されている。本実施形態では、同図が示すように、ショルダー部12は、最縁部20a、20bが軸方向へ突出するように形成されている。
これらショルダー部12及びサイドウォール部13も、架橋ゴムからなる。サイドウォール部13は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。また、サイドウォール部13は、カーカスプライ15を保護し外傷を防止する。さらに、ショルダー部12が構成されることによって、タイヤ10の剛性(特に横剛性)が向上する。
【0024】
ビード部14は、サイドウォール部13に連続して形成されている。ビード部14は、ビードコア22と、このビードコア22から径方向外向きに延びるビードエイペックス23とを備えている。
ビードコア22は環状に形成されており、複数本の非伸縮性ワイヤ(典型的にはスチール製ワイヤ)からなる。ビードエイペックス23は、径方向外向きに先細りとなるテーパ状に形成されており、架橋ゴムからなる。
【0025】
C.タイヤの層構造
カーカスプライ15は、同図が示すように、トレッド部11に沿って形成され、さらにショルダー部12、サイドウォール部13及びビード部14に沿って延びている。カーカスプライ15の両端部30、31は、ビードコア22の内側(タイヤ軸方向内側)から外側(タイヤ径方向外側)に向かって掛け回され、さらに、サイドウォール部13に沿って所定長さだけ巻き上げられている。
このようにカーカスプライ15がビードコア22に掛け回されているので、サイドウォール13の剛性が向上されている。
【0026】
ベルトプライ16は、トレッド部11に沿って配置されており、カーカスプライ15の径方向外方に配置されている。ベルトプライ16は、カーカスプライ15を径方向に締め付けて補強するものである。ベルトプライ16は、同図が示すように、トレッド部11の略全領域に形成されており、カーカスプライ15を確実に補強する。
ベルトプライ16の両端部は、ショルダー部12まで延びており、同図が示すように折り返された状態で形成されている。具体的には、ベルトプライ16の両端部は、それぞれ、径方向外側に向かって反転され、当該ベルトプライ16に重なるように形成されている。この重なった部分によって、上記折返部19が構成されている。
この折返部19の内端寸法SWは、本実施形態では、上記トレッド幅寸法TWの24.1%に設定されている。もっとも、この内端寸法SWは当該値に限定されるものではなく、上記トレッド幅寸法TWの20%〜40%の範囲で適宜設定され得るものである。
【0027】
バンドプライ17は、トレッド部11に沿って配置されており、上記ベルトプライ16の径方向外方に配置されている。バンドプライ17は、ベルトプライ16と協働してカーカスプライ15を径方向に締め付けて補強する。
バンドプライ16は、同図が示すように、トレッド部11の中央部に形成されている。バンドプライ17の幅寸法JWは、本実施形態では、上記トレッド幅寸法TWの48%に設定されている。もっとも、この幅寸法JWは当該値に限定されるものではなく、上記トレッド幅寸法TWの20%〜65%の範囲で適宜設定され得るものである。
【0028】
バンドプライ17及びベルトプライ16が前述のように形成されることによって、ベルトプライ16の折返部19とバンドプライ17とがオーバーラップすることになる。
本実施形態では、このオーバーラップ寸法LWは、7mmに設定されている。もっとも、このオーバーラップ寸法LWは当該値に限定されるものではなく、15mm以下に設定され得るものである。
【0029】
なお、本実施形態では、上記カーカスプライ15、ベルトプライ16及びバンドプライ17は、単一の層に形成されているが、これらはそれぞれ複数の層を備えていてもよい。
言い換えると、これらカーカスプライ15、ベルトプライ16及びバンドプライ17は、タイヤ10が成形される際に、予めカーカスプライ15を構成するカーカスシート(シート状の部材)、ベルトプライ16を構成するベルトシート(シート状の部材)及びバンドプライ17を構成するシート状ないし帯状の部材が相対的所定位置に配置されるが、この際に、複数の部材が配置されても良く、これによって、成形されたタイヤのカーカスプライ、ベルトプライ又はバンドプライは、それぞれ複数の層を形成することになる。
【0030】
本実施形態のように、上記カーカスプライ15、ベルトプライ16及びバンドプライ17が単一の層に形成されることによって、タイヤ10の製造が容易であり、しかも、タイヤ10の重量増加が抑制される。
