JP2000026407A - (3s,4r)−4−〔(r)−1’−ホルミルエチル〕アゼチジン−2−オン誘導体の製造方法 - Google Patents

(3s,4r)−4−〔(r)−1’−ホルミルエチル〕アゼチジン−2−オン誘導体の製造方法

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JP2000026407A
JP2000026407A JP10197204A JP19720498A JP2000026407A JP 2000026407 A JP2000026407 A JP 2000026407A JP 10197204 A JP10197204 A JP 10197204A JP 19720498 A JP19720498 A JP 19720498A JP 2000026407 A JP2000026407 A JP 2000026407A
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Howard Alper
アルパー ハワード
Takao Saito
隆夫 齊藤
Takashi Miura
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07D205/06Heterocyclic compounds containing four-membered rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having one double bond between ring members or between a ring member and a non-ring member
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 式(1)(R1 はH又は水酸基の保護
基)で表される4−ビニルアゼチジン−2−オン化合物
を、式(2)(R2 は低級アルキル基、低級アルコキシ
基及びハロゲン原子から選ばれる1〜5個の置換基を有
していてもよいフェニル基)で表される(2S,4R)
−体のジホスフィン化合物とロジウム錯体の存在下に不
斉ヒドロホルミル化する、式(3)(R1 は前記と同
じ。)で表される(3S,4R)−4−〔(R)−1’
−ホルミルエチル〕アゼチジン−2−オン誘導体の製
法。 【化1】 【効果】 安価な光学活性ジホスフィン化合物及びロジ
ウム錯体を共に触媒として使用することにより、高い選
択性で、且つ効率良くカルバペネム系抗生物質の重要な
中間体化合物(3)を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性ジホスフ
ィン化合物及びロジウム錯体を共に触媒として用いる不
斉ヒドロホルミル化反応により、カルバペネム系抗生物
質の合成中間体として有用な(3S,4R)−4−
〔(R)−1’−ホルミルエチル〕アゼチジン−2−オ
ン誘導体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、多くの金属錯体が有機合成反応の
触媒として実用化されている。特に、貴金属錯体は安定
で取り扱いが容易であるため、高価であるにも関わらず
これを触媒として使用する多くの合成研究がなされ、こ
れまでの手法では到底不可能とされていた有機合成反応
を可能にしている。
【0003】特に、ロジウム、ルテニウムなどの遷移金
属に光学活性なジホスフィンを配位させた錯体は不斉合
成反応の優れた触媒として知られており、多種多様なる
特殊な構造のホスフィン化合物が開発されてきた(日本
化学会編、化学総説32「有機金属の化学」、237〜
238頁、昭和57年)。
【0004】その中でも、遷移金属−光学活性ホスフィ
ン錯体を用いる不斉ヒドロホルミル化反応に注目してみ
ると、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリ
ー、第46巻、第4422頁(J.Org.Che
m.,46,4422(1981))には、光学活性な
2,3−o−ジイソプロピリデン−2,3−ジヒドロキ
シ−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(以
下、「DIOP」と略す)を配位子とするロジウム錯体
を用いる反応が、また、ブルテン・オブ・ケミカル・ソ
サエティ・オブ・ジャパン、第52巻、第2605頁
(Bull.Chem.Soc.Jpn.,52,26
05(1976))には、光学活性なジホスフィン(D
IOPなど)を配位子とするロジウム錯体を用いる反応
が、更に、テトラヘドロン・アシメトリイ、第10巻、
第693頁(Tetrahedron Asymmet
ry,10,693(1990))には、DIOPなど
を配位子とするロジウム錯体を用いるアセトアミドアク
