JPH04362310A - 摺動部材 - Google Patents
摺動部材Info
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- JPH04362310A JPH04362310A JP16252691A JP16252691A JPH04362310A JP H04362310 A JPH04362310 A JP H04362310A JP 16252691 A JP16252691 A JP 16252691A JP 16252691 A JP16252691 A JP 16252691A JP H04362310 A JPH04362310 A JP H04362310A
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Landscapes
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は摺動部材、特に、相手部
材との摺動面を持つ表面層を備えた摺動部材に関する。
材との摺動面を持つ表面層を備えた摺動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種摺動部材として、前記表面
層をPb−Sn系合金より構成したすべり軸受が知られ
ている(特開昭56−96088号公報参照)。
層をPb−Sn系合金より構成したすべり軸受が知られ
ている(特開昭56−96088号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種すべり軸受は、
エンジンにおけるクランクシャフトのジャーナル部、コ
ンロッドの大端部等に適用されているが、エンジンが高
速、且つ高出力化の傾向にある現在の状況下では、従来
のすべり軸受の表面層は耐摩耗性および耐焼付き性が乏
しいという問題がある。
エンジンにおけるクランクシャフトのジャーナル部、コ
ンロッドの大端部等に適用されているが、エンジンが高
速、且つ高出力化の傾向にある現在の状況下では、従来
のすべり軸受の表面層は耐摩耗性および耐焼付き性が乏
しいという問題がある。
【0004】本発明は前記に鑑み、表面層の構造を特定
することにより、その表面層の耐摩耗性および耐焼付き
性を向上させた前記摺動部材を提供することを目的とす
る。
することにより、その表面層の耐摩耗性および耐焼付き
性を向上させた前記摺動部材を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、相手部材との
摺動面を持つ表面層を備えた摺動部材において、前記表
面層は、前記摺動面を形成する複数の角錐体状突起およ
び複数の角錐台状突起の少なくとも一方の突起を有し、
相隣る両突起の一方が他方に食込んでいることを特徴と
する。
摺動面を持つ表面層を備えた摺動部材において、前記表
面層は、前記摺動面を形成する複数の角錐体状突起およ
び複数の角錐台状突起の少なくとも一方の突起を有し、
相隣る両突起の一方が他方に食込んでいることを特徴と
する。
【0006】
【実施例】図1,図2において、摺動部材としてのすべ
り軸受1は、エンジンにおけるクランクシャフトのジャ
ーナル部、コンロッドの大端部等に適用されるもので、
第1および第2半体11 ,12 よりなる。両半体1
1 ,12 は同一構造を有し、基板2と、その基板2
に形成されて相手部材xとの摺動面3aを持つ合金製表
面層3とを備えている。基板2は裏金21 と、その裏
金21 の表面に形成されて表面層3を支持するライニ
ング層22 とよりなる。裏金21 およびライニング
層22 間には銅メッキ層が、またライニング層22
および表面層3間にはニッケルメッキバリヤ層がそれぞ
れ必要に応じて設けられる。
り軸受1は、エンジンにおけるクランクシャフトのジャ
ーナル部、コンロッドの大端部等に適用されるもので、
第1および第2半体11 ,12 よりなる。両半体1
1 ,12 は同一構造を有し、基板2と、その基板2
に形成されて相手部材xとの摺動面3aを持つ合金製表
面層3とを備えている。基板2は裏金21 と、その裏
金21 の表面に形成されて表面層3を支持するライニ
ング層22 とよりなる。裏金21 およびライニング
