JPH06212383A - 珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっき方法 - Google Patents

珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっき方法

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JPH06212383A
JPH06212383A JP551893A JP551893A JPH06212383A JP H06212383 A JPH06212383 A JP H06212383A JP 551893 A JP551893 A JP 551893A JP 551893 A JP551893 A JP 551893A JP H06212383 A JPH06212383 A JP H06212383A
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silicon
plating
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Masahiko Hori
雅彦 堀
Shigeru Wakano
茂 若野
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】Siを 0.2重量%以上含有する鋼板を母材とし、
不めっきの発生がない溶融亜鉛めっき鋼板、または合金
化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する。 【構成】(1) Siを 0.2重量%以上含有する熱延鋼板また
は冷延鋼板を母材として溶融亜鉛めっき鋼板を製造する
方法であって、表面を 0.4〜5g/m2研削して除去した鋼
板を 550〜750 ℃の酸化性雰囲気中で処理し、鋼板表面
にFeに換算して 0.7〜5.0g/m2 の酸化鉄層を形成させ、
次いで 650℃を超え 750℃以下の温度で還元した後、溶
融亜鉛めっきを行う。 (2) 上記(1) の工程で溶融亜鉛めっきを行った後、さら
に合金化熱処理を施して合金化溶融亜鉛めっき鋼板とす
る。冷延鋼板を母材とする場合は、予め焼鈍した後、上
記(1) 、(2) のプロセスで処理するのが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、珪素(Si)を含有さ
せた高強度の鋼板を母材とする溶融亜鉛めっき鋼板、ま
たは合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、家電、建材、自動車等の産業分野
において溶融亜鉛めっき鋼板が大量に使用されている
が、とりわけ経済性と防錆機能、塗装後の性能の良さが
評価されて合金化溶融亜鉛めっき鋼板が広く用いられて
いる。
【0003】溶融亜鉛めっき鋼板は通常、適当な脱脂洗
浄工程を経た後、または脱脂洗浄を行うことなく、鋼板
を保護性または還元性の雰囲気で予熱し、その後水素と
窒素の混合ガスからなる還元性雰囲気で焼鈍し、次いで
めっき温度付近まで冷却して溶融亜鉛浴に浸漬すること
により製造される。
【0004】上記の工程における予熱の際には、鋼板表
面に80nm程度の酸化膜が形成される方が溶融亜鉛との濡
れ性の点で好ましいとされるが、それ以上の厚さの酸化
膜は、ドロスの発生を増加させ、溶融めっきの密着性を
損なうという悪影響があると考えられている。溶融亜鉛
浴の中には後述の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造の範
囲も含めると0.08〜0.18%(以下、特に断らない限り
「%」は「重量%」を意味する)のAl(アルミニウム)
が含まれる。
【0005】合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、通常、連続
的に溶融亜鉛めっきした鋼板を熱処理炉で 500〜600 ℃
の材料温度に3〜30秒加熱して、Fe−Zn合金めっき層を
形成させたものである。めっき層はFe−Znの金属間化合
物からなり、一般にその平均Fe濃度は8〜12%である。
そのめっきの付着量は、通常片面当たり25〜70g/m2であ
り、この範囲以下のものは通常の手段では製造すること
が難しく、またこの範囲を上回るものはめっき層の耐パ
ウダリング性を確保することが困難であるので一般には
