JPH0532874A - 熱可塑性ポリエステル組成物 - Google Patents
熱可塑性ポリエステル組成物Info
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- JPH0532874A JPH0532874A JP27604891A JP27604891A JPH0532874A JP H0532874 A JPH0532874 A JP H0532874A JP 27604891 A JP27604891 A JP 27604891A JP 27604891 A JP27604891 A JP 27604891A JP H0532874 A JPH0532874 A JP H0532874A
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- JP
- Japan
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- particles
- film
- polyester
- particle size
- fine particles
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- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 粒径比(r)が(1)式を満たし、粒子を1
0%変形させた時の強度(S10)が(2)式を満たす
有機高分子微粒子を含有してなる熱可塑性ポリエステル
組成物。 1.1<r<10 (1) 0<S10≦10 (kgf/mm2) (2) 【効果】 適当な粒径比を有し、低強度で柔らかい粒子
を含有させることにより、フィルムや繊維に成形した
際、滑り安定性、耐削れ性に優れた熱可塑性ポリエステ
ル組成物を得ることができる。
0%変形させた時の強度(S10)が(2)式を満たす
有機高分子微粒子を含有してなる熱可塑性ポリエステル
組成物。 1.1<r<10 (1) 0<S10≦10 (kgf/mm2) (2) 【効果】 適当な粒径比を有し、低強度で柔らかい粒子
を含有させることにより、フィルムや繊維に成形した
際、滑り安定性、耐削れ性に優れた熱可塑性ポリエステ
ル組成物を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成型品にした際の平坦
性、滑り安定性、耐削れ性に優れる熱可塑性ポリエステ
ル組成物に関するものである。
性、滑り安定性、耐削れ性に優れる熱可塑性ポリエステ
ル組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に熱可塑性ポリエステル、例えばポ
リエチレンテレフタレートは、優れた力学特性、化学特
性を有しており、フィルム、繊維等の成形品として広く
用いられている。特にポリエチレンテレフタレートフィ
ルムは、磁気記録媒体のベースフィルム用、写真用、コ
ンデンサー用、包装用などの分野にも広く用いられてい
る。これら用途に使用されるフィルムの要求特性は種々
であるが、平坦性、滑り性、耐削れ性といった特性は特
に重要である。例えば磁気テープのベースフィルムとし
て使用する際に、滑り性、耐削れ性が不足すると、磁気
テープの製造工程中にコーティングロールとフィルムと
の間の摩擦が大きくなり、フィルムにしわや擦り傷が生
じたりする。また、フィルムの摩耗粉が発生しやすくな
り、磁性層を塗布する工程で塗布抜けが生じ、その結果
磁気記録の抜け(ドロップ・アウト)等を引き起こす原
因となる。
リエチレンテレフタレートは、優れた力学特性、化学特
性を有しており、フィルム、繊維等の成形品として広く
用いられている。特にポリエチレンテレフタレートフィ
ルムは、磁気記録媒体のベースフィルム用、写真用、コ
ンデンサー用、包装用などの分野にも広く用いられてい
る。これら用途に使用されるフィルムの要求特性は種々
であるが、平坦性、滑り性、耐削れ性といった特性は特
に重要である。例えば磁気テープのベースフィルムとし
て使用する際に、滑り性、耐削れ性が不足すると、磁気
テープの製造工程中にコーティングロールとフィルムと
の間の摩擦が大きくなり、フィルムにしわや擦り傷が生
じたりする。また、フィルムの摩耗粉が発生しやすくな
り、磁性層を塗布する工程で塗布抜けが生じ、その結果
磁気記録の抜け(ドロップ・アウト)等を引き起こす原
因となる。
【0003】従来、フィルムの滑り性を向上させる方法
としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化珪素
などの無機粒子をポリエステル中に含有させることが数
多く提案されている。しかし、これらの無機粒子は、硬
く、かつポリエステルとの親和性が低いために、例えば
フィルムとして使用する際に、磁性層を塗布する工程で
のカレンダー処理やフィルム走行時のロールとの接触、
巻き取り時のフィルム同士の接触などによる外力が加わ
ると、用意に脱落を生じ、削れ物の発生、滑り性の悪化
や表面の傷の発生の原因となる。しかも脱落した粒子自
体が硬いために、削れ物や表面の傷は時間と共に相乗的
に増加することになる。そして、このように削れ物の発
生が多く、表面に傷が生じると、磁性層を塗布する工程
で塗布抜け、ドロップ・アウトの原因となる。さらに、
磁性層を塗布する工程でのカレンダーロールの汚れは磁
気記録フィルムを製造する上で作業性を著しく悪化させ
る。つまり、無機粒子のような硬い粒子では外力を真面
に受けやすく、耐削れ性を向上させる点で解決すべき問
題である。
としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化珪素
などの無機粒子をポリエステル中に含有させることが数
多く提案されている。しかし、これらの無機粒子は、硬
く、かつポリエステルとの親和性が低いために、例えば
フィルムとして使用する際に、磁性層を塗布する工程で
のカレンダー処理やフィルム走行時のロールとの接触、
巻き取り時のフィルム同士の接触などによる外力が加わ
ると、用意に脱落を生じ、削れ物の発生、滑り性の悪化
や表面の傷の発生の原因となる。しかも脱落した粒子自
体が硬いために、削れ物や表面の傷は時間と共に相乗的
に増加することになる。そして、このように削れ物の発
生が多く、表面に傷が生じると、磁性層を塗布する工程
で塗布抜け、ドロップ・アウトの原因となる。さらに、
