JP4481709B2 - 自動二輪車用タイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、自動二輪車用タイヤの構造に関するものである。
自動二輪車は、旋回走行時に車体が大きく傾けられるため、自動二輪車用タイヤは、直進安定性に加えて旋回安定性も要求される。自動二輪車用タイヤは、これらの要求に応じるため、従来から、種々の改良が施されている。
自動二輪車用タイヤの直進安定性及び旋回安定性が向上されるためには、特にタイヤの骨格を構成するカーカスの構造及びこれを補強するベルトの構造が重要な役割りを果たす。一般に自動二輪車用タイヤのカーカスプライは、いわゆる(2−0)構造、(1+1−0)構造又は(1−1−0)構造が採用されており、かかる構造のカーカスプライがベルトプライによって補強されている。典型的なベルトプライの構造は、ベルトコードがカーカスプライの外側(すなわち自動二輪車用タイヤの径方向外側)にタイヤ周方向に沿って巻回されたものであり、具体的には、ベルトプライは、上記ベルトコードを含む帯状シートがカーカスプライの外側に螺旋状に巻き付けられることによって構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−246210号公報
前述のような構造を備えるベルトプライは、カーカスプライを結束する拘束力が強いため、高速走行時において自動二輪車用タイヤの寸法安定性が良くなり、その結果、自動二輪車用タイヤの直進安定性は高くなる。しかも、上記ベルトプライを構成する帯状シートは、タイヤ周方向に対して略0°(degree)で巻回されるので、上記ベルトコードは、タイヤ周方向に略沿うように配置される。したがって、自動二輪車用タイヤは、直進走行時における外乱吸収性が高くなくなり、乗り心地も向上する。その一方、上記ベルトコートがタイヤ周方向に対して略0°(5°以下)で配置されることから、自動二輪車用タイヤは、コーナリング時において発生する横力が小さく、そのため、高速でのコーナリング性能に劣る傾向がある。
この問題が解決されるため、いわゆるカットプライが上記ベルトプライの内側あるいは外側に配置される場合もある。これにより、自動二輪車用タイヤの横剛性が向上され、当該自動二輪車用タイヤの高速コーナリング性能が向上されている。
しかしながら、上記カットプライが上記ベルトプライの内側あるいは外側に配置された場合には、自動二輪車用タイヤのトレッド部の剛性が非常に高くなり、そのため、乗り心地の低下及びタイヤ重量の増加という新たな問題が発生する。
そこで、本発明の目的は、タイヤ重量の増加が抑えられつつ、直進安定性及び旋回安定性が向上された自動二輪車用タイヤを提供することである。
本願発明者は、上記目的が達成されるためには、カーカスプライを補強するベルトプライないし補強部材が適切な領域にのみ配置されることが重要であると考えた。
そこで、本願に係る自動二輪車用タイヤは、タイヤ軸方向内側から外側に向かってビードコアに掛け回されることによって一対の重複部が形成されるように配置されたファーストプライと、上記各重複部の間に挿入された状態で配置され、上記ファーストプライに沿って所定長さだけ延びる一対のセカンドプライと、上記ファーストプライ及びセカンドプライのタイヤ径方向外側に、タイヤ周方向に沿って巻回されたベルトコードを有するベルトプライとを備えており、上記ファーストプライはファーストプライコードを備え、当該ファーストプライコードは、タイヤ赤道面に対して65°〜88°の角度で配置され、且つ上記重複部の高さ寸法h1は、上記ファーストプライの高さ寸法Hの50%以上に設定されており、上記セカンドプライはセカンドプライコードを備え、当該セカンドプライコードは、タイヤ赤道面に対して−45°〜−88°の角度で配置され、且つセカンドプライの最小高さ寸法h2は、上記ファーストプライの高さ寸法Hの8%以上に設定されており、上記ベルトプライの幅寸法Jは、タイヤ幅寸法Wの80%以上に設定されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、ファーストプライがビードコアに巻き掛けられ、タイヤ軸方向内側から外側に折り返されることによって一対の重複部が形成される。また、セカンドプライは一対設けられており、各セカンドプライは、それぞれ各重複部に挿入され、且つファーストプライに沿って配置される。このセカンドプライは、ファーストプライに沿って所定長さだけ延びているから、各セカンドプライは、ファースプライの所定部のみを覆うように、タイヤ赤道面に対して左右対称に配置されている。さらに、ベルトプライがこれらファーストプライ及びセカンドプライを覆うように配置されている。
