JPH06299314A - 界面密着性に優れた合金化溶融Znめっき鋼板の製造方法 - Google Patents

界面密着性に優れた合金化溶融Znめっき鋼板の製造方法

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JPH06299314A
JPH06299314A JP11217193A JP11217193A JPH06299314A JP H06299314 A JPH06299314 A JP H06299314A JP 11217193 A JP11217193 A JP 11217193A JP 11217193 A JP11217193 A JP 11217193A JP H06299314 A JPH06299314 A JP H06299314A
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temperature
plating
plating film
resistance
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Tamotsu Toki
保 土岐
Kazuhide Oshima
一英 大島
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐パウダリング性、耐フレーキング性等の一
般性能と合わせて、耐低温チッピング性および接着接合
性を確保する。合金化時の昇温速度を抑える。 【構成】 Znめっき浴に0.105〜0.3wt%のAl
を添加する。合金化時に420〜650℃の温度域を2
0℃/秒以上の昇温速度で加熱し、鋼板とめっき皮膜の
界面にFeを濃化させる。合金化後のめっき皮膜中のF
e量を7〜15wt%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車、家電製品等の外
装材に適する界面密着性に優れた合金化溶融Znめっき
鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の車体の防錆力向上に対す
る要求が年々高まってきており、特に融雪塩を散布する
北米においてその要求が強い。このような要求に対し、
自動車の車体への表面処理鋼板の導入が進められてお
り、以前は孔あき腐食対策用として例えばフロアパネ
ル、メンバパネル、インナパネル等の内板に表面処理鋼
板が使用されてきたが、前述のような防錆目標の高度化
によって最近ではドア、フード、フェンダ、シルさらに
はピラーパネルといった外板にも表面処理鋼板の使用が
及んでいる。
【0003】自動車の車体に使用される表面処理鋼板と
しては、合金化溶融Znめっき鋼板(以下GA鋼板とい
う)を使用する場合が増えてきている。しかし、GA鋼
板を外板として使用するためには、次の点が問題とな
る。
【0004】塗装されたGA鋼板に対して衝撃が加えら
れると、めっき皮膜が鋼板とめっき皮膜の界面から剥離
し、素地鋼板を露出させることがある。この剥離はチッ
ピングと呼ばれ、低温であるほど塗膜樹脂の応力がめっ
き皮膜に大きく及ぶため、剥離径が大きくなる傾向があ
る。このため、冬期に小石等の衝撃を受けると、めっき
皮膜が比較的容易に剥離し、ここに融雪塩が散布されて
いると、局部腐食を生じ耐食性が著しく低下する。
【0005】GA鋼板の耐低温チッピング性を改善する
手段としては、例えば特開平3−243756号公報に
「チッピングを受ける外面側の皮膜中のFe濃度が5〜
11%、鋼板−めっき界面のΓ相の厚みが1.0μm以
下、めっき層のX線回析のメインピークがξ相である自
動車用GA鋼板」が提示されている。
【0006】一方、最近では表面処理鋼板の接合法とし
て、接着接合法がスポット溶接法に替わって使用され始
めた。これは、スポット溶接にはの問題点があるの
に対し、接着接合法にはの利点があるからであ
る。
【0007】スポット溶接の問題点 溶接チップが亜鉛と合金化するためチップの連続打
点性が冷延板の場合に較べて短かくなる。 スポット溶接の圧痕不良の仕上げ修正が必要とな
る。
【0008】接着接合法の利点 接合部の応力集中が小さいため剛性および疲労強さ
が向上する。 複雑な形状でも接合が容易。 異種鋼板の接合が容易。
