JPH04321665A - 置換アセトキシアゼチジノン類及び4−アシルオキシアゼチジノン類の製造方法 - Google Patents

置換アセトキシアゼチジノン類及び4−アシルオキシアゼチジノン類の製造方法

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JPH04321665A
JPH04321665A JP3086588A JP8658891A JPH04321665A JP H04321665 A JPH04321665 A JP H04321665A JP 3086588 A JP3086588 A JP 3086588A JP 8658891 A JP8658891 A JP 8658891A JP H04321665 A JPH04321665 A JP H04321665A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチエナマイシンに代表さ
れるペネム系抗生物質の合成中間体の製造方法、より詳
細には次の一般式(4)
【0002】
【化6】
【0003】〔式中、R1 は水素原子、低級アルキル
基又は保護されていてもよいヒドロキシエチル基を示し
、R3 はハロゲン原子、シアノ基、低級アルキルオキ
シ基もしくはフェニル基で置換されていてもよい炭素数
1〜10のアルキル基(ただし、α−位の炭素原子に置
換するハロゲン原子は2個までである)又は置換基を有
していてもよいフェニル基を示し、R4 は水素原子、
低級アルキル基又は低級アルキルオキシカルボニル基を
示す〕で表わされる4−アシルオキシアゼチジノン類の
製造方法に関する。
【0004】
【従来の技術】チエナマイシンに代表されるペネム系抗
生物質は広範囲の抗菌スペクトルを有することから、医
薬品として注目をあびている。ペネム系抗生物質の製造
方法としては、亀谷〔Heterocycles,17
,463〜506(1982) 〕、渋谷〔「有機合成
化学」41,62(1983)〕らによって種々の方法
が報告されているが、その中でも前記一般式(4)で表
わされ、4−アセトキシアゼチジノンに代表される4−
アシルオキシアゼチジノン類を中間に経由する方法は、
化合物(4)が各種求核剤と置換反応が可能なことから
、種々のペネム系抗生物質を製造できる有利な方法であ
る。
【0005】従来、4−アセトキシアゼチジノン類を製
造する方法としては、4−カルボキシアゼチジノン類を
四酢酸鉛で酸化する方法〔Tetrahedron L
etters, 23,2293(1982)〕、4−
カルボキシアゼチジノン類を電極酸化する方法〔同,2
9,1409(1988)〕、4−アセチルアゼチジノ
ン類をメタクロロ過安息香酸により酸化する方法(特開
昭61−50964号)、4−シリルオキシアゼチジノ
ン誘導体を無水酢酸で処理する方法(ヨーロッパ特許第
247,378号)等が知られている。
【0006】しかし、上記方法によりアゼチジノン類の
4位にアセトキシ基を導入するには、4位に特定の置換
基をもつアゼチジノン類を合成し、この置換基を手掛り
としてアセトキシ基を導入しなければならない。しかし
ながら、この方法は、4位に特定の置換基をもつアゼチ
ジノン類を製造するのが厄介であると共に、4位置換基
をアセトキシ基に変換するのが困難であるという欠点が
あり、工業的方法として不利なるを免れなかった。
【0007】また、上記方法以外にも4−アシルオキシ
アゼチジノン類の合成法は、特開平3−48681号公
報及び特開平3−56481号公報において報告されて
いるが、上述のような問題点のほか収率が低い等工業的
に難点があった。
【0008】また、最近では特開平2−231471号
公報で示されるように、アゼチジノン類に、触媒として
ルテニウム化合物を用いて酢酸及び酸化剤としての過酸
化物を反応させてアセトキシ基を導入できるようになっ
た。
【0009】しかし、酸化剤として用いられる過酸化物
は一般に危険なものが多く、その貯蔵、運搬等に厳重な
注意を要し、実際の反応に際しても同様に注意を要し、
また高価である等実際の工業的な実施にあたっては難点
があった。
【0010】また、4−アセトキシアゼチジノン類は、
4−位のアセトキシル基の脱離基としての能力という点
では不十分であり、より活性な脱離基を有する中間体の
開発が望まれる。脱離基の活性については、その酸性度
が高いものほど活性も高く、4−位の置換反応において
有利であることが知られている(W. N. Spec
kamp, H.Hiemstra, Tetrahe
dron, 1985, 41, 4367) 。この
点から、アセトキシル基に比べ、クロロアセトキシル基
、シアノアセトキシル基、ブロモアセトキシル基、ジク
ロロアセトキシル基、ジブロモアセトキシル基等はより
活性であることが予想される。
【0011】特に、ルイス酸等を用いる炭素−炭素結合
生成反応に用いられる炭素求核剤、例えばケテンシリル
アセタール、シリルエノールエーテル等は、反応条件下