特に、バンドプライ17は径方向最外層として形成されるから、これが単一層に形成されることによって、タイヤ10の軽量化のみならず、慣性モーメントが小さく抑えられるという利点がある。
【0031】
緩衝層18は、上記ベルトプライ16と上記バンドプライ17とによって囲繞される領域に形成されている。具体的には、緩衝層18は、ベルトプライ16とバンドプライ17との間に形成され、上記折返部19及び上記ベルトプライ16とバンドプライ17とがオーバーラップする領域に充填されている。
緩衝層18は、本実施形態では、ゴムにより構成されている。緩衝層18を構成するゴムは、弾性係数が4.0MPaであり、緩衝層18の厚み寸法は、1.0mmに設定されている。
もっとも、緩衝層18を構成する材料は、これに限定されるものではなく、弾性係数がトレッド部11を構成する材料の弾性係数よりも小さいものであれば、他の材料が採用され得る。また、緩衝層18の厚み寸法は、ベルトプライ16の厚み寸法と略同等であり、0.7mm〜1.3mmの範囲で適宜設定され得る。
【0032】
なお、緩衝層18が単一の部材からなる場合は、当該部材の物性としての弾性係数がトレッド部11を構成する材料の弾性係数よりも小さく設定されていれば良いが、緩衝層18が単一の部材又は複数の部材によって構造物として構成されている場合は、当該構造物全体としての弾性係数がトレッド部11を構成する材料の弾性係数よりも小さく設定されていれば良い。
【0033】
図2は、タイヤ10の要部平面図であり、トレッド部11に沿う仮想面によって切断された断面が図示されている。
同図が示すように、カーカスプライ15の上(径方向外側)にベルトプライ16が、また、ベルトプライ16の上(径方向外側)にバンドプライ17が順に積層されている。
【0034】
カーカスプライ15は、複数のカーカスコード32を備えている。このカーカスコード32は、予めトッピングゴムシート33により被覆され、整列されている。トッピングゴムシート33は、タイヤ10が成形される際に、他の部分と融合する。
カーカスコード32は、上記赤道面E(タイヤ10の周方向)に対して角度θ1で交差するように配置されている。本実施形態では、θ1=90°(degree)に設定されている。もっとも、θ1は、65°〜90°の範囲で適宜設定され得る。なお、この角度θ1は、絶対値として65°〜90°の範囲で設定されていればよく、したがって、上記赤道面Eに対して、−65°〜−90°の範囲でも設定され得る。
また、本実施形態では、カーカスコード32は、ナイロン繊維により構成されている。もっとも、カーカスコード32を構成する材料は、ナイロン繊維のほか、レーヨン繊維、芳香族ポリアミド繊維その他の有機繊維が採用され得る。
【0035】
ベルトプライ16は、カーカスプライ15と同様に、複数のベルトコード34を備えている。このベルトコード34は、予めトッピングゴムシート35により被覆され、整列されている。トッピングゴムシート35は、タイヤ10が成形される際に、他の部分と融合する。
ベルトコード34は、上記赤道面E(タイヤ10の周方向)に対して角度θ2で交差するように配置されている。本実施形態では、θ2=−45°に設定されている。もっとも、θ2は、−10°〜−60°の範囲で適宜設定され得る。したがって、ベルトプライ16のベルトコード34の方向は、カーカスプライ15のカーカスコード32の方向と交差することになる。
なお、この角度θ2は、絶対値として10°〜60°の範囲で設定されていればよく、したがって、上記赤道面Eに対して、10°〜60°の範囲でも設定され得る。
また、本実施形態では、ベルトコード34は、芳香族ポリアミド繊維により構成されている。もっとも、ベルトコード34を構成する材料は、芳香族ポリアミド繊維のほか、ナイロン繊維、レーヨン繊維、その他の有機繊維、スチール等の金属が採用され得る。
【0036】
バンドプライ17は、バンドコード36を備えている。このバンドコード36は、長尺の単一の部材であって、略周方向に沿って巻回されている。つまり、上記ベルトプライ16及びカーカスプライ15は、このバンドコード36が巻回されることによって締め付けられ、補強されている。
バンドプライ17は、細長の帯状シートから構成される。図3は、この帯状シートの要部拡大斜視図である。
【0037】
同図が示すように、帯状シート37は、3本のバンドコード36がトッピングゴムシート38によって被覆されることによって構成されている。なお、バンドコード36の本数は、3本に限定されるものではなく、適宜設計変更がなされるものである。
