JPH0432717Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電子楽器および自動演奏機を含む
自動演奏装置に関し、演奏記録時と演奏再生時と
で異なる電子楽器を用いた場合に、その相違を検
出して演奏再生を制御するようにしたものであ
る。

従来、電子楽器の演奏情報を記録・再生する自
動演奏装置において、演奏記録に用いる電子楽器
と演奏再生に用いる電子楽器とが互いに異なる機
種であると、鍵盤の鍵数や音色・効果等の各種制
御操作子の操作子数が異なるため、記録したデー
タが正確に再生されなかつたり、ときには記録し
たデータが破壊されたりする欠点があつた。

この考案の目的は、演奏記録に用いる電子楽器
と演奏再生に用いる電子楽器との相違を演奏再生
の際に自動的に判別し、再生時の電子楽器が記録
時の電子楽器と同一または上位機種である場合に
は演奏再生を行ない、そうでない場合には演奏再
生を行なわないようにした新規な自動演奏装置を
提供することにある。

すなわち、この考案の自動演奏装置にあつて
は、電子楽器内に機種名記憶部を設け、この機種
名記憶部の機種データを演奏記録の際に鍵データ
および音色・効果などの操作子データと共に記録
し、その後、この記録した機種データと再生に用
いる電子楽器の機種データとを演奏再生の際に比
較し、その比較結果に基づいて演奏再生を制御す
るようにしている。このため、機種が異なること
により生じる再生時の誤動作や記録データの破壊
などを未然に防止することができる。

以下、添付図面に示す実施例についてこの考案
を詳述する。

第１図は、この考案の一実施例による自動演奏
装置を示すもので、この自動演奏装置は電子楽器
１の楽音発生動作および自動演奏機２の演奏記
録・再生動作がマイクロコンピユータによつて制
御されるようになつている。

電子楽器１において、楽器制御回路１１は鍵盤
回路１２の鍵状態および音色・効果制御操作子回
路１３の操作子状態を検出して楽音形成回路１４
を制御するようになつている。また、楽器制御回
路１１には機種名記憶部１５が設けられ、電子楽
器１の機種データを記憶している。なお、操作子
回路１３に含まれる各種の操作子は実際には電子
楽器１のパネル面に配置されているものである。

鍵盤演奏者は、音色・効果制御操作子回路１３
中の各種の操作子を適宜設定した後、鍵盤演奏を
開始することができる。鍵盤演奏を開始すると、
楽器制御回路１１が鍵盤回路１２から鍵データを
検出し、操作子回路１３から操作子データを検出
してそれぞれ楽音形成回路１４に供給する。楽音
形成回路１４は供給される鍵データおよび操作子
データに基づいて楽音信号を形成し、出力アンプ
１６を介してスピーカ１７に供給する。このた
め、スピーカ１７からは押された鍵に対応する楽
音が奏出される。

一方、自動演奏機２においては、自動演奏制御
回路２１のが記録・再生制御スイツチ回路２２の
操作子状態を検出して電子楽器１の演奏情報を記
録または再生する動作を制御するようになつてい
る。

自動演奏制御回路２１は、機種名記憶部１５の
機種データと、楽器制御回路１１を介して検出さ
れる鍵盤回路１２の鍵データおよび音色・効果制
御操作子回路１３の操作子データとを記録・再生
装置２３に記録させると共に、記録・再生装置２
３からこれら記録データを読み出して楽器制御回
路１１に供給し、演奏を再現させるようになつて
いる。なお、記録・再生装置２３は、磁気テープ
またはフロツピーデイスク等の記録媒体２４をそ
なえている。また、表示装置２５は、演奏再生の
際に記録媒体２４に記録されている記録データの
再生可否を表示するものである。

次に、上記自動演奏装置における記録モードの
動作および再生モードの動作を順次に説明する。

記録モード 記録・再生制御スイツチ回路２２において記録
モードを指定すると、電子楽器１の機種名を示す
データが機種名記憶部１５から読み出され、自動
演奏制御回路２１を介して記録・再生装置２３内
の記録媒体２４に記録される。続いて電子楽器１
の音色・効果制御操作子回路１３からパネル面に
おける音色・効果制御操作子データがパネル初期
データとして記録される。

