JPH05246210A - 自動二輪車用ラジアルタイヤ - Google Patents

自動二輪車用ラジアルタイヤ

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JPH05246210A
JPH05246210A JP4341355A JP34135592A JPH05246210A JP H05246210 A JPH05246210 A JP H05246210A JP 4341355 A JP4341355 A JP 4341355A JP 34135592 A JP34135592 A JP 34135592A JP H05246210 A JPH05246210 A JP H05246210A
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JP
Japan
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tire
carcass
bead
height
tread
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Application number
JP4341355A
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English (en)
Inventor
Yasuo Igarashi
康雄 五十嵐
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高速走行時における操縦安定性、旋回安定性及
び耐久性をともに高める。 【構成】ベルト層7は、ベルトコードをトッピングゴム
により被覆した小巾の帯状プライをタイヤ赤道Cに対し
て小角度傾けて螺旋巻きすることにより形成されるとと
もに、ビード部4、サイドウォール部3に、前記ビード
コア5の高さからタイヤ半径方向外側にかつ前記カーカ
ス6の本体部6aと巻上げ部6bとの間、又は巻上げ部
6bのタイヤ軸方向外側に沿ってのびかつ赤道面Cに対
して30度以下の角度で傾けたコードからなるプライを
用いることにより前記カーカス6とともにビード部4に
横剛性を付与する少なくとも1枚のビード部補強用のフ
ィラー9を配し、しかも前記フィラー9の高さHfをト
レッド縁高さHsの0.7〜1.2倍としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速耐久性及び高速走
行時における操縦安定性と旋回安定性とを共に高め、さ
らに軽量化を図りうる自動二輪車用ラジアルタイヤに関
する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車用タイヤにあっては、旋回時
に車体を大きく傾斜して走行するため、この旋回時にあ
っても走行安定性を保持する必要上、タイヤの横剛性を
大とした構造、即ちクロスプライ構造のタイヤが広く用
いられてきた。しかし、近年、高速道路網が充実される
に伴い、又車体の高性能化に伴い自動二輪車用タイヤに
あっても、高速走行に対する性能の向上が要望される。
【0003】このような高速化の要請に対して自動二輪
車用にあってもラジアル構造のタイヤが出現している。
この自動二輪車用としてのラジアルタイヤは、例えば特
願平2−103305号によって出願人が提案したよう
にベルト層の全体を小巾の帯状プライを螺旋巻きしたプ
ライ片によって形成したものであった。
【0004】これによって、カットプライを継ぎ合わせ
て形成した従来の構造のものに比べてプライが周方向に
連続しているため、直進走行時、特に高速走行における
走行性能は向上したのである。
【0005】しかし、前記帯状プライの螺旋巻きによる
ベルト層は接地性にすぐれると共に高速耐久性に勝るも
のの車体を傾けて走行する旋回時においては、横剛性に
劣るため、特に高重量車においては、バンク角を高く維
持出来ないため、旋回性能に劣るという問題がある。
【0006】なお前記横剛性を補うため、特願平2−1
17937号において出願人は、カーカスの巻上げ部の
先端高さを高くする方法、ビードエーペックスの先端高
さを高くする方法等の提案を行った。
【0007】又特公昭63−34047号公報ではラジ
アル配列のカーカスの半径方向外側にコードを赤道に対
し15〜30°で配列したプライを2枚以上かつプライ
