JPH01177349A - 超深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

超深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JPH01177349A
JPH01177349A JP143888A JP143888A JPH01177349A JP H01177349 A JPH01177349 A JP H01177349A JP 143888 A JP143888 A JP 143888A JP 143888 A JP143888 A JP 143888A JP H01177349 A JPH01177349 A JP H01177349A
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steel sheet
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宮原 征行
Satohiro Nakajima
中島 悟博
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明はプレス加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼
板を製造する方法に係り、より詳細には、熱間圧延鋼板
を原板とし、冷間圧延することなしに溶融亜鉛めっきし
て成形加工性及び耐縦割れ性に優れた溶融亜鉛めっき鋼
板を製造する方法に関するものである。 (従来の技術) 近年、自動車等の車体或いはその構造部材には溶融亜鉛
めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板が多く使用され
るようになってきた。これらの用途では、形状が複雑で
あるため、プレス加工時に鋼板が厳しい加工を受けるこ
とから、成形性の優れた溶融亜鉛めっき鋼板或いは合金
化溶融亜鉛めっき鋼板が要求されることになる。 従来、このような用途に供される合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の製造法としては、熱延鋼帯を冷間圧延に付した後
、そのまま或いは再結晶焼鈍を施した後、連続合金化溶
融亜鉛めっきライン(以下。 「亜鉛めっきライン」と称す)に通板して浸漬めっき及
び合金化処理を行う、いわゆる冷延鋼板を原板とした鋼
板の製造法が通常の方法である。 しかし、最近では、需要家側からコストダウンの要請が
強まり、加工性に優れ且つ安価な溶融亜鉛めっき鋼板や
合金化溶融亜鉛めっき鋼板が求められている。このため
、冷延鋼板を原板とすることに代えて、熱延後酸洗する
が、冷間圧延やこれに続く再結晶焼鈍を施すことなく、
直接亜鉛めっきラインへ通板する方法、すなわち、製造
工程の一部を省略して製造コストを低減する方法が検討
され、一部で実用化されている。 しかし、従来、熱延鋼板を冷間圧延することなく直接亜
鉛めっきラインへ通板して得られる熱延原板溶融亜鉛め
っき鋼板は、板厚が3 、2 mm以上の比較的板厚の
厚い鋼とか、或いは加工性がそれ程厳しくない用途に限
られて使用されているにすぎず、板厚が薄く且つ加工性
の優れた熱延原板溶融亜鉛めっき鋼板はこれまであまり
製造されていない。 そこで、このような板厚が薄く且つ加工性の優れた熱延
原板溶融亜鉛めっき鋼板及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の製造法については種々改善が試みられているが、未だ
有効な方法が見い出されていない。 (発明が解決しようとする課題) 一般に1合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するには、第
1図に一般的な熱サイクルを示すように、亜鉛めっきラ
インにおいて、まず酸化雰囲気中で加熱均熱され、次い
でめっき層の密着性を高めるために溶融亜鉛温度(46
0℃)程度に還元雰囲気中で保持した後、溶融亜鉛めっ
き浴中に浸漬される。この場合、加熱均熱過程では、再
結晶焼鈍或いは軟質化を目的として、約700〜850
℃に保持されるのが通例である。更に製品の塗装密着性
