JPH04366020A - すべり軸受 - Google Patents

すべり軸受

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JPH04366020A
JPH04366020A JP16519591A JP16519591A JPH04366020A JP H04366020 A JPH04366020 A JP H04366020A JP 16519591 A JP16519591 A JP 16519591A JP 16519591 A JP16519591 A JP 16519591A JP H04366020 A JPH04366020 A JP H04366020A
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Hideyo Miyano
宮野 英世
Yoshikazu Fujisawa
義和 藤沢
Makoto Tsuji
誠 辻
Takeshi Narushige
成重 丈志
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はすべり軸受、特に、相手
軸部材との摺動面を持つ表面層を備えたすべり軸受の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種すべり軸受として、前記表
面層をPb−Sn系合金より構成したものが知られてい
る(特開昭56−96088号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種すべり軸受は、
エンジンにおけるクランクシャフトのジャーナル部、コ
ンロッドの大端部等に適用されているが、エンジンが高
速、且つ高出力化の傾向にある現在の状況下では、従来
のすべり軸受の表面層は、そのオイル保持性、つまり保
油性が十分でなく、また初期なじみ性も悪いため、特に
、摺動面の相手軸部材による摺動面圧が高くなる母線方
向領域において耐焼付き性が乏しいという問題がある。
【0004】本発明は前記に鑑み、表面層の構造を特定
することによって、その表面層に十分な保油性を持たせ
、また表面層の初期なじみ性を良好にし、これにより表
面層の耐焼付き性を向上させた前記すべり軸受を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、相手軸部材と
の摺動面を持つ表面層を備えたすべり軸受において、前
記表面層は、前記摺動面の前記相手軸部材による摺動面
圧が高くなる母線方向領域を形成すべく、複数の角錐体
状突起および複数の角錐台状突起の少なくとも一方を有
することを特徴とする。
【0006】
【実施例】図1〜図4において、すべり軸受1は、エン
ジンにおける相手軸部材としてのクランクシャフトのジ
ャーナル部aに適用されるもので、ピストン側の第1半
体11 およびオイルパン側の第2半体12 より二つ
割に構成されている。両半体11 ,12 の両端面相
互を衝合することにより、外側に位置する環状基板2が
形成され、またその基板2の内周面にはジャーナル部a
との摺動面3aを持つ表面層3が形成される。基板2は
裏金21 と、その裏金21 内周面に形成されて、表
面層3を支持するライニング層22 を有する。裏金2
1 およびライニング層22 間には銅メッキ層が、ま
たライニング層22 および表面層3間にはニッケルメ
ッキバリヤ層がそれぞれ必要に応じて設けられる。
【0007】裏金21 は圧延鋼板より構成され、その
厚さはすべり軸受1の設定厚さにより決められる。ライ
ニング層22 は銅、銅系合金、アルミニウム、アルミ
ニウム系合金等より構成され、その厚さは50〜500
μm、通常は300μm程度である。表面層3はPb合
金より構成され、その厚さは5〜50μm、通常は20
μm程度である。
【0008】表面層3を構成するPb合金は、80〜9
0重量%のPbと3〜20重量%のSnとを含有し、必
要に応じてCu、In、Ag、Tl、Nb、Sb、Ni
、Cd、Te、Bi、Mn、Ca、Baから選択される
少なくとも一種を10重量%以下含有する。
【0009】Cu、Ni、Mnは表面層3の硬さを向上
させる機能を有するが、その含有量が10重量%を上回
ると、硬さが高くなり過ぎて初期なじみ性が低下する。 Cu等を添加する場合には、表面層3の硬さHmvが1
5〜25になるように、その含有量を調整するのが望ま
しい。
【0010】In、Ag、Tl、Nb、Sb、Cd、T
