JP2787248B2 - 4―アセトキシアゼチジノン類の製造方法 - Google Patents
4―アセトキシアゼチジノン類の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はチエナマイシンに代表されるペネム系抗生物
質の合成中間体の製造方法、より詳細には一般式(I) 〔式中、Zは水素原子、低級アルキル基、保護されてい
てもよいヒドロキシエチル基を示し、Wは水素原子、低
級アルキル基又は基−COOR1(式中、R1は低級アルキル
基を示す)を示す〕で表わされる4−アセトキシアゼチ
ジノン類の製造方法に関する。
質の合成中間体の製造方法、より詳細には一般式(I) 〔式中、Zは水素原子、低級アルキル基、保護されてい
てもよいヒドロキシエチル基を示し、Wは水素原子、低
級アルキル基又は基−COOR1(式中、R1は低級アルキル
基を示す)を示す〕で表わされる4−アセトキシアゼチ
ジノン類の製造方法に関する。
チエナマイシンに代表されるペネム系抗生物質は広範
囲の抗菌スペクトルを有することから、医薬品として注
目をあびている。
囲の抗菌スペクトルを有することから、医薬品として注
目をあびている。
ペネム系抗生物質の製造方法としては、亀谷〔Hetero
cycles,17,463〜506(1982)〕、渋谷〔「有機合成化
学」41,62(1983)〕らによって種々の方法が報告され
ているが、その中でも前記一般式(I)で表わされる4
−アセトキシアゼチジノン類を中間に経由する方法は、
化合物(I)が各種求核剤と反応可能なことから、種々
のペネム系抗生物質を製造できる有利な方法である。
cycles,17,463〜506(1982)〕、渋谷〔「有機合成化
学」41,62(1983)〕らによって種々の方法が報告され
ているが、その中でも前記一般式(I)で表わされる4
−アセトキシアゼチジノン類を中間に経由する方法は、
化合物(I)が各種求核剤と反応可能なことから、種々
のペネム系抗生物質を製造できる有利な方法である。
従来、4−アセトキシアゼチジノン類(I)を製造す
る方法としては、4−カルボキシアゼチジノン類を四酢
酸鉛で酸化する方法〔Tetrahedron Letters,23,2293(1
982)〕、4−カルボキシアゼチジノン類を電極酸化す
る方法〔同,29,1409(1988)〕、4−アセチルアゼチ
ジノン類をメタクロロ過安息香酸により酸化する方法
(特開昭61−50964号)、4−シリルオキシアゼチジノ
ン誘導体を無水酢酸で処理する方法(ヨーロッパ特許第
247,378号)等が知られている。
る方法としては、4−カルボキシアゼチジノン類を四酢
酸鉛で酸化する方法〔Tetrahedron Letters,23,2293(1
982)〕、4−カルボキシアゼチジノン類を電極酸化す
る方法〔同,29,1409(1988)〕、4−アセチルアゼチ
ジノン類をメタクロロ過安息香酸により酸化する方法
(特開昭61−50964号)、4−シリルオキシアゼチジノ
ン誘導体を無水酢酸で処理する方法(ヨーロッパ特許第
247,378号)等が知られている。
しかし、上記方法によりアゼチジノン類の4位にアセ
トキシ基を導入するには、4位に特定の置換基をもつア
ゼチジノン類を合成し、この置換基を手掛りとしてアセ
トキシ基を導入しなければならない。しかしながら、こ
の方法は、4位に特定の置換基をもつアゼチジノン類を
製造するのが厄介であると共に、4位置換基をアセトキ
シ基に変換するのが困難であるという欠点があり、工業
的方法として不利なるを免れなかった。
トキシ基を導入するには、4位に特定の置換基をもつア
ゼチジノン類を合成し、この置換基を手掛りとしてアセ
トキシ基を導入しなければならない。しかしながら、こ
の方法は、4位に特定の置換基をもつアゼチジノン類を
製造するのが厄介であると共に、4位置換基をアセトキ
シ基に変換するのが困難であるという欠点があり、工業
的方法として不利なるを免れなかった。
かかる欠点を克服する手段として、ルテニウム化合物
を用いてアゼチジノン類の4位にアセトキシ基を導入す
る方法が提案されている(特開平2−231471号)が、当