を目的として合金化処理を行う場合には、溶融亜鉛めっ
き後、更に鋼帯は約500〜700’Cに加熱される。 上記溶融めっきラインは冷延鋼板を対象に設備設計され
たものであり、対象鋼板の昇温ラインを含んでいるから
、元々加工組織が残っておらず、したがって焼鈍を行う
必要のない熱延鋼板であっても、設備稼働上必然的に昇
温を受けることとなる。 なお、格別の観点から見た場合においても溶融めっきの
密着性を確保するには亜鉛の溶融温度(約460℃)以
上に予熱しておく必要もあり、更に合金化処理を行う場
合にも良好な塗装密着性及びめっき層の加工性を得るた
めに亜鉛めっき中の鉄濃度を適正な値に制御しなければ
ならず、このためにも約550’C以上の鋼帯の加熱が
必要であり、いずれにせよ、原板の再加熱処理は不可避
のプロセスとなっている。 しかるに、例えばCが0.005〜0.05%程度でT
i、Nb等の炭化物形成元素を含まないAQキルド熱延
鋼板に上記のような熱処理を施すと、熱延・巻取り後の
徐冷過程で鋼中に十分析出したセメンタイトが昇温によ
って再固溶するという現象が生じる。このような炭素の
再固溶が行われた鋼は、溶融めっきラインを通過する過
程で、特にその後半工程においてかなりの急速冷却を受
けるため、再固溶されている炭素を再び十分に析出させ
ることは容易でなく、再固溶された炭素は大部分が固溶
した状態で鋼中に残存するのである。このため、熱延・
巻取り後の鋼板と、溶融めっき後の鋼板についてそられ
の特性を比較すると、後者の降伏強度は上昇し、伸びが
大幅に低下する。同時に後者の時効指数が高くなり、時
効によって機械的性質が劣化する。これらの原因が総合
的な影響を与える結果、鋼の成形加工性が大きく低下す
るという問題を生ずる。 このような問題を解消するために鋼中のC含有量を極め
て低く制御し且つTi、Nb等の炭化物形成元素を添加
して残留Cを固定することが考えられる。このようにし
て得られる鋼板中のCは、熱延鋼板の段階でTiC,N
bCとして析出しており、これらの炭化物は溶融めっき
ラインの加熱均熱工程においても殆ど再固溶しない工し
たがって、溶融めっきライン通板後の材質及び加工性の
劣化は防止される。ところが、このように固溶Cが存在
しない鋼の場合は、結晶粒界の強度が弱くなる結果、成
形加工後に1#撃荷重が加わったり、或いは低温での変
形を行ったりしたときに脆性破壊を生ずる、いわゆる「
縦割れ現象」を発生するおそれがあり、この種の鋼板を
強度部材として用いた場合、特に問題となる。更に、熱
延鋼板の耐縦割れ性が優れていても、溶融亜鉛めっきを
施した場合、亜鉛めっきラインでの銅帯の加熱温度によ
っては耐縦割れ性が大幅に劣化することがある。 従来、前記のように鋼中のCを極力抑制し、Ti、Nb
等により鋼中のCを固定し、熱延鋼板の加工性を向上さ
せる方法は種々提案されている。 例えば、特開昭49−134509号、同61−738
36号、同50−141517号などがあるが、これら
はいずれも熱延鋼板の加工性に関するものであり、前記
のような溶融亜鉛めっきライン通板による材質の変動に
ついては何ら考慮されていない。 以上のように熱延鋼板を原板として溶融亜鉛めっき鋼板
を製造する場合には、亜鉛めっきラインで溶融亜鉛めっ
きを行うことによる引張り特性の劣化(降伏点の上昇、
伸びの低下)、及びこれを抑えるために製品段階で鋼中
に固溶するCを低減すること、更にほこのような鋼を亜
鉛めっきラインで溶融亜鉛めっきを施すこと等による耐
縦割れ性の劣化と云った種々の問題点があり、これらを
解決するだの手段については何ら提案されていなかった
・ これに対し、本発明者らは、まず、亜鉛めっきラインで
の溶融亜鉛めっきによる引張り特性の劣化に対し、特願
昭62−11107号にて、鋼中のC含有量を30pp
m以下とするか、或いは鋼中のC含有量を90pp+m
以下とし、Ti、Nb等の炭化物形成元素の添加により
Cを固定し、鋼中に固溶するCを30ppm以下とする
ことを提案した。 また、特願昭62−62063号では、Cを低減し、T
i、Nbを添加し、鋼中の固溶Cを低減することに加え
て、特に亜鉛めっきラインでの溶融亜鉛めっき処理によ
る耐縦割れ性の劣化を抑制するためにBを添加すること
