JPH04333519A - 良電磁厚板の製造法 - Google Patents

良電磁厚板の製造法

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JPH04333519A
JPH04333519A JP3104489A JP10448991A JPH04333519A JP H04333519 A JPH04333519 A JP H04333519A JP 3104489 A JP3104489 A JP 3104489A JP 10448991 A JP10448991 A JP 10448991A JP H04333519 A JPH04333519 A JP H04333519A
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冨田 幸男
Tatsuya Kumagai
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度で、中磁場での磁
気特性の優れた良電磁厚板の製造法を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年最先端科学技術である素粒子研究や
医療機器の進歩に伴って、大型構造物に磁気を用いる装
置が使われ、その性能向上が求められている。直流磁化
条件で使用される粒子加速器用磁極材、リターンヨーク
材では、高い飽和磁束密度の他に10Oe(800A/
m)付近の中磁場での高い磁束密度が求められている。
【0003】磁束密度に優れた電磁鋼板としては、従来
から薄板分野で珪素鋼板、電磁軟鉄板をはじめとする数
多くの材料が提供されているのは公知である。しかし、
構造部材として使用するには組立加工及び強度上の問題
があり、厚鋼板を利用する必要が生じてくる。これまで
電磁厚板としては純鉄系成分で製造されている。たとえ
ば、特開昭60−96749号公報が公知である。
【0004】しかしながら、近年の装置の大型化、能力
の向上等に伴いさらに磁気特性の優れた、高強度で、特
に中磁場、たとえば10Oe(800A/m)付近での
磁束密度の高い鋼材開発の要望が強い。前掲の特許等で
開発された鋼材では、強度も低く、10Oe付近での中
磁場の高い磁束密度が安定して得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は以上の
点を鑑みなされたもので、高強度で、中磁場での磁気特
性の優れた良電磁厚板の製造法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は重量%で、C:
0.01%以下、Si:0.02%以下、Mn:0.2
0%以下、S:0.010%以下、Al:0.10%以
上、3.0%以下、N:0.004%以下、O:0.0
05%以下、H:0.0002%以下、残部実質的に鉄
からなる鋼組成の鋼片または、鋳片を950〜1150
℃に加熱し、800℃以上で圧延形状比Aが0.6以上
の圧延パスを1回以上はとる圧延を行ない、引き続き8
00℃以下で圧下率を35〜70%とする圧延を行なう
ことを特徴とする高強度で、中磁場での磁気特性の優れ
た良電磁厚板の製造法である。
【0007】
【数2】
【0008】
【作用】従来は低磁場で高磁束密度を得るためには、磁
壁の移動の障害となる結晶粒の粗大化が重要な技術とな
っていた(特開昭60−96749号公報)。これに対
し、中磁場で高磁束密度を得るための方法については知
見がなかった。
【0009】発明者らは、ここにおいて中磁場で高磁束
密度を得るためには、従来言われていた磁壁を移動しや
すくするための結晶粒の粗大化よりも、磁化容易方向が
板面に平行な方向を向いていることが重要であることを
見出した。つまり、〔100〕方向が板面に平行な方向
にランダムとなることで、中磁場の磁気特性が大幅に向
上すること見出したのである。
【0010】さらに、高強度を得るためには、低温領域
である値以上の圧下率を施し、かつ、圧延ままで製品と
することが重要であることを見出した。これらのための
熱間圧延条件として、800℃以下において35%以上
70%以下の圧下率をとることで、〔100〕の結晶方
位を圧延方向に平行にランダムとなると同時に、高強度
が得られる。
【0011】図1に0.07Mn−2.1Al鋼での8
00℃以下の圧下率と10Oeでの磁束密度を示す。3
5〜70%の圧下により、高磁束密度が得られる。さら
に中磁場での高磁束密度を得るための手段として、内部
応力の原因となる元素及び空隙性欠陥の作用につき詳細
な検討を行ない、所期の目的を達成した。また、空隙性
欠陥の影響についても種々検討した結果、そのサイズが
100μ以上のものが磁気特性を大幅に低下することを
知見したものである。そしてこの100μ以上の有害な
空隙性欠陥をなくすためには圧延形状比Aが0.6以上
必要であることを見出した。
【0012】
【数3】
【0013】さらに、鋼中の水素の存在も有害で、脱水
素熱処理を行なうことによって磁気特性が大幅に向上す
ることを知見した。高形状比圧延により空隙性欠陥のサ
イズを100μ以下にし、かつ、脱水素熱処理により鋼
中水素を減少することで中磁場での磁束密度が大幅に上
昇する。
【0014】成分元素に関しては、本製造法において、
特にAl添加が低磁場で高磁束密度を得るために非常に
有効であることを見出した。図2は、0.007C−0
.09Mn鋼にあって、Al量が中磁場(10Oe)で
の磁束密度に及ぼす影響を示したものである。本製造法
において、Al量が0.1〜3.0%、特に、0.9〜
2.5%の範囲で高い磁束密度を示している。
【0015】次に成分限定理由を述べる。Cは鋼中の内
部応力を高め、磁気特性、特に低磁場での磁束密度を最
も下げる元素であり、極力下げることが中磁場での磁束
密度を低下させないことに寄与する。また、磁気時効の
点からも低いほど経時低下が少なく、磁気特性の良い状
態で恒久的に使用できるものであり、このようなことか
ら、0.01%以下に限定する。図3に示すようにさら
に、0.005%以下にすることにより一層高磁束密度
が得られる。
【0016】Mnは中磁場での磁束密度の点から少ない
方が好ましく、MnはMnS系介在物を生成する点から
も低い方がよい。この意味からMnは0.20%以下に