リル酸メチルの触媒的不斉ヒドロホルミル化反応などが
報告されている。
【0005】一方、光学活性な第三級ホスファイトを配
位子とする錯体触媒としては、テトラヘドロン・アシメ
トリイ、第3巻、第583頁(Tetrahedron
Asymmetry,3,583(1992))に、
光学活性なビナフチル骨格を有するビス(トリアリール
ホスファイト)が記載されており、これを配位子とする
ロジウム錯体を用いる酢酸ビニルの不斉ヒドロホルミル
化反応が報告されている。
【0006】また、最近、BINAPHOSというビナ
フチル骨格を持ちながらC2キラリティーを持たない非
対称な構造を有する配位子がオレフィンの不斉ヒドロホ
ルミル化反応において有用であることが報告されている
(J.Am.Chem.Soc.,115,7033
(1993))。
【0007】このように、不斉合成のための触媒は種々
知られているが、更に、得ようとする目的化合物により
高い選択性が要求される場合があり、このような要求に
適合した触媒の開発が求められている。
【0008】特に、医薬の分野においては高い選択性が
要求され、例えば、近年活発に開発が行われているカル
バペネム系抗生物質の重要中間体である(3S,4R)
−4−〔(R)−1’−ホルミルエチル〕アゼチジン−
2−オン誘導体の製造方法として、光学活性ホスフィン
−ホスファイト化合物とロジウムなどの金属化合物を触
媒として4−ビニルアゼチジン−2−オン化合物を不斉
ヒドロホルミル化する方法が報告されている(特開平6
−316,560号公報)。
【0009】また、光学活性ホスフィン−ホスフィナイ
ト化合物とロジウムなどの金属化合物を触媒として4−
ビニルアゼチジン−2−オン化合物を不斉ヒドロホルミ
ル化する方法が報告されている(特開平9−40,68
4号公報)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
上記の方法はいずれもホルミル基の付く位置選択性に起
因する副生成物であるノルマル体(n−体:2’−ホル
ミルエチル体)がかなり生成すると同時に、不斉収率に
影響を与えるホルミル基の付く向きの選択性による目的
化合物である(R)−体(即ちβ−体)以外のS−体
(即ちα−体)も生成することが認められ、このため、
この位置選択性と不斉収率とを併せて満足させ、且つ目
的化合物を収率良く得ることが望まれていた。
【0011】特に、カルバペネム系抗生物質の重要中間
体として利用価値の高いβ−配置のメチル基を有する
(3S,4R)−4−〔(R)−1’−ホルミルエチ
ル〕アゼチジン−2−オン誘導体を、高い位置選択性と
不斉収率で、効率的に製造する方法が望まれていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、安価で入手容易な
光学活性ジホスフィン化合物とロジウム錯体を共に触媒
として用いる不斉ヒドロホルミル化反応が、本発明の目
的化合物であるβ−配置のメチル基を有する(3S,4
R)−4−〔(R)−1’−ホルミルエチル〕アゼチジ
ン−2−オン誘導体を高い選択性で、且つ効率的に製造
する方法であることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0013】即ち、本発明は、式(1)
【0014】
【化5】
【0015】(式中、R1 は水素原子又は水酸基の保護
基を示す。)で表される4−ビニルアゼチジン−2−オ
ン化合物を、式(2)
【0016】
【化6】
【0017】(式中、R2 は低級アルキル基、低級アル
コキシ基及びハロゲン原子から選ばれる1〜5個の置換
基で置換されていてもよいフェニル基を示す。)で表さ
れる(2S,4S)−体のジホスフィン化合物とロジウ
ム錯体の存在下に不斉ヒドロホルミル化することを特徴
とする、式(3)
【0018】
【化7】
【0019】(式中、R1 は前記と同じ意味を有す
る。)で表される(3S,4R)−4−〔(R)−1’
−ホルミルエチル〕アゼチジン−2−オン誘導体の製造
方法を提供するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。本発明において出発原料として使用される4
−ビニルアゼチジン−2−オン化合物(式(1))は既
に公知の化合物であり、例えば、Liebig An
n.Chem.,539−560(1974)に記載さ
れた方法で合成することができる。
【0021】具体的には、下記反応式に従い、4−アセ
トキシアゼチジノン−2−オン誘導体(式(4))に、
アセトン−水、メタノール、水−メタノールなどの可溶
性溶媒中、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p−トル
エンスルフィン酸ナトリウム或いはこれに対応するカリ
ウム塩、リチウム塩を反応させて、式(5)で表される
化合物に誘導する。次いで、この化合物にJ.C.S.