において比較的不安定であるが、上記のような活性な脱
離基を有する中間体を用いて反応速度を高めることによ
り、その問題点を解決することができる。
【0012】しかしながら、これらの中間体は4−アセ
トキシ体からのエステル交換反応等による従来の方法で
は合成が困難であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は簡便な操作で、安全かつ収率よくアゼチジノン類の4
位にアシルオキシ基を導入して、4−アシルオキシアゼ
チジノン類を製造する方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような実情において
、本発明者らは鋭意研究を行った結果、ルテニウム化合
物、オスミウム化合物及びコバルト化合物から選ばれる
遷移金属化合物、アルデヒド類並びに酸素の3種の物質
の存在下に、アゼチジノン類とカルボン酸類とを反応さ
せることにより、上記課題が解決できることを見出し、
本発明を完成した。
【0015】本発明は次の反応式で示される。
【0016】
【化7】
【0017】〔式中、R2 は水素原子、低級アルキル
基、低級アルキルオキシカルボニル基又はカルボキシル
基を示し、R1 、R3 及びR4 は前記と同じもの
を示す〕
【0018】すなわち、アゼチジノン類(2)とカルボ
ン酸類(3)を、1)ルテニウム化合物、オスミウム化
合物及びコバルト化合物から選ばれる遷移金属化合物、
2)炭素数2以上のアルデヒド類(ただし、α−位の炭
素原子に置換するハロゲン原子は2個までである)並び
に3)酸素の存在下に反応させることを特徴とする4−
アシルオキシアゼチジノン類(4)の製造方法を提供す
るものである。
【0019】本発明において低級アルキル、低級アルキ
ルオキシとして示す基は、通常炭素数1〜5のものを示
し、低級アルカノイル基は炭素数2〜6のものを示す。
【0020】本発明のアゼチジノン類(2)としては、
アゼチジン−2−オン、3−メチルアゼチジン−2−オ
ン、3−エチルアゼチジン−2−オン、3−(保護)ヒ
ドロキシエチルアゼチジン−2−オン、3−メチル−4
−カルボキシアゼチジン−2オン、3−エチル−4−カ
ルボキシアゼチジン−2−オン、3−(保護)ヒドロキ
シエチル−4−カルボキシアゼチジン−2−オン、4−
メチルアゼチジン−2−オン、4−カルボキシアゼチジ
ン−2−オン、4−メトキシカルボニルアゼチジン−2
−オン等が挙げられる。ここにおいて、水酸基の保護基
としては、ラクタム系化合物において水酸基の保護に一
般に使用されているもの、例えばトリメチルシリル、ト
リエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、ジ
フェニル・tert−ブチルシリル等のシリル基、ベン
ジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル基、o−ニトロベンジルオキシカルボニル基等
が挙げられる。
【0021】これらアゼチジノン類(2)のうち、R1
 が(保護)ヒドロキシエチル基で、R2 が水素原子
の化合物は、Ber.,92,1599(1959)又
は特開平2−231471号公報で示される方法で合成
することができる。
【0022】本発明のもう一方の原料であるカルボン酸
類(3)のうち、R3 が炭素数1〜10のアルキル基
であるものとしては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキ
サン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、イソ酪酸
等が挙げられる。これらのカルボン酸への置換基の数は
、通常特に限定されないが、α位の炭素原子にハロゲン
原子が置換する場合は、2個以内であることが必要であ
る。 これは、トリクロロ酢酸等のα位に3個のハロゲン原子
が置換したカルボン酸を使用すると、基質に影響を与え
て目的物が得られないためである。ハロゲン原子置換カ
ルボン酸としては、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、ブロモ
酢酸、ジブロモ酢酸、3−クロロプロピオン酸、2−ブ
ロモヘキサン酸、2−ブロモオクタン酸等が挙げられる
。低級アルキルオキシ基置換カルボン酸としては、メト
キシ酢酸、3−エトキシプロピオン酸等が挙げられる。 シアノ基置換カルボン酸としては、シアノ酢酸等が挙げ
られる。フェニル基置換カルボン酸としては、フェニル
酢酸、2−フェニル酪酸、6−フェニルヘキサン酸等が
挙げられる。また、R3 が置換基を有していてもよい
フェニル基であるカルボン酸としては、安息香酸、p−
クロロ安息香酸、p−エトキシ安息香酸、2,4−ジニ
トロ安息香酸等が挙げられる。
【0023】本発明において用いられる遷移金属化合物
は、触媒として作用するものであり、そのうち、ルテニ
ウム化合物としては、次の(a)〜(j)で示されるも
のが挙げられる。