言い換えると、仮に上記各セカンドプライがタイヤ赤道面に対して左右対称となるように連続されているとすれば、当該ファーストプライ及びセカンドプライは、(1+1−0)構造を構成することから、上記一対のセカンドプライが設けられることによって、(1+1−0)構造を構成するセカンドプライの中央部のみが欠損された構造が構成されている。したがって、自動二輪車用タイヤのトレッド部の剛性が過大とならず、サイドウォール部及びショルダー部のみの剛性が向上される。また、自動二輪車用タイヤの重量の増加が抑えられる。
しかも、上記ファーストプライのファーストプライコードは、タイヤ赤道面に対して65°〜88°の角度で配置され、且つセカンドプライのセカンドプライコードは、タイヤ赤道面に対して−45°〜−88°の角度で配置されているから、両者は交差している。さらに、上記重複部の高さ寸法h1が上記ファーストプライの高さ寸法Hの50%以上に設定されると共に上記セカンドプライの最小高さ寸法h2が上記ファーストプライの高さ寸法Hの8%以上に設定されており、且つ上記ベルトプライの幅寸法Jは、タイヤ幅寸法Wの80%以上に設定されているから、上記サイドウォール部及びショルダー部の剛性のみが効果的に向上される。
以上のように本発明によれば、トレッド部の剛性が過大とならないので、当該自動二輪車用タイヤの直進走行時における外乱吸収性が高くなくなり、直進安定性に加えて乗り心地も向上する。しかも、セカンドプライが適切な領域に配置されているから、サイドウォール部及びショルダー部の剛性が向上され、その結果、自動二輪車用タイヤの重量増加が抑制されつつ、高速でのコーナリング性能が向上する。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤ(以下、単に「タイヤ」と称される。)10の構造を示す要部断面図である。この図には、タイヤ10の中心を通り且つタイヤ10の赤道面Eと直交する平面に沿った断面が示されている。同図において上下方向がタイヤ10の径方向であり、左右方向がタイヤ10の軸方向である。
タイヤ10は、トレッドパターンを除き、赤道面Eを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。タイヤ10は、トレッド部11と、トレッド部11の両側(タイヤ10の軸方向両側)に連続する一対のショルダー部16と、さらにこれらに連続する一対のサイドウォール部12及び一対のビード部13と、カーカス部14と、ベルト部15とを備えている。ただし、タイヤ10は、これらトレッド部11、ショルダー部16、サイドウォール部12、ビード部13、カーカス部14及びベルト部15が一体的に構成されており、カーカス部14及びベルト部15は、それぞれタイヤ10の内部に形成されたカーカス層(カーカスプライ)及びベルト層(ベルトプライ)として存在している。
本実施形態の特徴とするところは、カーカス部14がファーストプライ17及び一対のセカンドプライ18、19を備え、さらに、これらが上記ベルト部15によって補強されており、且つこれらファーストプライ17、セカンドプライ18、19及びベルト部15は、後述する寸法に設定されている点である。タイヤ10がかかる構成を備えることにより、タイヤ10は、重量増加が抑制されつつ直進安定性及び高速走行時の旋回安定性が向上されている。以下、タイヤ10の構造についてさらに詳細に説明される。
なお、タイヤ10に関する各部の寸法は、タイヤ10が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるように空気が充填された状態で測定される。本明細書において正規リムとは、タイヤ10が依拠する規格を含む規格体系において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。また、本明細書において正規内圧とは、タイヤ1が依拠する規格を含む規格体系において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS PRESSURE」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