磁性層を塗布する工程でのカレンダーロールの汚れは磁
気記録フィルムを製造する上で作業性を著しく悪化させ
る。つまり、無機粒子のような硬い粒子では外力を真面
に受けやすく、耐削れ性を向上させる点で解決すべき問
題である。
【0004】一方、有機高分子微粒子においては、例え
ば特公昭63−45409号公報、特開昭59−217
755号公報、特開平2−189359号公報に架橋高
分子微粒子が提案されているが、これらの方法を採用し
ても耐削れ性は十分でない。又、特開平3−14392
9号公報では、フィルム中で変形する架橋高分子粒子が
提案されているが、粒子全体が変形するために滑り性と
耐削れ性のバランスを維持したフィルムを得ることは難
しく、特に長時間走行させたときの滑り性の変化が大き
く好ましくない。
ば特公昭63−45409号公報、特開昭59−217
755号公報、特開平2−189359号公報に架橋高
分子微粒子が提案されているが、これらの方法を採用し
ても耐削れ性は十分でない。又、特開平3−14392
9号公報では、フィルム中で変形する架橋高分子粒子が
提案されているが、粒子全体が変形するために滑り性と
耐削れ性のバランスを維持したフィルムを得ることは難
しく、特に長時間走行させたときの滑り性の変化が大き
く好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、鋭意検
討した結果、粒径比が1.1より大きく柔らかい有機高
分子微粒子を使用することによって、平坦性、滑り性、
耐削れ性を大幅に改良することができることを見い出し
た。本発明の目的は、前述の従来技術の欠点を解消する
ことにあり、特にフィルムや繊維に成形した時に、平坦
性、滑り安定性、耐削れ性に優れた熱可塑ポリエステル
組成物を提供することにある。なお、本発明における滑
り安定性が良好であることは、フィルムを長時間走行さ
せた時の摩擦係数の変動が小さいことを意味する。
討した結果、粒径比が1.1より大きく柔らかい有機高
分子微粒子を使用することによって、平坦性、滑り性、
耐削れ性を大幅に改良することができることを見い出し
た。本発明の目的は、前述の従来技術の欠点を解消する
ことにあり、特にフィルムや繊維に成形した時に、平坦
性、滑り安定性、耐削れ性に優れた熱可塑ポリエステル
組成物を提供することにある。なお、本発明における滑
り安定性が良好であることは、フィルムを長時間走行さ
せた時の摩擦係数の変動が小さいことを意味する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、粒
径比(r)が(1)式を満たし、粒子を10%変形させ
た時の強度(S10)が(2)式を満たす有機高分子微
粒子を含有してなる熱可塑性ポリエステル組成物によっ
て達成できる。 1.1<r<10 (1) 0<S10≦10 (kgf/mm2) (2)
径比(r)が(1)式を満たし、粒子を10%変形させ
た時の強度(S10)が(2)式を満たす有機高分子微
粒子を含有してなる熱可塑性ポリエステル組成物によっ
て達成できる。 1.1<r<10 (1) 0<S10≦10 (kgf/mm2) (2)
【0007】本発明において用いられるポリエステル
は、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とするジカルボ
ン酸およびそのエステル形成性誘導体とグリコールから
製造される。本発明における芳香族ジカルボン酸として
は、例えばテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニルジカルボン酸、イソフタル酸などを挙
げることができる。本発明におけるグリコール成分とし
ては、例えばエチレングリコール、ブタンジオール、テ
トラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールな
どの脂肪族グリコール、あるいはシクロヘキサンジメタ
ノールなどの脂環族ジオールなどを挙げることができ
る。本発明におけるポリエステルとしては、例えばアル
キレンテレフタレートまたはアルキレンナフタレートを
主たる構成成分とするものが好ましい。また、これらの
ポリエステルは、ホモポリエステルであってもコポリエ
ステルであってもよい。非重合成分の例としてはアジピ
ン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂
環式ジカルボン酸、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールなどが挙げられる。
は、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とするジカルボ
ン酸およびそのエステル形成性誘導体とグリコールから
製造される。本発明における芳香族ジカルボン酸として
は、例えばテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニルジカルボン酸、イソフタル酸などを挙
げることができる。本発明におけるグリコール成分とし
ては、例えばエチレングリコール、ブタンジオール、テ
トラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールな
どの脂肪族グリコール、あるいはシクロヘキサンジメタ
ノールなどの脂環族ジオールなどを挙げることができ
る。本発明におけるポリエステルとしては、例えばアル
キレンテレフタレートまたはアルキレンナフタレートを
主たる構成成分とするものが好ましい。また、これらの
ポリエステルは、ホモポリエステルであってもコポリエ
ステルであってもよい。非重合成分の例としてはアジピ
ン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂
環式ジカルボン酸、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールなどが挙げられる。
【0008】本発明における有機高分子はポリエステル
含有させる前の粒径比(最大径と最小径の比)(r)が
前述の式(1)を満たしていることを要し、好ましくは
rが1.2〜8の範囲、特に好ましくは1.3〜5の範
囲であることが滑り安定性、耐削れ性を向上させる上で
望ましい。さらにフィルムを延伸した後に測定した粒径
比(r′)がポリエステルに含有させる前の粒径比
(r)より大きいことが望ましく、特にr′/rが1.