該方法を工業化するにあたってはさらなる触媒活性の向
上が望まれていた。
を用いてアゼチジノン類の4位にアセトキシ基を導入す
る方法が提案されている(特開平2−231471号)が、当
該方法を工業化するにあたってはさらなる触媒活性の向
上が望まれていた。
斯かる実情において、本発明者は鋭意研究を行った結
果、オスミウム化合物を触媒とする酢酸及び酸化剤との
反応により、アゼチジノン類の4位に簡単にアセトキシ
基を導入でき、さらに、ルテニウム化合物を触媒とする
方法よりも触媒活性が高いことを見出し、本発明を完成
した。
果、オスミウム化合物を触媒とする酢酸及び酸化剤との
反応により、アゼチジノン類の4位に簡単にアセトキシ
基を導入でき、さらに、ルテニウム化合物を触媒とする
方法よりも触媒活性が高いことを見出し、本発明を完成
した。
すなわち、本発明は、一般式(II) 〔式中、Zは水素原子、低級アルキル基、保護されてい
てもよいヒドロキシエチル基を示し、Yは水素原子、カ
ルボキシル基、低級アルキル基又は基−COOR1(式中、R
1は低級アルキル基を示す)を示す〕で表わされるアゼ
チジノン類に、オスミウム化合物を触媒として、酢酸及
び酸化剤を反応せしめて一般式(I) 〔式中、Zは前記と同じものを示し、Wは水素原子、低
級アルキル基又は基−COOR1(式中、R1は低級アルキル
基を示す)を示す〕で表わされる4−アセトキシアゼチ
ジノン類を製造する方法を提供するものである。
てもよいヒドロキシエチル基を示し、Yは水素原子、カ
ルボキシル基、低級アルキル基又は基−COOR1(式中、R
1は低級アルキル基を示す)を示す〕で表わされるアゼ
チジノン類に、オスミウム化合物を触媒として、酢酸及
び酸化剤を反応せしめて一般式(I) 〔式中、Zは前記と同じものを示し、Wは水素原子、低
級アルキル基又は基−COOR1(式中、R1は低級アルキル
基を示す)を示す〕で表わされる4−アセトキシアゼチ
ジノン類を製造する方法を提供するものである。
本発明において低級アルキル基としては、例えば炭素
数1〜4のアルキル基が挙げられる。
数1〜4のアルキル基が挙げられる。
本発明の原料のアゼチジノン類(II)としては、アゼ
チジン−2−オン、3−メチルアゼチジン−2−オン、
3−エチルアゼチジン−2−オン、3−(保護)ヒドロ
キシエチルアゼチジン−2−オン、3−メチル−4−カ
ルボキシアゼチジン−2−オン、3−エチル−4−カル
ボキシアゼチジン−2−オン、3−(保護)ヒドロキシ
エチル−4−カルボキシアゼチジン−2−オン、4−メ
チルアゼチジン−2−オン、4−カルボキシアゼチジン
−2−オン、4−メトキシカルボニルアゼチジン−2−
オン等が挙げられる。
チジン−2−オン、3−メチルアゼチジン−2−オン、
3−エチルアゼチジン−2−オン、3−(保護)ヒドロ
キシエチルアゼチジン−2−オン、3−メチル−4−カ
ルボキシアゼチジン−2−オン、3−エチル−4−カル
ボキシアゼチジン−2−オン、3−(保護)ヒドロキシ
エチル−4−カルボキシアゼチジン−2−オン、4−メ
チルアゼチジン−2−オン、4−カルボキシアゼチジン
−2−オン、4−メトキシカルボニルアゼチジン−2−
オン等が挙げられる。
ここにおいて、水酸基の保護基としては、ラクタム系
化合物において水酸基の保護に一般に使用されているも
の、例えばトリメチルシリル、トルエチルシリル、tert
−ブチルジメチルシリル、ジフェニル・tert−ブチルシ
リル等のシリル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−
ニトロベンジルオキシカルボニル基、o−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル基等が挙げられる。
化合物において水酸基の保護に一般に使用されているも
の、例えばトリメチルシリル、トルエチルシリル、tert
−ブチルジメチルシリル、ジフェニル・tert−ブチルシ
リル等のシリル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−