層22 間には銅メッキ層が、またライニング層22
および表面層3間にはニッケルメッキバリヤ層がそれぞ
れ必要に応じて設けられる。
【0007】裏金21 は圧延鋼板より構成され、その
厚さはすべり軸受1の設定厚さにより決められる。ライ
ニング層22 は銅、銅系合金、アルミニウム、アルミ
ニウム系合金等より構成され、その厚さは50〜500
μm、通常は300μm程度である。表面層3はPb合
金より構成され、その厚さは5〜50μm、通常は20
μm程度である。
厚さはすべり軸受1の設定厚さにより決められる。ライ
ニング層22 は銅、銅系合金、アルミニウム、アルミ
ニウム系合金等より構成され、その厚さは50〜500
μm、通常は300μm程度である。表面層3はPb合
金より構成され、その厚さは5〜50μm、通常は20
μm程度である。
【0008】表面層3を構成するPb合金は、80〜9
0重量%のPbと3〜20重量%のSnとを含有し、必
要に応じてCu、In、Ag、Tl、Nb、Sb、Ni
、Cd、Te、Bi、Mn、Ca、Baから選択される
少なくとも一種を10重量%以下含有する。
0重量%のPbと3〜20重量%のSnとを含有し、必
要に応じてCu、In、Ag、Tl、Nb、Sb、Ni
、Cd、Te、Bi、Mn、Ca、Baから選択される
少なくとも一種を10重量%以下含有する。
【0009】Cu、Ni、Mnは表面層3の硬さを向上
させる機能を有するが、その含有量が10重量%を上回
ると、硬さが高くなり過ぎて初期なじみ性が低下する。 Cu等を添加する場合には、表面層3の硬さHmvが1
5〜25になるように、その含有量を調整するのが望ま
しい。
させる機能を有するが、その含有量が10重量%を上回
ると、硬さが高くなり過ぎて初期なじみ性が低下する。 Cu等を添加する場合には、表面層3の硬さHmvが1
5〜25になるように、その含有量を調整するのが望ま
しい。
【0010】In、Ag、Tl、Nb、Sb、Cd、T
e、Bi、Ca、Baは、表面層3を軟化して初期なじ
み性を改善する機能を有するが、その含有量が10重量
%を上回ると、表面層3の強度が低下する。In等を添
加する場合には、表面層4の硬さHmvが8〜15にな
るように、その含有量を調整するのが望ましい。
e、Bi、Ca、Baは、表面層3を軟化して初期なじ
み性を改善する機能を有するが、その含有量が10重量
%を上回ると、表面層3の強度が低下する。In等を添
加する場合には、表面層4の硬さHmvが8〜15にな
るように、その含有量を調整するのが望ましい。
【0011】表面層3は、電気メッキ法により形成され
るもので、メッキ液としては、1リットル当り40〜1
80gのPb2+、1リットル当り1.5〜35gのS
n2+、必要に応じて1リットル当り15g以下のCu
2+を含むホウフッ化系メッキ液が用いられる。またメ
ッキ液の温度は10〜35℃、陰極電流密度は3〜15
A/dm2 にそれぞれ設定される。
るもので、メッキ液としては、1リットル当り40〜1
80gのPb2+、1リットル当り1.5〜35gのS
n2+、必要に応じて1リットル当り15g以下のCu
2+を含むホウフッ化系メッキ液が用いられる。またメ
ッキ液の温度は10〜35℃、陰極電流密度は3〜15
A/dm2 にそれぞれ設定される。
【0012】図3は、摺動面3aにおけるPb合金の結
晶構造を示す電子顕微鏡写真(10,000倍)である
。図4は、表面層3を縦断した場合のPb合金の結晶構
造を示す電子顕微鏡写真(5,000 倍)であり、図
5は、図4の部分拡大電子顕微鏡写真に相当する。表面
層3は8重量%のSnと、2重量%のCuとを含有する
Pb合金よりなる。その表面層3は銅合金製ライニング
層22 上に形成され、表面層3を形成する際の電気メ
ッキ処理における陰極電流密度は10A/dm2 に設
定された。
晶構造を示す電子顕微鏡写真(10,000倍)である
。図4は、表面層3を縦断した場合のPb合金の結晶構
造を示す電子顕微鏡写真(5,000 倍)であり、図
5は、図4の部分拡大電子顕微鏡写真に相当する。表面
層3は8重量%のSnと、2重量%のCuとを含有する
Pb合金よりなる。その表面層3は銅合金製ライニング
層22 上に形成され、表面層3を形成する際の電気メ
