JP2512148B2 - 耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は自動車車体、電化製品等に用いられる合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関連し、詳しくは、
溶融亜鉛めっきの後工程である合金化熱処理条件を冷却
条件も含め適正化することにより、加工或は成形時に皮
膜の剥離が起こりにくい、いわゆる耐パイダリング性に
優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法に関す
るものである。
[従来技術] 合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、優れた耐食性と共に塗
装性、塗料密着性及び溶接性等を兼ね備えているので、
自動車や家電製品等に広く且つ大量に用いられている。
このような合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、一般に、次
のようにして製造されている。即ち、冷間圧延された鋼
板を亜鉛めっきライン(以下、CGLと称す)を通すこと
によって連続的に処理するが、先ず前処理のための無酸
化加熱炉を通して鋼の再結晶温度をやや超えた温度に加
熱して焼鈍を行い、次いで450℃乃至500℃まで冷却して
から、溶融した亜鉛の浴中に浸漬することにより亜鉛め
っきを施す。その後、500℃乃至650℃に再加熱し合金化
処理を施す。合金化熱処理の方法としては、このほか
に、めっきラインとは別の熱処理炉を用いて、バッチ方
式で行う方法もあるが、設備コスト、ランニングコスト
共に高くなる問題がある。どちらの方法でも、このよう
な合金化熱処理を受けると、鋼板と亜鉛層との間には合
金化反応が起こり、ζ相(FeZn13),δ1相(FeZn7),
Γ相(Fe3Zn10)と呼ばれるFe-Zn系合金相が順次形成さ
れる。これらのFe-Zn系合金相が皮膜全体に形成される
と、表面には微細な凹凸が形成されるため塗装性或は塗
料密着性が改善され、しかも皮膜中に鉄を含むため溶接
性も向上する。ところが、Fe-Zn系合金相は下地鋼板よ
りも硬度が高く、しかもζ相、δ1相、Γ相の順に脆弱
になっていくために、プレス成形等の加工を受けると皮
膜が粉状となって剥離するいわゆるパウダリング現象が
起こり易くなる。パウダリングが起こると皮膜の健全性
が損なわれるばかりでなく、剥離した粉がプレスの成形
型に堆積しプレス部品に疵を付けるなどの弊害が生じた
りする。近年、特に自動車車体の耐食性強化に対する要
求から、厚目付合金化溶融亜鉛めっき鋼板の採用が検討
されているが、上述したパウダリング現象は皮膜の付着
量が増加するにつれて急激に起こり易くなるため、耐パ
イダリング性の向上に対する要求は益々強くなってい
る。
このような耐パウダリング性の改善対策として、合金
化熱処理温度を低くして加熱時間を増す方法、めっき浴
中のAlの添加量を増やす方法、めっき浴の温度を下げる
方法等が報告されている。即ち、これらの方法は、合金
化反応を遅らせることによって、過度の合金化を避けて
皮膜の主成分を比較的軟質のζ相とδ1相とにするもの
である。確かに、被膜中のFe含有率を8%未満とし皮膜
を軟質化すると、耐パウダリング性は改善される。しか
し、このような皮膜では、プレス成形時に工具との摺動
によって、フレーキングと称する片状剥離を起こし易く
なり、パウダリングと同様の問題を惹起する。
従来、自動車用鋼板に要求されてきた諸特性には、耐
食性の他に、耐パウダリング性や耐フレーキング性も含
めたプレス成形等の加工性、化成処理性や塗料密着性等
の塗装性、溶接性等があり、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
では、これらの諸特性をある程度満足させる合金化度は
Fe含有率が8%乃至14%程度で、めっき皮膜がδ1相を
主体とするのものであると言われている。上記の方法を
用いて、フレーキングが発生しない程度にFe含有率が増
すためには、合金化熱処理温度を低下した場合は勿論、
Alの添加量増加やめっき浴温低下の場合でも、ラインの
長さを増加したり或はライン速度を低下したりしなけれ
ばならず、改善の度合いに較べ生産性低下の度合いが大
きすぎる。
一方、合金化の度合いを一定の範囲内に制御すると耐
パウダリング性が向上するとの見解があり、例えば特開
昭62-290894号では、被膜中のFe含有率を15乃至40%に
