JPH04309554A - 熱可塑性ポリエステル組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル組成物

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JPH04309554A
JPH04309554A JP10026591A JP10026591A JPH04309554A JP H04309554 A JPH04309554 A JP H04309554A JP 10026591 A JP10026591 A JP 10026591A JP 10026591 A JP10026591 A JP 10026591A JP H04309554 A JPH04309554 A JP H04309554A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変形時の強度が小さく
、柔らかい有機高分子微粒子を含有するために成型品に
した際の平坦性、滑り性、耐削れ性などに優れる熱可塑
性ポリエステル組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に熱可塑性ポリエステル、例えばポ
リエチレンテレフタレートは、優れた力学特性、化学特
性を有しており、フィルム、繊維等の成形品として広く
用いられている。そして、熱可塑性ポリエステルを成形
品に加工して使用する際には、その滑り性や耐削れ性が
、製造工程、各種用途における加工工程での作業性に大
きな影響を及ぼすことになる。例えば磁気テ−プのベ−
スフィルムとして使用する際に、それらの特性が不足す
ると、磁気テープの製造工程中にコ−ティングロ−ルと
フィルムとの間の摩擦が大きくなり、フィルムにしわや
擦り傷が生じたりする。また、フィルムの摩耗粉が発生
しやすくなり、磁性層を塗布する工程で塗布抜けが生じ
、その結果磁気記録の抜け(ドロップ・アウト)等を引
き起こす原因となる。
【0003】従来、フィルムの滑り性を向上させる方法
としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化珪素
などの無機粒子をポリエステル中に含有させることが数
多く提案されている。しかし、これらの無機粒子は、硬
く、かつポリエステルとの親和性が低いために、例えば
フィルムとして使用する際に、磁性層を塗布する工程で
のカレンダ−処理やフィルム走行時のロ−ルとの接触、
巻き取り時のフィルム同士の接触などによる外力が加わ
ると、容易に脱落を生じ、削れ物の発生、滑り性の悪化
や表面の傷の発生の原因となる。しかも脱落した粒子自
体が硬いために、削れ物や表面の傷は時間と共に相乗的
に増加することになる。そして、このように削れ物の発
生が多く、表面に傷が生じると、磁性層を塗布する工程
で塗布抜け、ドロップ・アウトの原因となる。さらに、
磁性層を塗布する工程でのカレンダ−ロ−ルの汚れは磁
気記録フィルムを製造する上で作業性を著しく悪化させ
る。つまり、無機粒子のような硬い粒子では外力を真面
に受けやすく、耐削れ性を向上させる点で解決すべき問
題である。
【0004】粒子とポリエステルの親和性を改良するた
めの手法としては、無機粒子の表面処理、有機粒子の使
用などが提案されている。無機粒子の表面処理としては
、例えば特開昭63−128031号公報にポリアクリ
ル酸系ポリマによる表面処理、特開昭62−23535
3号公報、特開昭63−234039号公報にリン化合
物による表面処理、特開昭62−223239号公報、
特開昭63−312345号公報にカップリング剤によ
る表面処理、特開昭63−304038号公報にシラン
化合物による表面処理、特開昭63−280763号公
報にグリコ−ルによるグラフト化での表面処理がそれぞ
れ提案されているが、これらの方法を採用しても耐削れ
性はいずれも十分でない。また、有機粒子としては、特
公昭63−45409公報、特開昭59−217755
公報、特開平2−189359公報に、架橋高分子微粒
子が提案されているが、これらの方法を採用しても耐削
れ性はいずれも十分でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、鋭意検
討した結果、柔らかい有機高分子微粒子を使用すること
によって、平坦性、滑り性、耐削れ性を大幅に改良する
ことができることを見い出した。本発明の目的は、前述
の従来技術の欠点を解消することにあり、フィルムや繊
維に成形した時に、平坦性、滑り性、耐削れ性に優れた
熱可塑性ポリエステル組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、粒
子を10%変形させた時の強度(S10)が次式(1)
を満たす有機高分子微粒子を含有してなる熱可塑性ポリ
エステル組成物によって達成できる。 0<S10≦10      (kgf/mm2 ) 
         (1)
【0007】本発明において