そして、この帯状シート37は、上記ベルトプライ16の上(径方向外側)に略周方向に沿って巻回される。このとき、帯状シート37は、周方向に対して10°以下(好ましくは5°以下)の角度で螺旋状に巻き付けられている。
【0038】
この帯状シート37が周方向に対して上記角度で巻回されることから、バンドコード36は、上記赤道面Eに対して10°以下の角度で配置される。ただし、この角度は、絶対値として10°以下であればよく、バンドコード36が上記赤道面Eに対して−10°以下で配置されていてもよい。
なお、トッピングゴムシート38は、タイヤ10が成形される際に、他の部分と融合する。
また、本実施形態では、バンドコード36は、芳香族ポリアミド繊維により構成されている。もっとも、バンドコード36は、芳香族ポリアミド繊維以外の他のナイロン繊維、レーヨン繊維等の有機繊維、スチール等の金属により構成されていてもよい。
【0039】
D.本実施形態に係るタイヤの作用効果
本実施形態に係るタイヤ10によれば、カーカスプライ15は、トレッド部11、ショルダー部12及びサイドウォール部13に沿って形成され、しかも、ビードコア22に巻き掛けられて再びサイドウォール部13に沿って形成されている。したがって、タイヤ10のサイドウォール部13の剛性が向上する。
また、このカーカスプライ15は、ベルトプライ16によって補強され、さらに、バンドプライ17によって補強されている。これにより、タイヤ10は、自動二輪車用タイヤとして要求される剛性が確保される。
【0040】
上記ベルトプライ16は、トレッド部11に沿って形成されるので、カーカスプライ15を補強すると共に、ショルダー部12を補強する。特に、本実施形態では、ベルトプライ16の両端部は、ショルダー部12まで延設されているから、ショルダー部12の十分な剛性が確保される。しかも、ベルトプライ16の両側部分が折返部19を構成しているので、ショルダー部12の剛性は、特に効果的に向上される。一方、この折返部19の内端寸法がトレッド幅寸法TWの20%〜40%に設定されているので、タイヤ10の重量増加が抑制されつつショルダー部12の剛性のみが集中的に向上される。
【0041】
また、折返部19の内端寸法がトレッド幅寸法TWの20%〜40%に設定されることにより、タイヤ10のトレッド部11の中央部は、カーカスプライ15を補強する層が単一層となる(すなわち、この領域においては、カーカスプライ15は、バンドプライ17のみよって補強される。)ので、トレッド部11の剛性が過大となることが抑制されている。
さらに、カーカスコード32の方向が赤道面Eに対して65°〜90°に設定され、さらに、ベルトコード34の方向が赤道面Eに対して−10°〜−60°に設定されているから、カーカスプライ15のトレッド面21に沿う部分が十分に補強されながらも、トレッド部11の剛性が過大となることが抑制されている。
【0042】
このように本実施形態に係るタイヤ10は、ショルダー部12の剛性が集中的に向上されているから、自動二輪車が高速旋回走行を行う場合に、タイヤ10の接地面部分の剛性が高く、当該接地面部分に大きなトラクションが発生する。したがって、タイヤ10は、自動二輪車の高速旋回性を向上させる。
【0043】
また、タイヤ10のトレッド部11の中央部の剛性が抑えられているから、自動二輪車が高速直進走行する場合に、タイヤ10が接地する部分(トレッド部11の中央部)は、タイヤリフティングが抑制される。さらに、前述のように、上記折返部19の内端寸法がトレッド幅寸法TWの20%〜40%に設定されることにより、タイヤ10のトレッド部11の中央部においては、カーカスプライ15がバンドプライ17のみよって補強されるので、当該トレッド部11の中央部において発生するコーナリングフォースは小さくなる。したがって、タイヤ10は、自動二輪車の高速直進安定性を向上させる。
【0044】
加えて、バンドプライ17の幅寸法JWがトレッド幅寸法TWの20%〜65%に設定され、且つベルトプライ16の折返部19がバンドプライと15mm以下でオーバラップしているので、トレッド部11からショルダー部12に至る領域は、構造的に滑らかに連続する(構造的連続性に優れる。)。つまり、トレッド部11からショルダー部12に至る領域においては、カーカスプライ15を補強する補強層(上記ベルトプライ16及びバンドプライ17)の厚みを略均一にすることができ、当該領域の剛性は、滑らかに変化する。
したがって、自動二輪車が直進走行から旋回走行へ移行する場合、あるいは旋回走行から直進走行へ移行する場合において、走行状態の線形性が維持され、これにより、ハンドリングが滑らかなものとなる。
【0045】