Chem.Commn.,736−738(1980)
に記載の方法に従い、有機ビニル化合物、例えば塩化ビ
ニルマグネシウム、臭化ビニルマグネシウム、ヨウ化ビ
ニルマグネシウム、ジビニルマグネシウム、ビニルリチ
ウム、塩化ビニル亜鉛、ジビニル亜鉛などのビニル化剤
を反応させることによって出発物質である4−ビニルア
ゼチジン−2−オン化合物(式(1))を得ることがで
きる。
【0022】
【化8】
【0023】(式中、R1 は前記と同じ意味を有し、A
cはアセチル基、Arはハロゲン原子、低級アルキル基
等で置換されていてもよいフェニル基を示す。)
【0024】4−ビニルアゼチジン−2−オン化合物
(式(1))の置換基R1 は、水素原子又は水酸基の保
護基を示すが、この水酸基の保護基としては通常の保護
基、即ち加水分解や水素化反応により水酸基にすること
ができる保護基でよく、例えば、有機シリル基、アシル
基、アラルキル基等が挙げられる。具体的にはトリ低級
アルキルシリル基、ジフェニル低級アルキルシリル基、
トリフェニルシリル基、低級アルキルカルボニル基、ベ
ンジル基、ベンゾイル基などが挙げられるが、より好ま
しくはトリ低級アルキルシリル基、ジフェニル低級アル
キルシリル基を挙げることができる。
【0025】これら水酸基の保護基のうち、置換される
低級アルキル基としては炭素数1乃至6個の直鎖又は分
岐鎖のアルキル基が置換したものが好ましい。例えば、
トリ低級アルキルシリル基としてはtert−ブチルジ
メチルシリル基、ジメチルテキシルシリル基、トリエチ
ルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリメチルシ
リル基などが挙げられ、特にtert−ブチルジメチル
シリル基が好ましい。また、ジフェニル低級アルキルシ
リル基としてはtert−ブチルジフェニルシリル基が
好ましい。
【0026】本発明の目的化合物である(3S,4R)
−4−〔(R)−1’−ホルミルエチル〕アゼチジン−
2−オン誘導体(式(3))は、前述した4−ビニルア
ゼチジン−2−オン化合物(式(1))を、光学活性ジ
ホスフィン化合物(式(2))とロジウム化合物を触媒
として不斉ヒドロホルミル化反応を行うことにより製造
される。
【0027】本発明によれば、4−ビニルアゼチジン−
2−オン化合物(式(1))を、ジホスフィン化合物の
(S,S)−体とロジウム化合物の存在下に不斉ヒドロ
ホルミル化することにより、生成し得るα−体、β−体
及びn−体の三種類の異性体のうち、特にβ−体を選択
的に、且つ効率良く製造することができる。
【0028】
【化9】
【0029】(式中、R1 は前記と同じ。)
【0030】本反応において触媒として使用されるジホ
スフィン化合物において、式(2)中のR2 は低級アル
キル基、低級アルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれ
る1〜5個の置換基で置換されていてもよいフェニル基
を示すが、これらの置換基は0〜3個が好ましい。
【0031】フェニル基に置換する低級アルキル基の例
としては、炭素数が1乃至4個の直鎖又は分岐鎖のアル
キル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イ
ソブチル基、tert−ブチル基などを挙げることがで
きる。この低級アルキル基が置換したフェニル基の好ま
しい具体例としては、o−トリル基、m−トリル基、p
−トリル基、3,5−ジメチルフェニル基、メシチル
基、3,5−ジ(tert−ブチル)フェニル基、3,
5−ジエチルフェニル基などを挙げることができる。
【0032】また、フェニル基に置換する低級アルコキ
シ基の例としては、炭素数1乃至4個の低級アルコキシ
基、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキ
シ基、イソプロピルオキシ基、tert−ブトキシ基な
どを挙げることができる。この低級アルコキシ基が置換
したフェニル基の好ましい具体例としては、p−メトキ
シフェニル基、m−メトキシフェニル基、3,5−ジメ
トキシフェニル基などを挙げることができる。
【0033】更に、フェニル基に置換するハロゲン原子
としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子が挙げられる。このハロゲン原子が置換したフェニル
基の好ましい具体例としては、p−フルオロフェニル
基、3,5−ジフルオロフェニル基、p−クロロフェニ
ル基、3,5−ジクロロフェニル基、p−ブロモフェニ
ル基、3,5−ジブロモフェニル基などを挙げることが
できる。
【0034】本発明の不斉ヒドロホルミル化反応におい
て配位子として用いるジホスフィン化合物は前述したも
のが挙げられるが、目的化合物である(3S,4R)−
4−〔(R)−1’−ホルミルエチル〕アゼチジン−2
−オン誘導体(式(3))を得るためには立体配置が
(S,S)−体であるジホスフィン化合物を用いること
が必須の条件であり、本発明の目的化合物を得るために
は(2S,4S)−体を用いる必要がある。このもの