e、Bi、Ca、Baは、表面層3を軟化して初期なじ
み性を改善する機能を有するが、その含有量が10重量
%を上回ると、表面層3の強度が低下する。In等を添
加する場合には、表面層3の硬さHmvが8〜15にな
るように、その含有量を調整するのが望ましい。
【0011】表面層3は、電気メッキ法により形成され
るもので、メッキ液としては、1リットル当り40〜1
80gのPb2+、1リットル当り1.5〜35gのS
n2+、必要に応じて1リットル当り15g以下のCu
2+を含むホウフッ化系メッキ液が用いられる。またメ
ッキ液の温度は10〜35℃、陰極電流密度は3〜15
A/dm2 にそれぞれ設定される。
【0012】図1,図2に明示するように、摺動面3a
において、ピストンの往復動に伴うジャーナル部aによ
る摺動面圧は、両半体11 ,22の相対向する中央部
bの母線方向領域Bの方が、その領域Bを除くその他の
領域、したがって領域Bの両側に存する端部cの母線方
向領域Cよりも高くなる。
【0013】このような摺動面圧の不均衡に対応するた
め、本発明においては、図2〜図4に明示するように、
表面層3が、中央部bの母線方向領域Bを形成すべく、
頂点dを摺動面3a側に向けた複数の角錐体状突起、図
示例では四角錐体状結晶41 よりなる集合体を有する
ものである。この四角錐体状結晶41 は、銅合金製ラ
イニング層22 から延出する柱状晶5の先端部を形成
する。 この場合、中央部bの母線方向領域Bは、各半体11,
22 の母線方向全長に等しい長さと、各半体11 ,
12 の周長の略3分の1の幅を有する。また表面層3
は、端部cの母線方向領域Cを形成すべく、複数の粒状
晶6よりなる集合体を有し、それら粒状晶6の集合体表
面より各四角錐体状結晶41 の頂点d側が突出してい
る。このような二領域B、Cの形成は、一方の領域Bま
たはCを電気メッキ処理により形成する際に、ライニン
グ層22 の他方の領域CまたはBに対応する部位をマ
スキングする、といった手段が採用される。その他の手
段としては、極間距離を変える、スリットまたは遮蔽板
を用いる等の電通制御法を挙げることができる。
【0014】したがって、表面層3は多数の柱状晶5と
粒状晶6とより構成され、その表面層3の組成は、例え
ば8重量%Sn、2重量%Cu、残部Pbである。また
中央部bの母線方向領域B形成時の陰極電流密度は10
A/dm2に設定され、一方、端部cの母線方向領域C
形成時の陰極電流密度は6A/dm2 に設定される。
【0015】図5は、中央部bの母線方向領域Bにおけ
るPb合金の結晶構造を示す電子顕微鏡写真(10,0
00倍)である。
【0016】図6は、中央部bの母線方向領域Bにおけ
るPb合金結晶のX線回折図であり、ミラー指数で(2
00)面および(400)面の回折ピークのみが認めら
れる。
【0017】ここで、結晶面の配向性を表わす指数とし
て配向指数Oeを、 (ただし、hklはミラー指数、Ihklは(hkl)
面の積分強度、ΣIhklはIhklの総和)と定義す
ると、或(hkl)面において、その配向指数Oeが1
00%に近ければ近い程、その(hkl)面と直交する
方向へ配向した結晶面が多いことになる。
【0018】Pb合金結晶の(200)面および(40
0)面における積分強度Ihklおよび配向指数Oeは
表1の通りである。
【0019】
【表1】
【0020】表1より、Pb合金結晶の(h00)面に
おける配向指数Oeは100%であり、したがってPb
合金結晶は結晶軸a,b,cにおいて各軸方向に配向し
た結晶面、即ち(h00)面を持つことになる。
【0021】このように、結晶面を(h00)面と直交
する方向に配向させると、Pb合金の結晶構造が面心立
方構造であることから、配向方向における原子密度が高
くなるので、表面層3の硬度が増してその耐焼付き性が
向上する。
【0022】図7は、端部cの母線方向領域Cにおける
Pb合金の結晶構造を示す電子顕微鏡写真(10,00
0倍)である。
【0023】図8は、端部cの母線方向領域Cにおける
Pb合金結晶のX線回折図である。本図からは特定の結
晶面への配向は認められない。種々の(hkl)面にお
ける積分強度Ihklおよび配向指数Oeは表2の通り
である。
【0024】
【表2】
【0025】図7および表2から明らかなように、Pb
合金結晶は、結晶面が特定の方向へ配向していないラン
ダム構造である。
【0026】表3は、各種すべり軸受において、その表
面層の組成、中央部bの母線方向領域Bの結晶構造等を