特に、本実施形態に係るタイヤ10では、バンドコード36が金属により構成されているから、カーカスプライ15の強大な補強が可能となり、タイヤ10は、自動二輪車の重量増加及び高速化に対応することができる。
また、バンドコード36が有機繊維により構成される場合は、タイヤ10の剛性が必要以上に高くなること及びタイヤ10の重量増加が抑制されるという利点がある。
【0046】
しかも、本実施形態に係るタイヤ10では、ベルトプライ16とバンドプライ17との間に緩衝層18が形成されているから、ベルトプライ16及びバンドプライ17によって囲繞される領域にクッションが配置された状態となる。したがって、トレッド部11に加わる衝撃が効果的に緩和される。その結果、自動二輪車の直進走行と旋回走行との間の過渡特性がさらに向上し、且つ乗り心地が向上するという利点がある。
加えて、この緩衝層18は、省略されていてもよい。その場合であっても、前述の自動二輪車の高速直進安定性及び旋回性は、影響を受けない。
【0047】
【実施例】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0048】
表1は、本発明の実施例1〜実施例5に係るタイヤの性能評価(高速安定性、旋回性、過渡特性)について、従来例(比較例)に対する比較試験が行われた結果が示されている。
試験が行われる際に使用された車両は、4サイクル750ccオンロード向け自動二輪車である。各実施例及び比較例に係るタイヤのサイズは、フロント側が120/70ZR17であり、リア側が180/55ZR17である。
各実施例及び各比較例に係るタイヤは、トレッド幅寸法(TW)が228mm、ベルトプライの幅寸法が206mmに設定されている。
各実施例及び比較例に係るタイヤは、下記のサイズのリムに下記の内圧で装着されている。具体的には、フロントタイヤでは、MT17×3.50−250kPaであり、リアタイヤでは、MT17×5.50−290kPaである。走行テストは、乾燥舗装路において行われた。
【0049】
比較試験は、フロント側タイヤを一定としてリア側タイヤの諸元が以下のように変更され、テスト車両が走行した場合の高速直進安定性、旋回性、過渡特性(直進走行から旋回走行への過渡期におけるハンドリング状態及び旋回走行から直進走行への過渡期におけるハンドリング状態)について、テストライダーの主観的評価により行われた。テストライダーの主観的評価は、5点満点の相対評価(評点)で表されている。
各諸元のタイヤは、それぞれ各実施例及び各比較例に対応している。
【0050】
各実施例及び各比較例に係るタイヤの諸元は次の通りである。
[実施例1]
カーカスプライの数は、1である。カーカスコードは、2/1440dtex(ナイロン)から構成されており、カーカスコードの方向は、90°である。
ベルトプライの数は、1である。ベルトコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、ベルトコードの方向は、−45°である。また、ベルトプライの内端寸法SWは、トレッド幅寸法TWの24.1%である。
バンドプライの枚数は、1である。バンドプライの幅寸法JWは、トレッド幅寸法TWの48%である。バンドコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、バンドプライとベルトプライとのオーバーラップ寸法LWは、7mmである。
ベルトプライとバンドプライとの間に緩衝層は存在しない。
【0051】
[実施例2]
カーカスプライの数は、1である。カーカスコードは、2/1440dtex(ナイロン)から構成されており、カーカスコードの方向は、90°である。
ベルトプライの数は、1である。ベルトコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、ベルトコードの方向は、−45°である。また、ベルトプライの内端寸法SWは、トレッド幅寸法TWの35.1%である。
バンドプライの枚数は、1である。バンドプライの幅寸法JWは、トレッド幅寸法TWの26%である。バンドコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、バンドプライとベルトプライとのオーバーラップ寸法LWは、7mmである。
ベルトプライとバンドプライとの間に緩衝層は存在しない。
【0052】
[実施例3]
カーカスプライの数は、1である。カーカスコードは、2/1440dtex(ナイロン)から構成されており、カーカスコードの方向は、90°である。
