JPH04333552A - 高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
めっき鋼板の製造方法に関するものである。
、ホディーの内板あるいは下回り部品、足回り部品等へ
の35〜60kg/mm2クラスの高張力鋼板適用への
期待が高まりつつある。これらの鋼板には、耐食性の観
点から、溶融Znめっきを施すか、あるいは溶融Znめ
っき後合金化処理した合金化溶融Znめっきを施して使
用される必要があるが同鋼板のうちの一つには0.2〜
0.5%のSi、0.03〜0.2%のPの1種又は2
種を含有するものがあり、従来のゼンジマータイプの溶
融Znめっき法においては、めっき前の焼鈍工程等にお
いて、鋼板表面にSiが濃縮したり、鋼板表面が酸化膜
を有しやすいため不めっきを生じたり、また、P、Si
により粒界が強化されやすく合金化が進行しにくいこと
やめっき層中の合金層が局部的に異常発達するなどの問
題があり、未だ実用化されていないのが現状である。
者らが特願平02−271956号で提案中のプレNi
めっき、急速低温加熱を利用した合金化溶融Znめっき
法は、優れた方法であり、通常の鋼板は勿論のこと、0
.2〜0.5%のSi、0.05〜0.2%のPの1種
または2種を含有する本高張力鋼板に適用した場合にも
溶融Znめっき性は大幅に改善され、合金化溶融Znめ
っき化も促進されるが、合金化条件は、従来の方法とほ
ぼ同等であったため、合金化の昇温過程においてSiお
よびPの粒界あるいはめっき層−地鉄界面への拡散が起
こりやすく、部分的な合金化不足、不規則な界面合金層
の異常発達等により、特に加工が厳しい場合においては
めっき密着性が阻害されるため、この鋼種に関しては、
さらに、改良の余地を残していた。そこで、本発明者ら
は、その後、種々検討を続けたところ、本組成範囲の高
張力鋼板にプレNiめっきを施しそれを急速で低温加熱
することに加えて、溶融Znめっきを行った後のワイピ
ング直上で20℃/s以上の昇温速度で急速に合金化温
度まで昇温し、合金化処理することにより合金化速度を
著しく向上させ均一な合金層を有する加工性に優れた合
金化溶融Znめっき鋼板を得ることに成功した。本発明
は上記のように高張力鋼板を用いた加工部のめっき密着
性に優れた高張力合金化溶融Znめっき鋼板の製造方法
を提供するものである。
0.5%のSi、0.03〜0.2%のPの1種又は2
種を含有する高張力鋼板の表面にNiめっきを施し、O
260ppmのH23%+N2雰囲気中で30℃/s以
上の昇温速度で450℃まで急速低温加熱を行い溶融Z
nめっきを施し、ワイピング後、10〜100℃/sの
昇温速度範囲で450〜550℃に昇温し、同温度範囲
で合金化処理を行って合金化溶融めっき鋼板を作成し、
その性能および構造も調査した。その結果、昇温速度2
0℃/s以上で合金化温度に加熱し合金化処理を施した
場合に外観、めっき層組織共に均一であり、めつき密着
性も一段と向上るすることを見出し下記の本発明を完成
したものである。即ち、0.2〜0.5%のSi、0.
03〜0.2%のPの1種または2種を含有する高張力
鋼板にNiプレめっき層を0.2〜2g/m2めっきし
、直ちに非酸化性雰囲気中で板温430〜500℃に3
0℃/s以上の昇温速度で急速加熱を行ったのちAlを
0.05〜0.25%含有するZnめっき浴中で溶融め
っきし、ワイピング後、直ちに20℃/s以上の昇温速
度で470〜550℃に昇温し、同温度範囲で10〜4
0秒合金化加熱処理を行うことを特徴とする加工部のめ
っき密着性に優れた高張力合金化溶融Znめっき鋼板の
製造方法。本発明で言う非酸化性雰囲気とは、無酸化雰
囲気(例えばH2 3%+N2,O2数10ppm)、
あるいは、還元雰囲気(例えばH215%+N2)のこ
とである。
説明する。図1は、合金化の昇温速度と合金化度の関係
を示した図、図2は、合金化昇温速度と加工部のめっき
密着性の関係を示した図である。原板として、Pを0.