1〜5の範囲にあることが望ましい。有機高分子粒子の
形状は特に限定されないが、具体例としては棒状、楕円
状、板状等がある。
含有させる前の粒径比(最大径と最小径の比)(r)が
前述の式(1)を満たしていることを要し、好ましくは
rが1.2〜8の範囲、特に好ましくは1.3〜5の範
囲であることが滑り安定性、耐削れ性を向上させる上で
望ましい。さらにフィルムを延伸した後に測定した粒径
比(r′)がポリエステルに含有させる前の粒径比
(r)より大きいことが望ましく、特にr′/rが1.
1〜5の範囲にあることが望ましい。有機高分子粒子の
形状は特に限定されないが、具体例としては棒状、楕円
状、板状等がある。
【0009】本発明の有機高分子微粒子は、粒子を10
%変形させた時の強度(以下S10と記す。)が前述の
式(2)を満たすことを要する。成形品の耐削れ性、滑
り安定性を特に良好にするには、S10の上限が8kg
f/mm2、好ましくは6kgf/mm2、さらに好ま
しくは4kgf/mm2であることが望ましい。特にS
10の値が3kgf/mm2より小さく、ポリエステル
との親和性に優れる有機高分子微粒子は、平坦性が大き
く向上するので好ましい。
%変形させた時の強度(以下S10と記す。)が前述の
式(2)を満たすことを要する。成形品の耐削れ性、滑
り安定性を特に良好にするには、S10の上限が8kg
f/mm2、好ましくは6kgf/mm2、さらに好ま
しくは4kgf/mm2であることが望ましい。特にS
10の値が3kgf/mm2より小さく、ポリエステル
との親和性に優れる有機高分子微粒子は、平坦性が大き
く向上するので好ましい。
【0010】ここで、粒子のS10とは、粒子の柔らか
さの指標となるものであり、例えば図1に示すような方
法で粒子の外力による変形挙動を測定することにより得
られるものである。図1に示す方法では、まず下部加圧
圧子1上に粒子を分散させ、上部加圧圧子2と下部加圧
圧子1の間に微粒子3を1個固定する。そして、一定の
増加割合で負荷力を与え、微粒子の変形量と負荷力を自
動計測し、粒子が10%変形した時の荷重P(kgf)
から、次式(3)に従い、S10(この測定を計10回
行ない、10回の平均値をS10とした。)を計算す
る。 S=2P/πd1d2(kgf/mm2) (3) ここで、d1は粒子の最大径、d2は粒子の最小径を表
わす。
さの指標となるものであり、例えば図1に示すような方
法で粒子の外力による変形挙動を測定することにより得
られるものである。図1に示す方法では、まず下部加圧
圧子1上に粒子を分散させ、上部加圧圧子2と下部加圧
圧子1の間に微粒子3を1個固定する。そして、一定の
増加割合で負荷力を与え、微粒子の変形量と負荷力を自
動計測し、粒子が10%変形した時の荷重P(kgf)
から、次式(3)に従い、S10(この測定を計10回
行ない、10回の平均値をS10とした。)を計算す
る。 S=2P/πd1d2(kgf/mm2) (3) ここで、d1は粒子の最大径、d2は粒子の最小径を表
わす。
【0011】本発明における有機高分子微粒子は、例え
ばポリスチレンもしくは架橋ポリスチレン粒子、スチレ
ン・アクリル系及びアクリル系架橋粒子、スチレン・メ
タクリル系及びメタクリル系架橋粒子などのビニル系粒
子、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド、シリコー
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニルエステ
ル、フェノール樹脂などの粒子が挙げられるが、これら
に限定されるものではなく、粒子を構成する部分のうち
少なくとも一部がポリエステルに対し不溶の有機高分子
微粒子であれば如何なる粒子でも良い。好ましくは、一
般に分子中に唯一個の脂肪族の不飽和結合を有するモノ
ビニル化合物(A)と、架橋剤として分子中に2個以上
の脂肪族の不飽和結合を有する化合物(B)との共重合
体が挙げられる。
ばポリスチレンもしくは架橋ポリスチレン粒子、スチレ
ン・アクリル系及びアクリル系架橋粒子、スチレン・メ
タクリル系及びメタクリル系架橋粒子などのビニル系粒
子、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド、シリコー
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニルエステ
ル、フェノール樹脂などの粒子が挙げられるが、これら
に限定されるものではなく、粒子を構成する部分のうち
少なくとも一部がポリエステルに対し不溶の有機高分子
微粒子であれば如何なる粒子でも良い。好ましくは、一
般に分子中に唯一個の脂肪族の不飽和結合を有するモノ
ビニル化合物(A)と、架橋剤として分子中に2個以上
の脂肪族の不飽和結合を有する化合物(B)との共重合
体が挙げられる。
【0012】上記共重合体における化合物(A)の例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチ
レン、ビニルビリンなどの芳香族モノビニル化合物、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビ
ニル化合物、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オク
チルアクリレート、ドデシルアクリレート、ヘキサデシ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレ
ート、N,N′−ジメチルアミノエチルアクリレートな