【0024】(a)次の一般式(5) RuA3         (5) 〔式中、Aはハロゲン原子、低級アルカノイルオキシ基
又はアセチルアセトナートを示す〕で表わされる化合物
。具体例としては、例えば三塩化ルテニウム、三臭化ル
テニウム、三ヨウ化ルテニウム及びこれらの水和物、ル
テニウムアセチルアセトナート、酢酸ルテニウム等が挙
げられる。
【0025】(b)ルテニウム金属又はルテニウム−担
体。 ルテニウム金属としては粉末状ルテニウム金属が挙げら
れ、ルテニウム一担体としては、ルテニウム−カーボン
、ルテニウム−グラファイト、ルテニウム−アルミナ、
ルテニウム−シリカ、ルテニウム−シリカ−アルミナ、
ルテニウム−ゼオライト、ルテニウム−酸化鉄、ルテニ
ウム−酸化ジルコニウム、ルテニウム−ケイソウ土等が
挙げられる。
【0026】(c)次の一般式(6) [RurClmHn(N2)jBp]q   (6)〔
式中、BはPR53 (ここでR5 は低級アルキル基
もしくは低級アルキルオキシ基で置換されていてもよい
フェニル基又は低級アルキル基を示す)を示し、R5 
が低級アルキル基又は低級アルキルオキシ基で置換され
ていてもよいフェニル基のとき、m 、n 、j 、p
 、q 及びr は1)m=0,n=2,j=0,p=
4,q=1,r=12)m=0,n=2,j=1,p=
3,q=1,r=13)m=1,n=1,j=0,p=
3,q=1,r=1又は 4)m=2,n=0,j=0,p=3,q=1,r=1
を示し、R5 が低級アルキル基のときm 、n 、j
 、p 、q 及びr は、 1)m=3,n=0,j=0,p=2,q=2,r=1
又は 2)m=5,n=0,j=0,p=3,q=1,r=2
を示す〕で表わされる化合物。具体例としては、例えば
RuHCl(PPh3)3 、RuCl2(PPh3)
3 、RuH2(PPh3)3 、RuH2(N2)(
PPh3)3 、[RuCl3(PBu3)2]2 、
Ru2Cl5(PBu3)3 (式中、Phはフェニル
基を示し、Buはブチル基を示す)等が挙げられる。
【0027】(d)次の一般式(7) [RuY2L]m           (7)〔式中
、Yは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、mは
正の整数を示し、Lは1,5−シクロオクタジエン、ノ
ルボルナジエン、シクロオクタテトラエン、シクロヘプ
タトリエン又は低級アルキル基が置換していてもよいベ
ンゼンを示す〕で表わされる化合物。具体例としては、
例えばRuCl2(COD) 、RuCl2(NBD)
 、RuCl2(COT) 、RuBr2(COD)、
RuBr2(NBD) 、RuBr2(COT) 、R
uI2(COD) 、RuI2(NBD) 、RuI2
(COT) 、RuCl2(CHPT)、RuBr2(
CHPT)、RuCl2(C6H6) 、RuBr2(
C6H6) 、RuI2(C6H6) 、RuCl2(
C6H5CH3) 、RuCl2[p−C6H4(CH
3)2 ] 、RuCl2[1,3,5−C6H3(C
H3)3] 、RuCl2[p−シメン] (式中、C
OD は1,5−シクロオクタジエンを示し、NBD 
はノルボルナジエンを示し、COT はシクロオクタテ
トラエンを示し、CHPTはシクロヘプタトリエンを示
す)等が挙げられる。
【0028】(e)次の一般式(8) RuxHyClz(R−BINAP)2(S)p   
(8)〔式中、R−BINAP は次の一般式(9)

0029】
【化8】
【0030】(ここでRは水素原子、メチル基又はte
rt−ブチル基を示す)で示される三級ホスフィンを示
し、Sは三級アミンを示し、yが0のときxは2、zは
4、pは1を示し、yが1のときxは1、zは1、pは
0を示す〕で表わされる化合物。
【0031】(f)次の一般式(10)
【0032】
【化9】
【0033】〔式中、Xは水素原子、アミノ基、アセチ
ルアミノ基又はスルホン基を示し、R6 は水素原子又
は低級アルキル基を示し、R7 及びR8 は低級アル
キル基、ハロゲン化低級アルキル基、低級アルキル基で
置換されていてもよいフェニル基、α−アミノアルキル
基又はα−アミノフェニルアルキル基を示すか、あるい
はR7 とR8 が一緒になってアルキレン基を形成し
、nは1又は2を示す〕で表わされる化合物。
【0034】(g)次の一般式(11)[RuHl(R
−BINAP)m]Zn       (11)〔式中
、R−BINAP は前記と同様の意味を示し、ZはC
lO4 、BF4 又はPF6 を示し、lが0のとき
mは1、nは2を示し、lが1のときmは2、nは1を
示す〕で表わされる化合物。
【0035】(h)次の一般式(12)[RuTlMm
(R−BINAP)]Kn         (12)
〔式中、R−BINAP は前記と同様の意味を示し、
Tはハロゲン原子を示し、Mは置換されていてもよいベ
ンゼン又はアセトニトリルを示し、Kはハロゲン原子、
ClO4、PF6 、BPh4 (式中、Phはフェニ
ル基を示す) 又はBF4 を示し、Mが置換基を有し
ていてもよいベンゼンの場合、lは1、mは1、nは1
