JPH04268022A - 良電磁厚板の製造法 - Google Patents
良電磁厚板の製造法Info
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- JPH04268022A JPH04268022A JP3026496A JP2649691A JPH04268022A JP H04268022 A JPH04268022 A JP H04268022A JP 3026496 A JP3026496 A JP 3026496A JP 2649691 A JP2649691 A JP 2649691A JP H04268022 A JPH04268022 A JP H04268022A
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Landscapes
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は中磁場での磁気特性が優
れ、低い保磁力を有する良電磁厚板の製造法に関するも
のである。
れ、低い保磁力を有する良電磁厚板の製造法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年最先端科学技術である素粒子研究や
医療機器の進歩に伴って、大型構造物に磁気を用いる装
置が使われ、その性能向上が求められている。直流磁化
条件で使用される粒子加速器用磁極材、リターンヨーク
材では、高い飽和磁束密度の他に5Oe(400A/m
)付近の中磁場での高い磁束密度が求められている。
医療機器の進歩に伴って、大型構造物に磁気を用いる装
置が使われ、その性能向上が求められている。直流磁化
条件で使用される粒子加速器用磁極材、リターンヨーク
材では、高い飽和磁束密度の他に5Oe(400A/m
)付近の中磁場での高い磁束密度が求められている。
【0003】磁束密度に優れた電磁鋼板としては、従来
から薄板分野で珪素鋼板、電磁軟鉄板をはじめとする数
多くの材料が提供されているのは公知である。しかし、
構造部材として使用するには組立加工及び強度上の問題
があり、厚鋼板を利用する必要が生じてくる。これまで
電磁厚板としては純鉄系成分で製造されている。たとえ
ば、特開昭60−96749号公報が公知である。しか
しながら、近年の装置の大型化、能力の向上等に伴いさ
らに磁気特性の優れた、特に中磁場、たとえば5Oe(
400A/m)付近での磁力密度が高く、かつ、保磁力
の低い鋼材開発の要望が強い。従来5Oe付近での中磁
場の高い磁束密度が安定して得られていない。
から薄板分野で珪素鋼板、電磁軟鉄板をはじめとする数
多くの材料が提供されているのは公知である。しかし、
構造部材として使用するには組立加工及び強度上の問題
があり、厚鋼板を利用する必要が生じてくる。これまで
電磁厚板としては純鉄系成分で製造されている。たとえ
ば、特開昭60−96749号公報が公知である。しか
しながら、近年の装置の大型化、能力の向上等に伴いさ
らに磁気特性の優れた、特に中磁場、たとえば5Oe(
400A/m)付近での磁力密度が高く、かつ、保磁力
の低い鋼材開発の要望が強い。従来5Oe付近での中磁
場の高い磁束密度が安定して得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は以上の
点を鑑みなされたもので、中磁場での磁気特性の優れた
無方向性電磁厚板の製造法を提供するものである。
点を鑑みなされたもので、中磁場での磁気特性の優れた
無方向性電磁厚板の製造法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は重量%で、C:
0.01%以下、Si:0.02%以下、Mn:0.2
0%以下、S:0.010%以下、Ni:0.1〜2.
0%、Al:0.040%以下、N:0.004%以下
、O:0.005%以下、H:0.0002%以下、残
部実質的に鉄からなる鋼組成の鋼片または、鋳片を95
0〜1150℃に加熱し、800℃以上で圧延形状比A
が0.6以上の圧延パスを1回以上はとる圧延を行ない
、引き続き800℃以下で圧下率を35%超70%以下
とする圧延を行ない、板厚50mm以上の厚板について
は600〜750℃の脱水素熱処理を行なった後、必要
に応じて750〜950℃で焼鈍するかあるいは910
〜1000℃で焼準し、板厚50mm未満については7
50〜950℃で焼鈍するかあるいは910〜1000
℃で焼準することを特徴とする中磁場での磁気特性の優
れ、低い保磁力を有する良電磁厚板の製造法である。
0.01%以下、Si:0.02%以下、Mn:0.2
0%以下、S:0.010%以下、Ni:0.1〜2.