07%含有する高張力鋼板(板厚0.8mm)を用いた
。プレNiめっきを0.5g/m2施した後、O260
ppmのH2 3%+N2雰囲気中で板温450℃まで
70℃/secの昇温速度で加熱を行った後、Al0.
15%含有する450℃のZnめっき浴中で3秒間溶融
めっきし、ワイピング直上で昇温速度を変化させて50
0℃まで加熱し同温度で15秒合金化加熱処理を行って
合金化溶融Znめっき鋼板を作成した。合金化度は、外
観およびめっき層中のFe含有率でそれぞれ3ランク評
価した。Bランク以上を合格とした。また、加工部のめ
っき密着性(耐パウダリング性)は、同鋼板を25mm
のカップ絞り成形後、テープテストを行い、その黒化度
により5点法で評価した。また、比較のために、プレN
iめっきなしの場合も示した。各評価基準は次の通りで
ある。
法で溶融めっきを施したのち合金化処理した場合には、
プレNiめっき無しの比較法よりもめっき性、合金化度
共に良好であるが、そのうちでも合金化の昇温速度が2
0℃/s以上の場合に溶融めっき性がさらに良好となり
、合金化も均一になることは明白である。また、図2よ
り、昇温速度が20℃/s以上の場合において加工部の
めっき密着性が優れることも明らかである。さらに、合
金化の昇温速度がたとえ同程度であってもプレNiめっ
き無しの場合にはめっき密着性が極めて劣ることもわか
る。この結果は、Pが0.03〜0.2%の範囲で変化
しても、また、Si O.2〜0.5%の場合も同様
であった。また、図3に溶融めっき前のプレNiめっき
の加熱速度と合金化処理後の加工部のめっき密着性の関
係を示す。図3は、Si O.3%(板厚2mm)の高
張力鋼板にNiめっき層を0.5g/m2めっき後、O
260ppmのH2 3%+N2の雰囲気中で板温45
0℃まで昇温速度を変化させて加熱したのち、Al0.
15%含有する450℃のZnめっき浴中で3秒間溶融
めっきし、ワイピング直上で30℃/sの昇温速度で5
00℃に昇温し15秒合金化加熱処理を行って、合金化
溶融Znめっき鋼板を作成し、加工部のめっき密着性を
調査した結果を示した。本発明のNiめっき後の昇温速
度範囲30℃/sec以上で急速加熱を行った場合に、
めっき密着性が良好であることは図3から明白である。 昇温速度が30℃/sec未満の場合には、密着性が劣
化する。この結果は、Si 0.2〜0.5%の範囲で
変化しても同様であった。さらに、P 0.03〜0
.2%の範囲でも同様の結果であった。さらに、Si、
Pを複合で含有する高張力鋼板についても同様に合金化
の昇温速度およびプレNiめっき後の加熱速度の影響を
調べたところ、同様な結果が得られた。以上の結果は、
Znめっき浴のみの場合について説明したが、さらにめ
っき浴中に合金元素としてNi、Sb、Pbを単独ある
いは複合で0.2%以下微量に含有した溶融Znめっき
浴の場合も結果は同様であった。これらの結果より、本
発明においては、合金化温度への昇温速度が急速である
こと、および溶融Znめっき前の前処理としてのプレN
iめっき後の加熱温度が低温で昇温速度が速いことが、
外観、加工部のめっき密着性の優れた合金化溶融Znめ
っき鋼板を製造する上での大きなポイントである。なお
、Niめっき後の前処理加熱時および合金化時の急速加
熱の方法については特に限定しないが、鋼板を直接通電
加熱する方法、誘導加熱方式など種々の方法が適用でき
る。
レNiめっき付着量を0.2g/m2以上としたのは、
これ以上でNiによる溶融Znめっき性、合金化反応の
向上効果が認められたためである。また、0.2g/m
2未満では、Ni無しの場合とほぼ同等である。上限を
2g/m2としたのは、これを超えると地鉄の合金化が
進みにくくめっき層中にNi含有率が高くなりすぎるた
めである。また、浴中Al量の下限を0.05%とした
のは、これ未満だと合金化処理時において、合金化が進
み過ぎ、地鉄界面にΓ相が生成しすぎ、合金層のめっき
密着性、加工部の耐赤錆性が向上しないためである。ま
た、浴中Alの上限を0.25%としたのはAlが0.