供給されていない。
【0006】合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき皮膜中
には、0.12〜0.2 %前後のAlが含有されることが多い。
その原因の一つは、通常の溶融亜鉛めっき鋼板の製造に
おいて、めっき皮膜と母材鋼板との界面に合金層が生成
するのを抑制し、皮膜加工性を保持するために浴中にAl
を添加するので、同一の浴を用いて合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板を製造すると、そのめっき皮膜にもAlが不可避的
に混入することにある。もう一つの原因は、合金化溶融
亜鉛めっき鋼板のめっき皮膜の耐パウダリング性を確保
し、かつ製造時のドロスの発生を抑制するために、めっ
き浴中にAlを含有させることがむしろ望ましいとされ、
通常0.08〜0.11%程度のAl含有溶融亜鉛浴が使用される
からである。Alはめっき時にめっき層中に富化する傾向
があるため、上記の浴でめっきすれば皮膜中のAl濃度は
0.12〜0.2 %の範囲となる。
【0007】上述のようなめっき鋼板の母材としては、
従来低炭素Alキルド鋼板、極低炭素Ti添加鋼板等が主に
使用されてきた。しかし、近年、例えば自動車用材料で
は、軽量化対策の一つとして鋼板の高強度化が要請さ
れ、Siを 0.2%以上含む珪素含有鋼板が用いられようと
している。Siは鋼の延性を確保したまま強度を向上させ
る元素であるから、珪素添加鋼は上記の要請に応える望
ましい鋼材であると言える。
【0008】しかしながら、珪素含有鋼板は、溶融亜鉛
めっきの母材としては大きな欠点を持っている。上記の
通常のプロセスに従って珪素含有鋼板を処理すると、焼
鈍過程で雰囲気中の極微量の水分と鋼板中のSiが反応
し、鋼板表面に溶融亜鉛との濡れ性を損なうSi−Oxide
が生成する。従って、鋼中のSi濃度の増加にともない不
めっきが多発するようになる。珪素含有鋼板の表面に予
め酸化雰囲気での加熱によりFe酸化物を形成することで
濡れ性が改善されることは公知である。しかし、Si含有
量が 0.2%を超えると従来のプロセスにおける酸化雰囲
気(例えば無酸化炉の空燃比を1〜1.35とした雰囲気)
で予熱しただけでは濡れ性の回復が難しい。これはSiが
鋼の酸化を抑制するからである。
【0009】また、珪素含有鋼板を母材として合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を製造する場合には、合金化処理速度
が著しく遅れそのため生産能率が落ちるという難点があ
る。
【0010】とりわけ鋼の成形性を向上させるためにTi
添加極低炭素鋼をベースとするSi添加鋼を母材とする場
合は、再結晶化のための焼鈍温度が 800℃以上となるた
め鋼板表面へのSi−Oxide の析出が一層顕著になり濡れ
性の確保がさらに困難となる。
【0011】上記の問題点を解決する方法として、従来
溶融めっきに先立ってNi、Fe等の下地めっきを施すこと
が知られているが、余分なめっき工程が付加されるため
工程が増えて製造コストの上昇を招くにもかかわらず、
Si含有量の高い鋼では溶融亜鉛との濡れ性改善に十分な
効果が得られず、さらに均一な合金化処理が非常に難し
い等の問題がある。
【0012】上述のように、材料的には魅力のある珪素
含有鋼も、これに適切な溶融亜鉛めっき、または合金化
溶融亜鉛めっきを施す実際的な方法が見当たらないのが
現状である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の溶融
亜鉛めっきプロセスにおいては満足な溶融亜鉛めっき被
膜の形成が不可能であり、かつ合金化処理を施す場合そ
の生産性が非常に低い珪素含有鋼を母材とするめっき鋼
板を製造する実用的な方法の開発を課題としてなされた
ものである。
【0014】本発明者の1人は、この課題の解決策とし
て、珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっきおよびその合金化処
理を可能とする方法を提案した(特願平4−197071
号)。その要旨は、被めっき鋼板の表面を 0.4〜5g/m2
研削して除去し、650 ℃以下の酸化性雰囲気で処理して
鋼板表面にFeに換算して 0.3〜1.5 g/m2の酸化鉄層を形
成させ、次いで 500〜650 ℃の温度で還元することにあ
る。この方法を適用すれば、Siを 0.2%以上含有する鋼