ニトロベンジルオキシカルボニル基、o−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル基等が挙げられる。
これらアゼチジノン類(II)のうち、Zが(保護)ヒ
ドロキシエチル基で、Yが水素原子の化合物は、例えば
アセト酢酸から誘導される〔Ber.,92,1599(1959)〕次
の(III)式の化合物から次の反応式に従って製造され
る。
ドロキシエチル基で、Yが水素原子の化合物は、例えば
アセト酢酸から誘導される〔Ber.,92,1599(1959)〕次
の(III)式の化合物から次の反応式に従って製造され
る。
〔式中、R2はカルボン酸の保護基を、R3は水素原子、低
級アルキル基、低級アルコキシ基または低級アルキル基
若しくは低級アルコキシ基で置換されてもよいフェニ
ル、ベンジルオキシ基を、R4は水酸基の保護基を示す〕 すなわち、化合物(III)をルテニウム−光学活性ホ
スフィン錯体を触媒として不斉水素添加して化合物(I
V)となし、これを希酸等で加水分解して化合物(V)
となし、これを中和して化合物(VI)となし、次いでこ
れをラクタム化して化合物(II−1)を得る。更にこれ
の水酸希を保護すれば化合物(II−2)が得られる。
級アルキル基、低級アルコキシ基または低級アルキル基
若しくは低級アルコキシ基で置換されてもよいフェニ
ル、ベンジルオキシ基を、R4は水酸基の保護基を示す〕 すなわち、化合物(III)をルテニウム−光学活性ホ
スフィン錯体を触媒として不斉水素添加して化合物(I
V)となし、これを希酸等で加水分解して化合物(V)
となし、これを中和して化合物(VI)となし、次いでこ
れをラクタム化して化合物(II−1)を得る。更にこれ
の水酸希を保護すれば化合物(II−2)が得られる。
本発明で触媒として使用されるオスミウム化合物とし
ては無水又は含水の三塩化オスミウム、三臭化オスミウ
ム及び三ヨウ化オスミウムが挙げられるが、就中三塩化
オスミウムが特に好ましい。
ては無水又は含水の三塩化オスミウム、三臭化オスミウ
ム及び三ヨウ化オスミウムが挙げられるが、就中三塩化
オスミウムが特に好ましい。
また、本発明で用いられる酸化剤としては特に限定さ
れるものではないが、例えば各種カルボン酸の過酸化
物、パーオキシド類、高濃度サラシ粉、オゾン、シクロ
ヘキセンオゾニド、過酸化ナトリウム、過ホウ酸ナトリ
ウム、ヨードシルベンゼンジアセテート、ヨードシルベ
ンゼン、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、パラ過ヨウ素酸ナ
トリウム等を挙げることができる。ここでカルボン酸の
過酸化物の具体例としては、過酢酸、過プロピオン酸、
m−クロロ過安息香酸等を挙げることができる。これら
は通常の市販品を用いてもよいし、また反応前にカルボ
ン酸と過酸化水素から別途調製して用いてもよい。更に
パーオキシド類の具体例としては、メチルエチルケトン
パーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、
シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノ
ンパーオキシド、ジアセチルパーオキシド、ジプロピオ
ニルパーオキシド、ジイソブチリルパーオキシド等を挙
げることができる。ここで、酸化剤として、過酢酸を使
用する場合、通常、過酢酸には酢酸が混入していること
から、特に改めて酢酸を添加する必要がなく、便利であ
る。
れるものではないが、例えば各種カルボン酸の過酸化
物、パーオキシド類、高濃度サラシ粉、オゾン、シクロ
ヘキセンオゾニド、過酸化ナトリウム、過ホウ酸ナトリ
ウム、ヨードシルベンゼンジアセテート、ヨードシルベ
ンゼン、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、パラ過ヨウ素酸ナ
トリウム等を挙げることができる。ここでカルボン酸の
過酸化物の具体例としては、過酢酸、過プロピオン酸、
m−クロロ過安息香酸等を挙げることができる。これら
は通常の市販品を用いてもよいし、また反応前にカルボ