ッキ処理における陰極電流密度は10A/dm2 に設
定された。
【0013】図6,図7にも示すように、表面層3はラ
イニング層22 から延出するPb合金の柱状晶4の集
合体であり、各柱状晶4は柱状本体5と、その柱状本体
5の先端に連なり、頂点aを摺動面3a側に向けた角錐
体状突起としての四角錐体状結晶6とよりなる。表面層
3において、相隣る両柱状晶4は一方が他方に食込んだ
状態で成長しており、したがって摺動面3aは複数の四
角錐体状結晶6より形成され、また相隣る両結晶6の一
方が他方に食込んでいる。
イニング層22 から延出するPb合金の柱状晶4の集
合体であり、各柱状晶4は柱状本体5と、その柱状本体
5の先端に連なり、頂点aを摺動面3a側に向けた角錐
体状突起としての四角錐体状結晶6とよりなる。表面層
3において、相隣る両柱状晶4は一方が他方に食込んだ
状態で成長しており、したがって摺動面3aは複数の四
角錐体状結晶6より形成され、また相隣る両結晶6の一
方が他方に食込んでいる。
【0014】このように柱状晶4相互間に食込みを発生
させると、食込み状態にある両柱状晶4は、その内部応
力が増して高硬度となり、これにより表面層3の耐摩耗
性を向上させることができる。また四角錐体状結晶6の
存在により、摺動面3aの表面積を拡大して表面層3に
十分な保油性を持たせ、また四角錐体状結晶6の頂点a
側を優先的に摩耗させて表面層3の初期なじみ性を向上
させることができる。
させると、食込み状態にある両柱状晶4は、その内部応
力が増して高硬度となり、これにより表面層3の耐摩耗
性を向上させることができる。また四角錐体状結晶6の
存在により、摺動面3aの表面積を拡大して表面層3に
十分な保油性を持たせ、また四角錐体状結晶6の頂点a
側を優先的に摩耗させて表面層3の初期なじみ性を向上
させることができる。
【0015】図8は、表面層3におけるPb合金結晶の
X線回折図であり、ミラー指数で(200)面および(
400)面の回折ピークのみが認められる。
X線回折図であり、ミラー指数で(200)面および(
400)面の回折ピークのみが認められる。
【0016】ここで、結晶面の配向性を表わす指数とし
て配向指数Oeを、 (ただし、hklはミラー指数、Ihklは(hkl)
面の積分強度、ΣIhklはIhklの総和)と定義す
ると、或(hkl)面において、その配向指数Oeが1
00%に近ければ近い程、その(hkl)面と直交する
方向へ配向した結晶面が多いことになる。
て配向指数Oeを、 (ただし、hklはミラー指数、Ihklは(hkl)
面の積分強度、ΣIhklはIhklの総和)と定義す
ると、或(hkl)面において、その配向指数Oeが1
00%に近ければ近い程、その(hkl)面と直交する
方向へ配向した結晶面が多いことになる。
【0017】Pb合金結晶の(200)面および(40
0)面における積分強度Ihklおよび配向指数Oeは
表1の通りである。
0)面における積分強度Ihklおよび配向指数Oeは
表1の通りである。
【0018】
【表1】
【0019】表1より、Pb合金結晶の(h00)面に
おける配向指数Oeは100%であり、したがってPb
合金結晶は、結晶軸a,b,cにおいて各軸方向に配向
した結晶面、即ち(h00)面を持つことになる。
おける配向指数Oeは100%であり、したがってPb
合金結晶は、結晶軸a,b,cにおいて各軸方向に配向
した結晶面、即ち(h00)面を持つことになる。
【0020】このように、結晶面を(h00)面と直交
する方向に配向させると、Pb合金の結晶構造が面心立
方構造であることから、配向方向における原子密度が高
くなるので、表面層3の硬度が増してその耐摩耗性が向
上する。
する方向に配向させると、Pb合金の結晶構造が面心立
方構造であることから、配向方向における原子密度が高
くなるので、表面層3の硬度が増してその耐摩耗性が向
上する。
【0021】表2は、各種すべり軸受において、その表
面層の組成、結晶構造等を比較したものである。表2に
おいて、食込み率は、四角錐体状結晶の総数をA1 、
食込んでいる四角錐体状結晶の数をA2 としたとき、
(A2 /A1 )×100として求められた。例えば
、図6において、A1 は「4」であり、A2 は「2
」である。