板(熱延鋼板および冷延鋼板)を母材としてその表面に
不めっきのない溶融亜鉛めっきを施し、さらに、迅速な
合金化処理を行うことが可能である。
【0015】しかしながら、この方法では溶融めっきラ
イン(CGL)の連続炉内での還元温度が低く、一般材
から珪素含有鋼板に切り変える際炉内温度を急激に下げ
るとロールクラウンの変化が追従しないため、ストリッ
プが蛇行する等、操業上の支障を生じることがある。
【0016】本発明は特にこの点を改良し、珪素含有鋼
板を母材として不めっき点の発生がないめっきを施し、
かつその合金化処理速度を十分に大きくするとともに、
連続炉内での加熱温度を高めて、一般材を対象としてめ
っき処理する際の連続炉のヒートサイクルと大きな相違
のない状態で溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛
めっき鋼板を製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の溶融亜
鉛めっき方法、または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法を要旨とする。
【0018】(1) Siを 0.2重量%以上含有する鋼板を母
材として溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法であって、
表面を 0.4〜5g/m2研削して除去した鋼板を 550〜750
℃の酸化性雰囲気中で処理し、鋼板表面にFeに換算して
0.7〜5.0 g/m2の酸化鉄層を形成させ、次いで 650℃を
超え 750℃以下の温度で還元した後、溶融亜鉛めっきを
行うことを特徴とする珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっき方
法。
【0019】(2) 上記(1) に記載の方法で溶融亜鉛めっ
きを行った後、さらに合金化熱処理を施す合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の製造方法。
【0020】本発明方法で使用する母材鋼板は、Siを
0.2%以上含有する熱延鋼板または冷延鋼板である。熱
延鋼板の場合は、冷間での塑性加工を受けていないの
で、多くの場合、そのままで加工性が保持できるから、
熱間圧延工程で巻き取ったコイルを酸洗して脱スケール
した状態で母材として使用できる。しかし、特定の機械
的性質を付与するために熱処理を施してから本発明のプ
ロセスに付してもよい。
【0021】冷延鋼板の場合は、未焼鈍の状態で母材と
してもよいが、再結晶温度の高い鋼材を用いる場合、本
発明方法の酸化、還元の工程だけでは母材の機械的特性
(特に加工性)の調整が困難であるから、所定の特性が
得られるように予め焼鈍しておくのが望ましい。この焼
鈍はバッチ式焼鈍であってもよいし、連続焼鈍であって
もよい。
【0022】珪素含有鋼板は、熱延鋼板であれ冷延鋼板
であれ、その表面にはSiを主体とする酸化物層が残存す
る。更に、CGLの連続炉で 700℃以上の水素・窒素混
合雰囲気中で加熱されると、その雰囲気中の水分により
Siの選択酸化が生じSiを主体とする酸化物層が急増す
る。
【0023】本発明の基本思想は、母材表面のSiが濃化
した酸化物を直接溶融亜鉛と接触させず、また連続炉で
加熱処理をうける間にSi酸化物の表面偏析が激しくなる
温度に曝されないようにするところにある。そのために
行うのが母材表面の研削およびその後の酸化と還元の処
理である。
【0024】通常、単に表面研削のみを実施して溶融亜
鉛めっきを施す場合、研削所要量は片面当たり15g/m2
上であり、かかる研削を行った場合、CGLの連続炉内
での加熱温度が 600℃前後であれば不めっきの発生しな
い溶融めっきが可能である。
【0025】しかし、上記のような多量の研削は、通常
のCGLの入り側に設置された洗浄用ブラシロールでは
実施できず特殊な研削機が必要であり、かつこのような
重研削用のブラシは寿命が短くて設備費、操業費が嵩
む。
【0026】研削は、母材鋼板の表面に機械的に新生面
を作るとともに表層の結晶粒を微細化し、大量の転位を
導入して表面を活性化させる作用を持つ。しかし、多量
の研削による過剰な活性化は、鋼板と溶融亜鉛との反応
性を過度に高めてドロスの大量発生の原因になる。
【0027】ところが、本発明者は、母材表面を研削し
た後、酸化性雰囲気中で加熱し鋼板表面に適切な酸化鉄