ン酸と過酸化水素から別途調製して用いてもよい。更に
パーオキシド類の具体例としては、メチルエチルケトン
パーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、
シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノ
ンパーオキシド、ジアセチルパーオキシド、ジプロピオ
ニルパーオキシド、ジイソブチリルパーオキシド等を挙
げることができる。ここで、酸化剤として、過酢酸を使
用する場合、通常、過酢酸には酢酸が混入していること
から、特に改めて酢酸を添加する必要がなく、便利であ
る。
本発明において酢酸を反応させるに際し、酢酸塩を共
存させると収率が向上するので好ましい。かかる酢酸塩
としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウ
ム等が挙げられる。
存させると収率が向上するので好ましい。かかる酢酸塩
としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウ
ム等が挙げられる。
本発明を実施するには、化合物(II)、酸化剤、酢酸
及びオスミウム化合物を適当な溶媒に溶解または懸濁せ
しめ、−10℃〜50℃の温度で、撹拌下に10分〜5時間、
好ましくは約2時間反応させることにより行われる。原
料化合物、触媒等の添加順序・方法は特に限定されない
が、酸化剤は最後に徐々に添加するのが望ましい。
及びオスミウム化合物を適当な溶媒に溶解または懸濁せ
しめ、−10℃〜50℃の温度で、撹拌下に10分〜5時間、
好ましくは約2時間反応させることにより行われる。原
料化合物、触媒等の添加順序・方法は特に限定されない
が、酸化剤は最後に徐々に添加するのが望ましい。
溶媒としては、アセトニトリル、塩化メチレン、アセ
トン、酢酸、酢酸エステル等の有機溶媒が使用される。
酢酸は化合物(II)に対し10〜60倍モル、特に20〜40倍
モル使用するのが好ましく、酸化剤は化合物(II)に対
し1〜8倍モル、特に2〜3倍モル使用するのが好まし
い。また触媒のオスミウム化合物は化合物(II)に対し
0.001〜0.05倍モル、特に0.01〜0.03倍モル使用するの
が好ましい。
トン、酢酸、酢酸エステル等の有機溶媒が使用される。
酢酸は化合物(II)に対し10〜60倍モル、特に20〜40倍
モル使用するのが好ましく、酸化剤は化合物(II)に対
し1〜8倍モル、特に2〜3倍モル使用するのが好まし
い。また触媒のオスミウム化合物は化合物(II)に対し
0.001〜0.05倍モル、特に0.01〜0.03倍モル使用するの
が好ましい。
反応混合物からの目的物の単離は、自体公知の手段、
例えば再結晶、カラムクロマトグラフィー等により行う
ことができる。
例えば再結晶、カラムクロマトグラフィー等により行う
ことができる。
本発明方法によれば、前記のルテニウム化合物を触媒
として用いる方法よりも有利に4−アセトキシアゼチジ
ノン類を得ることができる。すなわち、ルテニウム化合
物を触媒とする方法では、基質であるアゼチジノン類に
対して10mol%前後のルテニウム化合物を必要とする。
これに対して本発明では、2mol%前後のオスミウム化合
物を用いれば収率良く4−アセトキシアゼチジノン類を
得ることができる。
として用いる方法よりも有利に4−アセトキシアゼチジ
ノン類を得ることができる。すなわち、ルテニウム化合
物を触媒とする方法では、基質であるアゼチジノン類に
対して10mol%前後のルテニウム化合物を必要とする。
これに対して本発明では、2mol%前後のオスミウム化合
物を用いれば収率良く4−アセトキシアゼチジノン類を
得ることができる。
本発明において、原料としてZがカルボキシル基であ
る化合物(II)を用いた場合には、後記実施例5に示す
ように、4−アセトキシ化とともに脱炭酸反応が生起
し、カルボキシル基のない化合物(I)が得られる。
る化合物(II)を用いた場合には、後記実施例5に示す
ように、4−アセトキシ化とともに脱炭酸反応が生起
し、カルボキシル基のない化合物(I)が得られる。