【0009】GA鋼板に接着接合法を適用した場合、そ
の剥離が鋼板とめっき皮膜の界面で生じることから、め
っき密着性を改善することが、接着接合性を確保する上
で必要となる。
【0010】GA鋼板のめっき密着性を改善する手段と
しては、成形時の皮膜剥離(パウダリングまたはフレー
キング)を軽減する目的から、合金化温度やヒートパタ
ーンといったGA鋼板の操業条件の影響に関する研究
(日本鉄鋼協会講演大会「CAMP−ISIJ VO
L.1(1988)」がある。また、特開昭64−68
457号公報および特公平2−39585号公報により
提案されているようなめっき皮膜構造、生成形態、組成
等の改善がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
GA鋼板に対する耐低温チッピング性改善策、すなわ
ち、特開平3−243756号公報により提案されてい
る自動車用GA鋼板も、自動車の外板として用いること
ができる程度の耐低温チッピング性は持ち合わせない。
なぜなら、ξ相そのものに、高速の小石が衝突した時に
生じる衝撃エネルギーを吸収する能力が他の合金相より
多くあっても、その違いはわずかであり、その結果、ク
ラックはその下のδ1相を通過し、鋼板とめっき皮膜の
界面に容易に伝播するからである。
【0012】また、皮膜密着性についての改善策は、接
着接合法を適用した場合の自動車外板の界面剥離に対し
て充分な効力を示さない上に、耐低温チッピング性に対
しても効力が小さい。なぜなら、GA鋼板の耐チッピン
グ性とりわけ低温時の衝撃に対する皮膜密着性は、一般
の皮膜密着性とは異なるからである。
【0013】同様の理由から、特開平3−243756
号公報のGA鋼板における鋼板とめっき皮膜の界面の密
着性は、自動車外板に要求される接着接合性を満足しな
い。
【0014】本発明の目的は、耐ブリスター性、耐フレ
ーキング性、耐パウダリング性等の一般性能を低下させ
ずに、自動車外板として適用可能な耐衝撃密着性、とり
わけ低温における耐衝撃密着性、並びに接着接合性を確
保できる界面密着性に優れたGA鋼板の製造方法を提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らのこれまでの
研究によると、GA鋼板の耐チッピング性は、めっき皮
膜の組成に大きく影響され、上層にη相が残存するよう
な皮膜中のFe量が7%未満の低FeGA鋼板では、η
相が衝撃を吸収するため剥離径は小さいが、このη相が
消失するとクラックが鋼板とめっき皮膜の界面まで達
し、界面に沿った剥離の伝播が生じて剥離径が大きくな
る傾向が見られる。
【0016】一方、めっき皮膜中のFe量を増加させ、
鋼板とめっき皮膜の界面にΓ相が形成されたδ1主体の
めっき皮膜とすれば、耐チッピング性が再び回復し、特
にFe量15%以上で自動車の外板として適用可能な耐
低温チッピング性が得られる。
【0017】しかし、一般性能でいえば、めっき皮膜中
のFe量が7%未満では耐ブリスター性および耐フレー
キング性が劣り、15%を超えると耐パウダリング性お
よび犠牲防食能力が低下するため、耐孔あき性等が低下
する。つまり、耐チッピング性の確保に好都合なFe量
では一般性能が犠牲になり、ここにGA鋼板の耐チッピ
ング性を確保することが困難な大きな理由があるわけで
ある。
【0018】また、接着接合性についても、接着剤強度
が大きくなると、チッピングによる剥離界面と同様に剥
離が鋼板とめっき皮膜の界面で生じ、現象は若干異なる
が皮膜中のFe量に対して同様な傾向を示すことを実験
的にも確かめている。つまり、チッピングによる剥離も
接着部の剥離も共に界面密着性が不足することによる問
題である。従って、現状では、高度の接着接合性を確保
することも同様に困難である。
【0019】本発明者らはこれらの難点を解消するため
に、めっき皮膜中のFe濃度勾配に着目し、一般性能確
保の観点からめっき皮膜のFe量を7〜15%に制限
し、鋼板とめっき皮膜の界面のみを高Fe濃度とするこ
とを企画した。即ち、チッピングによる剥離や接着部の
剥離は鋼板とめっき皮膜の界面で起こるため、この界面
を高Fe量とすれば、皮膜中のFe量を多くしなくても
界面剥離を防止でき、耐低温チッピング性および接着接
合性を含めた綜合性能が確保されるわけである。