どのアクリル酸エステルモノマー、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、
sec−ブチルメタクリレート、アリルメタクリレー
ト、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、
N,N′−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの
メタクリル酸エステルモノマー、アクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸などのモノまたはジカル
ボン酸およびジカルボン酸の酸無水物、アクリルアミ
ド、メタクリルアミドなどのアミド系モノマーを使用す
ることができる。
しては、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチ
レン、ビニルビリンなどの芳香族モノビニル化合物、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビ
ニル化合物、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オク
チルアクリレート、ドデシルアクリレート、ヘキサデシ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレ
ート、N,N′−ジメチルアミノエチルアクリレートな
どのアクリル酸エステルモノマー、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、
sec−ブチルメタクリレート、アリルメタクリレー
ト、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、
N,N′−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの
メタクリル酸エステルモノマー、アクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸などのモノまたはジカル
ボン酸およびジカルボン酸の酸無水物、アクリルアミ
ド、メタクリルアミドなどのアミド系モノマーを使用す
ることができる。
【0013】上記化合物(A)としては、下記化1の構
造式を有するものが望ましく、R2の炭素数が4以上の
ものは柔軟なセグメントを付与するのに好ましい。特に
好ましくは、化合物(A)が単一成分で重合体の構造を
とった際、そのガラス転移温度が本発明で使用するポリ
エステルのガラス転移温度以下であることが望ましく、
さらにはそのガラス転移温度が50℃以下、好ましくは
20℃以下、さらに好ましくは0℃以下であるものが好
ましい。具体的には、ブチルアクリレート、オクチルア
クリレート、ドデシルアクリレート、ヘキサデシルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアク
リル酸エステルモノマー、ブチルメタクリレート、se
c−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、
ヘキサデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレートなどのメタクリル酸エステルモノマーなどが
好ましく用いられる。
造式を有するものが望ましく、R2の炭素数が4以上の
ものは柔軟なセグメントを付与するのに好ましい。特に
好ましくは、化合物(A)が単一成分で重合体の構造を
とった際、そのガラス転移温度が本発明で使用するポリ
エステルのガラス転移温度以下であることが望ましく、
さらにはそのガラス転移温度が50℃以下、好ましくは
20℃以下、さらに好ましくは0℃以下であるものが好
ましい。具体的には、ブチルアクリレート、オクチルア
クリレート、ドデシルアクリレート、ヘキサデシルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアク
リル酸エステルモノマー、ブチルメタクリレート、se
c−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、
ヘキサデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレートなどのメタクリル酸エステルモノマーなどが
好ましく用いられる。
【0014】
【化1】
【0015】化合物(B)の例としてはジビニルベンゼ
ン化合物、あるいはトリメチロールプロパントリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
あるいはエチレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレートなどの多価アクリレートおよ
びメタクリレートが挙げられる。化合物(B)のうち、
粒径比をコントロールする面でジビニルベンゼン、エチ
レングリコールジメタクリレートまたはトリメチロール
プロパントリメタクリレートを用いることが好ましい。
ン化合物、あるいはトリメチロールプロパントリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
あるいはエチレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレートなどの多価アクリレートおよ
びメタクリレートが挙げられる。化合物(B)のうち、