限定する方法が提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、この方法で製造された皮膜は耐食性及
び化成処理性が劣り、したがってこの合金化溶融亜鉛め
っき皮膜の上に、更にFe,Zn,Ni,Co,Sn,As等のめっき皮
膜を付す等の特殊な処理を必要とするので、設備的にも
又資材的にもコスト高となることが避けられないという
問題を残している。
この発明は、このような問題を解決するためになされ
たもので、皮膜のFe含有率を8wt%以上14wt%以下に保
ちδ1相を主体にした皮膜とし、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板が持つ種々の優れた特性を維持したまま、合金化後
の冷却過程も含め合金化熱処理条件を制御することによ
って、耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
[課題を解決するための手段帯及び作用] この目的を達成するための手段は、通常のめっき浴即
ちAlを0.05wt%以上0.30wt%以下Pbを0.20wt%以下残部
がZnおよび不可避的不純物からなる溶融亜鉛めっき浴に
鋼板を浸漬し、引き続き連続的に合金化熱処理を行う合
金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、合金化熱
処理の加熱及び冷却条件を次のように限定する。
即ち、合金化熱処理中の最高到達温度を450℃以上525
℃以下とし、めっき皮膜中のFe含有率が8wt%以上14wt
%以下となるように所定時間加熱した後、25℃/秒以上
の冷却速度で急冷し、その後、250℃以上350℃以下の間
の温度Tまで再加熱し且つこの温度Tで適正な時間均熱
することが重要であるが、この適正な均熱時間tは
(1)式で示される時間である。そしてこの均熱処理工
程を経た後最終冷却を行う耐パウダリング性に優れた合
金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
2.8×10-4×exp{5840/(T+273)}≦t≦300……
(1) 但し、T:再加熱温度(℃) t:再加熱温度Tにおける均熱時間(秒) 更に、再加熱及び均熱処理については、温度Tまでの
再加熱及び均熱処理を、前記急冷に引き続いて同一処理
ラインで連続的に行ってもよく、又、前記急冷後に合金
化溶融亜鉛めっき鋼板半製品を、別の熱処理ラインに移
して連続的に行ってもよい。
以下に、詳細にその作用とともに説明する。
この発明を実施するためには、通常の方法で製造した
酸洗(熱延)コイル或は冷延コイルをCGLに通板し亜鉛
めっきを施すが、CGL通板前に脱炭や材質改善を目的と
したバッチ焼鈍等の前処理を施してもよい。
亜鉛めっき浴中には、通常Fe-Zn合金化反応の抑制を
目的としてAlが、又非合金化材のスパングル調整を目的
としてPbが各々添加されている。浴中のAl含有量が0.05
wt%未満ではFe-Zn合金化反応の抑制効果が不十分で、
合金化の加熱時に過度に合金化し易くなり、一方、0.3w
t%を超えると抑制効果が過度になるので、加熱温度や
加熱時間等他の条件が厳しくなりFe-Zn合金化反応の不
均一性が助長され、パウダリング性を劣化させることに
なる。したがって、Alの添加量範囲は0.05wt%以上0.3w
t%以下とする必要がある。
Pbは合金化材を製造する場合には積極的に添加する必
要はないが、非合金化材と合金化材とは同一のCGLを用
いて製造することが一般的で、常時亜鉛浴中に含まれて
いる。Pbの合金化反応への影響はすくないが、浴中に過
度に含有する場合は、パウダリング性を劣化する方向に
作用するので、上限を0.2wt%とする。
上記の浴で亜鉛をめっきされためっき鋼帯は、めっき
皮膜の付着量を調整された後、Fe-Zn合金化のため合金
化炉に導かれ、加熱処理を受ける。この加熱処理が一連
の合金化熱処理のなかで最も高温となる工程で、ここで
は、450℃以上で525℃以下の温度に加熱する。この場合
加熱温度に合わせ保持時間を制御して、めっき被膜中の
Fe含有率が8wt%から14wt%の範囲になるように合金化
する。このとき、525℃よりも高い温度に加熱するとΓ
相が成長し易くなり、耐パウダリング性が劣化する。他
方、450℃以下の温度では、合金化完了までに長時間を
要し生産性の低下を来す。合金化の度合いを一定範囲に
限定するのは、Fe含有率が8wt%未満では、前述したよ