を提案した。 本発明は、上記両提案で得た知見に基づき、優れた引張
り特性を有しつつ、更に耐縦割れ性を向上し、より厳し
い加工を加えられる用途へも供給できる超深絞り用溶融
亜鉛めっき鋼板を安定して製造し得る方法を提供するこ
とを目的とするものである。 (課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者らは、鋼の組成、製
造プロセス条件等について鋭意研究を重ねた結果、C,
N、S、Tiの含有量の調整、特に鋼中のCを固定する
のに有効なTi量を規定して成分バランスを図ることに
より溶融亜鉛めっきによる引張り特性の劣化を効果的に
防止でき、更にこのような成分調整のもとで熱延後の巻
取温度並びに亜鉛めっきラインでのめっき前予熱温度を
コントロールすることにより耐縦割れ性を著しく向上で
きることを知見し、ここに本発明をなしたものである。 すなわち1本発明に係る超深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法は、要するに、必須元素として、C:0.0
010〜0.009%、S : 0.015%以下、N
:0.0010〜0.0040%と、必要に応り、テB
:0.0005〜0.0045%を含み、更にTiを次
式(1)〜(3)で与えられる条件を同時に満足するよ
うに必須元素として含む鋼を、熱間圧延後、ms温度6
20℃以下でコイル状に巻取り1次いで冷間圧延をせず
に溶融亜鉛めっきを施すに際し、溶融亜鉛めっきライン
における銅帯の最高加熱温度を460〜730℃とする
ことを特徴とするものである。 Ti量−0.0030〕・・・(1)TiS2.08%
      ・・・(1)Tl:11中のCを固定する
のに有効なTi量Ti量 以下に本発明を更に詳細に説明する。 まず、本発明の第1の目的である亜鉛めっきラインでの
″合金化溶融亜鉛めっき処理による”(以下、単に″亜
鉛めっきによる″と呼ぶ)引張り特性の劣化を抑制する
ためには、上記のような亜鉛めっき前の予熱或いは合金
化処理による加熱によるセメンタイトの再固溶及び冷却
後の固溶状態での残存を抑制することが主眼となるため
、C5N、S、Tiの含有量の調整が問題となる6そこ
で5本発明者らは、鋼中における上記成分含有量の最適
バランスを調べるため、これらの成分バランスと溶融亜
鉛めっき前後の引張り特性との関係を調査した。 第1表に示す化学成分を有する鋼を溶製し、連続鋳造に
よりスラブとし、更に熱間圧延を施して板厚2.0++
u++に仕上げ、コイル状に巻取った。仕上げ温度は9
10〜920℃、巻取り温度は570〜590℃であっ
た。この熱延鋼板を酸洗後。 亜鉛めっきラインにより溶融亜鉛めっき処理を行った。 めっき前の予熱温度は700℃である。 亜鉛めっきラインでの通板前後で圧延方向よりJISS
号試験片を採取し、機械的性質を調査した。 ここで、Tiは熱延前のスラブ加熱段階でもTiN、T
iCとして析出することが知られており、この場合、T
iN、TiCとして析出したTiはその後の冷却過程で
はCを固定することはないと考えられる。したがって、
鋼中のCを固定するのに有効なTi量(以下、Tiと定
義する)は。 で表わすことができる。したがって、実験により得られ
た結果について、横軸として、鋼中CからTi量により
TiCとして固定され得るCを差し引いた値C”(すな
わち、鋼中CとTiのバランスにN、S:iを加味した
値)を C”=C−−Ti と定義し、このC*と降伏点及び伸びとの関係を第2図
に示す。
【以下余白】
第2図より、C*が低い鋼Nnl及びHa IIでは亜
鉛めっきによる引張り特性の変化は小さいが、C”が高
い鋼hm及びNα■では亜鉛めっきにより降伏点が上昇
し、伸びが低下しており、亜鉛めっきによる引張り特性
の劣化はC*を0.0030%以下にすることにより抑
制し得ることがわかる。 換言すれば、Tiで示される有効Ti量が原子量論的に
C量から0.003%を差し引いた量より多ければ(次
式(1))、亜鉛めっきによる引張り特性の劣化を抑制
し得ることが判明した。 Ti上−0.0030) ・(1) 但し、 次に、本発明の第2の目的である耐縦割れ性の向上のた
めに、本発明者らは、前記(1)式を満足する鋼を用い