層を形成する工程を導入すれば、研削所要量を大きく削
減できることを見出した。
【0028】
【作用】以下、本発明において定めた諸条件について作
用効果と条件限定の理由を説明する。
【0029】本発明で対象とする鋼板はSi含有量が 0.2
%以上の鋼板(熱延鋼板または冷延鋼板)である。Si含
有量が 0.2%未満であれば、従来の技術の工夫で対応が
可能であり、敢えて本発明方法を適用する必要がない。
なお、Si以外の成分については特に制約はないが、本発
明方法で製造されるめっき鋼板が特に自動車用として好
適であることを考慮すれば、強度と加工性、特にプレス
成形性、を兼備する組成を選ぶのが望ましい。そのため
には、C:0.001〜0.15%、Mn:0.1〜1.5 %、P: 0.01〜
0.1 %、さらにTi: 0.01〜0.1 %を含む組成が推奨され
る。
【0030】前記のように、必要に応じて熱処理されて
所定の機械的性質に調質された鋼板は、次にその表面が
研削される。この研削の方法には何ら制約はない。研削
量が少ないから通常の研削用ブラシロールでも十分であ
る。研削量は 0.4g/m2から5g/m2までに限定される。
0.4g/m2未満では前工程から残存するSi系の酸化物層の
除去が不十分であり、また、Feの酸化速度が小さく次工
程での酸化が不十分となる。5g/m2を超える研削量にす
るとSi系酸化物の除去は完全になるが、次工程での酸化
を適正範囲に調整することが難しい。さらに、鋼板の表
面が過剰に活性化され、溶融亜鉛との反応が過度に進行
してドロスの発生が増え、操業コストの上昇原因とな
る。
【0031】研削を受けた鋼板は次に酸化性雰囲気中で
加熱されて酸化され、その表面にFeに換算して 0.7g/m2
から 5.0g/m2までの量に相当する酸化鉄が形成される。
雰囲気としては、CO2 、O2、H2O 等の酸化性ガスを含む
雰囲気が用いられる。酸化量がFe換算量で 0.7g/m2未満
では不めっきが生じやすく、 5.0g/m2を超えると次工程
での酸化鉄の還元が不十分となりやすく不めっきが発生
しやすくなる。
【0032】この酸化鉄の量は前記の特願平4−197071
号で提案した方法において限定した量よりも多いが、こ
れは、本発明では還元温度が高いためSiの表面濃化が生
じやすいので、それを抑制するために厚い還元鉄を形成
させる必要があるからである。
【0033】酸化処理の温度は材料温度で 550〜750 ℃
とする。 750℃を超えると研削により表面に導入された
歪が減少して酸化反応が抑制されてFe−oxide の生成が
不十分となり、その結果、次の還元工程で還元鉄が十分
に生成しなくなる。また、Siの鋼板表面への拡散も生じ
やすく不めっきが発生しやすくなる。一方、 550℃未満
では酸化速度が小さく十分な酸化が困難となる。なお、
前記の特願平4−197071号で提案した方法の場合、材料
温度の上限を 650℃としたが、本発明で規定する上記の
温度範囲では昇温速度を30℃/sec程度と比較的速くする
のが好ましく、これによって研削により表面に導入され
た歪の減少による酸化反応の抑制を緩和しつつ材料温度
を高め、Fe−oxide を生成させることができる。
【0034】表面に酸化鉄層を形成させた鋼板は、次の
工程で 650℃を超え 750℃以下の温度で還元処理され
る。この目的のためには、水素5%(以下、気体につい
ての「%」は「体積%」を意味する)以上を含み残部が
非酸化性ガス(通常窒素)からなる露点が−15℃以下の
雰囲気を用いるのがよい。処理温度が 650℃以下では一
般材との切り換え時にストリップの蛇行が生じやすくな
り、 750℃を超えるとSiの鋼板表面への拡散が生じやす
く、鋼板表面に再度Siが濃化して不めっきが発生しやす
くなる。処理時間は15〜250 秒でよい。
【0035】この還元工程で、前の工程で生じたFe−Ox
ide が還元され、還元鉄層が形成される。この還元鉄層
はSi拡散のバリヤーとして作用し、十分な厚みがあれば
還元工程でのSiの表面への拡散が抑制される。
【0036】以上の工程で処理された鋼板は 380〜550
℃程度に冷却され、Alを0.08〜0.20%程度含有する溶融
亜鉛浴中に浸漬されてめっきされ、さらにガスワイピン
グで付着量を所定範囲に調整されて溶融亜鉛めっき鋼板
としての製品になる。
【0037】合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合