0%、Al:0.040%以下、N:0.004%以下
、O:0.005%以下、H:0.0002%以下、残
部実質的に鉄からなる鋼組成の鋼片または、鋳片を95
0〜1150℃に加熱し、800℃以上で圧延形状比A
が0.6以上の圧延パスを1回以上はとる圧延を行ない
、引き続き800℃以下で圧下率を35%超70%以下
とする圧延を行ない、板厚50mm以上の厚板について
は600〜750℃の脱水素熱処理を行なった後、必要
に応じて750〜950℃で焼鈍するかあるいは910
〜1000℃で焼準し、板厚50mm未満については7
50〜950℃で焼鈍するかあるいは910〜1000
℃で焼準することを特徴とする中磁場での磁気特性の優
れ、低い保磁力を有する良電磁厚板の製造法である。
【0006】
【数2】
【0007】
【作用】まず、磁化のプロセスについて述べる。消磁状
態の鋼を磁界の中に入れ、磁界を強めていくと次第に磁
区の向きに変化が生じ、磁界の方向に近い磁区が優勢に
なり他の磁区を蚕食併合していく。つまり、磁壁の移動
が起こる。さらに磁界が強くなり磁壁の移動が完了する
と、次に磁区全体が磁化方向に向きを変えていく。この
磁化プロセスの中で低磁場での磁束密度を決めているの
は、磁壁の移動しやすさである。つまり低磁場で高磁束
密度を得るためには、磁壁の移動を障害するものを極力
減らすことであると定性的に言うことができる。この観
点から従来磁壁の移動の障害となる結晶粒の粗大化が重
要な技術となっていた(特開昭60−96749号公報
)。これに対し、中磁場で高磁束密度を得るための方法
については知見がなかった。
態の鋼を磁界の中に入れ、磁界を強めていくと次第に磁
区の向きに変化が生じ、磁界の方向に近い磁区が優勢に
なり他の磁区を蚕食併合していく。つまり、磁壁の移動
が起こる。さらに磁界が強くなり磁壁の移動が完了する
と、次に磁区全体が磁化方向に向きを変えていく。この
磁化プロセスの中で低磁場での磁束密度を決めているの
は、磁壁の移動しやすさである。つまり低磁場で高磁束
密度を得るためには、磁壁の移動を障害するものを極力
減らすことであると定性的に言うことができる。この観
点から従来磁壁の移動の障害となる結晶粒の粗大化が重
要な技術となっていた(特開昭60−96749号公報
)。これに対し、中磁場で高磁束密度を得るための方法
については知見がなかった。
【0008】発明者らは、ここにおいて中磁場で高磁束
密度を得るためには、単に結晶粒の粗大化だけでなく、
隣あった結晶粒間の磁化の方向が圧延方向に平行に揃っ
ていることが重要であることを見出した。超粗大粒でも
、細粒でもない比較的粗粒(フェライト粒度No.が0
〜4番程度)でかつ(100)方向が圧延方向に平行に
ランダムとなることで中磁場の磁気特性が大幅に向上す
ることを見出したのである。このための熱間圧延条件と
して、800℃以下において35%超70%以下の圧下
率をとることで、圧延後の熱処理前の結晶粒を微細化し
て再結晶させやすくするとともに、鋼中に歪みを導入し
て、この歪みを熱処理時の再結晶の駆動力とすることで
、比較的大きな結晶粒を板厚全体にわたって安定的に得
ると同時に、(100)の結晶方位を圧延方向に平行に
ランダムとなる。
密度を得るためには、単に結晶粒の粗大化だけでなく、
隣あった結晶粒間の磁化の方向が圧延方向に平行に揃っ
ていることが重要であることを見出した。超粗大粒でも
、細粒でもない比較的粗粒(フェライト粒度No.が0
〜4番程度)でかつ(100)方向が圧延方向に平行に
ランダムとなることで中磁場の磁気特性が大幅に向上す
ることを見出したのである。このための熱間圧延条件と
して、800℃以下において35%超70%以下の圧下
率をとることで、圧延後の熱処理前の結晶粒を微細化し
て再結晶させやすくするとともに、鋼中に歪みを導入し
て、この歪みを熱処理時の再結晶の駆動力とすることで
、比較的大きな結晶粒を板厚全体にわたって安定的に得
ると同時に、(100)の結晶方位を圧延方向に平行に
ランダムとなる。
【0009】図1に0.005Si−0.06Mn−0
.015Al鋼での800℃以下の圧下率と5Oeでの
磁束密度を示す。35%超70%以下の圧下により、高
磁束密度が得られる。さらに中磁場での高磁束密度を得
るための手段として、内部応力の原因となる元素及び空
隙性欠陥の作用につき詳細な検討を行ない、所期の目的