て熱延後の巻取り温度、亜鉛めっきラインでのめっき前
予熱障度及びBの添加と耐縦割れ性の関係を調査した。 実験では、第2表に示す化学成分を有する鋼を溶製し、
連続鋳造によりスラブとし、仕上げ温度910〜930
℃にて板厚2.0m@に熱間圧延した後、コイル状に巻
取った。この熱延鋼板を酸洗後、亜鉛めっきラインによ
り溶融亜鉛めっきを行った。 第3表に熱延後の巻取り温度、めっき前予熱温度を示す
。 亜鉛めっきラインの通板前後で鋼板のサンプリングを行
い、耐縦割れ性を調査した。なお、縦割れ試験としては
、145n+mφのブランクを打ち抜き、平底円筒絞り
成形(絞り比:2.3)を行い、その後旋盤にて耳落し
加工を施し、最終絞り比:2゜0相当のカップ状成形品
を作製し、−130℃〜0℃で10分間保持した後、円
錐ポンチにて穴拡げ加工を行った。各保持温度毎に3〜
5個のカップ成形品を供試し、縦割れ(脆性割れ)発生
率50%の時の温度を遷移温度とした。
【以下余白】
第3図に熱延後の巻取り温度(以下、単に巻取り温度と
いう)と縦割れ遷移温度との関係を示す。 同表かられかるように、鋼NQA、Bともに巻取り温度
が620℃までは縦割れ遷移温度が殆ど変化しないが、
巻取り温度が680℃で画調とも大きく縦割れ遷移温度
が上昇している。また、鋼NαCは従来鋼であるC量の
多い通常のAQキルド鋼であり、これと同等以上の耐縦
割れ性を確保すれば、Cを低下しTiを添加することに
よる耐縦割れ性の劣化を抑制できたと考えることができ
、このレベルを図中斜線で示す。 したがって、この実験結果より1本発明で第2の目的と
する良好な耐縦割れ性を得るためには。 巻取り温度は620℃以下とする必要があることがわか
る。 第4図にはめっき前予熱温度と縦割れ遷移温度との関係
を示す。鋼N(LA、Bともにめっき前予熱温度が73
0℃までは殆ど縦割れ遷移温度は変化しないが、めっき
前予熱温度が750℃では、画調とも大きく遷移温度が
上昇している。前述と同様に本発明の目的とする縦割れ
遷移温度を斜線部で示す。すなわち、本発明の目的を達
成するためには、めっき前予熱温度は730℃以下とす
ることが必要である。 以上のように、巻取り温度やめっき前予熱温度によりめ
っき後の耐縦割れ性が変化することについては、その詳
細な理由は不明であるが、以下のように考えられる。 前述したように、亜鉛めっきラインでの再加熱による引
張り特性の変化を抑制するためにCを低減し、しかもT
iを添加した鋼の場合、鋼中に固溶したCが少なすぎる
と粒界が純化し粒界強度が低下し、耐縦割れ性が通常の
0.04%C程度の鋼に比べて劣るのである。この鋼中
に固溶したCの減少はTiがT i Cとして析出する
ことが原因であると考えられる。通常、熱延前のスラブ
加熱段階(約1050〜1200℃)ではT i Cは
殆ど固溶しており、これを熱延後670℃以上の高い巻
取り温度でコイル状に巻取れば、その後の徐冷過程でT
iCとして析出し、上記したように、このTiCは亜鉛
めっきラインでの再加熱(8oO℃以下)程度では再固
溶することかなく、したがって、鋼中に固溶するCが少
ないままであり、耐縦割れ性に劣るものと考えられる。 ところが、本発明者らは、亜鉛めっきラインでの引張り
特性の劣化を抑制するためにCを低減し、Tiを添加し
、更にTiの添加量が原子当量論的にCの数倍程度含む
鋼であっても、巻取り温度が620℃以下で巻取れば良
好な耐縦割れ性が得られる可能性を示した訳であり、す
なわち、この場合、TiCの析出がある程度抑制でき、
鋼中に固溶Cを残すことができたものと考えられる。 同様に、めっきラインでの再加熱処理時の温度について
も、この温度が760℃以上の場合には、たとえその加
熱時間が短時間であっても熱延巻取り工程で残存させた
鋼中の固溶Cがこの再加熱時にTiCとして析出し鋼中
固溶C量が減少するために耐縦割れ性が大きく劣化する
ものと考えられる。したがって、たとえめっき前予熱温
度が730℃以下であっても、その後合金化処理を行う
場合、合金化のための再加熱温度が高い(例えば。 760℃)と耐縦割れ性が劣化することを本発明者らは
確認しており、すなわち、合金化処理も含めて考慮した
上で良好な耐縦割れ性を得るためには、合金化処理時も