用いられるポリエステルは、芳香族ジカルボン酸を主た
る酸成分とするジカルボン酸およびそのエステル形成性
誘導体とグリコ−ルから製造される。本発明における芳
香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸
、イソフタル酸などを挙げることができる。本発明にお
けるグリコ−ル成分としては、例えばエチレングリコ−
ル、ブタンジオ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ヘキ
サメチレングリコ−ルなどの脂肪族グリコ−ル、あるい
はシクロヘキサンジメタノ−ルなどの脂環族ジオ−ルな
どを挙げることができる。本発明におけるポリエステル
としては、例えばアルキレンテレフタレ−トまたはアル
キレンナフタレ−トを主たる構成成分とするものが好ま
しい。また、これらのポリエステルは、ホモポリエステ
ルであってもコポリエステルであってもよい。共重合成
分の例としてはアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジ
カルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロ
イソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、ポリエチレン
グリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ルなどが挙げられ
る。
【0008】本発明における有機高分子微粒子は、例え
ばポリスチレンもしくは架橋ポリスチレン粒子、スチレ
ン・アクリル系及びアクリル系架橋粒子、スチレン・メ
タクリル系及びメタクリル系架橋粒子などのビニル系粒
子、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド、シリコ−ン
、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニルエステル
、フェノ−ル樹脂などの粒子が挙げられるが、これらに
限定されるものではなく、粒子を構成する部分のうち少
なくとも一部がポリエステルに対し不溶の有機高分子微
粒子であれば如何なる粒子でも良い。好ましくは、一般
に分子中に唯一個の脂肪族の不飽和結合を有するモノビ
ニル化合物(A)と、架橋剤として分子中に2個以上の
脂肪族の不飽和結合を有する化合物(B)との共重合体
が挙げられる。
【0009】上記共重合体における化合物(A)の例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチ
レン、ビニルビリンなどの芳香族モノビニル化合物、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビ
ニル化合物、メチルアクリレ−ト、エチルアクリレ−ト
、プロピルアクリレ−ト、ブチルアクリレ−ト、オクチ
ルアクリレ−ト、ドデシルアクリレ−ト、ヘキサデシル
アクリレ−ト、2−エチルヘキシルアクリレ−ト、2−
ヒドロキシエチルアクリレ−ト、グリシジルアクリレ−
ト、N,N´−ジメチルアミノエチルアクリレ−トなど
のアクリル酸エステルモノマ−、メチルメタクリレ−ト
、エチルメタクリレ−ト、プロピルメタクリレ−ト、イ
ソプロピルメタクリレ−ト、ブチルメタクリレ−ト、s
ec−ブチルメタクリレ−ト、アリルメタクリレ−ト、
フェニルメタクリレ−ト、ベンジルメタクリレ−ト、2
−エチルヘキシルメタクリレ−ト、、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−ト、N,
N´−ジメチルアミノエチルメタクリレ−トなどのメタ
クリル酸エステルモノマ−、アクリル酸、メタクリル酸
、マレイン酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボン
酸およびジカルボン酸の酸無水物、アクリルアミド、メ
タクリルアミドなどのアミド系モノマ−を使用すること
ができる。
【0010】上記化合物(A)としては、下記化1の構
造式を有するものが望ましく、R2 の炭素数が4以上
のものは柔軟なセグメントを付与するのに好ましい。特
に好ましくは、化合物(A)が単一成分で重合体の構造
をとった際、そのガラス転移温度が本発明で使用するポ
リエステルのガラス転移温度以下であることが望ましく
、さらにはそのガラス転移温度が50℃以下、好ましく
は20℃以下、さらに好ましくは0℃以下であるものが
望ましい。具体的には、ブチルアクリレ−ト、オクチル
アクリレ−ト、ドデシルアクリレ−ト、ヘキサデシルア
クリレ−ト、2−エチルヘキシルアクリレ−トなどのア
クリル酸エステルモノマ−、ブチルメタクリレ−ト、s
ec−ブチルメタクリレ−ト、ヘキシルメタクリレ−ト
、ヘキサデシルメタクリレ−ト、2−エチルヘキシルメ
タクリレ−トなどのメタクリル酸エステルモノマ−など
が好ましく用いられる。