粒径比をコントロールする面でジビニルベンゼン、エチ
レングリコールジメタクリレートまたはトリメチロール
プロパントリメタクリレートを用いることが好ましい。
【0016】これら化合物(A)、(B)はそれぞれ2
種以上を混合して用いることもできる。また、本発明の
ように比較的低い強度を有する有機高分子微粒子を製造
するには有機高分子微粒子中の純分の架橋剤の割合が1
〜60重量%、好ましくは2〜50重量%、より好まし
くは5〜40重量%であることが望ましい。さらに、化
合物(A)、(B)以外の成分を添加してもよく、粒径
比をコントロールしたり、耐熱性、分散性を向上させる
ために微量の無機物での被覆、親和性を向上させるため
の表面処理などを実施してもよい。
種以上を混合して用いることもできる。また、本発明の
ように比較的低い強度を有する有機高分子微粒子を製造
するには有機高分子微粒子中の純分の架橋剤の割合が1
〜60重量%、好ましくは2〜50重量%、より好まし
くは5〜40重量%であることが望ましい。さらに、化
合物(A)、(B)以外の成分を添加してもよく、粒径
比をコントロールしたり、耐熱性、分散性を向上させる
ために微量の無機物での被覆、親和性を向上させるため
の表面処理などを実施してもよい。
【0017】本発明の有機高分子微粒子の組成として好
ましいものを例示すると、ブチルアクリレート−ジビニ
ルベンゼン共重合体、オクチルアクリレート−ジビニル
ベンゼン共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート−
ジビニルベンゼン共重合体、2−エチルヘキシルアクリ
レート−エチレングリコールジメタクリレート共重合
体、ヘキシルメタクリレート−ジビニルベンゼン共重合
体、2−エチルヘキシルメタクリレート−ジビニルベン
ゼン共重合体などの架橋高分子微粒子が挙げられる。ま
た、スチレン−ブチルアクリレート−ジビニルベンゼン
共重合体、スチレン−ヘキシルメタクリレート−ジビニ
ルベンゼン共重合体などのように3成分系で微粒子を製
造してもよい。
ましいものを例示すると、ブチルアクリレート−ジビニ
ルベンゼン共重合体、オクチルアクリレート−ジビニル
ベンゼン共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート−
ジビニルベンゼン共重合体、2−エチルヘキシルアクリ
レート−エチレングリコールジメタクリレート共重合
体、ヘキシルメタクリレート−ジビニルベンゼン共重合
体、2−エチルヘキシルメタクリレート−ジビニルベン
ゼン共重合体などの架橋高分子微粒子が挙げられる。ま
た、スチレン−ブチルアクリレート−ジビニルベンゼン
共重合体、スチレン−ヘキシルメタクリレート−ジビニ
ルベンゼン共重合体などのように3成分系で微粒子を製
造してもよい。
【0018】本発明の有機高分子微粒子の製造方法を、
架橋高分子微粒子の製造方法を例として説明すると、例
えば化合物(A)、(B)を混合し、以下のような乳化
重合により製造する方法がある。 (a)ソープフリー重合法、すなわち乳化剤を使用しな
いか、あるいは極めて少量の乳化剤を使用して重合する
方法。 (b)乳化重合に先だって重合系内へ重合体粒子を添加
しておいて乳化重合させるシード重合法。 (c)単量体成分の一部を乳化重合させ、その重合系内
で残りの単量体を重合させるコア−シェル重合法。 (d)特開昭54−97582号公報および特開昭54
−126288号公報に示されているユーゲルスタット
等による重合法。 上記のうち、特に(c)および(d)の方法は柔らかい
粒子を製造する上で好ましい。
架橋高分子微粒子の製造方法を例として説明すると、例
えば化合物(A)、(B)を混合し、以下のような乳化
重合により製造する方法がある。 (a)ソープフリー重合法、すなわち乳化剤を使用しな
いか、あるいは極めて少量の乳化剤を使用して重合する
方法。 (b)乳化重合に先だって重合系内へ重合体粒子を添加
しておいて乳化重合させるシード重合法。 (c)単量体成分の一部を乳化重合させ、その重合系内
で残りの単量体を重合させるコア−シェル重合法。 (d)特開昭54−97582号公報および特開昭54
−126288号公報に示されているユーゲルスタット
等による重合法。 上記のうち、特に(c)および(d)の方法は柔らかい
粒子を製造する上で好ましい。
【0019】さらに、粒径比をコントロールするため
に、重合の任意の段階で成分濃度、温度、撹拌状態等を
変更してもよい。また、粒径比をコントロールするため
に、合成した粒子に粉砕などの処理をしてもよい。
に、重合の任意の段階で成分濃度、温度、撹拌状態等を
変更してもよい。また、粒径比をコントロールするため
に、合成した粒子に粉砕などの処理をしてもよい。
【0020】これらの有機高分子微粒子の平均粒径は、
成形品の滑り性、表面にできる突起の高さを適正化する
上で0.001〜3μm、好ましくは0.005〜2μ
m、さらに好ましくは0.010〜1μmであることが
望ましい。
成形品の滑り性、表面にできる突起の高さを適正化する
上で0.001〜3μm、好ましくは0.005〜2μ
m、さらに好ましくは0.010〜1μmであることが
望ましい。
【0021】また、ポリエステルへの有機高分子微粒子
の添加量は、ポリエステル100重量部に対して0.0
01〜20.0重量部、好ましくは0.005〜10.
0重量部、さらに好ましくは0.01〜8.0重量部で
あることが望ましい。
の添加量は、ポリエステル100重量部に対して0.0
01〜20.0重量部、好ましくは0.005〜10.