間でコードを交差するように重ね合わせた所謂クロスベ
ルト層をトレッド巾の略全域に亘り一杯にトレッドゴム
とカーカス間に配置するとともに、サイドウォール部に
ビードコアの近くからカーカスプライの巻上げ部に沿っ
てタイヤ周方向に対し15〜30°のコード層を配置す
ることにより、サイドウォール部を補強し、キャンバー
スラストを高める提案がなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような構造の自動
二輪車用タイヤにあっては、ベルト層はクロスベルトと
して構成されているためトレッド接地面における曲げ剛
性が高くなる結果、接地性に劣り、従って特に高速域に
おいて操縦安定性に劣りかつ路面の凹凸を吸収しえず路
面から誘導される車体の振動、即ちウェーブ現象が生じ
がちとなり、高速化を阻害する要因となっている。
【0009】発明者は、前記問題点を解決するため調査
を行った結果、高速時の操縦安定性と耐久性とを高め、
かつ旋回性能を向上するには、 トレッド部においては、タイヤ半径方向内側への曲
げ剛性を小さくするとともに半径方向外側への引張り剛
性を高くする。 タイヤの縦バネ定数は低いほど良好であり、しかも
キャンバー角の変化に対する縦バネ定数の変化が少ない
ことが望ましい。 横バネ定数が高いほど旋回性能が向上する。 ことを知り得たのである。
【0010】前記トレッド接地面の半径方向内側への曲
げ剛性を下げるには、前記特公昭63−34047号公
報に開示されているような、クロスベルト層を廃してタ
イヤ赤道に略平行にコードを螺旋巻きしてなるベルト層
とすることが効果的であること、又半径方向外方への引
張り剛性を高めるには前記螺旋巻きのベルトコードをタ
イヤ赤道に対して5°以下とすることによって、トレッ
ド部の接地性を向上して高速時の操縦安定性能を高め路
面から伝達される車体の振動を小さく抑制しうると共に
高速走行時における遠心力によるリフティングを効果的
に抑え高速耐久性を向上させること。又、ビード部及び
ウォール部にフィラーを設け、そのフィラーの高さ及び
そのコードの配列角をタイヤ赤道面に対して30°以下
に規制することにより、効果的に横剛性を高めうること
を実験により確認し得たのである。
【0011】さらに横バネ定数の向上にはさしたる効果
を及ぼさないビードエーペックス及びカーカスの巻上げ
高さは、むしろ低く規制することによって、タイヤの軽
量化が促進され、縦バネ定数を高めるにはより好ましい
ことを知り得たのである。
【0012】本発明は、高速直進時、高速旋回時におけ
る操縦安定性及び耐久性を向上し、しかもタイヤ重量を
軽減でき、前記問題点を解決しうる自動二輪車用ラジア
ルタイヤの提供を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、トレッド部の
タイヤ軸方向の端縁間の距離であるトレッド巾がタイヤ
最大巾をなす自動二輪車用のラジアルタイヤであって、
トレッド部からサイドウォール部を通りビード部にのび
る本体部に前記ビード部のビードコアの周りを折返す巻
上げ部を一体に設けかつタイヤ赤道に対して70〜90
°の角度で傾斜させた有機繊維からなるカーカスコード
よりなる1枚以上のカーカスプライを用いたカーカス
と、トレッド部の内部かつカーカスの半径方向外側に配
される1枚以上のベルトプライからなるベルト層とを具
え、前記ベルト層は、ベルトコードをトッピングゴムに
より被覆した小巾かつ長尺の帯状プライをタイヤ赤道に
対して5°以下の小角度傾け螺旋巻きすることにより形
成されるとともに、ビード部およびサイドウォール部
に、前記ビードコアの高さからタイヤ半径方向外側にか
つ前記カーカスの前記本体部と巻上げ部との間、又は巻
上げ部のタイヤ軸方向外側に沿ってのびかつタイヤ赤道
面に対して30°以下の角度で傾けたコードを用いたプ
ライからなり前記カーカスとともにビード部に横剛性を
付与する少なくとも1枚のビード部補強用のフィラーを
配し、しかも前記フィラーの上端高さHfを、トレッド
部の前記端縁のビード底面からの高さであるトレッド縁
高さHsの0.7倍以上かつ1.2倍以下としたことを
特徴とする自動二輪車用ラジアルタイヤである。
【0014】又、前記カーカスは、その本体部と巻上げ
部との間でビードコアから半径方向外方に向かってのび
る先細状のビードエーペックスを介在させるとともに、
該ビードエーペックスの上端の前記ビードベースライン