面層の組成、結晶構造等を比較したものである。表2に
おいて、食込み率は、四角錐体状結晶の総数をA1 、
食込んでいる四角錐体状結晶の数をA2 としたとき、
(A2 /A1 )×100として求められた。例えば
、図6において、A1 は「4」であり、A2 は「2
」である。
【0022】
【表2】
【0023】本発明(4)は前記本発明におけるPb合
金(図3〜図5)に該当し、陰極電流密度の上昇に伴い
食込み率も上昇する。比較例(1)は本発明(1)と同
一組成を有し、また比較例(2)は本発明(4)と略同
一の組成を有するが、結晶構造は異なる。両比較例(1
),(2)の陰極電流密度は不明である。
金(図3〜図5)に該当し、陰極電流密度の上昇に伴い
食込み率も上昇する。比較例(1)は本発明(1)と同
一組成を有し、また比較例(2)は本発明(4)と略同
一の組成を有するが、結晶構造は異なる。両比較例(1
),(2)の陰極電流密度は不明である。
【0024】図9は、本発明(1)〜(4)の食込み率
と表面層3の硬さとの関係を示す。硬さは、表面層3縦
断面において、その面と直交する方向からマイクロビッ
カース微小硬さ計を用い、荷重10gにて測定したもの
である。
と表面層3の硬さとの関係を示す。硬さは、表面層3縦
断面において、その面と直交する方向からマイクロビッ
カース微小硬さ計を用い、荷重10gにて測定したもの
である。
【0025】図9から明らかなように、本発明(1)〜
(4)は、食込み率の上昇に伴い表面層3の硬さが向上
しており、また比較例(1),(2)に比べて硬さの高
いことが判る。これは、柱状晶4の食込みおよび(h0
0)面における配向指数Oeが100%であることによ
って、表面層3の硬度が高くなっていることに起因する
。
(4)は、食込み率の上昇に伴い表面層3の硬さが向上
しており、また比較例(1),(2)に比べて硬さの高
いことが判る。これは、柱状晶4の食込みおよび(h0
0)面における配向指数Oeが100%であることによ
って、表面層3の硬度が高くなっていることに起因する
。
【0026】図10は、本発明(1)〜(4)および比
較例(1),(2)の摩耗テスト結果を示す。
較例(1),(2)の摩耗テスト結果を示す。
【0027】摩耗テストは、回転軸に各すべり軸受を摺
擦させ、そのすべり軸受に対する負荷を、回転軸に同期
させた正弦全波波型の動的荷重とし、一定摺動距離につ
いて行われた。
擦させ、そのすべり軸受に対する負荷を、回転軸に同期
させた正弦全波波型の動的荷重とし、一定摺動距離につ
いて行われた。
【0028】テスト条件は次の通りである。回転軸の材
質 JIS S48C材に窒化処理を施したもの、
回転軸回転数 3000rpm 、最大負荷面圧60
0kg/cm2 (軸受投影面積:幅×直径)、摺動距
離 2.5×103 km、給油温度 120℃、
給油圧力 3kg/cm2 。
質 JIS S48C材に窒化処理を施したもの、
回転軸回転数 3000rpm 、最大負荷面圧60
0kg/cm2 (軸受投影面積:幅×直径)、摺動距
離 2.5×103 km、給油温度 120℃、
給油圧力 3kg/cm2 。
【0029】図10から明らかなように、本発明(1)
〜(4)は比較例(1),(2)に比べて優れた耐摩耗
性を有する。本発明(1)〜(4)においては、食込み
率の上昇に伴い耐摩耗性が向上しているが、食込み率の
好ましい範囲は80〜100%である。
〜(4)は比較例(1),(2)に比べて優れた耐摩耗
性を有する。本発明(1)〜(4)においては、食込み
率の上昇に伴い耐摩耗性が向上しているが、食込み率の
好ましい範囲は80〜100%である。
【0030】図11は、本発明(1)〜(4)および比
較例(1),(2)の焼付きテスト結果を示す。
較例(1),(2)の焼付きテスト結果を示す。
【0031】焼付きテストは、回転軸に各すべり軸受を
摺擦させ、そのすべり軸受に対する負荷荷重を漸次増加
させることにより行われた。図11は各すべり軸受の表
面層が焼付きを発生したときの面圧を求めたものである
。
摺擦させ、そのすべり軸受に対する負荷荷重を漸次増加
させることにより行われた。図11は各すべり軸受の表
面層が焼付きを発生したときの面圧を求めたものである
。
【0032】テスト条件は次の通りである。回転軸の材