【0011】
【化1】
【0012】化合物(B)の例としてはジビニルベンゼ
ン化合物、あるいはトリメチロ−ルプロパントリアクリ
レ−ト、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレ−ト、
あるいはエチレングリコ−ルジアクリレ−ト、エチレン
グリコ−ルジメタクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ル
ジアクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルジメタクリレ
−ト、1,3−ブチレングリコ−ルジアクリレ−ト、1
,3−ブチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリメチ
ロ−ルプロパントリアクリレ−ト、トリメチロ−ルプロ
パントリメタクリレ−トなどの多価アクリレ−トおよび
メタクリレ−トが挙げられる。化合物(B)のうち、特
にジビニルベンゼン、エチレングリコ−ルジメタクリレ
−トまたはトリメチロ−ルプロパントリメタクリレ−ト
を用いることが好ましい。
【0013】これら化合物(A)、(B)はそれぞれ2
種以上を混合して用いることもできる。また、本発明の
ように比較的低い強度を有する有機高分子微粒子を製造
するには有機高分子微粒子中の純分の架橋剤の割合が1
〜60重量%、好ましくは2〜50重量%、より好まし
くは5〜40重量%であることが望ましい。さらに、化
合物(A)、(B)以外の成分を添加してもよく、耐熱
性、分散性を向上させるために微量の無機物で被覆、親
和性を向上させるための表面処理などを実施してもよい
【0014】本発明の有機高分子微粒子の組成として好
ましいものを例示すると、ブチルアクリレ−ト−ジビニ
ルベンゼン共重合体、オクチルアクリレ−ト−ジビニル
ベンゼン共重合体、2−エチルヘキシルアクリレ−ト−
ジビニルベンゼン共重合体、2−エチルヘキシルアクリ
レ−ト−エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト共重合体
、ヘキシルメタクリレ−ト−ジビニルベンゼン共重合体
共重合体、2−エチルヘキシルメタクリレ−ト−ジビニ
ルベンゼン共重合体などの架橋高分子微粒子が挙げられ
る。また、スチレン−ブチルアクリレ−ト−ジビニルベ
ンゼン共重合体、スチレン−ヘキシルメタクリレ−ト−
ジビニルベンゼン共重合体などのように3成分系で微粒
子を製造してもよい。
【0015】本発明の有機高分子微粒子の製造方法を、
架橋高分子微粒子の製造方法を例として説明すると、例
えば化合物(A)、(B)を混合し、以下のような乳化
重合により製造する方法がある。 (a)ソ−プフリ−重合法、すなわち乳化剤を使用しな
いか、あるいは極めて少量の乳化剤を使用して重合する
方法。 (b)乳化重合に先だって重合系内へ重合体粒子を添加
しておいて乳化重合させるシ−ド重合法。 (c)単量体成分の一部を乳化重合させ、その重合系内
で残りの単量体を重合させるコア−シェル重合法。 (d)特開昭54−97582号公報および特開昭54
−126288号公報に示されているユ−ゲルスタット
等による重合法。 上記のうち、特に(c)および(d)の方法は柔らかい
粒子を製造する上で好ましい。
【0016】本発明の有機高分子微粒子は、粒子を10
%変形させた時の強度(以下S10と記す。)が前述の
式(1)を満たしている。成形品の耐削れ性、滑り安定
性を特に良好にするには、S10の上限が8kgf/m
m2 、好ましくは6kgf/mm2 、さらに好まし
くは4kgf/mm2 であることが望ましい。特にS
10の値が3kgf/mm2 より小さく、ポリエステ
ルとの親和性に優れる有機高分子微粒子においては、平
坦性が大きく向上するので好ましい。
【0017】ここで、粒子のS10とは、粒子の柔らか
さの指標となるものであり、例えば図1に示すような方
法で粒子の外力による変形挙動を測定することにより得
られるものである。図1に示す方法では、まず下部加圧
圧子1上に粒子を分散させ、上部加圧圧子2と下部加圧
圧子1の間に微粒子3を1個固定する。そして、一定の
増加割合で負荷力を与え、微粒子の変形量と負荷力を自
動計測し、粒子が10%変形した時の荷重P( kgf
)から、次式(2)に従い、S10(この測定を計10
回行ない、10回の平均値をS10とした。)を計算す
る。 S=2.8P/πd2 (kgf/mm2 )    
      (2)ここで、dは粒径(mm)を表して
いる。
【0018】これらの有機高分子微粒子の平均粒径は、
成形品の滑り性、表面にできる突起の高さを適正化する
上で0.001〜3μm、好ましくは0.005〜2μ
m、さらに好ましくは0.010〜1μmであることが
望ましい。
【0019】また、ポリエステルへの有機高分子微粒子
の添加量は、ポリエステル100重量部に対して0.0
01〜20.0重量部、好ましくは0.005〜10.