からの高さHaを前記トレッド縁高さHsの0.30〜
0.55倍とし、しかもカーカスの前記巻上げ部の上端
高さHdは前記トレッド縁高さHsの0.25〜0.5
0倍とすることが好ましい。
【0015】
【作用】カーカスは、そのカーカスコードをタイヤ赤道
に対して70〜90°の角度で傾斜させ、かつベルト層
は、そのベルトコードをタイヤ赤道に対して5°以下の
小角度で傾斜し螺旋巻きされているため、トレッド部の
径方向内側への曲げ剛性が小さくなり接地性が向上す
る。又、トレッド部の中央部にあっては、横剛性が低
く、バンク角を有して旋回するとき、バンク角の大きさ
に応じて高いキャンバースラストが働き、旋回性能を高
めうる。しかもベルト層は前記の如くタイヤ赤道に対し
て5°以下の小角度で螺旋巻きされているためカーカス
のリフティングが抑制され、高速耐久性が向上する。
【0016】なお前記カーカスは、そのカーカスコード
がタイヤ赤道に対して70〜90°の傾斜であるため、
その巻上げ部を高くしても横剛性は効果的に高まること
がない。
【0017】又ベルト層はベルトコードをトッピングゴ
ムに埋設してなる帯状プライを螺旋巻きすることによっ
て形成されているため、カットプライを継ぎ合わせた従
来のベルト層のようなタイヤ赤道に対して傾斜する向き
の継ぎ目がなく、直進、旋回時における操縦の安定性を
高めることが出来、さらに振動に起因する騒音の発生を
抑制しうる。
【0018】又ビード部にカーカスに沿って配されるフ
ィラーを配し、そのフィラーは、タイヤ赤道面に対し3
0°以下の角度で傾けたコードからなるプライを用いて
いる。これによりフィラーはそのコードが前記カーカス
のカーカスコードと協働してタガ効果を発揮し、タイヤ
の横バネ定数を高める一方、キャンバー角に対して変化
が少なくしかも低い縦バネ定数を具えることとなる。
【0019】ここで横バネ定数、縦バネ定数とは、リム
を装着するとともにタイヤ内腔に規定の内圧を加えた状
態において、該タイヤに荷重を加えて撓ませることによ
って、その荷重と、横及び縦方向の撓みとの相関を求め
るとともに、その撓み曲線において実使用荷重における
接線の勾配をもって表すものとする。なお実使用荷重
は、自動二輪車の本体車両重量にライダーの重量を加え
てなる実車荷重を、前輪、後輪のそれぞれが分担する分
担比率によって各車輪に配分した分担実車荷重である。
【0020】ちなみに、タイヤサイズが150/70
R17のタイヤについて、表1に示すように本発明によ
るフィラーを設けた仕様C、通常のものに比べて上端高
さを高くしたビードエーペックスを有する仕様A、及び
同様に巻上げ部を高くのばしたカーカスを有する仕様B
のテストタイヤを試作し、それぞれについて縦バネ定
数、横バネ定数を測定し比較を行った。
【0021】
【表1】
【0022】その測定結果を図8、図9に示す。前記測
定結果に基づき、横バネ定数を高めしかもキャンバー角
の大小によって縦バネ定数の変化が少ないという条件に
対してはフィラーを用いるのが最も適当であることが確
認できた。従ってフィラーを用いることによって操縦安
定性を高めつつ旋回性能を向上しうることが出来たので
ある。
【0023】なおフィラーのコードのタイヤ赤道面に対
する傾きが30°以上になるとカーカスコードとの交差
角が小さくなり、横剛性があまり向上しない。
【0024】又フィラーの高さHfがトレッド縁高さH
sの0.7倍未満となれば旋回時において横剛性に劣り
旋回性能に劣る一方、1.2倍をこえるとトレッドショ
ルダ域の剛性が過大となることによって乗心地が低下す
る。
【0025】このように形成されたフィラーは、前記ベ
ルト層の構成と有機的に結合され、サイドフォースを高
くでき、高速で直進走行した際に発生しがちであった車
体やハンドルの振動現象を抑制でき、操縦安定性を高め
うるとともに、キャンバー角を有して旋回する際に、キ
ャンバー角の増加とともにキャンバースラストが漸増
し、特にキャンバー角が20〜40°の範囲において、
キャンバースラストが効果的に増大する結果、旋回時に
おけるグリップが向上し、高速旋回性能を高めうる。
【0026】従って本発明は、前記した各構成が一体化
することにより、操縦安定性と旋回安定性とをともに高
め、しかも高速耐久性を向上しうるのである。
【0027】なおビードエーペックスは、その高さHa
をトレッド縁高さHsの0.30〜0.55倍、又カー