含め、溶融亜鉛めっきラインでの鋼帯最高加熱温度を7
30℃以下とする必要がある。 また、本実験結果より耐縦割れ性に及ぼすBの効果がわ
かる。すなわち、Bを添加することにより溶融亜鉛めっ
き鋼板の耐縦割れ性が更に向上する。この効果は、めっ
き前での耐縦割れ性を向上させることと、以下の効果に
よるものとの複合効果であると考えられる。すなわち、
第3図及び第4図で示されているように、Bの有無(t
lNaAとB)にかかわらず、本発明による熱延めっき
条件で製造しても亜鉛めっき処理により縦割れ遷移温度
が上昇するが、Bを添加した場合にはこの変化量が小さ
くなり、したがって溶融亜鉛めっき後でも優れた耐縦割
れ性を示す。これらのBの効果はその詳細な理由は不明
であるが、BはCと同様に粒界強度を強める効果がある
と考えられ、しかもめっき処理時の再加熱によりBが更
に粒界に拡散し、粒界強度を高めているのではないかと
考えられる。 以上が本発明に至った実験結果の説明であるが、本発明
は、これにより得た知見に基づいて更に化学成分の調整
の詳細を検討し、完成したものである。 以下に本発明を構成する各因子の限定条件について述べ
る。 まず、本発明における化学成分の限定理由を説明する。 (イ)C 溶融亜鉛めっき処理後の成形加工性を劣化させないため
には、めっき処理後の固溶C量が少ないことが肝要であ
る。固溶C量は鋼中のC及び炭化物形成元素であるTi
の量により定まる。したがって、Tiの添加量が増大す
ればCの許容含有量も大となるのであるが、C含有量及
びTiの添加量が増大すると炭化物が増大し、鋼の延性
が劣化することとなるため、C含有量の上限値を0.0
09%とし、Tiの添加量についても後に述べるように
一定値以下に制限する。 (ロ)  Ti Tiは炭化物形成元素であり、この炭化物は溶融めっき
ラインの加熱均熱工程において再固溶しないため、Ti
の添加によりめっき後の固溶C量を少なくすることがで
き、その結果、亜鉛めっきによる引張り特性の劣化が小
さいものと考えられる。しかし乍ら、鋼中のC量が0.
0030%以下の場合には亜鉛めっきによる引張り特性
の変化が小さく、前記(1)式よりT1が0以下となる
。 しかし、Tiは高温でTiN、次いでTiSとして析出
し、特にTiSが析出した場合には鋼板の穴拡がり特性
が向上する。したがって、原子量論的に鋼中N及びSと
同量のTi量は必要である(次式但し、Tiの添加量が
増大すれば前述のように延性の低下を招くことになる。 本発明者らの研究によれば、TiS2.08%の含有量
であれば延性の低下による不都合は生じないことがわか
った(次式(3))。 %式%(3) Sは前述したようにTi化合物を形成するため、TiC
の形成に必要なTiを下げる作用がある。したがって、
製造コストを下げる観点からTi添加量を下げるために
は、Sを低くり、Tiを下げることが好ましい。したが
って、Sは0.015%以下に規制するのが好ましい。 (ニ)N NもSと同様にTi化合物を形成するため、可及的に低
くすることが製造コスト上有利であり、したがって、0
.0040%以下とすることが好ましい。 (ホ)B Bは、本発明では必ずしも必須元素とする必要はないが
、溶融めっき鋼板の耐縦割れ性を更に向上させる作用が
あるので、必要に応じて添加することができる。このよ
うなりの添加効果を得るためには少なくとも0.000
5%以上の添加量が望ましいが、0.0045%を超え
ると連鋳工程のスラブ段階でスラブ表面割れを招くおそ
れがあり、製品コストも増大するので、B添加量は0゜
0045%以下に制限することが望ましい。 以上の必須構成元素の他に、鋼の強度或いは鋼精錬時の
脱酸を目的としてそれぞれMn及びAQを添加すること
ができ、また、通常不可避的不純物して混在するS−i
、 P等の影響もあるので、以下にこれらの元素の好ま
しい添加量或いは含有量について説明する。 (へ)Mn MnはSの存在によって生ずる熱間脆性破壊を抑制する
効果を有する。その添加効果を得るためには0.05%
以上の添加量が望ましいが、0.5%を超えると成形加
工性が低下するおそれがあるので、Mn添加量は0.5
%以下とすることが望ましい。 (ト)AQ AQは鋼精錬時の脱酸剤として添加される元素であり、