ベルトプライの数は、1である。ベルトコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、ベルトコードの方向は、−45°である。また、ベルトプライの内端寸法SWは、トレッド幅寸法TWの30.7%である。
バンドプライの枚数は、1である。バンドプライの幅寸法JWは、トレッド幅寸法TWの35%である。バンドコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、バンドプライとベルトプライとのオーバーラップ寸法LWは、7mmである。
ベルトプライとバンドプライとの間に緩衝層は存在しない。
【0053】
[実施例4]
カーカスプライの数は、1である。カーカスコードは、2/1440dtex(ナイロン)から構成されており、カーカスコードの方向は、90°である。
ベルトプライの数は、1である。ベルトコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、ベルトコードの方向は、−45°である。また、ベルトプライの内端寸法SWは、トレッド幅寸法TWの24.1%である。
バンドプライの枚数は、1である。バンドプライの幅寸法JWは、トレッド幅寸法TWの53%である。バンドコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、バンドプライとベルトプライとのオーバーラップ寸法LWは、12mmである。
ベルトプライとバンドプライとの間に緩衝層は存在しない。
【0054】
[実施例5]
カーカスプライの数は、1である。カーカスコードは、2/1440dtex(ナイロン)から構成されており、カーカスコードの方向は、90°である。
ベルトプライの数は、1である。ベルトコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、ベルトコードの方向は、−45°である。また、ベルトプライの内端寸法SWは、トレッド幅寸法TWの30.7%である。
バンドプライの枚数は、1である。バンドプライの幅寸法JWは、トレッド幅寸法TWの35%である。バンドコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、バンドプライとベルトプライとのオーバーラップ寸法LWは、7mmである。
ベルトプライとバンドプライとの間に緩衝層が形成されている。
【0055】
[比較例1]
カーカスプライの数は、1である。カーカスコードは、2/1440dtex(ナイロン)から構成されており、カーカスコードの方向は、90°である。
ベルトプライの数は、2である。ベルトコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、ベルトコードの方向は、−20°である。また、ベルトプライは、折返部を有しない。
バンドプライは存在せず、したがって、緩衝層は存在しない。
【0056】
[比較例2]
カーカスプライの数は、1である。カーカスコードは、2/1440dtex(ナイロン)から構成されており、カーカスコードの方向は、90°である。
ベルトプライは存在しない。
バンドプライの枚数は、1である。バンドプライの幅寸法JWは、トレッド幅寸法TWの90%である。バンドコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されている。
ベルトプライが存在しないので、緩衝層は存在しない。
【0057】
[比較例3]
カーカスプライの数は、1である。カーカスコードは、2/1440dtex(ナイロン)から構成されており、カーカスコードの方向は、90°である。
ベルトプライの数は、1である。ベルトコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、ベルトコードの方向は、−72°である。また、ベルトプライは、折返部を有しない。
バンドプライの枚数は、1である。バンドプライの幅寸法JWは、トレッド幅寸法TWの90%である。バンドコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、ベルトプライが折返部を有しないので、バンドプライとベルトプライとのオーバーラップ寸法LWは、0mmである。
ベルトプライとバンドプライとの間に緩衝層は存在しない。
【0058】
[比較例4]
カーカスプライの数は、1である。カーカスコードは、2/1440dtex(ナイロン)から構成されており、カーカスコードの方向は、90°である。