比較したものである。比較例(1),(2)は、その表
面層全体が前記同様の粒状晶より構成されている。
【0027】
【表3】
【0028】本発明(3)は、図5に示した母線方向領
域Bを有するすべり軸受に該当する。本発明(1),(
2)は、本発明(3)に比べて陰極電流密度を下げた場
合に該当する。本発明(4)は表面層の組成を変えた場
合である。比較例(1)は本発明(1)と同一の組成を
有し、比較例(2)は本発明(4)と略同一の組成を有
する。  図9は、本発明(1)〜(4)および比較例
(1),(2)の焼付きテスト結果を示す。
【0029】焼付きテストは、回転軸に各すべり軸受を
摺擦させ、その中央部bの母線方向領域Bにおける負荷
荷重を漸次増加させることにより行われた。図9は、各
母線方向領域Bが焼付きを発生したときの面圧を求めた
ものである。
【0030】テスト条件は次の通りである。回転軸の材
質  JIS  S48C材に窒化処理を施したもの、
回転軸の回転数  6000rpm 、給油温度  1
20℃、給油圧力  3kg/cm2 、負荷荷重  
1kg/sec 。
【0031】図9から明らかなように、本発明(1)〜
(4)は比較例(1),(2)に比べて優れた耐焼付き
性を有する。これは、中央部bの母線方向領域Bが、四
角錐体状結晶41 の集合体より形成されていることか
らその領域Bの表面積が拡大されて十分な保油性を有す
るからであり、また四角錐体状結晶41 の頂点d側を
優先的に摩耗させて初期なじみ性を良好にすることがで
きるからである。その上、結晶の(h00)面における
配向指数Oeが100%であることによる四角錐体状結
晶41 の硬度向上も焼付き発生面圧を高める一因とな
っている。
【0032】このような効果を得るためには、四角錐体
状結晶41 として、底面積が1.5μm2 以上、1
5μm2 以下、高さが1μm以上、3μm以下といっ
た大きさのものを用いるのが良い。
【0033】図10は、表面層3が、中央部bの母線方
向領域Bを形成すべく、前記と同様の比較的大形で複数
の四角錐体状結晶41 よりなる集合体を有し、また端
部cの母線方向領域Cを形成すべく、前記結晶41 よ
りも小形で、且つ頂点dを摺動面3a側に向けた複数の
角錐体状突起、図示例では四角錐体状結晶42 よりな
る集合体を有する場合を示す。この場合、小形の四角錐
体状結晶42 としては、底面積が1.5μm2未満、
高さが1μm未満といった大きさのものが適当である。
【0034】このように端部cの母線方向領域Cを四角
錐体状結晶42 の集合体より形成すると、その領域C
にも十分な保油性をもたせることができる。
【0035】図11,図12(10,000倍の電子顕
微鏡写真)は、表面層3が、中央部bの母線方向領域B
を形成すべく、上底面eを摺動面3a側に向けた複数の
角錐台状突起、図示例では柱状晶5の先端部を形成する
四角錐台状結晶7よりなる集合体を有する場合を示す。 その外に、表面層3が、中央部bの母線方向領域Bを形
成すべく、複数の四角錐体状結晶41 および複数の四
角錐台状結晶7よりなる集合体を有する場合も本発明に
包含され、これらの場合にも前記同様の摺動特性が得ら
れる。 これらの実施例においては、中央部bの母線方向領域B
の少なくとも一部が四角錐台状結晶7の上底面eより形
成されることから、摺動開始初期より相手部材と上底面
eとの間に油膜を形成させて初期なじみ性を良好にする
と共に安定化させることができる。各実施例において、
端部cの母線方向領域Cも前記同様に四角錐台状結晶等
より形成してもよい。結晶の大、小関係は図10の例に
準じる。
【0036】四角錐体状結晶41 ,42 および/ま
たは四角錐台状結晶7が、中央部bの母線方向領域Bお
よび端部cの母線方向領域Cの一部を形成する、即ち、
四角錐体状結晶41 等が分散状態で存在するものも本
発明に包含される。この場合、各領域B,Cにおける四
角錐体状結晶41 等の面積率は50%以上に設定され
る。
【0037】前記のように優秀な摺動特性を得るために
は四角錐体状結晶41 ,42 および四角錐台状結晶
7の傾きが問題となる。
【0038】そこで、図4,図13に示すように、四角
錐体状結晶41 (または42 )の底面側に、摺動面
3aに沿う仮想面Fを規定し、また四角錐体状結晶41
 (または42 )の頂点dと底面中央部gを通る直線
hが、底面中央部gを通り仮想面Fに垂直な基準線kに
対してなす傾き角をθと規定すると、四角錐体状結晶4
1 (または42)の傾き角θは0°≦θ≦30°に設