トレッド部11は架橋ゴムからなり、そのトレッド面21は、径方向外向きに凸となるようにアーチ状に形成されている。自動二輪車が旋回されるときは、運転者が当該自動二輪車を旋回方向内側に傾斜させるが、このとき、タイヤは、路面とキャンバー角を成して接地する。そして、自動二輪車の旋回時に生じる遠心力に対抗するように、タイヤの接地面にキャンバースラストが発生し、この力によって当該自動二輪車は安定した旋回がなされる。このように、安定したキャンバースラストが発生するために、トレッド部11の外面、すなわちトレッド面21は、図1が示すように大きくアーチを描くように形成されている。トレッド面21は、路面と接地する。このため、トレッド面21には、溝部とランド部とからなるトレッドパターン(図示せず)が形成されている。
サイドウォール部12は、トレッド部11に連続し、トレッド部11の両端から径方向内向きに延びている。すなわち、サイドウォール部12は、トレッド部11から径方向内向きに屈曲形成されており、両者が連続する部分によってショルダー部16が構成されている。これらサイドウォール部12及びショルダー部16も、架橋ゴムからなる。サイドウォール部12は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。また、サイドウォール部12は、カーカス部14の外傷を防止する。さらに、ショルダー部16が構成されることによって、タイヤ10の剛性(特に横剛性)が向上する。
ビード部13は、サイドウォール部12に連続して形成されている。ビード部13は、ビードコア22と、このビードコア22から径方向外向きに延びるビードエーペックス23とを備えている。ビードコア22は環状に形成されており、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)からなる。ビードエーペックス23は、径方向外向きに先細りとなるテーパ状に形成されており、架橋ゴムからなる。
カーカス部14は、上記ファーストプライ17及びセカンドプライ18、19を備えている。ファーストプライ17は、同図が示すように、トレッド部11、サイドウォール部12及びビード部13に沿って形成されている。ファーストプライ17の両端部30、31は、ビードコア22の内側(タイヤ軸方向内側)から外側(タイヤ径方向外側)に向かって掛け回され、さらに、サイドウォール部12に沿って所定長さだけ延びている。すなわち、ファーストプライ17は、ビードコア22に掛け回されることによって、当該ビードコア22の位置で折り返され、さらに、ファーストプライ17の両端部30、31は、当該ファーストプライ17に沿って配置されている。したがって、この折り返された部分24(重複部)は、ファーストプライ17が重複した構造となっている。
上記折り返された部分24(以下、「重複部24」と称される。)の高さ寸法h1は、本実施形態では、ファーストプライ17の高さ寸法Hに対して52%に設定されている。もっとも、寸法h1は、寸法Hに対してh1≧0.5Hの関係にあればよい。ただし、好ましくは、52%〜68%、より好ましくは、56%〜65%である。ここで、重複部24の高さ寸法h1とは、ビードベースラインLを基準とするファーストプライ17の径方向巻上高さであり、ファーストプライ17の高さ寸法Hとは、ビードベースラインLを基準とするファーストプライ17の径方向最大高さである。
セカンドプライ18は、同図が示すように、上記重複部24の内側からファーストプライ17に沿って配置されている。具体的には、セカンドプライ18は、上記重複部24の間に挿入された状態で配置されている。セカンドプライ18は、ファーストプライ17に沿って所定長さだけ延びており、サイドウォール部12からショルダー部16に至る領域に形成されている。
セカンドプライ18の最小高さ寸法h2は、本実施形態では、ファーストプライ17の高さ寸法Hに対して30%に設定されている。もっとも、寸法hは、寸法Hに対してh≧0.08Hの関係にあればよい。ただし、好ましくは、12%〜35%、より好ましくは、20%〜35%である。
セカンドプライ19は、セカンドプライ18と同様の構成であり、上記赤道面Eを中心としてセカンドプライ18と左右対称に配置されている。ここで、セカンドプライ18、19の最小高さ寸法h2とは、ビードベースラインLを基準とするセカンドプライ18、19の下端部の高さ、すなわち、ビードベースラインLを基準とするセカンドプライ18、19の径方向最小高さである。
また、セカンドプライ18、19は、それぞれ図1が示すように、トレッド部11に沿って延びている。本実施形態では、セカンドプライ18、19の上端部18a、19aの位置は、両者間の寸法が52mmとなるように設定されている。ただし、これら上端部18a、19a間の寸法は、40mm以上であって、且つタイヤ幅寸法Wの80%以下に設定される。
