JPH0431110Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は所謂アタツカーと称される横長で大型
の変動入賞孔を備えたパチンコゲーム機に関す
る。

〔従来技術〕

この種アタツカーと称される変動入賞孔には、
他の特定の入賞孔に入賞して開放条件が満たされ
た時、変動入賞孔の下縁部を回動中心として前方
に傾斜して球を変動入賞孔に向かつて案内する開
閉扉が備えられている。そして、開閉扉の回動は
一般的に電磁ソレノイドが用いられており、電磁
ソレノイドが通電されてプランジヤが吸引された
時に前方に回動され、電磁ソレノイドが断電され
てプランジヤが戻しばねによつて元位置に復帰さ
れる時にそのプランジヤによつて後方に回動され
て変動入賞孔を閉塞するようにしている。

ところで、パチンコホール等で、パチンコゲー
ム機の前面の僅かな隙間から針金等を差込んで閉
塞状態の開閉扉を前方に回動させることにより変
動入賞孔を開口させるような不正が最近往々にし
てみられるが上述した従来のパチンコゲーム機は
単にプランジヤの戻しばねのばね力によつて開閉
扉を閉塞状態に保つているだけであるから、僅か
な作用力でも開閉扉は容易に前方へ回動してしま
い、上述したような不正に対処できないという欠
点がある。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、閉塞状態にある開閉扉体を正
規の開放条件が満されない限り確実にロツクでき
て、不正な手段で開放されることを充分防止でき
るようにし、しかも、駆動源の数を少なくでき、
駆動機構の構成を簡単化できると共に、製造コス
トを安くできるパチンコゲーム機を提供するにあ
る。

〔考案の要約〕

本考案は開閉受体が後方へ回動されて変動入賞
孔が閉塞された時にその開閉扉を回動不能にロツ
クするロツク機構を設けて、不正な手段で変動入
賞孔を開口することを防止し、また、１個の電磁
ソレノイドによつて、ロツク機構の駆動及び開閉
扉の回動駆動を連動して行うことにより、駆動源
の数を少なくして製造コストを安くしたことを特
徴とするものである。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例について図面を参照しな
がら説明する。１はパチンコゲーム機で、これの
盤面２の略中央にはゲーム中の各種表示を行う表
示部３が設けられ、また、表示部３より上方位置
には複数個の通常の入賞孔４〜４が設けられてい
る。５〜５は表示部３の左右上方部と表示部３の
下方部に夫々配設された３個の特定の入賞孔、
６，６は所謂チユーリツプと称される役物であ
る。７は盤面２の中央下部に配設されたアタツカ
ーで、以下これについて詳述する。即ち、８はア
タツカー７を構成するプラスチツク製の機枠で、
これは盤面２に形成された貫通孔９に挿通される
とともにその機枠８に一体成形されたフランジ１
０を介して盤面２の前面にねじ止め固着してい
る。１１はフランジ１０の中央上部に形成された
横長の入賞孔で、これの左右両側部に通常の入賞
孔１２，１２が設けられている。そして、上述の
機枠８は背面が開放する矩形の箱状に形成されて
いて、その背面の開口部が機枠８にねじ止めされ
た裏蓋１３によつて閉塞されている。１４，１４
及び１５，１５は裏蓋１３に内方に向けて一体成
形された仕切壁で、これらにより機枠８内が入賞
孔１１に連通する球通路１６と通常の入賞孔１
２，１２に連通する球通路１７，１７とに分離さ
れている。１８，１８は裏蓋１３に球通路１７，
１７に連通するように穿設された球排出孔で、機
枠８の裏面には球排出孔１８，１８に向けて球を
案内する案内凸条１９，１９が一体に突設されて
いる。２０は裏蓋１３に球通路１６に連通するよ
うに穿設された３個の球排出孔で、機枠８の裏面
には中央の球排出孔２０に向けて球を案内すると
同時左右両側の球排出孔２０，２０に向けて球を
振り分ける球案内体２１がねじ止めにより固着さ
れており、また、球案内体２１によつて左右に振
り分けられた球を左右の球排出孔２０，２０に向
けて案内する案内凸条２２が機枠８の裏面に一体
に穿設されている。