0重量部、さらに好ましくは0.01〜8.0重量部で
あることが望ましい。
【0020】本発明の有機高分子微粒子のポリエステル
への添加方法は特に限定されず、例えばポリエステル原
料のグリコ−ルスラリ−としてポリエステル製造工程す
なわちエステル交換、エステル化、重縮合反応中に添加
したり、溶融ポリエステルの混練中に添加することがで
きる。そのスラリ−濃度としては、0.5〜20重量%
程度が適当である。
【0021】このように低強度で柔らかい有機高分子微
粒子をポリエステル中に添加すると、粒子の脱落が起こ
りにくく、フィルムにした際に耐削れ性、滑り性、電磁
変換特性に優れたポリエステル組成物を得ることができ
る。
【0022】さらに、本発明のポリエステルにはポリエ
ステルの製造時に通常使用されるリチウム、ナトリウム
、カルシウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、アンチ
モン、ゲルマニウム、チタン等の化合物の金属化合物触
媒、着色防止剤としてのリン化合物、有機高分子微粒子
以外の不活性粒子等を含有していてもよい。
【0023】〔物性の測定ならびに効果の評価方法〕本
発明における物性値の測定方法ならびに効果の評価方法
は次の通りである。
【0024】A.平均粒径 粒子を電子顕微鏡で写真撮影後、粒子の直径を個々につ
いて測定し、50体積%にあたる粒子等価球直径を求め
、平均粒径とした。
【0025】B.粒子の強度(S10)島津製作所(株
)製の微小圧縮試験機(MCTM−201型)を使用し
て、負荷速度:0.0145gf/s、0〜1gfまで
の負荷を加えて変形量を測定した。そして、粒子が10
%変形した時の荷重P( kgf)から、前述の式(2
)に従い、S10(この測定を計10回行ない、10回
の平均値をS10とした。)を計算した。
【0026】C.ポリマの極限粘度 o−クロロフェノ−ルを溶媒として25℃にて測定した
【0027】D.フィルムの耐削れ性 フィルムの耐削れ性は、以下のガイドロ−ル汚れとカレ
ンダ−汚れの両者の特性から判断し、両者ともに良好な
場合を合格とした。 (1)ガイドロ−ル汚れ(耐削れ性(1))ポリエステ
ル組成物を160℃で乾燥後、290℃で溶融押し出し
シ−ト化し、未延伸フィルムを得た。さらにこれを90
℃で縦方向に3.4倍、横方向に3.4倍延伸して22
0℃で10秒間加熱処理し、厚さ15μmのフィルムと
した。さらに、得られたフィルムを1/2インチにスリ
ットし、テ−プ走行性試験機TBT−300型((株)
横浜システム研究所製)を使用し、25℃、60%RH
雰囲気で1000回繰り返し走行させた後、ガイドロ−
ル表面に発生する白粉量を目視にて判定する。ここで、
ガイド径は6mmφであり、ガイド材質はSUS27(
表面粗度0.2S)、巻き付け角は180°、走行速度
は6.0cm/秒である。次のようにランク付けし、1
級及び2級を合格とした。 1級:白粉の発生が非常に少なく、目的を達成する。 2級:白粉の発生が少なく、目的を達成する。 3級:白粉の発生がやや多く、目的を達成しない。 4級:白粉の発生が非常に多く、目的を達成しない。 (2)カレンダ−汚れ(耐削れ性(2))磁性層を塗布
したテ−プを小型テストカレンダ−装置(スチ−ルロ−
ル,ナイロンロ−ル、5段式、ナイロンロ−ルがベ−ス
フィルム面に接する)で、温度:70℃、線圧:200
kg/cmでカレンダ−処理する。上記処理を延べ10
000mにわたって続けた後、この処理によって発生し
たナイロンロ−ルに付着した白粉を観察し、次のランク
づけを行なう。そして、1級及び2級を合格とした。 1級:白粉がほとんど付着していない。 2級:わずかに白粉が付着するが、加工工程上、製品性
能上のトラブルに至らない。 3級:白粉の付着が多く、加工工程上、製品性能上のト
ラブルになり使用不可となった。
【0028】E.フィルムの滑り性 Dと同様にして得られたフィルムを1/2インチにスリ
ットし、テ−プ走行性試験機TBT−300型((株)
横浜システム研究所製)を使用し、25℃、60%RH
雰囲気で走行させ、初期のμk を下式より求めた。な
お、ガイド径は6mmφであり、ガイド材質はSUS2
7(表面粗度0.2S)、巻き付け角は180°、走行
速度は3.3cm/秒である。 μk =0.733log(T1 /T2 )T1 :
出力張力 T2 :入力張力 上記μk が0.35以下であるものは滑り性良好であ
り、0.30以下は特に良好である。