は、通常、基質である4−ビニルアゼチジン−2−オン
化合物(式(1))に対して0.0005〜10モル
%、好ましくは0.001〜5モル%使用することがで
きる。
【0035】また、もう一つの触媒成分であるロジウム
錯体としてはカチオン性錯体が好ましく、具体的には次
の式(4)で表される化合物が挙げられる。
【0036】
【化10】
【0037】(式中、Lは1,5−シクロオクタジエン
(以下、「COD」と略す)又はノルボルナジエン(以
下、「NBD」と略す)を、Phはフェニル基を示し、
η6 は配位電子数が6であることを意味する。)
【0038】即ち、ロジウム錯体としては
【0039】
【化11】
【0040】を挙げることができるが、後者の方が好ま
しい。ロジウム錯体は、通常、使用される光学活性ジホ
スフィン化合物の量の1/4倍モル量乃至等モル量、好
ましくは1/3乃至1/2倍モル量使用することができ
る。
【0041】本反応に使用される溶媒としては、反応に
悪影響を及ぼさないものであればいずれも使用すること
ができ、特に炭化水素類が好ましい。具体的にはn−ヘ
キサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、
ノナン、デカン、シクロヘキサン、シクロペンタン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどを挙げる
ことができる。この他、ジイソプロピルエーテル、ジブ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエー
テル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン
類、酢酸エチル、酪酸ブチル、安息香酸ブチルなどのエ
ステル類などを挙げることができる。これらの溶媒は、
単独或いは2種以上を混合して使用することもできる。
【0042】本発明のヒドロホルミル化反応において、
反応温度は生成するアルデヒドの熱安定性の面からは低
い方が良く、反応速度の面からは高い方が望ましいが、
通常は−20〜250℃、好ましくは10〜120℃の
範囲である。また、反応時間は1〜48時間、好ましく
は6〜30時間で行うことができる。
【0043】本発明の不斉ヒドロホルミル化反応は、通
常のヒドロホルミル化反応のように一酸化炭素及び水素
の存在下で行われるが、この場合の反応圧力は5〜20
0kg/cm2 、好ましくは20〜150kg/cm2 の範囲で
行うことができる。この場合の一酸化炭素と水素の混合
モル比は、一酸化炭素/水素の比で10〜0.1、好ま
しくは4〜0.25の範囲である。また、一酸化炭素と
水素の混合モル比がこのような割合を保持している限
り、反応に不活性な他のガスで希釈することができ、例
えばメタン、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素な
どを単独或いは2種以上混合して使用することができ
る。
【0044】本発明の不斉ヒドロホルミル化反応によれ
ば、従来法において問題となったn−体の生成が著しく
低く、目的化合物であるβ−体をβ−体/α−体/n−
体の比で約84%と高い選択性をもって合成することが
できる。
【0045】このようにして得られる本発明の目的化合
物である(3S,4R)−4−〔(R)−1’−ホルミ
ルエチル〕アゼチジン−2−オン誘導体(式(3))
は、通常の酸化反応、例えばジョーンズ(Jones)
酸化などにより酸化することにより、容易にホルミル基
がカルボキシル基に変換され、最終的にカルバペネム系
抗生物質に誘導される有用な中間体となる。
【0046】
【実施例】以下に、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるも
のではない。なお、各実施例における物性の測定に用い
た装置は次の通りである。 ・核磁気共鳴スペクトル(NMR) AM−400(ブルッカー社製、400MHz) 内部標準物質 1H−NMR:テトラメチルシラン31 P−NMR:85%リン酸 ・高速液体クロマトグラフィー(HPLC) 日立−L−6000((株)日立製作所製)
【0047】実施例1(3S,4R)−3−((R)−1−tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)エチル−4−((R)−1’−
ホルミルエチル)−アゼチジン−2−オンの合成 〔Rh(NBD)BPh4 5.1mg(0.01ミリモ
ル)、(2S,4S)−ビス(ジフェニル)ホスフィノ
ペンタン8.8mg(0.02ミリモル)、(3S,4
R)−3−((R)−1−tert−ブチルジメチルシ
リルオキシエチル)−4−ビニルアゼチジン−2−オン
127.7mg(0.5ミリモル)を45mlのオートクレ
ーブに取り、窒素で十分に容器内を置換した後に、ベン
ゼン5mlを加えた。これに一酸化炭素/水素=1/1の
混合ガス50kg/cm2 を加圧した。湯浴にて76℃に加
熱し、攪拌しながら24時間反応させた。その後、室温
まで放置した後、過剰の一酸化炭素と水素を排出した。
【0048】反応溶液をHPLCにて分析したところ、