うに、工具との摺動によりフレーキングが発生し易くな
り、14wt%を超えると耐パウダリング性が著しく低下す
るためである。
合金化の完了とともに鋼帯を急冷する。この冷却過程
では合金化反応とめっき皮膜内での原子拡散による皮膜
の均質化とが起こるが、未だ温度の高い時点では前者が
優先し、温度の下がってきた時点では後者即ち均質化が
優先する。しかし、前者は皮膜の厚さ方向の不均質性を
助長し、均質化効果を削減してしまうので、この合金化
反応の進行を抑制するために、均質化を期待することな
く短時間で冷却してしまう。25℃/秒の冷却速度で急冷
すれば、合金化反応の進行を実質的に抑制することが出
来る。
発明者らは、合金化過程と合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の耐パウダリング性との関係をつぶさに調べ、その結
果、適正な合金化熱処理サイクルを選択することによっ
て耐パウダリング性が改善されることを見出した。即
ち、加熱によって合金化が完了した後の合金化溶融亜鉛
めっき鋼板を比較的低温に再加熱し均熱処理を施すと、
耐パウダリング性が向上する。この再加熱及び均熱処理
について、第1図及び第2図を用いて説明する。第2図
で、(a)図は均熱処理サイクルで、縦軸は温度、横軸
は時間である。は503℃まで加熱昇温して8秒間で合
金化を完了させ、25℃/秒の冷却速度で室温まで冷却し
たものである(図示せず)。乃至はを300℃に再
加熱し時間を変えて均熱処理したもので、均熱処理時間
は各々、は5秒、は10秒、は15秒、は30秒、
は300秒である。(c)図は、これらの合金化熱処理鋼
板についての耐パウダリング性を調べた結果で、後に説
明する深絞り試験による剥離量でその結果を示してい
る。この剥離量は、、、、、、、の順序で
少なく、300℃の再加熱により耐パウダリング性が改善
されることを示し、更に、均熱時間の長いもの程その改
善効果が大きくなっている。
このように耐パウダリング性が改善された理由につい
ては、以下のように説明することが出来る。前述したよ
うに、溶融亜鉛めっきを施した後合金化の加熱処理を行
うと、下地鋼板と亜鉛層との間に合金化反応が起こり、
Fe-Zn系合金相が形成される。しかしながら、急速加熱
急速冷却熱サイクルでは、Fe-Zn系合金相が不均一に発
達し易く、又形成される合金層は組成的或は結晶構造的
に平衡状態からずれたものである。このような不均質な
合金層を加工すると、部分的にめっき皮膜剥離が起こり
に易くなり耐パウダリング性が劣ることになる。ところ
が、急冷により不均質に固定されためっき皮膜に、合金
化が進行しない即ち被膜中のFe含有量が増加しない条件
で、再加熱処理を施すと被膜内で原子の拡散が起こり皮
膜構造が均質化される。このため、300℃に再加熱し時
間をかけて均熱処理を施したものでは耐パウダリング性
が改善されたのである。
以上の知見に基づき、再加熱処理条件と耐パウダリン
グ性との関係を詳細に調べた。その結果を第1図に示
す。図で、縦軸は再加熱温度、横軸は均熱時間、数字は
耐パウダリング性改善率である。耐パウダリング性の改
善率は、再加熱処理を施さないものを基準とし、 P=100−(P1/P0)×100、 によって求めた値である。但し、基準の合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の剥離量をP0,対象合金化溶融亜鉛めっき鋼
板の剥離量をP1とする。図で、改善率が10%以上となる
点は点A,B,C,Dで囲まれた範囲内に分布している。言い
換えると、10%以上の改善を期待するならばこの範囲内
の条件で再加熱処理を行えばこれをを実現することが出
来る。この範囲について、再加熱温度の上限は直線ABで
350℃、下限は曲線ACDである。又、同じく、均熱時間の
下限は曲線ACDであるが、上限は実用上の観点から実験
を打ち切った300秒である。そして、曲線ACDは次の式で
近似することができる。
t=2.8×10-4×exp{5840/(T+273)}…(2) この調査結果に基づいて、合金化反応を進行させない
再加熱温度の上限は350℃、実用的に均質化効果の得ら
れる再加熱温度の下限及び均熱時間の下限は(2)式で
表され、均熱時間の上限は非常に大きいものと考えられ
るが、実用上300秒とする。以上をまとめると、250℃以
上350℃以下の再加熱温度で、(1)式の範囲内の時間
均熱処理を施すことによって、耐パウダリング性は10%
以上改善される。