【0029】F.表面粗さ:Ra(μm)触針式表面粗
さ計による測定値で示した(カットオフ値0.25mm
、測定長4mm。ただし、JIS−8−0601に従っ
た。)。
【0030】
【実施例】以下、実施例で本発明をさらに詳述する。な
お、実施例中に部とあるのは、特に断りがない限り、重
量部を示すものである。また、各表中の添加量の()内
の値はフィルム中での粒子含有量である。
【0031】実施例1 (ポリエステル組成物及びフィルムの製造方法)テレフ
タル酸ジメチル100部、エチレングリコ−ル58部、
触媒として酢酸マグネシウムを0.06部、三酸化アン
チモン0.03部を添加し、230℃まで昇温しながら
メタノ−ルを留去し、エステル交換反応を行う。その後
、トリメチルホスフェ−トを0.05部添加し、5重量
%濃度のエチレングリコ−ルスラリ−として分散させた
S10:4.8(kgf/mm2 )、平均粒径1.0
μmの2−エチルヘキシルアクリレ−ト(70重量%)
−ジビニルベンゼン(30重量%)共重合体粒子をポリ
エステル中で1重量%になるように添加する。その後、
重縮合反応槽に移行して290℃まで昇温しながら減圧
し、重縮合反応を行った。得られたポリマは極限粘度0
.616であった。得られたポリマを無粒子系ポリエチ
レンテレフタレ−トで3/10倍に希釈して290℃で
押出機により溶融押し出しし、キャスティングドラムで
急冷し未延伸シ−トを得た。引き続きこれを90℃で縦
および横方向に各々3.4倍に延伸し、厚さ15μの二
軸延伸フィルムを得た。粒子特性、ポリマ特性、フィル
ム特性は表1、表2に示すとおりであり、平坦性、滑り
性、耐削れ性が良好なフィルムであった。
【0032】実施例2〜11 有機高分子微粒子の組成、S10、粒径、添加量を変更
して実施例1と同様にしてポリエステル組成物、および
フィルムを得た。表1ないし表4に示すように、本発明
のポリエステル組成物は平坦性、滑り性、耐削れ性をそ
れぞれ満足することができた。有機高分子微粒子のモノ
ビニル化合物成分が、単独で重合体の構造をとった際、
そのガラス転移温度が0℃以下でS10が8kgf/m
m2 よりも低いものに関しては耐削れ性が特に良好で
あった。なお、実施例5はS10が小さく、平坦性が特
に良好であった。
【0033】比較実施例1 有機高分子微粒子をコロイダルシリカ粒子とした以外は
、ポリエステル組成物を実施例1と同様にして重合し、
フィルムを得た。粒子特性および得られたフィルム特性
を表5、表6に示すが、耐削れ性を満足することができ
なかった。
【0034】比較実施例2〜5 粒子の種類、S10を変更してポリエステル組成物を実
施例1と同様にして重合し、フィルムを得た。表5、表
6に示す通り、本発明から外れる場合には耐削れ性を満
足することができなかった。比較例3はシランカップリ
ング剤により処理した粒子を使用しフィルムを得たが、
耐削れ性が不良となった。なお、比較例4、5は共重合
体粒子を含有させたものであるが、S10が本発明の範
囲外であるため、良好なフィルム特性が得られなかった
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
【発明の効果】本発明の熱可塑性ポリエステル組成物は
、低強度で柔らかい有機高分子微粒子を含有しているの
で、ポリエステルとの親和性に優れ、外力を受けた際に
粒子が脱落しにくい。したがって、従来無機粒子を添加
した時に問題となっていた粒子の脱落による白粉の発生
、滑り性の悪化を防止することができ、フィルム、繊維
などの製造時の工程汚染の防止や、特に磁気テ−プなど
の製品としての好適な使用を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における粒子の強度(S10)の測定方
法を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
1  下部加圧圧子 2  上部加圧圧子 3  微粒子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  粒子を10%変形させた時の強度(S
    10)が次式(1)を満たす有機高分子微粒子を含有し
    てなる熱可塑性ポリエステル組成物。 0<S10≦10    (kgf/mm2 )   
           (1)
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