カスの巻上げ部の上端高さHdをトレッド縁高さHsの
0.25〜0.50倍の範囲に、即ち通常のものに比べ
て何れも小とした場合には、タイヤの軽量化を一層促進
することが可能となり、これにより縦バネ定数をさらに
小とすることが可能となる。
【0028】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図1〜3において自動二輪車用ラジアルタイヤ1
は、トレッド部2の端縁E、E間のタイヤ軸方向の距離
であるトレッド巾WTがタイヤ最大巾をなし、かつトレ
ッド面2Aがタイヤ赤道C上を中心とする円弧状をなす
自動二輪車用タイヤとして形成され、トレッド部2と、
その両端からタイヤ半径方向内側に向けてのびるサイド
ウォール部3、3と、該サイドウォール部3のタイヤ半
径方向内端に位置する一対のビード部4、4とを有す
る。又自動二輪車用ラジアルタイヤ1は、前記トレッド
部2からサイドウォール部3を通りビード部4に至る本
体部6aに、該ビード部4のビードコア5をタイヤ軸方
向内側から外側に向かって折返す巻上げ部6bを具えた
カーカス6と、トレッド部2の内部かつカーカス6の半
径方向外側に配されるベルト層7とを具える。又、本実
施例では、前記カーカス6の本体部6aと巻上げ部6b
との間でビードコア5の半径方向外方に向かってのびる
ビードエーペックス19を設ける。さらにビード部4に
はビードコア5の外向き面からタイヤ半径方向外側に向
かってかつカーカス6の巻上げ部6b又は本体部6aに
沿ってのびるフィラ9を設けている。本実施例では前記
フィラ9は、巻上げ部6bと前記ビードエーペックス1
9の外向き面との間を通っている。
【0029】前記カーカス6は、タイヤ赤道Cに対して
70〜90度の角度で傾斜させたラジアル配列のカーカ
スコードを具える1枚以上、本実施例では1枚のカーカ
スプライからなり、カーカスコードとしては、ナイロ
ン、ポリエステル、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊
維コードが用いられる。又カーカス6は、本実施例で
は、その巻上げ部6b上端のビード部4のヒール端4a
を通るビードベースラインLからの高さである巻上げ高
さHdは、前記トレッド部2の端縁Eの前記ビードベー
スラインLからの距離であるトレッド縁高さHsの0.
25〜0.50倍に設定される。
【0030】このように巻上げ高さHdを通常のものに
比べて低く規制することにより、縦バネ定数は更に下が
りかつタイヤの重量をも軽減しうる。
【0031】前記ベルト層7は、本実施例ではそのタイ
ヤ軸方向の巾WBを前記トレッド巾WTの0.8倍以上
かつ0.9倍以下の範囲に設定している。
【0032】ベルト層7は小巾かつ長尺の帯状プライ1
0を螺旋巻きすることによって形成されたプライ片8か
らなる。帯状プライ10は、図2に示すごとく1本又は
平行に配した複数本、本実施例では2本のベルトコード
11、11をトッピングゴム12に埋設してなり、前記
ベルトコード11は、ポリエステル、芳香族ポリアミド
等好ましくは弾性率600kg/mm2 以上の有機繊維コー
ドの他、スチールコードが用いられる。なおベルトコー
ド11としては、スチールと略同等の引張り強さと弾性
率とを有しかつ重量がスチールに比べて小さい前記芳香
族ポリアミド繊維を好適に採用しうる。
【0033】前記帯状プライ10は、トレッド部2の一
方の端縁Eの近傍に位置する起点H1から図1において
左から右にかつタイヤ赤道Cをこえて他方の端縁E近傍
の終点H2に至る間タイヤ赤道Cに対して5°以下の小
角度傾けて螺旋巻きすることにより前記プライ片8を形
成しうる。又、本実施例では、帯状プライ10の巻付け
に際して図3に示す如く、該帯状プライ10の対向する
側縁10a、10aの近傍を互いにラップさせて巻回
し、帯状プライ10の緩みを防止している。なお中央領
域Mは、前記構成に係るプライ片8を2枚以上、即ち帯
状プライ10の螺旋巻きを2層以上の複数層として形成
することも出来る。なおベルトコード11は弾性率を6
00kg/mm2 以上とすることにより、カーカス6の前記
リフティングをより有効に抑制することが出来、耐久性
を向上しうる。
【0034】ビードエーペックス19は、JISA硬度
が55〜70°のゴムからなり、ビードエーペックス1
9の上端のビードベースラインLからの高さHaを前記
トレッド縁高さHsの0.30〜0.55倍としてい