以上のようにして得られる化合物は工業的に有用な化
合物である。その中でも特に、次式 (式中、t−Buはtert−ブチル基を示し、Acはアセチル
基を示す) で表わされる(1′R,3R,4R)−4−アセトキシ−3−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチルア
ゼチジン−2−オンは、チエナマイシンあるいはその他
の重要なペネム系抗生物質の合成において欠かすことの
できない中間体である。本発明によれば、この化合物を
ジアステレオ選択性が99%以上で得られる。
合物である。その中でも特に、次式 (式中、t−Buはtert−ブチル基を示し、Acはアセチル
基を示す) で表わされる(1′R,3R,4R)−4−アセトキシ−3−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチルア
ゼチジン−2−オンは、チエナマイシンあるいはその他
の重要なペネム系抗生物質の合成において欠かすことの
できない中間体である。本発明によれば、この化合物を
ジアステレオ選択性が99%以上で得られる。
叙上の如く、本発明方法は、簡単な操作で触媒活性良
く、ペネム系抗生物質の製造中間体として有用な4−ア
セトキシアゼチジノン類(I)を製造することのできる
工業的に有利な方法である。
く、ペネム系抗生物質の製造中間体として有用な4−ア
セトキシアゼチジノン類(I)を製造することのできる
工業的に有利な方法である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 4−アセトキシアゼチジン−2−オンの合成: アゼチジン−2−オン200mg(2.8mol)、無水酢酸ナ
トリウム230mg(2.8mmol)、酢酸2ml及び三塩化オスミ
ウム三水和物17mg(アゼチジン−2−オンに対して2mol
%)の混合物に、30%過酢酸の酢酸エチル溶液1.56g
(6.2mmol)を室温で撹拌しながら2時間以上かけて滴
下した。その混合物を水50mlにそそぎ、n−ヘキサンで
抽出した。この抽出液をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1(容量比))
により分離精製することにより無色油状の4−アセトキ
シアゼチジン−2−オン280mg(2.2mmol、収率78%)を
得た。
トリウム230mg(2.8mmol)、酢酸2ml及び三塩化オスミ
ウム三水和物17mg(アゼチジン−2−オンに対して2mol
%)の混合物に、30%過酢酸の酢酸エチル溶液1.56g
(6.2mmol)を室温で撹拌しながら2時間以上かけて滴
下した。その混合物を水50mlにそそぎ、n−ヘキサンで
抽出した。この抽出液をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1(容量比))
により分離精製することにより無色油状の4−アセトキ
シアゼチジン−2−オン280mg(2.2mmol、収率78%)を
得た。
実施例2〜6 基質であるアゼチジノン類及び基質に対する三塩化オ
スミウム三水和物の量(mol%)を第1表に示すように
変えた他は実施例1と同様の処理を行った。その結果第
1表に示す4−アセトキシアゼチジノン類をそれぞれ同
表に示す収率で得た。
スミウム三水和物の量(mol%)を第1表に示すように
変えた他は実施例1と同様の処理を行った。その結果第
1表に示す4−アセトキシアゼチジノン類をそれぞれ同
表に示す収率で得た。
実施例7〜11 (1′R,3R,4R)−4−アセトキシ−3−(1′tert−
ブチルジメチルシリルオキシ)エチルアゼチジン−2−
オンの合成: (1′R,3S)−3−(1′−tert−ブチルジメチルシ
リルオキシ)エチルアゼチジン−2−オン200mg(0.87m
mol)、無水酢酸ナトリウム72mg(0.87mmol)、酢酸2ml
及び三塩化オスミウム三水和物7mgの混合物に、表2に
示す酸化剤1.91mmol(そのままもしくは塩化メチレン溶
液にして)をそれぞれ室温まで撹拌しながら2時間以上