ベルト部15は、トレッド部11に沿って配置されており、カーカス部14の径方向外方に配置されている。ベルト部15は、上記ファーストプライ17及びセカンドプライ18、19を径方向に締め付けて補強するものである。ベルト部15の幅寸法Jは、本実施形態では、タイヤ幅寸法Wに対して85%に設定されている。もっとも、寸法Jは、寸法Wに対してJ≧0.8Wの関係にあればよい。ただし、好ましくは、82%〜90%、より好ましくは、84%〜88%である。ここで、タイヤ幅寸法Wとは、タイヤ10の軸方向最大寸法であり、また、ベルト部15の幅寸法Jとは、ベルト部15の軸方向最大寸法である。
図2は、タイヤ10の要部平面図であり、トレッド部11に沿う仮想面によって切断された断面が図示されている。同図が示すように、ファーストプライ17の両側(軸方向左右側)にセカンドプライ18、19が重なっている。また、これらを覆うようにベルト部15が配置されている。
ファーストプライ17は、複数のファーストプライコード31を備えている。このファーストプライコード31は、予めトッピングゴムシート32により被覆され、整列されている。トッピングゴムシート32は、タイヤ10が成形される際に、他の部分と融合する。ファーストプライコード31は、上記赤道面E(タイヤ10の周方向)に対して角度θ1で交差するように配置されている。本実施形態では、θ1=75°(degree)に設定されている。もっとも、θ1は、65°〜88°の範囲で適宜設定されるが、好ましくは、65°〜75°の範囲で設定され得る。
セカンドプライ18、19は、ファーストプライ17と同様に、それぞれ複数のセカンドプライコード33を備えている。このセカンドプライコード33は、予めトッピングゴムシート34により被覆され、整列されている。トッピングゴムシート34は、タイヤ10が成形される際に、他の部分と融合する。セカンドプライコード33は、上記赤道面E(タイヤ10の周方向)に対して角度θ2で交差するように配置されている。本実施形態では、θ2=−40°(degree)に設定されている。もっとも、θ2は、−40°〜−88°の範囲で適宜設定されるが、好ましくは、−40°〜−75°の範囲で適宜設定され得る。
したがって、ファーストプライ17のファーストプライコード31の方向は、セカンドプライ18、19のセカンドプライコード33と交差することになる。
ベルト部15は、ベルトコード35を備えている。このベルトコード35は、長尺の単一の部材であって、周方向に沿って巻回されている。つまり、上記ファーストプライ17及びセカンドプライ18、19は、このベルトコード35が巻回されることによって締め付けられ、補強されている。
ベルト部15は、細長の帯状シートから構成される。図3は、この帯状シートの要部拡大斜視図である。
同図が示すように、帯状シート36は、2本のベルトコード35がトッピングゴムシート37によって被覆されることによって構成されている。そして、この帯状シート36は、上記ファーストプライ17及びセカンドプライ18、19の上に(径方向外側に)周方向に沿って巻回される。このとき、帯状シート36は、周方向に対して5°以下(好ましくは略0°)の角度で螺旋状に巻き付けられている。なお、トッピングゴムシート37は、タイヤ10が成形される際に、他の部分と融合する。
本実施形態に係るタイヤ10によれば、ファーストプライ17がビードコア22に巻き掛けられることによって一対の重複部24が形成され、セカンドプライ18、19がそれぞれ重複部24に挿入され、且つファーストプライ17に沿って配置されている。しかも、ベルト部15がこれらファーストプライ17及びセカンドプライ18、19を覆うように配置されている。したがって、タイヤ10は、いわゆる(1+1−0)構造を構成しながらも、いわば、当該(1+1−0)構造を構成する第2のプライの中央部のみが欠損された構造が構成されている。
したがって、タイヤ10のトレッド部11の剛性が過大とならず、サイドウォール部12及びショルダー部16のみの剛性が向上される。その結果、タイヤ10の直進走行時における外乱吸収性が高くなくなり、直進安定性に加えて乗り心地も向上する。しかも、セカンドプライ18、19は、サイドウォール部12及びショルダー部16の剛性が向上されるために適切な領域に配置されているから、タイヤ10の重量増加が抑制されつつ、高速でのコーナリング性能が向上するという効果がある。