Tiの歩留りを向上させる点から添加量は0.01%以
上であることが望ましい。しかし、0.1%を超えると
鋼板のいわゆるスリパー疵の原因となり、製品コスト低
減の点からも好ましくないので、AQ添加量は0.1%
以下に制限することが望ましい。 (チ)  5i Siの含有量は0.2%以下であることが望ましい。含
有量が0.2%を超えると熱延段階で赤スケールが生じ
るおそれがあり、赤スケール模様は酸洗後も残るため、
めっき表面に縞状模様が浮き出て表面外観を劣化させ、
商品価値を著しく低下させる。更に赤スケールが発生し
た場合、スケール発生部分のめっき密着性が劣化するた
め、この観点からもSi含有量は可及的に抑制すること
が好ましい。 (す)P Pは0.05%以上の含有量があるとめっき密着性が劣
化するため、含有量は0.05%以下であることが望ま
しい。 次に上記化学成分を有する鋼の製造プロセス因子につい
て説明する。 (ヌ)巻取り温度、亜鉛めっきラインでの再加熱温度 これらは、前述したように、良好な耐縦割れ性を得るた
めにTiCの析出を抑制できる条件とする必要があり、
巻取り温度及び亜鉛めっきラインでの再加熱温度はそれ
ぞれ620℃以下、730℃以下とする。なお、巻取り
温度についてはいくら低くても特に本発明に支障となる
ものではなく、室温程度で巻取ってもよい。但し、亜鉛
めっきラインでの再加熱温度は、溶融亜鉛めっき前の予
熱としてめっき密着性を確保するために亜鉛の溶融温度
(約460℃)以上に加熱する必要があるので、460
℃を下限値とする。 (ル)その他 熱延仕上げ温度については、Ar、変態点以上であるこ
とが望ましいが、本発明が対象とするような極低C鋼で
は、多少Ar、変態点を下回っても再結晶し、この場合
、降伏点や伸びには大きな影響を及ぼさないため、約8
50℃以上であればよい。 また、熱延後、溶融亜鉛めっき処理前の酸洗処理につい
ては、本発明により得られる溶融亜鉛めっき鋼板の機械
的性質に対して特に作用乃至影響を及ぼさないため、特
に条件は限定されない。 次に本発明の一実施例を示す。なお、本発明はこの実施
例のみに限定されるものではないことは云うまでもなく
、既述の各種基礎研究及び実験例のほか、他の態様も可
能である。 (実施例) 第4表に示す化学成分(wt%)を有する鋼を常法によ
り溶製し、転炉出鋼後、連続鋳造によりスラブとした。 次いで板厚2mmまで熱間圧延を施し、第5表に示す巻
取り温度にて巻取った。なお、仕上げ温度は880〜9
15℃とした。 得られた熱延コイルを酸洗した後、亜鉛めっきラインに
て第5表に示す均熱温度で均熱処理し、溶融亜鉛めっき
処理を施し、伸び率1.0%の調質圧延を施した。 得られた溶融亜鉛めっき鋼板の諸特性を第5表に併記す
る。表中、引張特性は該鋼板から圧延方向にJISS号
試験片を採取し、引張試験を行った結果であり、また、
第5表には得られた溶融めっき鋼板の機械的性質と縦割
れ試験により求めた縦割れ遷移温度を示す。縦割れ試験
としては、1451.1Illφのブランクを打ち抜き
、平底円筒絞り成形(絞り比:2.3)を行い、その後
旋盤にて茸菌し加工を施し、最終絞り比:2.0相当の
カップ状成形品を作製し、−160’C〜0℃で10分
間保持した後、円錐ポンチにて穴拡げ加工を行った。各
保持温度毎に3〜5個のカップ成形品を供試し、縦割れ
(脆性割れ)発生率50%の時の温度を遷移温度とした
。 (以下余白] 第5表より明らかなとおり1本発明例である鬼C−1は
降伏点が低く、かつ高い伸びを示し、優れた引張り特性
を示すのに加え、耐縦割れ性にも優れている。また本発
明例の&E−1はBを添加した鋼を溶融亜鉛めっき後合
金化処理を行ったものであるが、NlIC−1と同様に
優れた引張り特性を示し、より優れた耐縦割れ性を有し
ており1本発明法が合金化処理を施した場合にも適用で
きることを示している。 これに対し、比較例のNaC−2及びNa E −2で
は、巻取り温度が高く、TiCが析出するため、鋼中の
固溶C量が減少するので、耐縦割れ性に劣っている。ま
た比較例NαC−3及びNa E −3では、めっき前
予熱温度が高いため、同様に鋼中固溶C量が不足し、耐
縦割れ性が悪い。 また比較例NaD及びFでは、第4表に示すC*が0.