を示し、Mがアセトニトリルの場合、lが1のときはm
は2、nは1を示し、lが0のときはmは4、nは2を
示す〕で表わされる化合物。
【0036】(i)Ru3(CO)12、Rul2(C
O)2 、Ru2Cl4(CO)6 、Ru(CO)5
又はRu(TPP)(CO)−THF。〔式中、TPP
 はテトラフェニルポルフィンを示し、THF はテト
ラヒドロフランを示す〕
【0037】(j)Ru(NO)Cl3・H2O 、R
u(NO)Br3・H2O 、K(RuO4) 又はB
a(RuO3(OH)2)。
【0038】また、オスミウム化合物としては、次の一
般式(13) OsY3       (13) 〔式中、Yは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す
〕で表わされる化合物が挙げられる。具体例としては、
三塩化オスミウム、三臭化オスミウム、三ヨウ化オスミ
ウム及びこれらの水和物がある。
【0039】さらに、コバルト化合物としては、次の一
般式(14) CoW2         (14) 〔式中、Wは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はアセ
トキシ基を示す〕で表わされる化合物が挙げられる。具
体例としては、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コ
バルト、酢酸コバルト及びこれらの水和物がある。
【0040】ここで上記化合物のうち、一般式(6)で
表わされる化合物は日本化学会編「新実験化学講座(第
12巻)有機金属化学」(昭和51−3−20,丸善)
P.163 、J. C.S., Dalton Tr
ans,(1980) P.2480に記載の方法で得
ることができる。また、一般式(7)で表わされる化合
物は CHEMISTRY AND IND.,(19
59) P.1516 、J. C. S.,(195
9) P.3178、J. Organometal.
,7(1967) P.487、J. C. S., 
Dalton Trans,(1974)P.233に
記載の方法で合成されるが、得られた化合物は一般式(
6)のmが1のもののみが存在する場合もあり、mが1
のものだけでなくそのポリマーと共に混在する場合もあ
る(以下、省略してmが1の形で表記する)。また一般
式(8)で表わされる化合物は特開昭61−63690
号公報に記載の方法で、一般式(10)で表わされる化
合物は特開昭62−265293号公報に記載の方法で
、一般式(11)で表わささる化合物は特開昭63−4
1487号公報に記載の方法で、一般式(12)で表わ
される化合物は特開平2−191289号公報に記載の
方法でそれぞれ得ることができる。
【0041】本発明において用いられる炭素数2以上の
アルデヒド類としては、特に限定されるものではないが
、置換基を有していてもよいアルキルアルデヒド、アル
ケニルアルデビド及びアリールアルデヒド等が挙げられ
る。置換基を有していてもよいアルキルアルデヒドとし
ては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチ
ルアルデヒド、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナ
ール、デカナール、ドデカナール、イソプロピオンアル
デヒド、イソブチルアルデヒド、クロロアセトアルデヒ
ド、ジクロロアセトアルデヒド、フルオロアセトアルデ
ヒド、ブロモアセトアルデヒド、α−クロロプロピオン
アルデヒド、α−ブロモプロピオンアルデヒド、1−ク
ロロオクタナール、フェニルアセトアルデヒド、p−メ
トキシフェニルアセトアルデヒド、p−クロロフェニル
アセトアルデヒド、m−クロロフェニルアセトアルデヒ
ド、シクロヘキサンカルバルデヒド、シクロペンタンカ
ルバルデヒド等が挙げられる。置換基を有していてもよ
いアルケニルアルデヒドとしては、クロトンアルデヒド
、2−ペンテナール、2−ヘキセナール等が挙げられる
。置換基を有していてもよいアリールアルデヒドとして
はベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、m
−クロロベンズアルデヒド、p−メトキシベンズアルデ
ヒド、o−メトキシベンズアルデヒド、3,4−ジメト
キシベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、
ピペロナール、1−ホルミルナフタレン、2−ホルミル
ナフタレン等が挙げられる。また、これらのアルデヒド
類の場合も、α位の炭素原子へのハロゲン原子の置換は
2個以内であることが必要である。さらに本発明におい
て用いるアルデヒド類は、使用するカルボン酸に対応す
るアルデヒドを用いると、収率が向上するので好ましい
【0042】本発明に用いる酸素は、酸素ガスでもよい
が、酸素含有ガス、例えば空気を用いてもよい。
【0043】本発明の反応を行なうに際し、カルボン酸