【0020】そこで、合金化時の昇温速度を変化させて
製造した皮膜中Fe量が同一のGA鋼板を比較したとこ
ろ、昇温速度が大きくなるほど皮膜中のFeの濃度勾配
が大きくなり、高速度で昇温させた場合は低速度で昇温
させた場合に比べて鋼板とめっき皮膜の界面にFe量の
多い合金相が形成されることが確認された。これについ
ては、昇温速度が大きくなると、ξの安定成長が可能な
温度域を短時間で通過するため、ξ相の成長が少なく、
高温で安定なδ1相およびΓ相が直ちに成長するとの報
告がある。
【0021】しかし、合金化時の昇温速度を大きくする
ことによって自動車外板に必要な界面密着性を得ようと
すると、40〜45℃/秒を超える昇温速度が必要とな
る。そのような高速昇温では、例えば無処理の冷延鋼板
をめっき母材に用いた場合、めっき皮膜が一般のGA鋼
板に比べてかなり凹凸化するなどの弊害も認められた。
【0022】そこで本発明者らは、昇温速度の増大によ
る界面密着性の改善効果を更に高める手段として、界面
に凹凸を付与しアンカー効果を持たせることに着目し、
種々の調査研究を繰り返した結果、浴中Al濃度を所定
量以上に高め、その高AlのZn浴によるめっきと、合
金化時の高速昇温加熱との併用により、比較的低速の昇
温加熱によっても界面密着性が著しく改善されることを
知見した。また、高AlのZn浴によるめっきと合わせ
て、母材鋼板の表面を予め研削することも、合金化時の
昇温速度引き下げに有効であることが判明した。
【0023】本発明は上記知見に基づきなされたもの
で、合金化溶融めっき鋼板の製造において、母材鋼板を
浴中Al濃度が0.105〜0.3wt%のZn浴でめっき
をした後、そのめっき鋼板に板温が420〜650℃の
温度領域を20℃/s以上の昇温速度で加熱する合金化
処理を行い、合金化処理後のめっき鋼板のめっき皮膜中
のFe量を7〜15wt%とすることを特徴とする界面
密着性に優れた合金化溶融Znめっき鋼板の製造方法を
要旨とする。
【0024】母材鋼板は、めっきに先立って表面を0.1
〜5g/m2 研削することが可能である。
【0025】
【作用】本発明では、合金化時に高速昇温を行い、高F
e%GAに類似した構造を鋼板とめっき皮膜の界面に与
える。
【0026】高速昇温における昇温速度は20℃/s以
上とする。換言すれば、本発明では昇温速度の下限を2
0℃/sまで引き下げることができる。昇温速度が20
℃/s未満では、耐チッピング性が改善されるほどの高
Fe合金相を鋼板とめっき皮膜の界面に形成するのが難
しい。。
【0027】この高速昇温は、めっき浴を出てワイピン
グ装置を経た直後の初期加熱に用いるものであり、上層
にη相が残存しているめっき材にのみ有効である。これ
は、高速加熱が高速昇温によって初期に形成される界面
合金相を高Fe化するための加熱であるため、合金化の
完了しためっき材では効果がないからである。また、こ
の高速昇温は、限定した温度範囲内で1s以上保持する
ことが密着性改善効果を高める上で望ましい。
【0028】昇温速度の上限については、特に限定する
ものではないが、薄板の加熱で高速昇温を行うには、加
熱電源を高周波領域にも対応させる必要があり電源コス
トの増大を招くこと、また、無研削の鋼板を用いた場合
には、めっき皮膜が凹凸化することなどから、80℃/
s以下、更に好ましくは40℃/s以下で操業すること
が望ましい。
【0029】加熱手段としてはガス燃焼加熱、輻射加
熱、直下加熱バーナー、通電加熱、高周波誘導加熱等の
いずれを採用してもよく特に限定するものではない。
【0030】高速昇温の温度範囲は、板温で420〜6
50℃の範囲内とする。これは、420℃未満では合金
相の形成がわずかしか認められず、650℃を超えると
めっき皮膜の合金化が進みすぎ、耐パウダリング性等の
一般性能を低下させるからである。
【0031】本発明では、合金化処理の初期過程が上記
の条件を満足すれば良く、その後のヒートパターンにつ
いては、所定の合金化度が得られるように通常の加熱処
理対応すれば良く、特に限定するものではない。
【0032】めっき浴中のAl濃度は0.105〜0.3w
t%に限定する。浴中Al濃度が0.105wt%未満で
は、合金化時の高速昇温を併用しても鋼板とめっき皮膜
の界面に凹凸が形成されず、界面密着性の改善が充分で
はない。また、浴中Al濃度が0.3wt%を超えると密