また、前述のように、ファーストプライ17のファーストプライコード31とセカンドプライ18、19のセカンドプライコード33とは交差しており、さらに、ファーストプライ17、セカンドプライ18、19及びベルト部15が前述の各寸法に設定せれているから、タイヤ10のサイドウォール部12及びショルダー部16の剛性のみが効果的に向上される。その結果、高速走行時におけるタイヤ10のコーナリング性能が一層向上する。
加えて、本実施形態では、ベルト部15の幅寸法Jは、タイヤ幅寸法Wに対して、J≧0.8Wとなるように設定されているから、ベルト部15によってトレッド部11の略全体にわたってファーストプライ17及びセカンドプライ18、19が確実に補強され、自動二輪車の走行中にトレッド部11の寸法変化が抑えられる。つまり、自動二輪車の走行中にトレッド面21の変形が抑えられ、均一な曲面形状が維持されるという利点がある。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
表1は、本発明の実施例1〜実施例10に係るタイヤの性能評価(操縦安定性総合、旋回安定性総合及び切り返しスムースさ総合)について、従来例(比較例)に対する比較試験が行われた結果が示されている。
試験が行われる際に使用された車両は、1000ccオンロード向け自動二輪車である。各実施例及び比較例に係るタイヤのサイズは、フロント側が120/70ZR17であり、リア側が190/50ZR17である。各実施例及び比較例に係るタイヤは、正規内圧で正規リムに装着されている(各実施例及び比較例では、フロント側タイヤの内圧は250kPa、リア側タイヤの内圧は290kPaである。)。比較試験は、テスト車両が走行した場合の操縦安定性、旋回安定性及び切り返しスムースさについて、テストライダーの主観的評価により行われた。テストライダーの主観的評価は、指数で表されている。各実施例及び比較例に係るタイヤの諸元は次の通りである。
[実施例1]
タイヤ構造は、セカンドプライ分割タイプの(1+1−0)構造である。
ファーストプライ(1P)コード及びセカンドプライ(2P)コードは、ナイロン繊維からなり、これが架橋ゴムにより被覆されている。
ファーストプライ及びセカンドプライの寸度は、1400dtex/50eである(この「50e」とは、コードに直交する面の断面において、単位長さ当たり50本のコードが含まれることを意味する。)。
ファーストプライコードがタイヤ周方向となす角度θ1は、65°である。
セカンドプライコードがタイヤ周方向となす角度θ2は、−65°である。
セカンドプライの下端位置(h2/H×100の値)は、30%であり、ファーストプライの巻き上げ位置(h1/H×100の値)は、50%である。
[実施例2]
タイヤ構造は、セカンドプライ分割タイプの(1+1−0)構造である。
ファーストプライ(1P)コード及びセカンドプライ(2P)コードは、ナイロン繊維からなり、これが架橋ゴムにより被覆されている。ファーストプライ及びセカンドプライの寸度は、1400dtex/50eである。
ファーストプライコードがタイヤ周方向となす角度θ1は、75°である。
セカンドプライコードがタイヤ周方向となす角度θ2は、−75°である。
セカンドプライの下端位置(h2/H×100の値)は、8%であり、ファーストプライの巻き上げ位置(h1/H×100の値)は、50%である。
[実施例3]
タイヤ構造は、セカンドプライ分割タイプの(1+1−0)構造である。
ファーストプライ(1P)コード及びセカンドプライ(2P)コードは、ナイロン繊維からなり、これが架橋ゴムにより被覆されている。ファーストプライ及びセカンドプライの寸度は、1400dtex/50eである。
ファーストプライコードがタイヤ周方向となす角度θ1は、75°である。
セカンドプライコードがタイヤ周方向となす角度θ2は、−75°である。
セカンドプライの下端位置(h2/H×100の値)は、30%であり、ファーストプライの巻き上げ位置(h1/H×100の値)は、50%である。
[実施例4]
タイヤ構造は、セカンドプライ分割タイプの(1+1−0)構造である。
ファーストプライ(1P)コード及びセカンドプライ(2P)コードは、ナイロン繊維からなり、これが架橋ゴムにより被覆されている。ファーストプライ及びセカンドプライの寸度は、1400dtex/50eである。
ファーストプライコードがタイヤ周方向となす角度θ1は、75°である。
セカンドプライコードがタイヤ周方向となす角度θ2は、−75°である。
セカンドプライの下端位置(h2/H×100の値)は、30%であり、ファーストプライの巻き上げ位置(h1/H×100の値)は、65%である。