0030%を超えるものであり、換言すればTi添加量
が少ないため、溶融亜鉛めっき前の予熱処理により引張
り特性が劣化し、得られる溶融亜鉛めっき鋼板の降伏点
は高く、かつ伸びも低い。また比較例Na工は通常のA
Qキルド鋼であるが、引張り特性が悪い。 また比較例NαG及び&Hは、それぞれC量、Ti量が
いずれも多すぎるため、引張り特性に劣り、高度の加工
性が要求される用途には適していない。 (発明の効果) 以上詳述したように1本発明によれば、化学成分をバラ
ンスよく調整すると共に巻取り温度及びめっきでの再加
熱温度を適正な条件にコントロールするので、得られる
溶融亜鉛めっき鋼板は鋼中に適正な固溶Cを有するため
に優れた引張り特性及び優れた耐縦割れ性の両特性を兼
ね備え、しかも安定して製造することができるため、よ
り加工の厳しい用途(超深絞り用)への適用が可能とな
ると共に、冷間圧延を要せずに製造できるため、経済的
で生産性向上の効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は亜鉛めっきラインにおける一般的な熱サイクル
を示す図、 第2図はC★(鋼中CとTiのバランスにN、 S量を
加味した値)と降伏点及び伸びとの関係を示す図、 第3図は熱延後巻取り温度と熱延鋼板まま及び溶融亜鉛
めっき鋼板の縦割れ遷移温度との関係を示す図、 第4図はめっき前予熱温度と熱延鋼板まま及び溶融亜鉛
めっき鋼板の縦割れ遷移温度との関係を示す図である。 特許出願人   株式会社神戸製鋼所 代理人弁理士  中  村   尚 第1図 均勲 第2図 C(%)=C(Z)−”T7(gしTi 夛1゛pt+
4合+i”ri =O)閥 鶴地枝ゑ収゛1壜鷹(0 め1き筋子部温度(C)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で(以下、同じ)、C:0.0010〜0
    .0090%、S:0.015%以下、N:0.001
    0〜0.0040%と、更にTiを下記(1)〜(3)
    式で与えられる条件を同時に満足するようにそれぞれ必
    須元素として含む鋼を、熱間圧延後、鋼帯温度620℃
    以下でコイル状に巻取り、次いで冷間圧延をせずに溶融
    亜鉛めっきを施すに際し、溶融亜鉛めっきラインにおけ
    る鋼帯の最高加熱温度を460〜730℃とすることを
    特徴とする超深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 Ti^*≧(48)/(12)〔C−0.0030〕・
    ・・(1) Ti^*=Ti(48)/(14)N−(48)/(3
    2)S≧0・・・(2) Ti≦0.08%・・・(3) 但し、Ti^*:鋼中のCを固定するのに有効なTi量
  2. (2)C:0.0010〜0.0090%、S:0.0
    15%以下、N:0.0010〜0.0040%、B:
    0.0005〜0.0045%と、更にTiを下記(1
    )〜(3)式で与えられる条件を同時に満足するように
    それぞれ必須元素として含む鋼を、熱間圧延後、鋼帯温
    度620℃以下でコイル状に巻取り、次いで冷間圧延を
    せずに溶融亜鉛めっきを施すに際し、溶融亜鉛めっきラ
    インにおける鋼帯の最高加熱温度を460〜730℃と
    することを特徴とする超深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板の
    製造方法。 Ti^*≧(48/12)〔C−0.0030〕・・・
    (1) Ti^*=Ti−(48/14)N−(48/32)S
    ≧0・・・(2) Ti≦0.08%・・・(3) 但し、Ti^*:鋼中のCを固定するのに有効なTi量
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04314828A (ja) * 1990-12-28 1992-11-06 Kobe Steel Ltd 加工性の優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
KR100676174B1 (ko) * 2006-05-25 2007-02-01 주식회사 엠코 철골건축구조물용 착탈식 안전망 설치대

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH04314828A (ja) * 1990-12-28 1992-11-06 Kobe Steel Ltd 加工性の優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
KR100676174B1 (ko) * 2006-05-25 2007-02-01 주식회사 엠코 철골건축구조물용 착탈식 안전망 설치대

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