ベルトプライの数は、1である。ベルトコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、ベルトコードの方向は、−45°である。また、ベルトプライの内端寸法SWは、トレッド幅寸法TWの24.1%である。
バンドプライの枚数は、1である。バンドプライの幅寸法JWは、トレッド幅寸法TWの90%である。バンドコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、バンドプライとベルトプライとのオーバーラップ寸法LWは、55mmである。
ベルトプライとバンドプライとの間に緩衝層は存在しない。
【0059】
[比較例5]
カーカスプライの数は、1である。カーカスコードは、2/1440dtex(ナイロン)から構成されており、カーカスコードの方向は、90°である。
ベルトプライの数は、1である。ベルトコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、ベルトコードの方向は、−45°である。また、ベルトプライの内端寸法SWは、トレッド幅寸法TWの24.1%である。ただし、本実施例では、ベルトプライとバンドプライとの間にさらに補強層が1層形成されている。
バンドプライの枚数は、1である。バンドプライの幅寸法JWは、トレッド幅寸法TWの48%である。バンドコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、バンドプライとベルトプライとのオーバーラップ寸法LWは、7mmである。
ベルトプライとバンドプライとの間に緩衝層は存在しない。
【0060】
[比較例6]
カーカスプライの数は、1である。カーカスコードは、2/1440dtex(ナイロン)から構成されており、カーカスコードの方向は、90°である。
ベルトプライの数は、1である。ベルトコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、ベルトコードの方向は、−45°である。また、ベルトプライの内端寸法SWは、トレッド幅寸法TWの24.1%である。
バンドプライの枚数は、1である。バンドプライの幅寸法JWは、トレッド幅寸法TWの61%である。バンドコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、バンドプライとベルトプライとのオーバーラップ寸法LWは、22mmである。
ベルトプライとバンドプライとの間に緩衝層は存在しない。
【0061】
[比較例7]
カーカスプライの数は、1である。カーカスコードは、2/1440dtex(ナイロン)から構成されており、カーカスコードの方向は、90°である。
ベルトプライの数は、1である。ベルトコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、ベルトコードの方向は、−45°である。また、ベルトプライの内端寸法SWは、トレッド幅寸法TWの43.9%である。
バンドプライの枚数は、1である。バンドプライの幅寸法JWは、トレッド幅寸法TWの18%である。バンドコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、バンドプライとベルトプライとのオーバーラップ寸法LWは、17mmである。
ベルトプライとバンドプライとの間に緩衝層は存在しない。
【0062】
[比較例8]
カーカスプライの数は、1である。カーカスコードは、2/1440dtex(ナイロン)から構成されており、カーカスコードの方向は、90°である。
ベルトプライの数は、1である。ベルトコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、ベルトコードの方向は、−45°である。また、ベルトプライの内端寸法SWは、トレッド幅寸法TWの13.2%である。
バンドプライの枚数は、1である。バンドプライの幅寸法JWは、トレッド幅寸法TWの70%である。バンドコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、バンドプライとベルトプライとのオーバーラップ寸法LWは、7mmである。
ベルトプライとバンドプライとの間に緩衝層は存在しない。
【0063】
[比較例9]
カーカスプライの数は、1である。カーカスコードは、2/1440dtex(ナイロン)から構成されており、カーカスコードの方向は、90°である。
ベルトプライの数は、1である。ベルトコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、ベルトコードの方向は、−45°である。また、ベルトプライの内端寸法SWは、トレッド幅寸法TWの24.1%である。