[実施例5]
タイヤ構造は、セカンドプライ分割タイプの(1+1−0)構造である。
ファーストプライ(1P)コード及びセカンドプライ(2P)コードは、ナイロン繊維からなり、これが架橋ゴムにより被覆されている。ファーストプライ及びセカンドプライの寸度は、1400dtex/50eである。
ファーストプライコードがタイヤ周方向となす角度θ1は、75°である。
セカンドプライコードがタイヤ周方向となす角度θ2は、−45°である。
セカンドプライの下端位置(h2/H×100の値)は、30%であり、ファーストプライの巻き上げ位置(h1/H×100の値)は、50%である。
[実施例6]
タイヤ構造は、セカンドプライ分割タイプの(1+1−0)構造である。
ファーストプライ(1P)コード及びセカンドプライ(2P)コードは、ナイロン繊維からなり、これが架橋ゴムにより被覆されている。ファーストプライ及びセカンドプライの寸度は、1400dtex/50eである。
ファーストプライコードがタイヤ周方向となす角度θ1は、75°である。
セカンドプライコードがタイヤ周方向となす角度θ2は、−88°である。
セカンドプライの下端位置(h2/H×100の値)は、30%であり、ファーストプライの巻き上げ位置(h1/H×100の値)は、50%である。
[実施例7]
タイヤ構造は、セカンドプライ分割タイプの(1+1−0)構造である。
ファーストプライ(1P)コード及びセカンドプライ(2P)コードは、ナイロン繊維からなり、これが架橋ゴムにより被覆されている。ファーストプライ及びセカンドプライの寸度は、1400dtex/50eである。
ファーストプライコードがタイヤ周方向となす角度θ1は、88°である。
セカンドプライコードがタイヤ周方向となす角度θ2は、−88°である。
セカンドプライの下端位置(h2/H×100の値)は、30%であり、ファーストプライの巻き上げ位置(h1/H×100の値)は、50%である。
[比較例1]
タイヤ構造は、セカンドプライ分割タイプの(1+1−0)構造である。
ファーストプライ(1P)コード及びセカンドプライ(2P)コードは、ナイロン繊維からなり、これが架橋ゴムにより被覆されている。ファーストプライ及びセカンドプライの寸度は、1400dtex/50eである。
ファーストプライコードがタイヤ周方向となす角度θ1は、75°である。
セカンドプライコードがタイヤ周方向となす角度θ2は、−75°である。
セカンドプライの下端位置(h2/H×100の値)は、2%であり、ファーストプライの巻き上げ位置(h1/H×100の値)は、50%である。
[比較例2]
タイヤ構造は、セカンドプライ分割タイプの(1+1−0)構造である。
ファーストプライ(1P)コード及びセカンドプライ(2P)コードは、ナイロン繊維からなり、これが架橋ゴムにより被覆されている。ファーストプライ及びセカンドプライの寸度は、1400dtex/50eである。
ファーストプライコードがタイヤ周方向となす角度θ1は、75°である。
セカンドプライコードがタイヤ周方向となす角度θ2は、−75°である。
セカンドプライの下端位置(h2/H×100の値)は、30%であり、ファーストプライの巻き上げ位置(h1/H×100の値)は、35%である。
[比較例3]
タイヤ構造は、セカンドプライ分割タイプの(1+1−0)構造である。
ファーストプライ(1P)コード及びセカンドプライ(2P)コードは、ナイロン繊維からなり、これが架橋ゴムにより被覆されている。ファーストプライ及びセカンドプライの寸度は、1400dtex/50eである。
ファーストプライコードがタイヤ周方向となす角度θ1は、75°である。
セカンドプライコードがタイヤ周方向となす角度θ2は、−40°である。
セカンドプライの下端位置(h2/H×100の値)は、30%であり、ファーストプライの巻き上げ位置(h1/H×100の値)は、50%である。
[比較例4]
タイヤ構造は、(1+1−0)構造である。
ファーストプライ(1P)コード及びセカンドプライ(2P)コードは、ナイロン繊維からなり、これが架橋ゴムにより被覆されている。ファーストプライ及びセカンドプライの寸度は、1400dtex/50eである。ただし、本比較例では、セカンドプライは一体化されており、トレッド部及びショルダー部の全領域に配置されている。
ファーストプライコードがタイヤ周方向となす角度θ1は、65°である。
セカンドプライコードがタイヤ周方向となす角度θ2は、−65°である。