2.8×10-4×exp{5840/(T+273)}≦t≦300…
(1) 但し、Tは再加熱温度(℃) tは再加熱温度Tにおける均熱時間(秒)であ
る。
なお、均熱時間の上限が大きいことから、再加熱直前
のめっき皮膜温度は350℃以上であればよく、したがっ
て、合金化の加熱処理後の急冷に引き続いて再加熱処理
を同一ラインで施す場合は、350℃まで急冷すればよ
い。又、再加熱処理を別ラインで行えば、CGLの生産性
を高めることも可能である。
[実施例] 実施例1 板厚0.85mm、幅200mmの冷延コイルを連続溶融亜鉛め
っきラインに通板し、条件を変えて再加熱処理を行い、
耐パウダリング性を評価した。
用いた冷延コイルの鋼種は三種でこれらの組成を第1
表に示す。
浴温458℃、組成0.10wt%Al-0.03wt%Pb-0.04wt%Fe
−残部Znのめっき浴に465℃の鋼帯を連続的に浸漬し、
めっきを付着した。めっき浴から出た鋼帯について、ガ
スワイピングにより付着量を60g/m2に調整し、引き続き
合金化熱処理を行った。合金化熱処理では、510℃で10
秒間加熱し合金化を完了させ、30℃/秒の冷却速度で20
0℃まで冷却し、水冷後引き続き同一ライン内の加熱炉
で再加熱処理を施した。なお、合金化完了後30℃/秒の
急冷で室温近くまで冷却し再加熱処理を行わなかった従
来例と、再加熱温度T或は均熱時間tが発明の範囲から
外れた比較例とについて、他の条件を同じくして試験を
行い比較した。耐パウダリング性の評価は深絞り試験に
よって行った。この試験機の要部を第3図に示す。図で
1は試験片、2はダイス、3はポンチ、4は皺抑えであ
る。ポンチ3の径50mm、ダイス2の肩は5Rで、径100mm
の円盤に打ち抜いた試験片をダイス2と皺抑え4との間
に挟んで押さえ、ポンチ3を押し込み絞り加工を行っ
た。加工後、めっき層に粘着テープを張り付けこれを引
きはばすことによって、めっき皮膜の密着力の小さい部
分が引きはがされて剥離した。剥離量は、成形前の試験
片重量と成形に引き続きテープ剥離を適用した後の試験
片重量との差から求めた。なお、同時に絞り加工時に発
生するフレーキングについても観察した。又、剥離量に
ついては、鋼種別に、合金化熱処理パターンAの従来例
を基準として改善率を算出し評価の比較を行った。これ
らの結果を第2表に示す。
実施例、比較例、従来例とで、めっき被膜中のFe含有
率はほぼ変わらないが、改善率には明確に相違があり、
実施例では改善率が20%を超えたが、比較例では数%に
とどまっていた。しかも、この効果は用いた鋼種の全て
について得られており、再加熱処理によって得られた効
果であることが明瞭であった。なお、フレーキングは何
れの試験でも発生していなかった。
実施例2 第1表に示す(ろ)の原板組成の合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板(CGL製品、板厚0.8mm、幅930mm)をめっきライ
ンとは別の熱処理ラインに通板し、種々の条件で合金化
熱処理を行い、耐パウダリング性を評価した。
なお、この合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、浴温462
℃、組成0.11wt%Al-0.07wt%Pb-0.05wt%Fe−残部Znの
めっき浴に470℃で連続的に浸漬され、付着量を75g/m2
に調整されたもので、合金化処理は490℃で18秒間加熱
後、平均冷却速度28℃/秒で200℃まで急冷され、その
後水冷されたものである。耐パウダリング性の評価は深
絞り試験により、実施例1と同様に行った。なお、フレ
ーキングについての観察及び剥離量について改善率の算
出も同様に行った。改善率の算出は、再加熱を行わない
従来例を基準とした。その結果を、比較例及び従来例と
ともに、第3表に示す。
実施例では十数%から二十数%の改善率が得られた
が、再加熱温度の低すぎる試験No.6、再加熱時間の短か
過ぎる試験No.7及び再加熱温度の高過ぎた試験No.8らの
比較例では数%の改善率にとどまっていた。なお、フレ
ーキングは何れの例にも発生していなかった。
実施例3 第1表に示す(い)の組成の冷延鋼板(板厚0.85mm、
幅200mm)をCGLに通板し、種々の条件で合金化熱処理を
行い、耐パウダリング性を評価した。
CGLにおけるめっき条件は、めっき浴への鋼板侵入温
度465℃、浴温460℃、浴組成は0.11wt%Al-0.07wt%Pb-
0.05wt%Fe−残部Znであり、付着量を75g/m2に調整し