塩を共存させると収率が向上するので好ましい。かかる
カルボン酸塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム
、酢酸リチウム等が挙げられ特に限定されないが、用い
るカルボン酸に対応するカルボン酸塩を用いるとより好
ましい。
【0044】本発明を実施するには、化合物(2)、ア
ルデヒド類、カルボン酸(3)及び遷移金属化合物を適
当な溶媒に溶解または懸濁せしめ、酸素又は酸素含有ガ
ス、例えば空気を通じて、−10℃〜80℃、好ましく
は0℃〜40℃の温度で、撹拌下に0.5〜15時間、
好ましくは1〜5時間反応させることにより行われる。 原料化合物、触媒等の添加順序・方法は特に限定されな
いが、最後にアルデヒドを加えるのが好ましい。
【0045】溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブ
チルケトン、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロ
ホルム等が使用され、またこれらの混合溶液を使用する
こともできる。アルデヒド類は化合物(2)に対し1〜
5倍モル、特に1.1 〜3倍モル使用するのが好まし
く、カルボン酸(3)は化合物(2)に対し1〜15倍
モル、特に2〜10倍モル使用するのが好ましい。また
、遷移金属化合物は化合物(2)に対し0.001〜0
.1倍モル、特に0.01〜0.05倍モル使用するの
が好ましい。
【0046】反応混合物からの目的物の単離は、特に限
定されないが、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィ
ー等により行うことができる。
【0047】本発明の方法により得られる4−アシルオ
キシアゼチジノン類(4)のうち、下記一般式(1)

化10】 〔式中、t−Buはtert−ブチル基を示し、Meは
メチル基を示し、Dは塩素原子、臭素原子又はシアノ基
を示し、aが1のときはbは2を、aが2のときはbは
1を示す〕で表わされる置換アセトキシアセチジノン類
は新規化合物である。
【0048】
【発明の効果】叙上の如く、本発明方法は、簡単な操作
で安全に、ペネム系抗生物質の製造中間体として有用な
4−アシルオキシアゼチジノン類(4)を製造すること
のできる工業的に有利な方法である。
【0049】更に、本発明により得られる化合物(1)
は、4−アセトキシアゼチジノン類に比べ、4−位の脱
離基の活性が高いため、カルバペネム系抗生物質の合成
中間体としてより優れているものである。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0051】実施例1 4−アセトキシアゼチジン−2−オンの合成;アゼチジ
ン−2−オン710mg(10mmol) 、無水酢酸
ナトリウム205mg(2.5mmol)、塩化ルテニ
ウム・三水和物130mg(0.5mmol, 5mo
l%)をシュレンク管に計り取り、酸素で充分に置換し
、酸素を満たした風船を付した。これに、酢酸エチル1
00ml 、酢酸5mlを加えて、40℃に加熱し、3
0分間撹拌した。その後、40℃にて撹拌しながら、ア
セトアルデヒド1.1ml(20mmol) を一度に
加え、さらに3時間撹拌を続けた。反応混合液を10%
亜硫酸ナトリウム水溶液400ml に注ぎ、酢酸エチ
ル500ml で2回抽出し、次いで飽和食塩水200
ml で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を
減圧にて留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1(容量比))
にて分離することにより、油状の4−アセトキシアゼチ
ジン−2−オン1.14g(8.8mmol 、収率8
8%)を得た。
【0052】実施例2〜5 基質であるアゼチジノン類を表1に示すように変えた他
は実施例1と同様の処理を行った。その結果表1に示す
4−アセトキシアゼチジノン類をそれぞれ同表に示す収
率で得た。
【0053】
【表1】
【0054】実施例6〜14 (1′R,3R,4R)−4−アセトキシ−3−[ (
1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル
] アゼチジン−2−オンの合成:基質であるアゼチジ
ノン類として(1′R,3S)−3− [(1′−te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル] アゼチ
ジン−2−オン458mg(2mmol)を使用し、遷
移金属化合物(触媒)を表2に示すように変え、無水酢
酸ナトリウム41mg(0.5mmol) 、酢酸を1
ml、酢酸エチル20ml、アセトアルデヒドを0.2
2ml(4mmol)、10%亜硫酸ナトリウム水溶液
を40ml、飽和食塩水を50ml用い、抽出をn−ヘ
キサン100ml で2回行った他は実施例1と同様の
処理を行った。その結果(1′R,3R,4R)−4−