着性の改善効果が飽和するとともに、過度のAlにより
所定の合金化度を得るためには加熱時間の延長、合金化
炉温の上昇、通板速度の低下等が必要となり、操業性が
低下する。
【0033】Alの添加により鋼板とめっき皮膜の界面
に凹凸が形成される理由は、明確には分かっていない
が、大概次のように推定される。鋼板をめっき浴に浸漬
した場合、鋼板とめっき皮膜の界面にFe−Al合金層
が形成される。この合金層は、浴中Al濃度が低い場合
は短時間で消滅し均一なFe−Zn反応へと進行する。
しかし、浴中Al濃度が高くなると、この合金層が局所
的に破壊され、これが鋼板とめっき皮膜の界面の凹凸形
成に寄与すると考えられる。
【0034】合金化後のめっき皮膜中のFe濃度は7〜
15wt%に限定する。めっき皮膜中のFe濃度が7w
t%未満ではめっき表層にη層が残存し易くなり耐フレ
ーキング性が低下する。また、15wt%を超えると耐
パウダリング性が低下する。
【0035】Al以外の添加成分は特に限定せず、例え
ばPb,Sb,Si,Fe,Sn,Mg,Mn,Ni,
Cu,Ca,Li,Ti,ミッシュメタル等の1種また
は2種以上が少量含有されていてもよい。
【0036】次に、母材鋼板の表面研削について説明す
る。
【0037】合金化溶融Znめっきに供する鋼板は、焼
鈍前の段階で表面に鉄より酸化の容易な易酸化性の元素
を濃化させている。それらの元素は焼鈍還元工程を経て
も還元されないため、鋼板はこれらの易酸化性元素を表
面に濃化させたままめっき浴に浸漬され、合金化処理を
受ける。特にSi,P等の元素は鉄の拡散を阻害し、合
金化の遅延をもたらす。そこで、鋼板表面を研削し、こ
れらの元素が濃化した表層を除去し、新生面を露出させ
る。これにより、合金化の工程でめっき皮膜への鉄の拡
散が促進され、界面密着性が更に改善される。
【0038】ここで研削量が0.1g/m2 未満では、密
着性改善効果が少なく、逆に5g/m2 を超えると密着
性改善効果も飽和し、歩留りが低下する。よって、研削
量は0.1〜5g/m2 とする。
【0039】研削手段については特に限定するものでは
なく、ワイヤーブラシ、砥粒入りナイロンブラシ、弾性
砥石ロール等の何れの手段を採用してもよい。
【0040】研削およびその他の必要な前処理を終えた
鋼板は、還元焼鈍炉を経た後、溶融Znめっきを受け、
引き続き合金化処理を受ける。
【0041】鋼板の材質については特に限定するもので
はなく、例えば、C,Si,Mn,P,S,sol.A
l,Ti,Cr,Nb,Cu,Ni等が一般に用いられ
ている範囲で含有されていても、本発明の趣旨を損ねる
ものではない。
【0042】本発明によれば、界面密着性の改善によ
り、自動車外板として使用可能な耐低温チッピング性お
よび接着接合性が得られ、更に、耐フレーキング性、耐
パウダリング性等の一般性能についても優れた性能が得
られる。
【0043】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0044】C:0.002%,Si:0.01%,Mn:
0.25%,P:0.06%,solAl:0.025%,T
i:0.01%の成分組成を有する板厚0.8mmのフルハ
ード冷延鋼板から100×250mmの供試材を採取し
た。これに前処理として溶剤脱脂、Na2 CO3 +Na
OH水溶液中での電解洗浄、水洗および乾燥を順番に行
った。
【0045】また、一部の供試材には、これらの前処理
の前に表面研削を行った。研削は砥粒入りナイロンブラ
シを用い、その回転数を400〜800rpm 、圧下量を
1〜3mm研削回数を5〜20回として、研削深さを種
々に変化させるものとした。
【0046】前処理を終えた供試材には溶融めっきシミ
ュレーターを用いて、5%O2 +N2 −500℃×30
秒の加熱処理を行った後、25%H2 +N2 の雰囲気に
て850℃×60秒の還元焼鈍を行い、引き続いて0.1
02〜0.312%のAlを添加した460℃のZn浴に
てめっきを行った。更に、ワイピング処理にて付着量を
60g/m2 に調整した後、合金化処理を行った。
【0047】合金化処理としては、高周波誘導加熱装置
を用い周波数100kHzで熱処理を行った。ヒートパ
ターンは初期に一定速度で昇温させ、ある温度に達した