セカンドプライの下端位置(h2/H×100の値)は、30%であり、ファーストプライの巻き上げ位置(h1/H×100の値)は、50%である。
[比較例5]
タイヤ構造は、(1+1−0)構造である。
ファーストプライ(1P)コード及びセカンドプライ(2P)コードは、ナイロン繊維からなり、これが架橋ゴムにより被覆されている。ファーストプライ及びセカンドプライの寸度は、1400dtex/50eである。ただし、本比較例では、セカンドプライは一体化されており、トレッド部及びショルダー部の全領域に配置されている。
ファーストプライコードがタイヤ周方向となす角度θ1は、88°である。
セカンドプライコードがタイヤ周方向となす角度θ2は、−88°である。
セカンドプライの下端位置(h2/H×100の値)は、30%であり、ファーストプライの巻き上げ位置(h1/H×100の値)は、50%である。
[比較例6]
タイヤ構造は、(2−0)構造である。
ファーストプライ(1P)コード及びセカンドプライ(2P)コードは、ナイロン繊維からなり、これが架橋ゴムにより被覆されている。ファーストプライ及びセカンドプライの寸度は、2100dtex/50eである。ただし、本比較例では、セカンドプライは一体化されており、トレッド部及びショルダー部の全領域に配置されている。
ファーストプライコードがタイヤ周方向となす角度θ1は、65°である。
セカンドプライコードがタイヤ周方向となす角度θ2は、−65°である。
セカンドプライの端部位置は、20mmであり、ファーストプライの巻き上げ位置(h1/H×100の値)は、50%である。
Figure 0004481709
表1が示すように、各実施例では、評価結果は、各比較例と比べて優位を示している。すなわち、ファーストプライコードがタイヤ周方向となす角度θ1が65°〜88°であり、且つセカンドプライコードがタイヤ周方向となす角度θ2が−45°−88°であり、しかも、セカンドプライの下端位置(h2/H×100の値)が8%以上であり、ファーストプライの巻き上げ位置(h1/H×100の値)が50%以上の条件が備わった場合に、比較例と比べて旋回安定性等の性能に優れる。
本発明は、自動二輪車用のタイヤに適用され得る。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤの構造を示す要部断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤの要部平面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤに採用される帯状シートの要部拡大斜視図である。
符号の説明
10・・・タイヤ
15・・・ベルト部
17・・・ファーストプライ
18・・・セカンドプライ
19・・・セカンドプライ
22・・・ビードコア
24・・・重複部
30・・・端部
31・・・ファーストプライコード
33・・・セカンドプライコード
35・・・ベルトコード
E・・・赤道面
h1・・・重複部の高さ寸法
h2・・・セカンドプライの最小高さ寸法
W・・・タイヤ幅寸法
J・・・ベルトプライの幅寸法

Claims (1)

  1. タイヤ軸方向内側から外側に向かってビードコアに掛け回されることによって一対の重複部が形成されるように配置されたファーストプライと、
    上記各重複部の間に挿入された状態で配置され、上記ファーストプライに沿って所定長さだけ延びる一対のセカンドプライと、
    上記ファーストプライ及びセカンドプライのタイヤ径方向外側に、タイヤ周方向に沿って巻回されたベルトコードを有するベルトプライとを備えており、
    上記ファーストプライはファーストプライコードを備え、当該ファーストプライコードは、タイヤ赤道面に対して65°〜88°の角度で配置され、且つ上記重複部の高さ寸法h1は、上記ファーストプライの高さ寸法Hの52%〜68%に設定されており、
    上記セカンドプライはセカンドプライコードを備え、当該セカンドプライコードは、タイヤ赤道面に対して−45°〜−88°の角度で配置され、且つセカンドプライの最小高さ寸法h2は、上記ファーストプライの高さ寸法Hの12%〜35%に設定されており、
    上記ベルトプライの幅寸法Jは、タイヤ幅寸法Wの82%〜90%に設定されており、
    上記セカンドプライの下端部は、上記ビードコアから径方向外向きに延びるビードエーペックスの半径方向外側に位置している自動二輪車用タイヤ。
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