アセトキシ−3−[ (1′−tert−ブチルジメチ
ルシリルオキシ)エチル] アゼチジン−2−オンをそ
れぞれ表2に示す収率で得た。
【0055】
【表2】
【0056】また、同様にして、触媒としてRu(TP
P)(CO)−THF、RuCl2(PPh3)3 、
Ru(acac)(式中、acacはアセチルアセトナ
ートを示す)をそれぞれ用いて、それぞれ目的化合物で
ある(1′R,3R,4R)−4−アセトキシ−3−[
 (1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エ
チル] アゼチジン−2−オンを得た。
【0057】実施例15〜20 (1′R,3R,4R)−4−アセトキシ−3−[ (
1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル
] アゼチジン−2−オンの合成:基質であるアゼチジ
ノン類として(1′R,3S)−3−[ (1′−te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル] アゼチ
ジン−2−オン458mg(2mmol)を使用し、ア
ルデヒドを表3に示すように変え、無水酢酸ナトリウム
41mg(0.5mmol) 、塩化ルテニウム・三水
和物を26mg(0.1mmol、基質に対して5mo
l %)、酢酸を1ml、酢酸エチルを20ml、10
%亜硫酸ナトリウム水溶液を40ml、飽和食塩水を5
0ml用い、抽出をn−ヘキサン100ml で2回行
った他は実施例1と同様の処理を行った。その結果(1
′R,3R,4R)−4−アセトキシ−3−[ (1′
−tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル] 
アゼチジン−2−オンをそれぞれ表3に示す収率で得た
【0058】
【表3】
【0059】実施例21 (1′R,3R,4R)−4−アセトキシ−3−[ (
1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル
] アゼチジン−2−オンの合成:(1′R,3S)−
3−[ (1′−tert−ブチルジメチルシリルオキ
シ)エチル] アゼチジン−2−オン458mg(2m
mol)、無水酢酸ナトリウム41mg(0.5mmo
l) 、塩化ルテニウム・三水和物26mg(0.1m
mol) 、酢酸1ml、酢酸エチル20mlを加えて
溶かし、40℃に加熱した。これにベンズアルデヒド6
.0g(57mmol)を加え、撹拌しながら酸素を5
時間ふき込んだ。反応混合液を10%亜硫酸ナトリウム
水溶液40mlに注ぎ、n−ヘキサン(100ml×2
回)で抽出し、次いで飽和食塩水50mlで洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧にて留去した後
、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン
:酢酸エチル=3:1(容量比))にて分離することに
より、(1′R,3R,4R)−4−アセトキシ−3−
[ (1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシ)
エチル] アゼチジン−2−オン178mg(0.69
mmol、収率30%)を得た。
【0060】実施例22 (1′R,3R,4R)−3−[ (1′−tert−
ブチルジメチルシリルオキシ)エチル] −4−エチル
カルボニルオキシアゼチジン−2−オンの合成:基質で
あるアゼチジノン類として(1′R,3S)−3−[ 
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチ
ル] アゼチジン−2−オン458mg(2mmol)
を使用し、アルデヒドとしてプロピオンアルデヒド0.
36ml(5mmol) を、カルボン酸としてプロピ
オン酸0.75ml(10mmol)を、無水酢酸ナト
リウム41mg(0.5mmol) 、塩化ルテニウム
・三水和物26mg(0.1mmol) 、酢酸エチル
を20ml、10%亜硫酸ナトリウム水溶液を40ml
、飽和食塩水50ml用い、抽出をn−ヘキサン100
ml で2回行った他は実施例1と同様の処理を行った
。その結果(1′R,3R,4R)−3−[ (1′−
tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル] −
4−エチルカルボニルオキシアゼチジン−2−オン50
0mg(1.95mmol、収率85%)を得た。
【0061】mp 84.5 ℃ 1H−NMR(270MHz,CDCl3) δppm
;0.06(s,3H), 0.08(s,3H), 
0.87(s,9H,t−Bu),1.16(t,J=
7.6,3H), 1.26(d,J=6.4,3H)
,2.37(q,J=7.6,2H), 3.18(d
d,J=3.7,1.2,1H),4.22(dq,J
=6.4,3.7,1H), 5.84(d,J=1.