を達成した。また、空隙性欠陥の影響についても種々検
討した結果、そのサイズが100μ以上のものが磁気特
性を大幅に低下することを知見したものである。そして
この100μ以上の有害な空隙性欠陥をなくすためには
圧延形状比Aが0.6以上必要であることを見出した。
.015Al鋼での800℃以下の圧下率と5Oeでの
磁束密度を示す。35%超70%以下の圧下により、高
磁束密度が得られる。さらに中磁場での高磁束密度を得
るための手段として、内部応力の原因となる元素及び空
隙性欠陥の作用につき詳細な検討を行ない、所期の目的
を達成した。また、空隙性欠陥の影響についても種々検
討した結果、そのサイズが100μ以上のものが磁気特
性を大幅に低下することを知見したものである。そして
この100μ以上の有害な空隙性欠陥をなくすためには
圧延形状比Aが0.6以上必要であることを見出した。
【0010】
【数3】
【0011】さらに、鋼中の水素の存在も有害で、脱水
素熱処理を行なうことによって磁気特性が大幅に向上す
ることを知見した。高形状比圧延により空隙性欠陥のサ
イズを100μ以下にし、かつ、脱水素熱処理により鋼
中水素を減少することで中磁場での磁束密度が大幅に上
昇する。さらに、保磁力を低くし、かつ低磁場での磁束
密度を低下させない元素として種々検討した結果、図3
に示すようにNiが最適であることを知見した。
素熱処理を行なうことによって磁気特性が大幅に向上す
ることを知見した。高形状比圧延により空隙性欠陥のサ
イズを100μ以下にし、かつ、脱水素熱処理により鋼
中水素を減少することで中磁場での磁束密度が大幅に上
昇する。さらに、保磁力を低くし、かつ低磁場での磁束
密度を低下させない元素として種々検討した結果、図3
に示すようにNiが最適であることを知見した。
【0012】次に成分限定理由を述べる。Cは鋼中の内
部応力を高め、磁気特性、特に低磁場での磁束密度を最
も下げる元素であり、極力下げることが中磁場での磁束
密度を低下させないことに寄与する。また、磁気時効の
点からも低いほど経時低下が少なく、磁気特性の良い状
態で恒久的に使用できるものであり、このようなことか
ら、0.01%以下に限定する。図2に示すようにさら
に、0.005%以下にすることにより一層高磁束密度
が得られる。Si,Mnは中磁場での磁束密度の点から
少ない方が好ましく、MnはMnS系介在物を生成する
点からも低い方がよい。この意味からSiは0.02%
以下、Mnは0.20%以下に限定する。Mnに関して
はMnS系介在物を生成する点よりさらに望ましくは0
.10%以下がよい。
部応力を高め、磁気特性、特に低磁場での磁束密度を最
も下げる元素であり、極力下げることが中磁場での磁束
密度を低下させないことに寄与する。また、磁気時効の
点からも低いほど経時低下が少なく、磁気特性の良い状
態で恒久的に使用できるものであり、このようなことか
ら、0.01%以下に限定する。図2に示すようにさら
に、0.005%以下にすることにより一層高磁束密度
が得られる。Si,Mnは中磁場での磁束密度の点から
少ない方が好ましく、MnはMnS系介在物を生成する
点からも低い方がよい。この意味からSiは0.02%
以下、Mnは0.20%以下に限定する。Mnに関して
はMnS系介在物を生成する点よりさらに望ましくは0
.10%以下がよい。
【0013】S,Oは鋼中において非金属介在物を形成
し、結晶粒の粗大化を妨げる害を及ぼし含有量が多くな
るに従って磁束密度の低下が見られ、磁気特性を低下さ
せるので少ない程よい。このため、Sは0.010%以
下、Oは0.005%以下とした。Niは保磁力を低下
させ、かつ、低磁場での磁束密度を低下させない元素と
して不可欠なもので、保磁力を低下させるためには0.
1%以上添加させる必要がある。2.0%以上添加する
と保磁力の上昇と低磁場での磁束密度を低下させるので
0.1〜2.0%に限定する。また、これによって磁気
特性を低下させずに強度をあげることが可能であり、望
ましくは1.0〜2.0%である。
し、結晶粒の粗大化を妨げる害を及ぼし含有量が多くな
るに従って磁束密度の低下が見られ、磁気特性を低下さ
せるので少ない程よい。このため、Sは0.010%以
下、Oは0.005%以下とした。Niは保磁力を低下
させ、かつ、低磁場での磁束密度を低下させない元素と
して不可欠なもので、保磁力を低下させるためには0.