定される。 傾き角θが、θ>30°になると、表面層3の保油性お
よび頂点dの優先的摩耗性が低下する。
【0039】四角錐台状結晶7の場合の傾き角θは、図
11,図14に示すように上底面中央部mおよび下底面
中央部nを通る直線pと下底面中央部nを通り仮想面F
に垂直な基準線kとがなす角度として規定される。この
場合にも、傾き角θは、0°≦θ≦30°に設定される
【0040】前記実施例では、表面層を電気メッキ法に
より形成したが、その他の表面層形成方法としては、P
VD、イオンプレーティング、CVD、スパッタリング
等の気相を介する形成方法を挙げることができる。また
摺動面における角錐体状突起等の形成に当っては、化学
エッチング、電気エッチング、気相エッチング(ボンバ
ード処理)等のエッチング法、転写、切削等の機械加工
等を適用することが可能である。
【0041】本発明は、クランクシャフトのジャーナル
部に限らず、コンロッドの大端部等他の軸部材にも適用
される。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、表面層の構造を前記の
ように特定することによって、その表面層の耐焼付き性
を向上させたすべり軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】すべり軸受の分解平面図である。
【図2】すべり軸受用半体の第1例の要部拡大概略展開
図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】中央部母線方向領域の第1例を示す概略斜視図
である。
【図5】中央部母線方向領域におけるPb合金の結晶構
造を示す顕微鏡写真である。
【図6】中央部母線方向領域におけるPb合金結晶のX
線回折図である。
【図7】端部母線方向領域におけるPb合金の結晶構造
を示す顕微鏡写真である。
【図8】端部母線方向領域におけるPb合金結晶のX線
回折図である。
【図9】焼付きテスト結果を示すグラフである。
【図10】すべり軸受用半体の第2例の要部拡大概略展
開図である。
【図11】中央部母線方向領域の第2例を示す概略斜視
図である。
【図12】図11に対応するPb合金の結晶構造を示す
顕微鏡写真である。
【図13】四角錐体状結晶の傾き角測定法を示す説明図
である。
【図14】四角錐台状結晶の傾き角測定法を示す説明図
である。
【符号の説明】
1        すべり軸受 3        表面層 3a      摺動面 41 ,42       四角錐体状結晶(角錐体状
突起)7        四角錐台状結晶(角錐台状突
起)a        クランクシャフトのジャーナル
部(相手軸部材) b        中央部 B        母線方向領域 c        端部 C        母線方向領域 d        頂点 e        上底面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  相手軸部材(a)との摺動面(3a)
    を持つ表面層(3)を備えたすべり軸受において、前記
    表面層(3)は、前記摺動面(3a)の前記相手軸部材
    (a)による摺動面圧が高くなる母線方向領域(B)を
    形成すべく、複数の角錐体状突起(41 )および複数
    の角錐台状突起(7)の少なくとも一方を有することを
    特徴とするすべり軸受。
  2. 【請求項2】  相手軸部材(a)との摺動面(3a)
    を持つ表面層(3)を備えたすべり軸受において、前記
    表面層(3)は、前記摺動面(3a)を形成すべく、複
    数の角錐体状突起(41 ,42 )および複数の角錐
    台状突起(7)の少なくとも一方を有し、前記摺動面(
    3a)の前記相手軸部材(a)による摺動面圧が高くな
    る母線方向領域(B)には前記突起のうち大形のものを
    配設し、前記摺動面(3a)の前記母線方向領域(B)
    を除くその他の領域(C)には前記突起のうち小形のも
    のを配設したことを特徴とするすべり軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009264440A (ja) * 2008-04-23 2009-11-12 Daido Metal Co Ltd 摺動部材

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