2,1H),6.44(bs,1H,NH)
【0062
】実施例23〜31 基質であるアゼチジノン類として(1′R,3S)−3
−[ (1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシ
)エチル] アゼチジン−2−オン458mg(2mm
ol)を使用し、表4〜表6に示すようなカルボン酸を
10mmol、無水酢酸ナトリウムを41mg(0.5
mmol) 、塩化ルテニウム・三水和物を26mg(
0.1mmol) 、酢酸エチルを20ml、アセトア
ルデヒドを0.28ml(5mmol) 、10%亜硫
酸ナトリウムを40ml、飽和食塩水を50ml用い、
抽出をn−ヘキサン100ml で2回行った他は実施
例1と同様の処理を行った。その結果表4〜表6に示す
4−アシルオキシアゼチジノン類をそれぞれ同表に示す
収率で得た。
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】以下に、各実施例の合成4−アシルオキシ
アゼチジノン類のデータを示す。
【0067】実施例23 mp 109℃ 1H−NMR(270MHz,CDCl3 ) δpp
m;0.07(s,3H), 0.08(s,3H),
 0.87(s,9H),1.27(d,J=6.3,
3H), 3.24(dd,J=3.3,1.2,1H
),4.10(s,2H), 4.24(dq,J=3
.3,6.3,1H),5.94(d,J=1.2,1
H), 6.44(b,1H,NH)
【0068】実施
例24 mp 118℃ 1H−NMR(270MHz,CDCl3 ) δpp
m;0.07(s,3H), 0.08(s,3H),
 0.87(s,9H),1.28(d,J=6.4,
3H), 3.32(dd,J=3.3,1.2,1H
),4.25(dq,J=3.3,6.3,1H), 
5.96(s,1H),6.00(d,J=1.2,1
H), 6.50(b,1H,NH)
【0069】実施
例25 mp 107℃ 1H−NMR(270MHz,CDCl3 ) δpp
m;0.06(s,3H), 0.08(s,3H),
 0.87(s,9H),1.26(d,J=6.3,
3H), 3.24(dd,J=3.4,1.2,1H
),3.86(s,2H), 4.23(dq,J=3
.4,6.3,1H),5.92(d,J=1.2,1
H), 6.49(b,1H,NH)
【0070】実施
例26 mp 105.5℃ 1H−NMR(270MHz,CDCl3 ) δpp
m;0.07(s,3H), 0.09(s,3H),
 0.87(s,9H),1.28(d,J=6.4,
3H), 3.28(dd,J=3.4,1.2,1H
),4.25(dq,J=3.4,6.4,1H), 
5.82(s,1H),5.99(d,J=1.2,1
H), 6.49(b,1H,NH)
【0071】実施
例27 mp 80 ℃ 1H−NMR(270MHz,CDCl3 ) δpp
m;0.07(s,3H), 0.09(s,3H),
 0.87(s,9H),1.26(d,J=6.4,
3H), 3.22(dd,J=3.4,1.2,1H
),4.07(s,2H), 4.22(dq,J=6
.4,3.4,1H),5.94(d,J=1.2,1
H), 6.47(b,1H,NH)
【0072】実施
例28 mp 61 ℃ 1H−NMR(270MHz,CDCl3 ) δpp
m;0.04(s,3H), 0.06(s,3H),
 0.85(s,9H),1.23(d,J=6.4,
3H), 3.18(dd,J=3.6,1.2,1H
),3.66(s,2H), 4.20(dq,J=3
.6,6.4,1H), 5.86(d,J=1.2,
1H),6.48(b,1H,NH), 7.24〜7
.36(m,5H,アロマテッィク)
【0073】実施例29 mp 148℃ 1H−NMR(270MHz,CDCl3 ) δpp
m;0.09(s,3H), 0.10(s,3H),
 0.90(s,9H),1.30(d,J=6.3,
3H),3.29(dd,J=2.9,1.2,1H)
, 4.28(dq,J=2.9,6.3,1H),6
.20(d,J=1.2,1H), 6.53(b,1
H,NH),7.94(d,J=8.6,1H), 8
.57(dd,J=8.6,2.2,1H),8.84
(d,J=2.2,1H)
【0074】実施例30 mp 117℃ 1H−NMR(270MHz,CDCl3 ) δpp
m;0.06(s,3H), 0.08(s,3H),
 0.87(s,9H),1.27(d,J=6.4,
3H), 3.27(dd,J=3.2,1.2,1H
),3.52(s,2H), 4.24(dq,J=3
.2,6.4,1H),5.96(d,J=1.2,1
H), 6.53(b,1H,NH)
【0075】実施
例31 mp 60 ℃

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  次の一般式(1) 【化1】 〔式中、t−Buはtert−ブチル基を示し、Meは
    メチル基を示し、Dは塩素原子、臭素原子又はシアノ基
    を示し、aが1のときはbは2を、aが2のときはbは
    1を示す〕で表わされる置換アセトキシアゼチジノン類
  2. 【請求項2】  次の一般式(2) 【化2】 〔式中、R1 は水素原子、低級アルキル基又は保護さ
    れていてもよいヒドロキシエチル基を示し、R2 は水
    素原子、低級アルキル基、低級アルキルオキシカルボニ
    ル基又はカルボキシル基を示す〕で表わされるアゼチジ
    ノン類と次の一般式(3) R3COOH    (3) 〔式中、R3 はハロゲン原子、シアノ基、低級アルキ
    ルオキシ基もしくはフェニル基で置換されていてもよい
    炭素数1〜10のアルキル基(ただし、α−位の炭素原
    子に置換するハロゲン原子は2個までである)又は置換