限定する。Mnに関してはMnS系介在物を生成する点
よりさらに望ましくは0.10%以下がよい。
【0017】S,Oは鋼中において非金属介在物を形成
し、結晶粒の粗大化を妨げる害を及ぼし含有量が多くな
るに従って磁束密度の低下が見られ、磁気特性を低下さ
せるので少ない程よい。このため、Sは0.010%以
下、Oは0.005%以下とした。
【0018】Alは中磁場での磁束密度の点から添加し
た方が有利な元素である。図2に示すように、0.1〜
3.0%の範囲で、さらに望ましくは、0.9〜2.5
%の範囲で添加する。
【0019】Nは内部応力を高めかつAlNにより結晶
粒微細化作用により中磁場での磁束密度を低下させるの
で上限は0.004%とする。Hは磁気特性を低下させ
、かつ、空隙性欠陥の減少を妨げるので0.0002%
以下とする。
【0020】次に製造法について述べる。圧延条件につ
いては、まず圧延前加熱温度を1150℃以下にするの
は、1150℃を超える加熱温度では、加熱γ粒径の板
厚方向のバラツキは大きく、このバラツキが圧延後も残
り最終的な結晶粒が不均一となるため、上限を1150
℃とする。加熱温度が950℃未満となると圧延の変形
抵抗が大きくなり、以下に述べる空隙性欠陥をなくすた
めの形状比の高い圧延の圧延負荷が大きくなるため、9
50℃を下限とする。
【0021】熱間圧延にあたり前述の空隙性欠陥は鋼の
凝固過程で大小はあるが、必ず発生するものでありこれ
をなくす手段は圧延によらなければならないので、熱間
圧延の役目は重要である。すなわち、熱間圧延1回当た
りの変形量を大きくし板厚中心部にまで変形が及ぶ熱間
圧延が有効である。
【0022】具体的には圧延形状比Aが0.6以上の圧
延パスが1回以上を含む高形状比圧延を行ない、空隙性
欠陥のサイズを100μ以下にすることが磁気特性によ
い。圧延中にこの高形状比圧延により空隙性欠陥をなく
すことで、後で行なう脱水素熱処理における脱水素効率
が飛躍的に上昇するのである。
【0023】次に800℃以下の温度において累積圧下
率35%以上にすることにより、〔100〕の結晶方位
を圧延方向に平行にランダムとする。ただし70%超の
圧下率になると、熱処理後結晶粒度が板厚方向に不均一
になり、磁束密度のばらつきを大きくする。さらに、図
4に示すように、800℃以下の温度において累積圧下
率35%以上にすることにより、高強度が得られる。従
って高強度で、中磁場で高い磁気特性を得るために、圧
下率を35〜70%とする。
【0024】
【実施例】表1に電磁厚板の製造条件とフェライト粒径
、中磁場での磁束密度を示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】例1〜7は本発明の実施例を示し、例8〜
20は比較例を示す。例1〜4は板厚100mmに仕上
げたもので、高強度で、中磁場で高磁束密度を示す。例
1に比べ、例2はさらに低C、例3,4は低Mnであり
、より高い磁気特性を示す。例5は500mm、例6は
40mm、例7は6mmに仕上げたもので、高強度で、
中磁場で高磁束密度である。
【0028】例8はCが高く、例9はSiが高く、例1
0はMnが高く、例11はSが高く、それぞれ上限、下
段を超えるため低磁気特性となっている。例12はAl
が低く、強度が低く、低磁気特性となっている。例13
はAlが高く、例14はNが高く、例15はOが高く、
例16はHが高く、それぞれ上限、下限を超えるため低
磁気特性値となっている。例17は加熱温度が上限を超
え低磁気特性となっている。例18は加熱温度が下限を
はずれ、低磁気特性となっている。例19は800℃以
下の圧下率が下限をはずれ低磁気特性となっている。例
20は最大形状比が下限をはずれ、低磁気特性となって
いる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば適切な成分限定により板
厚の厚い厚鋼板に均質な高電磁特性を具備せしめること
に成功し、直流磁化による磁気特性を利用する構造物に
適用可能としたものであり、かつその製造法も前述の成
分限定と熱間圧延を行なう方式であり、極めて経済的に
製造する方法を提供するもので産業上多大な効果を奏す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】10Oeにおける磁束密度に及ぼす800℃以
下の圧下率の影響を示すグラフである。
【図2】10Oeにおける磁束密度に及ぼすAl量の影
響を示すグラフである。
【図3】10Oeにおける磁束密度に及ぼすC含有量の
影響を示すグラフである。
【図4】引張強さに及ぼす800℃以下の圧下率の影響
を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  重量%で、 C  :0.01%以下、 Si:0.02%以下、 Mn;0.20%以下、 S  :0.010%以下、 Al:0.10%以上、3.0%以下 N  :0.004%以下、 O  :0.005%以下、 H  :0.0002%以下、 残部実質的に鉄からなる鋼組成の鋼片または、鋳片を9
    50〜1150℃に加熱し、800℃以上で圧延形状比
    Aが0.6以上の圧延パスを1回以上はとる圧延を行な
    い、引き読き800℃以下で圧下率を35〜70%とす
    る圧延を行なうことを特徴とする高強度で、中磁場での
    磁気特性の優れた良電磁厚板の製造法。 【数1】
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63171825A (ja) * 1987-01-12 1988-07-15 Sumitomo Metal Ind Ltd 歪付与型強磁性厚鋼板
JPH02243719A (ja) * 1989-03-16 1990-09-27 Nippon Steel Corp 切削性が良く板厚方向の磁気特性の均一な良電磁厚板の製造方法
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JPH0320447A (ja) * 1989-06-17 1991-01-29 Nkk Corp 鉄基軟磁性鋼材

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