バンドプライの枚数は、1である。バンドプライの幅寸法JWは、トレッド幅寸法TWの57%である。バンドコードは、2/1670dtex(芳香族ポリアミド)から構成されており、バンドプライとベルトプライとのオーバーラップ寸法LWは、17mmである。
ベルトプライとバンドプライとの間に緩衝層は存在しない。
【0064】
【表1】
【0065】
表1が示すように、各実施例では、評価結果は、各比較例と比べて優位を示している。すなわち、ベルトプライの折返部の内端寸法SWがトレッド幅寸法TWの20%〜40%の範囲に限定されると共に、バンドプライの幅寸法JWがトレッド幅寸法TWの20%〜65%の範囲に限定され、且つベルトプライの折返部とバンド部とのオーバーラップ寸法LWが15mm以下であれば、比較例と比べて自動二輪車の高速直進安定性、旋回性が向上する。しかも、実施例5が示すように、緩衝層が設けられた場合は、過渡状態がさらに安定する。
【0066】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、トレッド部の剛性向上が抑制されながらサイドウォール部の剛性のみが向上されるので、当該自動二輪車用タイヤが装着された自動二輪車は、直進安定性及び高速旋回性が共に高いレベルで実現される。
しかも、トレッド部からサイドウォール部に至る領域は、構造的連続性に優れるから、直進走行から旋回走行あるいは旋回走行から直進走行への過渡状態は、良好な線形性を実現する。その結果、高速直進走行及び高速旋回走行が繰り返される場合であっても、安定した走行が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤの構造を示す要部断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤの要部平面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤのバンドプライに採用される帯状シートの要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
TW・・・トレッド幅寸法
JW・・・バンドプライの幅寸法
SW・・・折返部の内端寸法
LW・・・オーバーラップ寸法
10・・・タイヤ
11・・・トレッド部
12・・・ショルダー部
13・・・サイドウォール
14・・・ビード部
15・・・カーカスプライ
16・・・ベルトプライ
17・・・バンドプライ
18・・・緩衝層
19・・・折返部
19a・・・折返部の端部
19b・・・折返部の端部
20a・・・最縁部
20b・・・最縁部
21・・・トレッド面
22・・・ビードコア
23・・・ビードエイペックス
30・・・端部
31・・・端部
32・・・カーカスコード
34・・・ベルトコード
36・・・バンドコード
Claims (2)
- トレッド面に沿って形成され且つタイヤ軸方向に沿って対向配置された一対のビードコアにタイヤ軸方向内側から外側に向かって巻回された状態で形成されたカーカスプライと、
トレッド面に沿って形成され且つカーカスプライのタイヤ径方向外側に順に積層されたベルトプライ及びバンドプライと、
上記ベルトプライ及び上記バンドプライによって囲繞される領域に配される緩衝層とを備え、
上記カーカスプライは、タイヤ赤道面に対して絶対値65°〜90°の角度で交差するように配置された有機繊維からなるカーカスコードを有し、
上記ベルトプライは、タイヤ赤道面に対して絶対値10°〜60°の角度で交差するベルトコードを有し且つ当該ベルトプライのタイヤ軸方向両側部分は、タイヤ径方向外側へ折り返されて一対の折返部を形成しており、
上記バンドプライは、タイヤ赤道面に対して絶対値10°以下の角度で交差する螺旋状に巻回されたバンドコードを有し、
上記各折返部の内端寸法は、トレッド幅寸法の20%〜40%に設定され、
上記バンドプライの幅寸法は、トレッド幅寸法の20%〜65%に設定され、
上記各折返部と上記バンドプライとのオーバーラップ寸法は、15mm以下に設定されており、
上記緩衝層の弾性係数が上記トレッド面を構成する材料の弾性係数よりも小さく、
上記緩衝層の端が、軸方向において、折返部よりも内側に位置している自動二輪車用タイヤ。 - 上記バンドコードは、有機繊維又は金属からなる請求項1に記載の自動二輪車用タイヤ。
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