1%以上添加させる必要がある。2.0%以上添加する
と保磁力の上昇と低磁場での磁束密度を低下させるので
0.1〜2.0%に限定する。また、これによって磁気
特性を低下させずに強度をあげることが可能であり、望
ましくは1.0〜2.0%である。
【0014】Alは脱酸剤として用いるもので、多くな
りすぎると介在物を生成し鋼の性質を損なうので上限は
0.040%とする。さらに結晶粒粗大化を妨げる析出
物であるAlNを減少させるためには低いほどよく、望
ましくは0.020%以下がよい。Nは内部応力を高め
かつAlNにより結晶粒微細化作用により中磁場での磁
束密度を低下させるので上限は0.004%とする。H
は磁気特性を低下させ、かつ、空隙性欠陥の減少を妨げ
るので0.0002%以下とする。
りすぎると介在物を生成し鋼の性質を損なうので上限は
0.040%とする。さらに結晶粒粗大化を妨げる析出
物であるAlNを減少させるためには低いほどよく、望
ましくは0.020%以下がよい。Nは内部応力を高め
かつAlNにより結晶粒微細化作用により中磁場での磁
束密度を低下させるので上限は0.004%とする。H
は磁気特性を低下させ、かつ、空隙性欠陥の減少を妨げ
るので0.0002%以下とする。
【0015】次に製造法について述べる。圧延条件につ
いては、まず圧延前加熱温度を1150℃以下にするの
は、1150℃を超える加熱温度では、加熱γ粒径の板
厚方向のバラツキは大きく、このバラツキが圧延後も残
り最終的な結晶粒が不均一となるため、上限を1150
℃とする。加熱温度が950℃未満となると圧延の変形
抵抗が大きくなり、以下に述べる空隙性欠陥をなくすた
めの形状比の高い圧延の圧延負荷が大きくなるため、9
50℃を下限とする。
いては、まず圧延前加熱温度を1150℃以下にするの
は、1150℃を超える加熱温度では、加熱γ粒径の板
厚方向のバラツキは大きく、このバラツキが圧延後も残
り最終的な結晶粒が不均一となるため、上限を1150
℃とする。加熱温度が950℃未満となると圧延の変形
抵抗が大きくなり、以下に述べる空隙性欠陥をなくすた
めの形状比の高い圧延の圧延負荷が大きくなるため、9
50℃を下限とする。
【0016】熱間圧延にあたり前述の空隙性欠陥は鋼の
凝固過程で大小はあるが、必ず発生するものであり、こ
れをなくす手段は圧延によらなければならないので、熱
間圧延の役目は重要である。すなわち、熱間圧延1回当
たりの変形量を大きくし板厚中心部にまで変形が及ぶ熱
間圧延が有効である。具体的には800℃以上で圧延形
状比Aが0.6以上の圧延パスが1回以上を含む高形状
比圧延を行ない、空隙性欠陥のサイズを100μ以下に
することが磁気特性によい。圧延中にこの高形状比圧延
により空隙性欠陥をなくすことで、後で行なう脱水素熱
処理における脱水素効率が飛躍的に上昇するのである。 ここに800℃以上で高形状比圧延を行なう理由は、8
00℃未満の低温では変形抵抗が大きく通常の圧延機で
は圧下が困難となるからである。
凝固過程で大小はあるが、必ず発生するものであり、こ
れをなくす手段は圧延によらなければならないので、熱
間圧延の役目は重要である。すなわち、熱間圧延1回当
たりの変形量を大きくし板厚中心部にまで変形が及ぶ熱
間圧延が有効である。具体的には800℃以上で圧延形
状比Aが0.6以上の圧延パスが1回以上を含む高形状
比圧延を行ない、空隙性欠陥のサイズを100μ以下に
することが磁気特性によい。圧延中にこの高形状比圧延
により空隙性欠陥をなくすことで、後で行なう脱水素熱
処理における脱水素効率が飛躍的に上昇するのである。 ここに800℃以上で高形状比圧延を行なう理由は、8
00℃未満の低温では変形抵抗が大きく通常の圧延機で
は圧下が困難となるからである。
【0017】次に800℃以下の温度において累積圧下
率35%超にすることにより結晶粒を微細化するととも
に歪みを導入し、これに続く熱処理時の再結晶を促進さ
せる。さらこの圧延により、(100)の結晶方位を圧
延方向に平行にランダムとする。ただし70%超の圧下
率になると、熱処理後結晶粒度が板厚方向に不均一にな
り、磁束密度のばらつきを大きくする。従って板厚方向
に均一な比較的粗大な粒を得るために、圧下率を35%
超70%とする。
率35%超にすることにより結晶粒を微細化するととも
に歪みを導入し、これに続く熱処理時の再結晶を促進さ
せる。さらこの圧延により、(100)の結晶方位を圧
延方向に平行にランダムとする。ただし70%超の圧下
率になると、熱処理後結晶粒度が板厚方向に不均一にな
り、磁束密度のばらつきを大きくする。従って板厚方向
に均一な比較的粗大な粒を得るために、圧下率を35%