時点で加熱を止めるか、更に合金化を進める場合はその
到達温度を保持するものとした。
【0048】合金化処理後の供試材の耐パウダリング
性、耐フレーキング性、耐低温チッピング性、接着接合
性を下記試験により調査した。
【0049】1)耐パウダリング性 供試材を直径60mmの円盤状に打ち抜き、ポンチ直径
30mm、ダイス肩半径3Rの円筒絞り試験を行った
後、外側円筒部のテープ剥離を行い、剥離程度を目視に
より観察して、次の基準により評価した。 (良)◎ ○ △ ×(劣)
【0050】2)耐フレーキング性 供試材を50×230mmに裁断し、ビード付ハット成
形試験(研磨紙#60,クッション圧3ton ,ビード高
さ3mm,成形高さ55mm)に供した後、ビード接触
内壁側をテープ剥離し、その黒化度からフレーキング性
を次の基準により評価した。 ○:使用上問題なし △:剥離がやや多い ×:使用不
【0051】3)耐低温チッピング性 供試材を150×70mmの大きさに切り出し、これに
浸漬式リン酸化成処理、カチオン型電着塗料、中塗り、
上塗りの3コート塗装(合計厚100μm)を行った。
その後、この塗装板を−20℃に冷却保持し、グラベロ
試験機にて直径4〜6mmの砂利石10個をエア圧2.0
kg/cm2 、衝撃速度100〜150km/hrの条
件で衝突させるチッピング試験を行い、剥離径を測定し
た。
【0052】4)耐接着接合性 供試材から25×100mmの大きさの2枚の試料を切
り出し、ライオン油脂製−液エポキシ系接着剤を0.3m
mの厚さに塗布し、重ね代12.5mmで重ね合わせた試
料を焼付け温度180℃で加熱処理した後、剪断引張試
験に供し、その最大剥離強度を測定した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】試験結果を表1〜表8に示す。これらの表
から次のことが分かる。
【0062】Znめっき浴に0.105wt%以上のAl
を添加することにより、鋼板とめっき皮膜の界面に凹凸
が形成され、20℃/sという比較的遅い高速昇温で
も、優れた耐低温チッピング性および接着接合性が得ら
れる。ただし、めっき皮膜中のFe量は、耐パウダリン
グ性および耐フレーキング性を確保するために、7〜1
5wt%とする必要がある。また、Znめっき浴中のA
l量が0.3wt%を超えると、めっき皮膜の合金化が阻
害される傾向が強まる。鋼板表面の研削前処理を併用す
れば、界面密着性が更に向上する。
【0063】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の合金化溶融Znめっき鋼板の製造方法は、合金化時の
高速昇温により、鋼板とめっき皮膜の界面にのみ高Fe
%GAの界面構造を実現し、めっき皮膜中のFe%を適
正に保つので、耐パウダリング性および耐フレーキング
性等の一般性能と合わせて、自動車外板に要求されるよ
うな高度の耐低温チッピング性および接着接合性を確保
できる。しかも、めっきにおいてめっき浴中に適量のA
lを添加したので、鋼板とめっき皮膜の界面に優れた密
着性を与え、高速昇温における昇温速度の低下を可能と
する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合金化溶融めっき鋼板の製造において、
    母材鋼板を浴中Al濃度が0.105〜0.3wt%のZn
    浴でめっきをした後、そのめっき鋼板に板温が420〜
    650℃の温度領域を20℃/s以上の昇温速度で加熱
    する合金化処理を行い、合金化処理後のめっき鋼板のめ
    っき皮膜中のFe量を7〜15wt%とすることを特徴
    とする界面密着性に優れた合金化溶融Znめっき鋼板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 母材鋼板の前処理として鋼板表面を0.1
    〜5g/m2 研削することを特徴とする請求項1に記載
    の合金化溶融Znめっき鋼板の製造方法。
JP11217193A 1993-04-14 1993-04-14 界面密着性に優れた合金化溶融Znめっき鋼板の製造方法 Pending JPH06299314A (ja)

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