質 JIS S48C材に窒化処理を施したもの、
回転軸の回転数 6000rpm 、給油温度 1
20℃、給油圧力 3kg/cm2 、負荷荷重
1kg/sec 。
質 JIS S48C材に窒化処理を施したもの、
回転軸の回転数 6000rpm 、給油温度 1
20℃、給油圧力 3kg/cm2 、負荷荷重
1kg/sec 。
【0033】図11から明らかなように、本発明(1)
〜(4)は、比較例(1),(2)に比べて優れた耐焼
付き性を有する。このような効果が得られる理由は、摺
動面3aを形成する四角錐体状結晶6の頂点a側を優先
的に摩耗させて表面層3の初期なじみ性を良好にするこ
とができるからであり、またPb合金結晶が四角錐体状
結晶6であることに起因して、摺動面3aの表面積が広
くなるので、表面層3が十分な保油性を有するからであ
る。この場合、摺動開始初期に頂点a側の優先的摩耗が
終了して平坦面(四角錐台の上底面に相当する)が形成
されると、その平坦面と相手部材との間には常時油膜が
存在するので、それ以後の摺動面3aの摩耗は極めて緩
慢に行われる。
〜(4)は、比較例(1),(2)に比べて優れた耐焼
付き性を有する。このような効果が得られる理由は、摺
動面3aを形成する四角錐体状結晶6の頂点a側を優先
的に摩耗させて表面層3の初期なじみ性を良好にするこ
とができるからであり、またPb合金結晶が四角錐体状
結晶6であることに起因して、摺動面3aの表面積が広
くなるので、表面層3が十分な保油性を有するからであ
る。この場合、摺動開始初期に頂点a側の優先的摩耗が
終了して平坦面(四角錐台の上底面に相当する)が形成
されると、その平坦面と相手部材との間には常時油膜が
存在するので、それ以後の摺動面3aの摩耗は極めて緩
慢に行われる。
【0034】図12は、表面層3が、摺動面3aを形成
すべく、上底面bを摺動面3a側に向けた複数の角錐台
状突起、図示例ではPb合金の四角錐台状結晶7のみを
有する場合を示す。同図(b)は10,000倍の電子
顕微鏡写真であり、同図(a)に対応する。このような
結晶7またはこれと四角錐体状結晶6との混成構造によ
っても前記と同様の摺動特性が得られる。この場合、摺
動面3aの少なくとも一部が四角錐台状結晶7の上底面
bより形成されることから、摺動開始時期より相手部材
と上底面bとの間に油膜を形成させて初期なじみ性を良
好にすると共に安定化させることができる。
すべく、上底面bを摺動面3a側に向けた複数の角錐台
状突起、図示例ではPb合金の四角錐台状結晶7のみを
有する場合を示す。同図(b)は10,000倍の電子
顕微鏡写真であり、同図(a)に対応する。このような
結晶7またはこれと四角錐体状結晶6との混成構造によ
っても前記と同様の摺動特性が得られる。この場合、摺
動面3aの少なくとも一部が四角錐台状結晶7の上底面
bより形成されることから、摺動開始時期より相手部材
と上底面bとの間に油膜を形成させて初期なじみ性を良
好にすると共に安定化させることができる。
【0035】四角錐体状結晶6および/または四角錐台
状結晶7が摺動面3aの一部を形成するものも本発明に
包含される。この場合、摺動面3aにおける四角錐体状
結晶6等の面積率は50%以上に設定される。
状結晶7が摺動面3aの一部を形成するものも本発明に
包含される。この場合、摺動面3aにおける四角錐体状
結晶6等の面積率は50%以上に設定される。
【0036】前記のように優秀な摺動特性を得るために
は四角錐体状結晶6および四角錐台状結晶7の傾きが問
題となる。
は四角錐体状結晶6および四角錐台状結晶7の傾きが問
題となる。
【0037】そこで、図13に示すように四角錐体状結
晶6の底面側に、その結晶6を突出させて摺動面3aに
沿う仮想面Cを規定し、また四角錐体状結晶6の頂点a
と底面中央部dを通る直線eが、底面中央部dを通り仮
想面Cに垂直な基準線fに対してなす傾き角をθと規定
すると、四角錐体状結晶6の傾き角θは0°≦θ≦30
°に設定される。傾き角θが、θ>30°になると、表
面層3の保油性および頂点a側の優先的摩耗性が低下す
る。
晶6の底面側に、その結晶6を突出させて摺動面3aに
沿う仮想面Cを規定し、また四角錐体状結晶6の頂点a