25%を超えると、めっき時においてNi−Al−Zn
以外にFe−Al−Zn系バリヤー層が形成され易く、
合金化処理時において合金化が進まないためである。合
金化処理温度は470〜550℃が最適である。470
℃未満では合金化が進みにくく、550℃を超えると合
金化が進みすぎ、地鉄界面にΓ相が発達しやすくなり、
めっき密着性が劣化する。合金化時間については、合金
化温度とのバランスで決まるが、10〜40秒の範囲が
適当である。10秒未満では合金化が進みにくく40秒
を超えると合金化が進みすぎ、Γ相が発達しやすくなり
、めっき密着性が劣化する。めっき付着量については特
に制約は設けないが、耐食性の観点から、10g/m2
以上、加工性の観点からすると150g/m2以下であ
ることが望ましい。なお、浴温については、Zn浴であ
っても、Znに微量に合金元素を含有した場合であって
も、通常の430〜500℃の条件が使用できる。下地
の高張力鋼板としては、熱延鋼板、冷延鋼板ともに使用
できる。
〜0.2%のPの1種または2種を含有する高張力鋼板
の合金化過程において、合金化の昇温速度の影響が大で
ある理由については、未だ明白ではないが、合金化昇温
速度が速いとSi及びPの地鉄表面(めっき層−地鉄界
面)への表面拡散が小であること、表面酸化も小であり
、めっき層の合金化が進みやすいことが原因と考えられ
る。また、合金層の成長挙動にも合金化時の昇温速度が
大きく影響し、昇温速度が速いと昇温過程の低温で発生
しやすいζ相が成長しにくく、また、地鉄界面の脆い相
であるΓ相の成長が抑制され、合金化溶融Znめっき相
として最適な性能を示すδ1相主体の相が成長しやすい
ことも加工後の密着性の向上に寄与しているものと思わ
れる。 また、前処理段階でのNiプレめっき及び急
速低温加熱の効果については、本発明者らが、先に出願
した特願平02−271956号でも説明したが、Ni
めっきにより、めっき反応の活性点が均一に分布するよ
うになり、均一に合金化反応が進みやすくなるものと思
われる。
ついては、本発明の製造方法で得られためっき層の構造
を解析した結果から推定すると次のように考えられる。 本発明範囲のNiプレめっき後の前処理加熱板温および
昇温速度の場合には、加熱時において、プレNi層の地
鉄中への拡散は殆ど見られないのに対して、従来のゼン
ジマータイブの加熱温度700〜800℃、昇温速度2
0℃/s以下の場合においては加熱時においてNiがほ
とんど地鉄中に拡散しFe−Niの固溶体層に変化する
。また、本発明の加熱条件下では、Ni表面は極めて酸
化されにくい状態に保たれている。すなわち、Niが非
常に活性な状態で保持されているために溶融Znめっき
反応および合金化反応が進行しやすい。この加熱時にお
けるNiの状態の相違が、その後の溶融めっきおよび合
金化処理時において、めっき層構成の差異を引き起こし
ているらしいことが判明した。もう一方の原因は、前述
の合金化昇温時と同様にNiめっき後の急速低温加熱の
ために、地鉄中のSi、Pの表面拡散、および酸化が起
こりにくいことが考えられる。即ち、本発明法は、Ni
プレめっきと急速低温加熱処理、および合金化時の急速
加熱が、それぞれ作用しあって、優れた密着性が得られ
る。
鋼板のめっき層中にはZn、Fe、Ni、Alが比較的
均一に分布しており、Zn−Ni−Al−Fe系4元系
合金層よりなる構造を呈していた。また、地鉄界面のΓ
相も0.8μm以内に薄く抑制されていた。詳細は未だ
明らかではないが、Γ相の成長が抑制され、加工部のめ
っき密着性が向上したのは、加熱時にそのまま残在して
いるプレNi層が溶融めっき時において、Ni−Al−
Zn系のバリヤー層を形成していることが認められたこ
とから、それが、合金化処理の段階においてΓ相成長の
バリヤーとなることが考えれる。また、前述した通り、
合金化時の昇温速度が20℃/s以上と速いことが、鋼
中のSi、Pのめっき層−鋼板界面への拡散および表面
酸化を抑制し、発生する合金層もδ1相主体の相である
ことが、Niの効果と共に作用したものと思われる。一
方、本発明における前処理段階での急速低温加熱は、原