0重量部、さらに好ましくは0.01〜8.0重量部で
あることが望ましい。
【0022】本発明の有機高分子微粒子のポリエステル
への添加方法は特に限定されず、例えばポリエステル原
料のグリコールスラリーとしてポリエステル製造工程す
なわちエステル交換、エステル化、重縮合反応中に添加
したり、溶融ポリエステルの混練中に添加することがで
きる。そのスラリー濃度としては、0.5〜20重量%
程度が適当である。
への添加方法は特に限定されず、例えばポリエステル原
料のグリコールスラリーとしてポリエステル製造工程す
なわちエステル交換、エステル化、重縮合反応中に添加
したり、溶融ポリエステルの混練中に添加することがで
きる。そのスラリー濃度としては、0.5〜20重量%
程度が適当である。
【0023】このように粒径比が1.1より大きく、低
強度で柔らかい有機高分子微粒子をポリエステル中に添
加すると延伸フィルムにした際に高い突起安定性や滑り
性が得られ、ボイドの生成も極めて少なく、粒子の脱落
が起こりにくい。つまり、フィルムにした際に平坦性、
滑り性、耐削れ性に優れたポリエステル組成物を得るこ
とができる。
強度で柔らかい有機高分子微粒子をポリエステル中に添
加すると延伸フィルムにした際に高い突起安定性や滑り
性が得られ、ボイドの生成も極めて少なく、粒子の脱落
が起こりにくい。つまり、フィルムにした際に平坦性、
滑り性、耐削れ性に優れたポリエステル組成物を得るこ
とができる。
【0024】さらに、本発明のポリエステルにはポリエ
ステルの製造時に通常使用されるリチウム、ナトリウ
ム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、アン
チモン、ゲルマニウム、チタン等の化合物の金属化合物
触媒、着色防止剤としてのリン化合物、有機高分子微粒
子以外の不活性粒子等を含有していてもよい。
ステルの製造時に通常使用されるリチウム、ナトリウ
ム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、アン
チモン、ゲルマニウム、チタン等の化合物の金属化合物
触媒、着色防止剤としてのリン化合物、有機高分子微粒
子以外の不活性粒子等を含有していてもよい。
【0025】〔物性の測定ならびに効果の評価方法〕本
発明における物性値の測定方法ならびに効果の評価方法
は次の通りである。
発明における物性値の測定方法ならびに効果の評価方法
は次の通りである。
【0026】A.平均粒径 粒子を電子顕微鏡で写真撮影後、粒子の直径を個々につ
いて測定し、50体積%にあたる粒子等価球直径を求
め、平均粒径とした。
いて測定し、50体積%にあたる粒子等価球直径を求
め、平均粒径とした。
【0027】B.粒径比及び最大径、最小径 a.ポリエステルに添加する前の粒径比(r) 平均粒径を求める際に各粒子の最大径と最小径を測定し
その比を算出した。さらに相加平均を求め粒径比(r)
とした。 b.フィルム中での粒径比(r′) フィルムを切断し、長手方向の断面を観察し、各粒子の
最大径と最小径を測定しその比を算出した。さらに相加
平均を求め、粒径比(r′)とした。
その比を算出した。さらに相加平均を求め粒径比(r)
とした。 b.フィルム中での粒径比(r′) フィルムを切断し、長手方向の断面を観察し、各粒子の
最大径と最小径を測定しその比を算出した。さらに相加
平均を求め、粒径比(r′)とした。
【0028】C.粒子の強度(S10) 島津製作所(株)製の微小圧縮試験機(MCTM−20
1型)を使用して、負荷速度:0.0145gf/s、
0〜1gfまでの負荷を加えて変形量を測定した。そし
て、粒子が10%変形した時の荷重P(kgf)から、
前述の式(2)に従い、S10(この測定を計10回行
ない、10回の平均値をS10とした。)を計算した。
1型)を使用して、負荷速度:0.0145gf/s、
0〜1gfまでの負荷を加えて変形量を測定した。そし
て、粒子が10%変形した時の荷重P(kgf)から、
前述の式(2)に従い、S10(この測定を計10回行
ない、10回の平均値をS10とした。)を計算した。
【0029】D.ポリマの極限粘度 o−クロロフェノールを溶媒として25℃にて測定し
た。
た。
【0030】E.滑り安定性 フィルムを1/2インチにスリットし、テープ走行性試
験機TBT−300型((株)横浜システム研究所製)
を使用し、25℃、50%RH雰囲気で走行させ、初期
のμk0と50回走行させた時のμk50を下式より求
めた。なお、ガイド径は6mmφであり、ガイド材質は
SUS27(表面粗度0.2S)、巻き付け角は180
°、走行速度は4.0cm/秒である。 μk=0.733log(T1/T2) T1:出力張力 T2:入力張力 上記μk0とμk50の差が0.05以下であるものは
滑り安定性良好であり合格とした。