さて、２３は大型入賞孔１１を開放及び閉塞す
べくプラスチツクで一体成形された開閉扉で、こ
れの後方から見て右下端に軸ピン２４が植設さ
れ、また、同左下端にはプラスチツクの一体成形
により軸部２５が形成され、その軸部２５の先端
部に軸ピン２６が植設されており、これら軸ピン
２４及び２６が機枠８の裏面に形成された溝部２
７（一方のみ図示）に夫々回動可能に挿入され、
仕切壁１４及び１５の各前端部によりその溝部２
７から離脱しないようになされている。２８，２
８は開閉扉２３の前面左右両端縁部にプラスチツ
クの一体成形により穿設された扇形のリブで、こ
れの先端部に金属製の錘２９が夫々インサート成
形により埋設されており、この錘２９の重力で開
閉扉２３が常時前方に回動付勢されている。３０
は軸部２５の基端部側に位置させて開閉扉２３に
一体成形により後方に向けて穿設された戻しアー
ム、３１は軸部２５の先端部に一体成形された扇
形のロツクアームであり、裏蓋１３に戻しアーム
３０に対向するスリツト状の貫通孔３２が穿設さ
れている。３３は貫通孔３２の左右両側部に位置
させて裏蓋１３に一体成形により後方に向けて穿
設された一対の支持脚で、これらの後端縁に伝達
アーム３４の後端部が回動可能に支持されてお
り、その伝達アーム３４の前端部が戻しアーム３
０の後端部上面に当接されている。３５は支持脚
３３の後端縁を被うように裏蓋１３にねじ止めさ
れた当て部材で、これにより伝達アーム３４の後
端部が支持脚３３から脱落しないようにしてい
る。さて、３６は略Ｖ字形をなすロツクレバー
で、これの屈曲部に穿設された軸部３７が機枠８
の裏面上部に形成された溝部３８に回動可能に挿
入され、裏蓋１３に穿設された受け脚３９により
その溝部３８から脱出しないようになされてい
る。そして、このロツクレバー３６の一方端は機
枠８内に位置されていて、その先端部分にロツク
アーム３１の上縁部に係脱可能なロツクピン４０
を植設しており、また、ロツクレバー３６の他方
端は裏蓋１３に形成したスリツト状の貫通孔４１
を介して後方に突出されており、その先端部分に
インサート成形により金属製の錘４２を埋没して
いる。従つて、ロツクレバー３６は錘４２の重力
で常に矢印Ａ方向に回動付勢されている。４３は
貫通孔４１に後方から見て左側に隣接するように
裏蓋１３に一体成形されたガイドリブでこれに上
下方向に指向するスリツト状の案内孔４４が形成
されている。而して、上述のロツクアーム３１及
びロツクレバー３６によりロツク機構４５を構成
している。４６は盤面２の裏面側にねじ止め固着
された電磁ソレノイドで、これのプランジヤ４７
の下端にワツシヤ４８及びロツク解除ピン４９が
ねじ止め固着されており、電磁ソレノイド４６の
機枠４６ａとワツシヤ４８との間のプランジヤ４
７を囲繞するようにして戻しばねとしての圧縮コ
イルばね５０が配設されている。そして、ロツク
解除ピン４９の先端部はガイドリブ４３の案内孔
４４に挿入されてロツクレバー３６の他方端の下
側に位置されており、また、プランジヤ４７の下
端は電磁ソレノイド４６が断電状態のときに圧縮
コイルばね５０のばね力で伝達アーム３４の上面
に当接している。

次に上記構成の作用につき述べる。即ち、定常
時には電磁ソレノイド４６は断電状態であり、こ
の時プランジヤ４７は上述したように圧縮コイル
ばね５０の付勢力で伝達アーム３４の上面に当接
しているから、伝達アーム３４が矢印Ｂ方向に回
動され、戻しアーム３０が矢印Ｃ方向に回動され
た状態となり、従つて開閉扉２３が後方（矢印Ｃ
方向）に回動されて入賞孔１１を閉塞した状態を
呈している。そして、この時、ロツク解除ピン４
９が案内孔４４の下端縁に当接しているから、ロ
ツクレバー３６は錘４２の重力により矢印Ａ方向
に回動された状態を呈し、ロツクピン４０がロツ
クアーム３１上縁部に係合している（第４図乃至
第６図参照）。而して、このように開閉扉２３が
入賞孔１１を閉塞した状態でパチンコゲーム機１
の前面の僅かな隙間から針金等を差し込んで開閉
扉２３の上縁部に引掛け、その針金を前方に引張
るような不正が行われたとしても、ロツクアーム
３１にロツクレバー３６のロツクピン４０が係合
しているために開閉扉２３を前方に回動させるこ
とはできず、従つて、入賞孔１１を開口条件が満
されてない時に開口させるという不正を確実に防
止できる。