と底面中央部dを通る直線eが、底面中央部dを通り仮
想面Cに垂直な基準線fに対してなす傾き角をθと規定
すると、四角錐体状結晶6の傾き角θは0°≦θ≦30
°に設定される。傾き角θが、θ>30°になると、表
面層3の保油性および頂点a側の優先的摩耗性が低下す
る。
【0038】四角錐台状結晶7の場合の傾き角θは、図
14に示すように上底面中央部gおよび下底面中央部h
を通る直線kと下底面中央部hを通り仮想面Cに垂直な
基準線fとがなす角度として規定される。この場合にも
傾き角θは、0°≦θ≦30°に設定される。
14に示すように上底面中央部gおよび下底面中央部h
を通る直線kと下底面中央部hを通り仮想面Cに垂直な
基準線fとがなす角度として規定される。この場合にも
傾き角θは、0°≦θ≦30°に設定される。
【0039】前記実施例では、表面層を電気メッキ法に
より形成したが、その他の表面層形成方法としては、P
VD、イオンプレーティング、CVD、スパッタリング
等の気相を介する形成方法を挙げることができる。また
摺動面における角錐体状突起等の形成に当っては、化学
エッチング、電気エッチング、気相エッチング(ボンバ
ード処理)等のエッチング法、転写、切削等の機械加工
等を適用することが可能である。
より形成したが、その他の表面層形成方法としては、P
VD、イオンプレーティング、CVD、スパッタリング
等の気相を介する形成方法を挙げることができる。また
摺動面における角錐体状突起等の形成に当っては、化学
エッチング、電気エッチング、気相エッチング(ボンバ
ード処理)等のエッチング法、転写、切削等の機械加工
等を適用することが可能である。
【0040】本発明はすべり軸受に限らず、他の摺動部
材にも適用される。
材にも適用される。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、表面層の構造を前記の
ように特定することによって、その表面層の耐摩耗性お
よび耐焼付き性を向上させた摺動部材を提供することが
できる。
ように特定することによって、その表面層の耐摩耗性お
よび耐焼付き性を向上させた摺動部材を提供することが
できる。
【図1】すべり軸受の分解平面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】摺動面におけるPb合金の結晶構造を示す顕微
鏡写真である。
鏡写真である。
【図4】表面層の第1例を縦断した場合におけるPb合
金の結晶構造を示す顕微鏡写真である。
金の結晶構造を示す顕微鏡写真である。
【図5】図4の部分拡大顕微鏡写真である。
【図6】表面層の第1例を示す要部概略平面図である。
【図7】図6の7−7線断面図である。
【図8】表面層の第1例におけるPb合金結晶のX線回
折図である。
折図である。
【図9】食込み率と表面層の硬さとの関係を示すグラフ
である。
である。
【図10】食込み率と表面層の摩耗深さとの関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図11】焼付きテスト結果を示すグラフである。
【図12】(a)は、表面層の第2例を示す要部概略平
面図であり、(b)は、(a)に対応するPb合金の結
晶構造を示す顕微鏡写真である。
面図であり、(b)は、(a)に対応するPb合金の結
晶構造を示す顕微鏡写真である。
【図13】四角錐体状結晶の傾き角測定法を示す説明図
である。
である。
【図14】四角錐台状結晶の傾き角測定法を示す説明図
である。
である。
1 すべり軸受(摺動部材)2
基板 3 表面層 3a 摺動面 4 柱状晶 6 四角錐体状結晶(角錐体状突起)7
四角錐台状結晶(角錐台状突起)x
相手部材
基板 3 表面層 3a 摺動面 4 柱状晶 6 四角錐体状結晶(角錐体状突起)7
四角錐台状結晶(角錐台状突起)x
相手部材
Claims (2)
- 【請求項1】 相手部材(x)との摺動面(3a)を
持つ表面層(3)を備えた摺動部材において、前記表面
層(3)は、前記摺動面(3a)を形成する複数の角錐
体状突起(6)および複数の角錐台状突起(7)の少な
くとも一方の突起を有し、相隣る両突起の一方が他方に
食込んでいることを特徴とする摺動部材。 - 【請求項2】 基板(2)と、その基板(2)に形成