超70%とする。
【0018】次に熱間圧延に引き続き結晶粒粗大化、内
部歪除去及び板厚50mm以上の厚手材については脱水
素熱処理を施す。板厚50mm以上では水素の拡散がし
にくく、これが空隙性欠陥の原因となり、かつ、水素自
身の作用と合わさって低磁場での磁束密度を低下させる
。このため、脱水素熱処理を行なうが、その際600℃
未満では脱水素効率が悪く750℃超では変態が一部開
始するので600〜750℃の温度範囲で行なう。脱水
素時間としては種々検討の結果〔0.6(t−50)+
6〕時間(t:板厚)が適当である。必要に応じて施す
焼鈍は結晶粒粗大化及び内部歪除去のために行なうが、
750℃未満では結晶粒粗大化が起こらず、また、95
0℃以上では結晶粒の板厚方向の均質性が保てないため
、焼鈍温度としては750〜950℃に限定する。
部歪除去及び板厚50mm以上の厚手材については脱水
素熱処理を施す。板厚50mm以上では水素の拡散がし
にくく、これが空隙性欠陥の原因となり、かつ、水素自
身の作用と合わさって低磁場での磁束密度を低下させる
。このため、脱水素熱処理を行なうが、その際600℃
未満では脱水素効率が悪く750℃超では変態が一部開
始するので600〜750℃の温度範囲で行なう。脱水
素時間としては種々検討の結果〔0.6(t−50)+
6〕時間(t:板厚)が適当である。必要に応じて施す
焼鈍は結晶粒粗大化及び内部歪除去のために行なうが、
750℃未満では結晶粒粗大化が起こらず、また、95
0℃以上では結晶粒の板厚方向の均質性が保てないため
、焼鈍温度としては750〜950℃に限定する。
【0019】焼準は板厚方向の結晶粒調整及び内部歪除
去のために焼鈍に代えて行なうが、下限はオーステナイ
ト域下限のAc3 点である910℃以上で、かつ、1
000℃以上では結晶粒の板厚方向の均質性が保てない
ので、焼準温度は910〜1000℃に限定する。なお
、板厚50mm以上の厚手材で行なう脱水素熱処理でこ
の焼鈍あるいは、焼準をかねることが可能である。一方
、板厚50mm未満のものは水素の拡散が容易なため、
脱水素熱処理は不要で前述の焼鈍または焼準するのみで
よい。
去のために焼鈍に代えて行なうが、下限はオーステナイ
ト域下限のAc3 点である910℃以上で、かつ、1
000℃以上では結晶粒の板厚方向の均質性が保てない
ので、焼準温度は910〜1000℃に限定する。なお
、板厚50mm以上の厚手材で行なう脱水素熱処理でこ
の焼鈍あるいは、焼準をかねることが可能である。一方
、板厚50mm未満のものは水素の拡散が容易なため、
脱水素熱処理は不要で前述の焼鈍または焼準するのみで
よい。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともにあげる
。表1に電磁板厚の製造条件とフェライト粒径、中磁場
での磁束密度を示す。
。表1に電磁板厚の製造条件とフェライト粒径、中磁場
での磁束密度を示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】例1〜10は本発明の実施例を示し、例1
1〜27は比較例を示す。例1〜5は板厚100mmに
仕上げたもので、保磁力が強く中磁場で高磁束密度を示
す。例1に比べ、例2はさらに低C、例3,4は低Mn
であり、例5は低Alであり、より高い磁気特性を示す
。例6〜8は500mm、例9は40mm、例10は6
mmに仕上げたもので、保磁力が低く高磁束密度である
。例11はCが高く、例12はSiが高く、例13はM
nが高く、例14はSが高く、それぞれ上限を超えるた
め低磁気特性値となっている。例15はNiが低く、例
16はNiが高く、保磁力が高く、低磁気特性値となっ
ている。例17はAlが高く、例18はNが高く、例1
9はOが高く、例20はHが高く、それぞれ上限を超え
るため低磁気特性値となっている。例21は加熱温度が
上限を超え低磁束密度となっている。例22は加熱温度
が下限をはずれているため、低磁束密度となっている。 例23は800℃以下の圧下率が下限をはずれ低磁束密
度となっている。例24は最大形状比が下限をはずれ、
例25は脱水素熱処理温度が下限をはずれ、例26は焼
鈍温度が下限をはずれ、例27は脱水素熱処理がないた
め低磁束密度となっている。
1〜27は比較例を示す。例1〜5は板厚100mmに
仕上げたもので、保磁力が強く中磁場で高磁束密度を示
す。例1に比べ、例2はさらに低C、例3,4は低Mn
であり、例5は低Alであり、より高い磁気特性を示す
。例6〜8は500mm、例9は40mm、例10は6
mmに仕上げたもので、保磁力が低く高磁束密度である