る。
【0035】フィラー9は、ナイロン、ポリエステル、
芳香族ポリアミド等の好ましくは600kgf/mm2 以上
の弾性率を有する有機繊維からなるコードからなるすだ
れ織布にゴムをトッピングしたシート体であり、ビード
コア5近傍を起点として上端を前記ビードベースライン
からトレッド縁高さHsの0.7倍以上かつ1.2倍以
下の高さHfに位置させるとともに、コードをタイヤ赤
道Cに対して30°以下になるよう配列する。本実施例
では前記フィラー9をカーカス6の巻上げ部6bと前記
ビードエーペックス19の外向き面との間に配してい
る。なおコードの打込本数は5cm当たり33〜55、又
トッピングゴムの100%モジュラスは25〜50kg/
cm2 とするのが適当である。
【0036】なお本実施例では、前記フィラー9の上端
部にベルト層7の端部と重なる重なり部16を有する。
このような重なり部16を設けることにより、タイヤ変
形に伴うフィラー9の移動を阻止でき、フィラー9の上
端部の剥離を防止し、タイヤの耐久性を向上する。なお
重なり部16の重なり長さはフィラー9のズレを防止す
るためには10mm以上であることが望ましい。
【0037】前記フィラー9のタイヤ軸方向外側には、
ビード部4、サイドウォール部3の外壁を形成するサイ
ドウォールゴム15が配される。このサイドウォールゴ
ム15は、JISA硬度55〜75°とする通常に用い
られるゴムによって形成される。
【0038】図4、5はフィラーの他の態様及びビード
エーペックス19とカーカス6の巻上げ部6bとの上端
の相対高さHa、Hdの関係を示す。
【0039】図4にあっては、フィラー9Aをカーカス
6の本体部6aと巻上げ部6bとの間に介在させた例を
示す。又図5にあっては、フィラー9Bはカーカス6の
本体部6aの外向き面に沿ってビードコア5に至る内片
9B1と、ビードコア5の廻りを折返しカーカス6の巻
上げ部6bの内向き面に沿って立上がる外片9B2の2
層のフィラーによって形成された例を示す。なお図4、
図5ではビードエーペックス19の上端の前記高さHa
を、何れも巻上げ部6bの前記高さHdに比べて大とし
ている。
【0040】図6、7は、フィラー9の他の態様及びビ
ードエーペックス19とカーカス6の巻上げ部6bとの
上端の相対高さHa、Hdの他の関係を示す。
【0041】図6では、ビードコア5の半径方向外側か
つカーカス6の本体部6aと巻上げ部6bとの間にビー
ドエーペックス19を立上げている。又本実施例ではフ
ィラー9Cをカーカス6の前記巻上げ部6bの外向き面
に沿って立上げている。
【0042】又図7は、フィラー9Dをビードエーペッ
クス19の内向き面とカーカス6の本体部6aとの間を
立上げた他の実施例を示す。なお図6、図7ではビード
エーペックス19の上端の前記高さHaは、巻上げ部6
bの前記高さHdよりも小としている。このように本発
明は種々な態様のものに変形できる。
【0043】
【具体例】タイヤサイズ170/60V R17のタイ
ヤについて図1、又は図4に示す構成を有しかつ表2に
示す仕様(実施例1〜3)のタイヤを試作し、テストを
行った。なお比較のため、本願構成以外の仕様により製
作した従来のタイヤ(比較例1〜8)について併せてテ
ストを行った。
【0044】テスト条件は下記の通り。 1)高速耐久性 直径1.6mの室内ドラム試験機を用いて、試供タイヤ
に2.9kg/cm2 の内圧を付加しかつ230kgの荷重を
加えた状態で230km/Hの速度で走行させるととも
に、ビード部及びサイドウォール部にクラックが生じる
までの走行距離を実施例3を100とする指数で表示し
た。数値が大きいほど良好であり、95以上が合格値で
ある。
【0045】2)乗心地、高速旋回安定性及び操縦安定
性 試作タイヤを自動二輪車の後輪に装着するとともに、該
自動二輪車をテストロードにおいて260km/Hで夫々
走行し、テストドライバーのフィーリングにより評価す
るとともに、実施例3を100とする指数で表示した。
数値が大きいほど良好である。
【0046】3)タイヤ重量 タイヤ1本当たりの重量を実施例3を100とする指数
で表示した。数値が小さいほど軽量であることを示す。
【0047】なおテストに際して前輪には、実施例、比
較例ともにタイヤサイズが120/70R17であり、
そのベルト層はベルトコードがタイヤ赤道に対して17
°で傾斜するカットプライの構成によるタイヤを装着し