    基を有していてもよいフェニル基を示す〕で表わされる
    カルボン酸類を、ルテニウム化合物、オスミウム化合物
    及びコバルト化合物から選ばれる遷移金属化合物、炭素
    数2以上のアルデヒド類(ただし、α−位の炭素原子に
    置換するハロゲン原子は2個までである)並びに酸素の
    存在下に反応させることを特徴とする、次の一般式(4
    )【化3】 〔式中、R1 及びR3 は前記と同じものを示し、R
    4 は水素原子、低級アルキル基又は低級アルキルオキ
    シカルボニル基を示す〕で表わされる4−アシルオキシ
    アゼチジノン類の製造方法。
  3. 【請求項3】  ルテニウム化合物が、次の(a)〜(
    j) (a)次の一般式(5) RuA3       (5) 〔式中、Aはハロゲン原子、低級アルカノイルオキシ基
    又はアセチルアセトナートを示す〕で表わされる化合物
    (b)ルテニウム金属又はルテニウム−担体(c)次の
    一般式(6) [RurClmHn(N2)jBp]q   (6)〔
    式中、BはPR53(ここでR5 は低級アルキル基も
    しくは低級アルキルオキシ基で置換されていてもよいフ
    ェニル基又は低級アルキル基を示す)を示し、R5 が
    低級アルキル基又は低級アルキルオキシ基で置換されて
    いてもよいフェニル基のとき、m 、n 、j、p 、
    q 及びr は1)m=0,n=2,j=0,p=4,
    q=1,r=12)m=0,n=2,j=1,p=3,
    q=1,r=13)m=1,n=1,j=0,p=3,
    q=1,r=1又は 4)m=2,n=0,j=0,p=3,q=1,r=1
    を示し、R5 が低級アルキル基のときm、n、j、p
    、q 及びr は、 1)m=3,n=0,j=0,p=2,q=2,r=1
    又は 2)m=5,n=0,j=0,p=3,q=1,r=2
    を示す〕で表わされる化合物 (d)次の一般式(7) [RuY2L]m       (7)〔式中、Yは塩
    素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、mは正の整数
    を示し、Lは1,5−シクロオクタジエン、ノルボルナ
    ジエン、シクロオクタテトラエン、シクロヘプタトリエ
    ン又は低級アルキル基が置換していてもよいベンゼンを
    示す〕で表わされる化合物(e)次の一般式(8) RuxHyClz(R−BINAP)2(S)p   
    (8)〔式中、R−BINAP は次の一般式(9)【
    化4】 (ここでRは水素原子、メチル基又はtert−ブチル
    基を示す)で示される三級ホスフィンを示し、Sは三級
    アミンを示し、yが0のときxは2、zは4、pは1を
    示し、yが1のときxは1、zは1、pは0を示す〕で
    表わされる化合物 (f)次の一般式(10) 【化5】 〔式中、Xは水素原子、アミノ基、アセチルアミノ基又
    はスルホン基を示し、R6 は水素原子又は低級アルキ
    ル基を示し、R7 及びR8 は低級アルキル基、ハロ
    ゲン化低級アルキル基、低級アルキル基で置換されてい
    てもよいフェニル基、α−アミノアルキル基又はα−ア
    ミノフェニルアルキル基を示すか、あるいはR7 とR
    8 が一緒になってアルキレン基を形成し、nは1又は
    2を示す〕で表わされる化合物 (g)次の一般式(11) [RuHl(R−BINAP)m]Zn      (
    11)〔式中、R−BINAP は前記と同様の意味を
    示し、ZはClO4 、BF4 又はPF6 を示し、
    lが0のときmは1、nは2を示し、lが1のときmは
    2、nは1を示す〕で表わされる化合物 (h)次の一般式(12) [RuTlMm(R−BINAP)]Kn      
       (12)〔式中、R−BINAP は前記と同様
    の意味を示し、Tはハロゲン原子を示し、Mは置換され
    ていてもよいベンゼン又はアセトニトリルを示し、Kは
    ハロゲン原子、ClO4 、PF6 、BPh4 (式
    中、Phはフェニル基を示す)又はBF4 を示し、M
    が置換基を有していてもよいベンゼンの場合、lは1、
    mは1、nは1を示し、Mがアセトニトリルの場合、l
    が1のときはmは2、nは1を示し、lが0のときはm
    は4、nは2を示す〕で表わされる化合物(i)Ru3
    (CO)12、Rul2(CO)2 、Ru2Cl4(
    CO)6 、Ru(CO)5 又はRu(TPP)(C
    O)−THF〔式中、TPP はテトラフェニルポルフ
    ィンを示し、THF はテトラヒドロフランを示す〕(
    j)Ru(NO)Cl3・H2O 、Ru(NO)Br
    3・H2O 、K(RuO4) 又はBa(RuO3(
    OH)2)の中から選ばれる化合物である請求項2記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】  オスミウム化合物が、次の一般式(1
    3)OsY3       (13) 〔式中、Yは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す
    〕で表わされる化合物である請求項2記載の製造方法。
  5. 【請求項5】  コバルト化合物が、次の一般式(14
    )CoW2       (14) 〔式中、Wは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はアセ
    トキシ基を示す〕で表わされる化合物である請求項2記
    載の製造方法。
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