(3S,4R)−3−((R)−1−tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)エチル−4−((R)−1’−
ホルミルエチル)−アゼチジン−2−オン(β−体)、
(3S,4R)−3−((R)−1−tert−ブチル
ジメチルシリルオキシ)エチル−4−((S)−1’−
ホルミルエチル)−アゼチジン−2−オン(α−体)及
び(3S,4R)−3−((R)−1−tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシ)エチル−4−(ホルミルエチ
ル)−アゼチジン−2−オン(n−体)の選択比がβ−
体/α−体=88/12、β−体+α−体/n−体=9
6/4、即ち、β−体/α−体/n−体=84.5/1
1.5/4.0であることが認められた。
【0049】なお、β−体/α−体の比、及びβ−体+
α−体/n−体の比は、1H−NMRのアルデヒドプロ
トンの積分比及びHPLC(Cosmosil 5C1
8−MS(商品名;ナカライテスク(株))、溶離液:
アセトニトリル/水=65/35、流速:0.5ml/m
in、検出器:Shodex RI SE−51)によ
って決定した。
【0050】(β−体)1 H−NMR(400MHz,CDCl3 ,δ) 0.07(s,3H)、0.08(s,3H)、0.8
8(s,9H) 1.22(d,J=7.3Hz,3H)、1.24
(d,J=6.3Hz) 2.68(m,1H)、3.94(dd,J=5.4,
2.4Hz,1H) 4.20(m,1H)、5.98(s,1H)、9.8
1(d,J=1.1Hz,1H)
【0051】実施例2 ホスフィン化合物を(2S,4S)−ビス(p−トリ
ル)ホスフィノペンタンに変えた他は、実施例1と同様
の操作手順に従い目的化合物を製造した。得られた目的
化合物をHPLCにより分析したところ、β−体/α−
体=86/14、β−体+α−体/n−体=95/5、
即ち、β−体/α−体/n−体=81.7/13.3/
5であることが認められた。
【0052】実施例3、4 溶媒を下表1に示すように変えた他には、実施例1と同
様の操作手順に従い目的化合物を製造した。その結果、
下表1に示す生成比で目的化合物であるホルミル体を得
た。
【0053】
【表1】
【0054】実施例5 一酸化炭素及び水素の圧力を下表2に示すように変えた
他には、実施例1と同様の操作手順に従い目的化合物を
製造した。その結果、下表2に示す生成比で目的化合物
であるホルミル体を得た。
【0055】
【表2】
【0056】実施例6、7 温度を下表3に示すように変えた他には、実施例1と同
様の操作手順に従い目的化合物を製造した。その結果、
下表3に示す生成比で目的化合物であるホルミル体を得
た。
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】本発明は、4−ビニルアゼチジノン−2
−オン化合物の不斉ヒドロホルミル化反応において、安
価な光学活性ジホスフィン化合物及びロジウム錯体を共
に触媒として使用することにより、高い選択性で、且つ
効率良くカルバペネム系抗生物質の重要な中間体である
(3S,4R)−4−〔(R)−1’−ホルミルエチ
ル〕アゼチジン−2−オン誘導体を製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 孝志 神奈川県平塚市西八幡1丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC21 AC45 AC81 BA24 BA48 BE20 BE40 4H039 CA62 CL45

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 (式中、R1 は水素原子又は水酸基の保護基を示す。)
    で表される4−ビニルアゼチジン−2−オン化合物を、
    式(2) 【化2】 (式中、R2 は低級アルキル基、低級アルコキシ基及び
    ハロゲン原子から選ばれる1〜5個の置換基で置換され
    ていてもよいフェニル基を示す。)で表される(2S,
    4S)−体のジホスフィン化合物とロジウム錯体の存在
    下に不斉ヒドロホルミル化することを特徴とする、式
    (3) 【化3】 (式中、R1 は前記と同じ意味を有する。)で表される
    (3S,4R)−4−〔(R)−1’−ホルミルエチ
    ル〕アゼチジン−2−オン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】ロジウム錯体が、式(4) 【化4】 (式中、Lは1,5−シクロオクタジエン又はノルボル
    ナジエンを、Phはフェニル基を示し、η6 は配位電子
    数が6であることを意味する。)で表されるロジウム錯
    体である請求項1記載の(3S,4R)−4−〔(R)
    −1’−ホルミルエチル〕アゼチジン−2−オン誘導体
    の製造方法。
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