板の材質面からも従来のゼンジマータイプの低速高温加
熱に比較して有利である。例えば、P添加Alキルド高
張力鋼板等においては、急速低温加熱によって、固溶C
量を低くできるため、時効硬化等の材質面の劣化を抑制
可能である。
す。表2が本発明の製造方法および得られた試料の実施
例である。*印が本発明以外の製造法で作成された比較
材である。プレNiめっきは、硫酸酸性浴中で電気めっ
きで行い、昇温速度を変化させて前処理加熱(雰囲気O
260ppm、H23%+N2一定)をおこなった。い
ずれも、浴温450℃、3secで溶融めっきを行い、
ワイピングした後、直ちに昇温速度を変化させて加熱し
、合金化処理を行い、種々のめっき層組成よりなる試料
を作製した。めっき付着量は60g/m2とした。溶融
Znめっき性、合金化溶融Znめっき外観、加工部のめ
っき密着性の評価は前述の試験法、評価基準に従って評
価した。No.1〜25に示す通り、Niプレめっきを
0.2〜2g/m2施し、加熱板温430〜500℃に
昇温速度30℃/sec以上で加熱後、浴中Al 0
.05〜0.25%のめっき浴で溶融めっきし、ワイピ
ング直上で20℃/s以上の昇温速度で合金化温度まで
加熱し、合金化温度470〜550℃で10〜40秒で
合金化処理した本発明の製造めっき鋼板は、溶融Znめ
っき性、合金化度および加工部のめっき密着性に優れる
。 これに比較して、Niプレめっきなしの場合(No.3
8)を含めて、プレNiめっき層の付着量、加熱板温、
昇温速度、浴中Al、合金化の昇温速度、合金化温度、
時間条件が本発明範囲を逸脱する場合(No.26〜3
8)、溶融めっき性、合金化度、加工部のめっき密着性
が劣る。さらに、No.39〜41は、めっき浴中に他
の合金元素を微量に含有する場合であり、この場合にも
優れた性能を示した。
ば高張力鋼板を用いた合金化溶融Znめっき鋼板として
は従来にない溶融めっき性、合金化度、加工部のめっき
密着性等の性能が得られることから、その工業的意義は
極めて大きい。
、
を示した図、
と合金化処理後のめっき密着性の関係を示した図である
。
Claims (1)
- 【請求項1】 0.2〜0.5%のSi、0.03〜
0.2%のPの1種又は2種を含有する高張力鋼板にN
iプレめっき層を0.2〜2g/m2めっきし、直ちに
非酸化性雰囲気中で板温430〜500℃に30℃/s
以上の昇温速度で急速加熱を行ったのちAl 0.0
5〜0.25%含有するZnめっき浴中で溶融めっきし
、ワイピング後、直ちに20℃/s以上の昇温速度で4
70〜550℃に急速昇温し、同温度範囲で10〜40
秒合金化加熱処理を行うことを特徴とする加工部のめっ
き密着性に優れた高張力合金化溶融Znめっき鋼板の製
造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP3130226A JP2526320B2 (ja) | 1991-05-07 | 1991-05-07 | 高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04333552A true JPH04333552A (ja) | 1992-11-20 |
JP2526320B2 JP2526320B2 (ja) | 1996-08-21 |
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ID=15029113
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3130226A Expired - Lifetime JP2526320B2 (ja) | 1991-05-07 | 1991-05-07 | 高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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JP (1) | JP2526320B2 (ja) |
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