た。合金化の加熱処理とこれに続く急冷の冷却速度を変
えたが、250℃まで急冷し、引き続いて再加熱処理を行
った。耐パウダリング性の評価は深絞り試験により、実
施例1と同様に行った。なお、フレーキングについての
観察及び剥離量について改善率の算出も同様に行った。
改善率の算出は、合金化の加熱及び急冷条件が同じで再
加熱だけ行わない従来例を基準とした。その結果を、比
較例及び従来例とともに、第4表に示す。
実施例では二十%前後の改善率が得られ、フレーキン
グも発生していなかった。比較例の最高到達温度の高過
ぎた試験No.4では、耐パウダリング性が改善はされてい
るが、深絞り剥離量155mgと高い。又、合金化の加熱処
理温度が低くし或は加熱処理時間の短かくしてめっき被
膜中のFe含有率を下げた試験No.5或は試験No.6は、深絞
り剥離量は少ないがフレーキングが発生した。更に、合
金化の加熱処理に引き続いて行った急冷の速度が小さい
試験No.7では改善率が十分ではなかった。
[発明の効果] 以上述べてきたように、この発明では溶融亜鉛めっき
鋼板のめっき皮膜を合金化するに際して、適正な鉄含有
率を得た後急速に冷却し、その後、合金化が進まず合金
めっき層の均質化が行われる温度帯で適正時間再加熱処
理を行う。このため得られる製品は、耐食性や塗装性、
溶接性を損なうことなく、耐パウダリング性が改善さ
れ、且つ、フレーイングも発生することのない加工性に
優れたものになる。自動車用鋼板等、耐食性に加えて益
々厳しい加工性が要求される産業分野において、このよ
うに優れた加工性を持つ合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製
造を可能としたこの発明の効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は作用を説明するための均質化条件と耐パウダリ
ング性改善率の関係を示す図、第2図は作用を説明する
ための再加熱処理サイクルと耐パウダリング性との関係
を示す図、第3図は深絞り試験機主要部の概要図であ
る。 1……試験片、2……ダイス、3……ポンチ、4……皺
抑え。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−88751(JP,A) 特開 昭61−207560(JP,A) 特開 昭61−223174(JP,A) 特開 昭53−73431(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A1を0.05wt%以上0.30wt%以下Pbを0.20wt
    %以下残部がZnおよび不可避的不純物からなる溶融亜鉛
    めっき浴に鋼板を浸漬し、引き続き連続的に合金化熱処
    理を行う合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法におい
    て、合金化熱処理の最高到達温度を450℃以上525℃以下
    とし、めっき皮膜中のFe含有率が8wt%以上14wt%以下
    となるように所定時間加熱した後、25℃/秒以上の冷却
    速度で急冷し、その後に250℃以上350℃以下の間の温度
    Tまで再加熱しこの温度Tで式(1)に示される時間t
    だけ均熱処理を行うことを特徴とする耐パウダリング性
    に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 2.8×10-4×exp{5840/(T+273)}≦t≦300…
    (1) 但し、T:再加熱温度(℃) t:再加熱温度Tにおける均熱時間(秒)
  2. 【請求項2】温度Tまでの再加熱及び均熱処理を、前記
    急冷に引き続いて同一処理ラインで、連続的に行う請求
    項1記載の耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛め
    っき鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】温度Tまでの再加熱及び均熱処理を、前記
    急冷後に合金化溶融亜鉛めっき鋼板半製品を別の熱処理
    ラインに移して、連続的に行う請求項1記載の耐パウダ
    リング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
    法。
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