かけて滴下した。この混合溶液を水50mlにそそぎ、n−
ヘキサンで抽出した。この抽出液を減圧蒸留し、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エ
チル=8:1(容量比))で分離精製することにより
(1′R,3R,4R)−4−アセトキシ−3−(1′−tert
−ブチルジメチルシリルオキシ)エチルアゼチジン−2
−オンを第2表に示す収率で得た。
ブチルジメチルシリルオキシ)エチルアゼチジン−2−
オンの合成: (1′R,3S)−3−(1′−tert−ブチルジメチルシ
リルオキシ)エチルアゼチジン−2−オン200mg(0.87m
mol)、無水酢酸ナトリウム72mg(0.87mmol)、酢酸2ml
及び三塩化オスミウム三水和物7mgの混合物に、表2に
示す酸化剤1.91mmol(そのままもしくは塩化メチレン溶
液にして)をそれぞれ室温まで撹拌しながら2時間以上
かけて滴下した。この混合溶液を水50mlにそそぎ、n−
ヘキサンで抽出した。この抽出液を減圧蒸留し、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エ
チル=8:1(容量比))で分離精製することにより
(1′R,3R,4R)−4−アセトキシ−3−(1′−tert
−ブチルジメチルシリルオキシ)エチルアゼチジン−2
−オンを第2表に示す収率で得た。
実施例12 4−アセトキシ−3−エチルアゼチジン−2−オンの合
成: 3−エチルアゼチジン−2−オン500mg(5mmol)、無
水酢酸ナトリウム415mg(5mmol)酢酸5ml及び三塩化オ
スミウム三水和物30mg(約2mol%)の混合溶液に、30%
過酢酸の酢酸エチル溶液2.8g(11mmol)を室温にて撹拌
しながら2時間以上かけて滴下した。さらに撹拌を同温
度で4時間続けた後、反応液を水80mlに注ぎ、100mlの
ヘキサンにて3回抽出した。この抽出液を無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸
エチル=1:1(容量比))で分離精製することにより780
mgの4−アセトキシ−3−エチルアゼチジン−2−オン
を得た。収率78%。
成: 3−エチルアゼチジン−2−オン500mg(5mmol)、無
水酢酸ナトリウム415mg(5mmol)酢酸5ml及び三塩化オ
スミウム三水和物30mg(約2mol%)の混合溶液に、30%
過酢酸の酢酸エチル溶液2.8g(11mmol)を室温にて撹拌
しながら2時間以上かけて滴下した。さらに撹拌を同温
度で4時間続けた後、反応液を水80mlに注ぎ、100mlの
ヘキサンにて3回抽出した。この抽出液を無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸
エチル=1:1(容量比))で分離精製することにより780
mgの4−アセトキシ−3−エチルアゼチジン−2−オン
を得た。収率78%。
1H−NMR(CDCl3)δppm:0.99(3H,t,J=7.4Hz) 1.75(2H,m) 2.10(3H,s) 3.08(1H,m) 5.78(1H,d,J=1.25Hz) 6.55(1H,b,NH)
Claims (1)
- 【請求項1】次の一般式(II) 〔式中、Zは水素原子、低級アルキル基、保護されてい
てもよいヒドロキシエチル基を示し、Yは水素原子、カ
ルボキシル基、低級アルキル基、又は基−COOR1(式
中、R1は低級アルキル基を示す)を示す〕で表わされる
アゼチジノン類に無水又は含水のOsX3(式中、Xは塩素
原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す)で表わされるオ
スミウム化合物を触媒として酢酸及び酸化剤を反応せし
めることを特徴とする一般式(I) 〔式中、Zは前記と同じものを示し、Wは水素原子、低
級アルキル基又は基−COOR1(式中、R1は低級アルキル
基を示す)を示す〕 で表わされる4−アセトキシアゼチジノン類の製造方
法。
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