。例11はCが高く、例12はSiが高く、例13はM
nが高く、例14はSが高く、それぞれ上限を超えるた
め低磁気特性値となっている。例15はNiが低く、例
16はNiが高く、保磁力が高く、低磁気特性値となっ
ている。例17はAlが高く、例18はNが高く、例1
9はOが高く、例20はHが高く、それぞれ上限を超え
るため低磁気特性値となっている。例21は加熱温度が
上限を超え低磁束密度となっている。例22は加熱温度
が下限をはずれているため、低磁束密度となっている。 例23は800℃以下の圧下率が下限をはずれ低磁束密
度となっている。例24は最大形状比が下限をはずれ、
例25は脱水素熱処理温度が下限をはずれ、例26は焼
鈍温度が下限をはずれ、例27は脱水素熱処理がないた
め低磁束密度となっている。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば適切な成分限定により板
厚の厚い厚鋼板に均質な高電磁特性を具備せしめること
に成功し、直流磁化による磁気特性を利用する構造物に
適用可能としたものであり、かつその製造法も前述の成
分限定と熱間圧延後結晶粒調整及び脱水素熱処理を同時
に行なう方式であり、極めて経済的に製造する方法を提
供するもので産業上多大な効果を奏するものである。
厚の厚い厚鋼板に均質な高電磁特性を具備せしめること
に成功し、直流磁化による磁気特性を利用する構造物に
適用可能としたものであり、かつその製造法も前述の成
分限定と熱間圧延後結晶粒調整及び脱水素熱処理を同時
に行なう方式であり、極めて経済的に製造する方法を提
供するもので産業上多大な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】5Oeにおける磁束密度に及ぼす800℃以下
の圧下率の影響を示すグラフである。
の圧下率の影響を示すグラフである。
【図2】5Oeにおける磁束密度に及ぼすC含有量の影
響を示すグラフである。
響を示すグラフである。
【図3】保磁力に及ぼすNi含有量の影響を示すグラフ
である。
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、 C :0.01%以下、 Si:0.02%以下、 Mn:0.20%以下、 S :0.010%以下、 Ni:0.1〜2.0%、 Al:0.040%以下、 N :0.004%以下、 O :0.005%以下、 H :0.0002%以下、 残部実質的に鉄からなる鋼組成の鋼片または、鋳片を9
50〜1150℃に加熱し、800℃以上で圧延形状比
Aが0.6以上の圧延パスを1回以上はとる圧延を行な
い、引き続き800℃以下で圧下率を35%超70%以
下とする圧延を行ない、板厚50mm以上の厚板につい
ては600〜750℃の脱水素熱処理を行なった後、必
要に応じて750〜950℃で焼鈍するかあるいは91
0〜1000℃で焼準し、板厚50mm未満については
750〜950℃で焼鈍するかあるいは910〜100
0℃で焼準することを特徴とする中磁場での磁気特性が
優れ、低い保磁力を有する良電磁厚板の製造法。 【数1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3026496A JPH04268022A (ja) | 1991-02-20 | 1991-02-20 | 良電磁厚板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3026496A JPH04268022A (ja) | 1991-02-20 | 1991-02-20 | 良電磁厚板の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04268022A true JPH04268022A (ja) | 1992-09-24 |
Family
ID=12195100
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3026496A Withdrawn JPH04268022A (ja) | 1991-02-20 | 1991-02-20 | 良電磁厚板の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04268022A (ja) |
-
1991
- 1991-02-20 JP JP3026496A patent/JPH04268022A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980514 |