次に、鍵盤演奏を始めると、鍵盤での鍵状態ま
たはパネル面での操作子状態に変化があるたびに
変化のあつた鍵名、操作子名および操作量（オ
ン／オフまたは設定量）を示すデータと、前回の
変化時期から今回の変化時期までの相対時間を示
す時間データとがイベントデータとして記録され
る。第２図は記録媒体２４に記録される記録デー
タのフオーマツトを示し、KEYは鍵名およびオ
ン／オフを示すキーデータ、TIMEは相対時間を
示す時間データ、TSSは音色・効果制御操作子
名および操作量を示す操作子データである。

再生モード 記録・再生制御スイツチ回路２２において再生
モードを指定すると、第３図にフローチヤートで
示すように、ステツプ100で再生モードがスター
トする。続いて、ステツプ101で電子楽器１の機
種名記憶部１５と記録媒体２４とからそれぞれ機
種データが読み取られて自動演奏制御回路２１に
転送される。読み取られた両機種データはステツ
プ102で比較判別され、その結果、両機種データ
が一致するとステツプ103で記録媒体２４に記録
されている演奏データの読み取りが始まる。ま
ず、パネル初期データが最初に読み取られて楽器
制御回路１１に転送される。このため、電子楽器
１では演奏開始時の音色・効果制御状態が再現さ
れる。

次に、イベントデータが順次に読み取られて楽
器制御回路１１に転送される。この転送動作は時
間データTIMEの示す相対時間に達するたびに次
のキーデータまたは操作子データを転送するよう
に行なわれる。この場合の相対時間の計数には自
動演奏制御回路２１内のタイマ回路が使われる。
このようにして全てのイベントデータが読み取ら
れるとステツプ105で再生モードが終了する。

一方、ステツプ102で両機種データが一致しな
いと判断されると、ステツプ104で表示装置２５
に再生不能の旨が表示され、ただちにステツプ
105で再生モードが終了する。

なお、ステツプ102における両機種データの比
較判別は両データの完全な一致を判別するように
してもよいが、一般に上位機種の電子楽器は下位
機種の電子楽器が有するすべての機能を持つた
め、再生時の電子楽器が記録時の電子楽器と同一
またはそれより上位の機種である場合には、一致
と判別するようにしてもよい。

上記実施例では、表示装置２５で演奏再生不能
の旨のみを表示するようにしたが、再生可能の旨
を表示するようにしてもよい。

以上のように、この考案によれば、演奏記録の
際に電子楽器の機種データを記録し、演奏再生の
際に記録した機種データと再生する電子楽器の機
種データとを比較し、自動的に演奏再生の可否を
制御するようにしたので、演奏記録時の電子楽器
と演奏再生時の電子楽器とが互いに異なる機種で
あつても、操作者がその相違をいちいち確認する
必要がなく、再生操作を極めて簡単に行うことが
でき、しかも、記録媒体に記録した記録データの
暴走・破壊等の危険を未然に回避することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による自動演奏装
置を示すブロツク図、第２図は記録データのフオ
ーマツトを示す図、第３図は第１図の装置の動作
を説明するためのフローチヤートである。 １……電子楽器、２……自動演奏機、１１……
楽器制御回路、１５……機種名記憶部、２１……
自動演奏制御回路、２２……記録・再生制御スイ
ツチ回路、２３……記録・再生装置、２４……記
録媒体、２５……表示装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 記録時の電子楽器の機種情報および演奏情報を
   記録した記録手段と、この記録手段に記録されて
   いる機種情報および再生時の電子楽器の機種情報
   を比較し、その比較結果に基づいて前記記録手段
   に記録されている演奏情報を前記再生時の電子楽
   器で再生するか否かを制御する再生制御手段とを
   有する自動演奏装置。