験機TBT−300型((株)横浜システム研究所製)
を使用し、25℃、50%RH雰囲気で走行させ、初期
のμk0と50回走行させた時のμk50を下式より求
めた。なお、ガイド径は6mmφであり、ガイド材質は
SUS27(表面粗度0.2S)、巻き付け角は180
°、走行速度は4.0cm/秒である。 μk=0.733log(T1/T2) T1:出力張力 T2:入力張力 上記μk0とμk50の差が0.05以下であるものは
滑り安定性良好であり合格とした。
【0031】F.フィルムの耐削れ性 (1)ガイドロール汚れ(耐削れ性(1)) フィルムを1/2インチにスリットし、テープ走行性試
験機TBT−300型((株)横浜システム研究所製)
を使用し、30℃、50%RH雰囲気で1500回繰り
返し走行させた後、ガイドロール表面に発生する白粉量
を目視にて判定する。ここで、ガイド径は6mmφであ
り、ガイド材質はSUS27(表面粗度0.2S)、巻
き付け角は180°、走行速度は8.0cm/秒であ
る。次のようにランク付けし、1級及び2級を合格とし
た。 1級:白粉の発生が非常に少なく、目的を達成する。 2級:白粉の発生が少なく、目的を達成する。 3級:白粉の発生がやや多く、目的を達成しない。 4級:白粉の発生が非常に多く、目的を達成しない。 (2)カレンダー汚れ(耐削れ性(2)) 磁性層を塗布したテープを小型テストカレンダー装置
(スチールロール、ナイロンロール、5段式、ナイロン
ロールがベースフィルム面に接する)で、温度:70
℃、線圧:200kg/cmでカレンダー処理する。上
記処理を延べ15000mにわたって続けた後、この処
理によって発生したナイロンロールに付着した白粉を観
察し、次のランクづけを行なう。そして、1級及び2級
を合格とした。 1級:白粉がほとんど付着していない。 2級:わずかに白粉が付着するが、加工工程上、製品性
能上のトラブルに至らない。 3級:白粉の付着が多く、加工工程上、製品性能上のト
ラブルになり使用不可となった。
験機TBT−300型((株)横浜システム研究所製)
を使用し、30℃、50%RH雰囲気で1500回繰り
返し走行させた後、ガイドロール表面に発生する白粉量
を目視にて判定する。ここで、ガイド径は6mmφであ
り、ガイド材質はSUS27(表面粗度0.2S)、巻
き付け角は180°、走行速度は8.0cm/秒であ
る。次のようにランク付けし、1級及び2級を合格とし
た。 1級:白粉の発生が非常に少なく、目的を達成する。 2級:白粉の発生が少なく、目的を達成する。 3級:白粉の発生がやや多く、目的を達成しない。 4級:白粉の発生が非常に多く、目的を達成しない。 (2)カレンダー汚れ(耐削れ性(2)) 磁性層を塗布したテープを小型テストカレンダー装置
(スチールロール、ナイロンロール、5段式、ナイロン
ロールがベースフィルム面に接する)で、温度:70
℃、線圧:200kg/cmでカレンダー処理する。上
記処理を延べ15000mにわたって続けた後、この処
理によって発生したナイロンロールに付着した白粉を観
察し、次のランクづけを行なう。そして、1級及び2級
を合格とした。 1級:白粉がほとんど付着していない。 2級:わずかに白粉が付着するが、加工工程上、製品性
能上のトラブルに至らない。 3級:白粉の付着が多く、加工工程上、製品性能上のト
ラブルになり使用不可となった。
【0032】G.表面粗さ:Ra(μm) 触針式表面粗さ計による測定値で示した(カットオフ値
0.25mm、測定長4mm。ただし、JIS−B−0
601に従った。)。
0.25mm、測定長4mm。ただし、JIS−B−0
601に従った。)。
【0033】
【実施例】以下、実施例で本発明をさらに詳述する。な
お、実施例中に部とあるのは、特に断りがない限り、重
量部を示すものである。また、各表中の添加量の()内
の値はフィルム中での粒子含有量である。
お、実施例中に部とあるのは、特に断りがない限り、重
量部を示すものである。また、各表中の添加量の()内
の値はフィルム中での粒子含有量である。
【0034】実施例1 (ポリエステル組成物及びフィルムの製造方法)テレフ
タル酸ジメチル100部、エチレングリコール58部、
触媒として酢酸マグネシウムを0.06部、三酸化アン
チモン0.03部を添加し、230℃まで昇温しながら
メタノールを留去し、エステル交換反応を行う。その
後、トリメチルホスフェートを0.05部添加し、5重
量%濃度のエチレングリコールスラリーとして分散させ
た。平均粒径1.5μm、最大径2.0μm、粒径比
2.0、S10:3.9(kgf/mm2)のブチルア
クリレート(70重量%)−ジビニルベンゼン(30重
量%)共重合体粒子をポリエステル中で1重量%になる
ように添加する。その後、重縮合反応槽に移行して29
0℃まで昇温しながら減圧し、重縮合を行った。得られ