た。
【0048】
【表2】
【0049】テストの結果、具体例のものは、比較例の
ものに比べて各テスト項目ともに優れていることが判明
した。
【0050】
【発明の効果】叙上のごとく本発明の自動二輪車用ラジ
アルタイヤは、前記した各構成が有機的かつ一体化さ
れ、高速直進時にはコーナリングパワーを低くでき、ウ
ェーブの発生を防止し操縦安定性を高めるとともに、キ
ャンバー角を有して旋回する際にはキャンバー角の増加
とともにコーナリングパワーが漸増し、特にキャンバー
角が20〜40°の範囲においてコーナリングパワーが
効果的に増大することにより、旋回時におけるグリップ
が向上し、高速旋回性能を高めうるとともに、高速耐久
性を高めうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】帯状プライの一例を示す斜視図である。
【図3】その巻付けを示す断面図である。
【図4】フィラーの他の態様を示す部分断面図である。
【図5】フィラーの他の態様を示す部分断面図である。
【図6】フィラーの他の態様を示す部分断面図である。
【図7】フィラーの他の態様を示す部分断面図である。
【図8】ビード部、サイドウォール部を補強する各補強
部材の縦バネ定数を示すグラフである。
【図9】ビード部、サイドウォール部を補強する各補強
部材の横バネ定数を示すグラフである。
【図10】従来技術を示すタイヤの部分断面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6a 本体部 6b 巻上げ部 7 ベルト層 9、9A、9B、9C、9D フィラー 10 帯状プライ 11 ベルトコード 12 トッピングゴム 15 サイドウォールゴム 19 ビードエーペックス C タイヤ赤道 E 端縁 Hf フィラーの先端高さ Hs トレッド縁高さ WT トレッド巾

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部のタイヤ軸方向の端縁間の距離
    であるトレッド巾がタイヤ最大巾をなす自動二輪車用の
    ラジアルタイヤであって、トレッド部からサイドウォー
    ル部を通りビード部にのびる本体部に前記ビード部のビ
    ードコアの周りを折返す巻上げ部を一体に設けかつタイ
    ヤ赤道に対して70〜90°の角度で傾斜させた有機繊
    維からなるカーカスコードよりなる1枚以上のカーカス
    プライを用いたカーカスと、トレッド部の内部かつカー
    カスの半径方向外側に配される1枚以上のベルトプライ
    からなるベルト層とを具え、前記ベルト層は、ベルトコ
    ードをトッピングゴムにより被覆した小巾かつ長尺の帯
    状プライをタイヤ赤道に対して5°以下の小角度傾け螺
    旋巻きすることにより形成されるとともに、ビード部お
    よびサイドウォール部に、前記ビードコアの高さからタ
    イヤ半径方向外側にかつ前記カーカスの前記本体部と巻
    上げ部との間、又は巻上げ部のタイヤ軸方向外側に沿っ
    てのびかつタイヤ赤道面に対して30°以下の角度で傾
    けたコードを用いたプライからなり前記カーカスととも
    にビード部に横剛性を付与する少なくとも1枚のビード
    部補強用のフィラーを配し、しかもこのフィラーの上端
    高さHfを、トレッド部の前記端縁のビードベースライ
    ンからの高さであるトレッド縁高さHsの0.7倍以上
    かつ1.2倍以下としたことを特徴とする自動二輪車用
    ラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】前記カーカスは、その本体部と巻上げ部と
    の間でビードコアから半径方向外方に向かってのびる先
    細状のビードエーペックスを介在させるとともに、該ビ
    ードエーペックスの上端の前記ビードベースラインから
    の高さHaを前記トレッド縁高さHsの0.30〜0.
    55倍とし、しかもカーカスの前記巻上げ部の上端高さ
    Hdは前記トレッド縁高さHsの0.25〜0.50倍
    としたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用ラ
    ジアルタイヤ。
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