されて相手部材(x)との摺動面(3a)を持つ合金製
表面層(3)とを備えた摺動部材において、前記表面層
(3)は、前記基板(2)より延出する複数の柱状晶(
4)を有し、相隣る両柱状晶(4)の一方が他方に食込
んでいることを特徴とする摺動部材。
Priority Applications (10)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3162526A JP2607987B2 (ja) | 1991-06-07 | 1991-06-07 | 摺動部材 |
CA002069988A CA2069988C (en) | 1991-05-31 | 1992-05-29 | Slide member with surface composed of pyramidal microprojections |
FR9206620A FR2693775B1 (fr) | 1991-05-31 | 1992-06-01 | Organe de glissement. |
DE4218077A DE4218077C2 (de) | 1991-05-31 | 1992-06-01 | Gleitelement |
GB9211552A GB2256235B (en) | 1991-05-31 | 1992-06-01 | Slide member |
US07/891,939 US5322742A (en) | 1991-05-31 | 1992-06-01 | Slide member |
GB9419652A GB2281107B (en) | 1991-05-31 | 1992-06-01 | Slide member |
US08/060,957 US5322743A (en) | 1991-05-31 | 1993-05-12 | Slide member |
US08/060,956 US5324596A (en) | 1991-05-31 | 1993-05-12 | Slide member |
US08/061,186 US5320912A (en) | 1991-05-31 | 1993-05-13 | Slide member |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3162526A JP2607987B2 (ja) | 1991-06-07 | 1991-06-07 | 摺動部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04362310A true JPH04362310A (ja) | 1992-12-15 |
JP2607987B2 JP2607987B2 (ja) | 1997-05-07 |
Family
ID=15756296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3162526A Expired - Fee Related JP2607987B2 (ja) | 1991-05-31 | 1991-06-07 | 摺動部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2607987B2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04358093A (ja) * | 1991-07-12 | 1992-12-11 | Honda Motor Co Ltd | 摺動部材 |
-
1991
- 1991-06-07 JP JP3162526A patent/JP2607987B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04358093A (ja) * | 1991-07-12 | 1992-12-11 | Honda Motor Co Ltd | 摺動部材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2607987B2 (ja) | 1997-05-07 |
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