は、上記の工程でめっきした鋼板を合金化処理炉に通
し、 450〜600 ℃に1〜120 秒加熱してめっき皮膜を合
金化する。
【0038】上記のように、本発明は、一般に酸化速度
が小さく酸化鉄を形成しにくい珪素含有鋼板の表面に研
削効果を利用して十分な酸化鉄層を形成させ、これを還
元してSiの鋼板表面への拡散を抑制する機能を付与する
ことにより不めっきのない表面特性に優れた溶融亜鉛め
っき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得る方法
で、Si含有量が 1.5%を超える鋼板に対しても健全な溶
融亜鉛めっきが可能である。また、還元温度を比較的高
くすることができるので、実操業でめっきの対象である
珪素含有鋼板と一般材との切り換えをストリップの蛇行
等、操業上の支障を生じさせることなく円滑に行うこと
ができる。
【0039】
【実施例】表1に示す化学組成の高Si鋼の熱延鋼板 (鋼
種A、板厚2.3mm)及び冷延鋼板 (鋼種B〜D、板厚0.80
mm、未焼鈍材) を 250mm×100mm に裁断して供試材とし
た。 鋼種B〜DについてはN2+15%H2の露点が−30℃
の雰囲気で、昇温速度 15℃/secで 850℃に昇温し 120
秒保持する焼鈍を予め行った。
【0040】こうして準備した鋼板をブラシロールを用
いて片面当たり5g/m2以下の範囲で研削した。研削後の
鋼板を、所定雰囲気での熱処理が可能で、かつ還元雰囲
気から直接溶融めっきが可能な竪型溶融めっき装置に通
して溶融亜鉛めっきを行った。即ち、鋼板をこの装置内
で、表2に示すa〜eの各種雰囲気および加熱条件で予
熱酸化した後、N2+25%H2の雰囲気で還元処理を施し、
460℃の鋼板温度に冷却した後、Al濃度0.11%の溶融亜
鉛浴中で溶融めっきを行った。予熱酸化時の昇温速度と
還元条件を表3に示す。めっき時間は1秒とし、ガスワ
イパーにより亜鉛付着量を片面当たり約50g/m2に調整し
た。めっき後不めっきの発生状況を調査した。さらに、
一部の試料については、 500℃の温度で合金化処理を行
い合金化所要時間を測定した。めっきの評価および合金
化処理を行ったものについては合金化所要時間を表3に
示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】表3に示す結果に見られるように、本発明
例では 650℃を超える還元温度でもすべて不めっきがな
く、合金化溶融亜鉛めっき鋼板では比較的短時間に合金
化処理ができている。
【0045】
【発明の効果】本発明方法によれば、珪素含有鋼を母材
とする溶融亜鉛めっき鋼板、または合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板を不めっきの発生なしに、しかも一般材を対象と
してめっき処理する際の連続炉のヒートパターンを大き
く変えることなく製造することができる。
【0046】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Siを 0.2重量%以上含有する鋼板を母材と
    して溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法であって、表面
    を 0.4〜5g/m2研削して除去した鋼板を 550〜750 ℃の
    酸化性雰囲気中で処理し、鋼板表面にFeに換算して 0.7
    〜5.0 g/m2の酸化鉄層を形成させ、次いで 650℃を超え
    750℃以下の温度で還元した後、溶融亜鉛めっきを行う
    ことを特徴とする珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっき方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法で溶融亜鉛めっきを
    行った後、さらに合金化熱処理を施す合金化溶融亜鉛め
    っき鋼板の製造方法。
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JP2021014605A (ja) * 2019-07-10 2021-02-12 株式会社神戸製鋼所 溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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