さて、次に球が特定の入賞孔５〜５のいずれか
に入球した場合の作用について述べる。即ち、球
が特定の入賞孔５に入賞することにより開口条件
が満されると、入賞球が盤面２の裏側に配設され
た図示しない検出スイツチにより検出されて、同
じく盤面２の裏側に配設されたタイマー回路を備
えた制御回路が作動して電磁ソレノイド４６を予
め設定された時間だけ通電する。そして、このよ
うにして電磁ソレノイド４６を通電してプランジ
ヤ４７が圧縮コイルばね５０に抗して上方に吸引
移動されると、ロツク解除ピン４９によつてロツ
クレバー３６が錘４２の重力に抗して反矢印Ａ方
向に回動されるから、ロツクピン４０が後方に変
位してロツクアーム３１の上縁から外され、同時
にプランジヤ４７の下端が伝達アーム３４から離
間される。従つて、開閉扉２３がリブ２８に配設
された錘２９の重力で前方へ約60°回動され（第
７図及び第８図参照）、以つて入賞孔１１を開口
し且つアタツカー７に到達した球を開閉扉２３の
裏面側にて入賞孔１１に向けて案内するようにな
る。而して、設定された時間が経過して開口条件
が終了し電磁ソレノイド４６への通電が断たれる
と、プランジヤ４７が圧縮コイルばね５０のばね
力で下方に復帰移動されるから、該プランジヤ４
７の下端が伝達アーム３４を矢印Ｂ方向に回動さ
せ、且つ戻しアーム３０を矢印Ｃ方向に回動させ
て開閉扉２３を後方（矢印Ｃ方向）へ復帰回動さ
せて大型入賞孔１１を閉塞させるようになり、ま
た、ロツク解除ピン４９も下方に変位されるた
め、ロツクレバー３６が錘４２の重力によつて矢
印Ａ方向に回動してロツクピン４０がロツクアー
ム３１の上縁に係合した定常状態に復帰される
（第４図乃至第６図参照）。

上記構成によれば、開閉扉２３が大型入賞孔１
１を閉塞した定常状態において、その開閉扉２３
をロツクアーム３１及びロツクレバー３６からな
るロツク機構４５によつて前方へ回動を阻止する
ようにしたから、特定の入賞孔５〜５に入賞する
等の開口条件が満たされていない時に不正な手段
でその開閉扉２３が前方へ回動することを防止出
来る。

また、１個の電磁ソレノイド４６によつて、ロ
ツク機構４５の駆動及び開閉扉２３の回動駆動を
連動して行う構成としたので、駆動源の数が少な
くなり、駆動機構の構成を簡単化できると共に、
製造コストを安くし得る。

尚、開閉受体２３及びロツクレバー３６等の各
回動を自重によらずにばね或いは電磁ソレノイド
等の別の手段で強制回動させるようにしてもよ
く、更に作動機構としては電磁ソレノイド４６以
外にモータ等を駆動源とするものでもよく、種々
変形して実施し得る。

〔考案の効果〕

本考案は以上の説明から明らかなように、閉塞
状態にある開閉扉を正規の開口条件が満されない
限り確実にロツクできて不正な手段で開放される
ことを充分防止し、また、１個の電磁ソレノイド
によつて、ロツク機構の駆動及び開閉扉の回動駆
動を連動して行うことにより、駆動源の数を少な
くして製造コストを安くし得るという実用的効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は正面図、第２図はアタツカーの拡大正面
図、第３図はアタツカーの背面図、第４図は第３
図の−線に沿う断面図、第５図は第３図の
−線に沿う断面図、第６図は要部の拡大斜視
図、第７図及び第８図は夫々異なる作用状態を示
す第４図及び第５図相当図である。 図面中、１はパチンコゲーム機、５は特定の入
賞孔、７はアタツカー、８は機枠、１１は入賞
孔、２３は開閉扉、３０は戻しアーム、３１はロ
ツクアーム、３４は伝達アーム、３６はロツクレ
バー、４０はロツクピン、４５はロツク機構、４
６は電磁ソレノイド、４７はプランジヤ、４９は
ロツク解除ピン、５０は圧縮コイルばねを示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 入賞孔を形成した機枠と、 この機枠に前後回動可能に設けられ、前方へ回
   動されたときに前記入賞孔を開口させると共に、
   後方へ回動されたときに前記入賞孔を閉塞する開
   閉扉と、 この開閉扉に一体回動するように設けられたロ
   ツクアーム、並びに、前記開閉扉が後方へ回動さ
   れて前記入賞孔が閉塞されたときに前記ロツクア
   ームに自重により係合して前記開閉扉の回動を阻
   止するロツクレバーを有するロツク機構と、 このロツク機構の前記ロツクレバーと前記ロツ
   クアームとの係合を解除するロツク解除ピンと、 開口条件が満たされたときに前記ロツク解除ピ
   ンを駆動することにより、前記ロツクレバーと前
   記ロツクアームとの係合を解除して前記開閉扉を
   前方へ回動させると共に、開口条件が終了したと
   きに前記開閉扉を後方へ回動駆動することによ
   り、前記ロツクレバーと前記ロツクアームとが自
   重により係合するようにする電磁ソレノイドとを
   具備してなるパチンコゲーム機。