たポリマは極限粘度0.632であった。得られたポリ
マを無粒子系ポリエチレンテレフタレートで3/10倍
に希釈して290℃で押出機により溶融押し出しし、キ
ャスティングドラムで急冷し未延伸シートを得た。引き
続きこれを90℃で縦および横方向に各々3.6倍に延
伸し、厚さ12μの二軸延伸フィルムを得た。この時の
粒径比を測定したところ2.3に増加していた。粒子特
性、ポリマ特性、フィルム特性は表1に示すとおりであ
り、平坦性、滑り安定性、耐削れ性が良好なフィルムで
あった。
タル酸ジメチル100部、エチレングリコール58部、
触媒として酢酸マグネシウムを0.06部、三酸化アン
チモン0.03部を添加し、230℃まで昇温しながら
メタノールを留去し、エステル交換反応を行う。その
後、トリメチルホスフェートを0.05部添加し、5重
量%濃度のエチレングリコールスラリーとして分散させ
た。平均粒径1.5μm、最大径2.0μm、粒径比
2.0、S10:3.9(kgf/mm2)のブチルア
クリレート(70重量%)−ジビニルベンゼン(30重
量%)共重合体粒子をポリエステル中で1重量%になる
ように添加する。その後、重縮合反応槽に移行して29
0℃まで昇温しながら減圧し、重縮合を行った。得られ
たポリマは極限粘度0.632であった。得られたポリ
マを無粒子系ポリエチレンテレフタレートで3/10倍
に希釈して290℃で押出機により溶融押し出しし、キ
ャスティングドラムで急冷し未延伸シートを得た。引き
続きこれを90℃で縦および横方向に各々3.6倍に延
伸し、厚さ12μの二軸延伸フィルムを得た。この時の
粒径比を測定したところ2.3に増加していた。粒子特
性、ポリマ特性、フィルム特性は表1に示すとおりであ
り、平坦性、滑り安定性、耐削れ性が良好なフィルムで
あった。
【0035】実施例2〜7 有機高分子微粒子の組成、粒径および粒径比、S10、
添加量を変更して実施例1と同様にしてポリエステル組
成物、およびフィルムを得た。表1に示すように、本発
明のポリエステル組成物は平坦性、滑り性、耐削れ性を
それぞれ満足することができた。有機高分子微粒子の粒
径比が1.3より大きく、モノビニル化合物成分が、単
独で重合体の構造をとった際、そのガラス転移温度が0
℃以下でS10が6kgf/mm2よりも低いものに関
しては滑り安定性、耐削れ性が特に良好であった。
添加量を変更して実施例1と同様にしてポリエステル組
成物、およびフィルムを得た。表1に示すように、本発
明のポリエステル組成物は平坦性、滑り性、耐削れ性を
それぞれ満足することができた。有機高分子微粒子の粒
径比が1.3より大きく、モノビニル化合物成分が、単
独で重合体の構造をとった際、そのガラス転移温度が0
℃以下でS10が6kgf/mm2よりも低いものに関
しては滑り安定性、耐削れ性が特に良好であった。
【0036】比較実施例1 有機高分子微粒子をコロイダルシリカ粒子とした以外
は、ポリエステル組成物を実施例1と同様にして重合
し、フィルムを得た。粒子特性および得られたフィルム
特性を表2に示すが、耐削れ性を満足することができな
かった。
は、ポリエステル組成物を実施例1と同様にして重合
し、フィルムを得た。粒子特性および得られたフィルム
特性を表2に示すが、耐削れ性を満足することができな
かった。
【0037】比較実施例2〜5 粒子の種類、粒径比、S10を変更してポリエステル組
成物を実施例1と同様にして重合し、フィルムを得た。
表2に示す通り、本発明から外れる場合には耐削れ性を
満足することができなかった。比較例3はS10の値が
本発明の範囲外である粒子を使用しフィルムを得たが、
滑り安定性、耐削れ性ともに不良となった。なお、比較
例4は粒径比1.0の粒子を含有させたものであるが、
滑り安定性が不良であり、良好なフィルム特性が得られ
なかった。比較例5は、粒径比が本発明の範囲外であ
り、良好なフィルム特性が得られなかった。
成物を実施例1と同様にして重合し、フィルムを得た。
表2に示す通り、本発明から外れる場合には耐削れ性を
満足することができなかった。比較例3はS10の値が
本発明の範囲外である粒子を使用しフィルムを得たが、
滑り安定性、耐削れ性ともに不良となった。なお、比較
例4は粒径比1.0の粒子を含有させたものであるが、
滑り安定性が不良であり、良好なフィルム特性が得られ
なかった。比較例5は、粒径比が本発明の範囲外であ
り、良好なフィルム特性が得られなかった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の熱可塑性ポリエステル組成物
は、適当な粒径比を持ち低強度で柔らかい有機高分子微
粒子を含有しているので、安定した突起を形成し、ポリ
エステルとの親和性に優れ、外力を受けた際に粒子が脱
落しにくい。したがって、従来無機粒子を添加した時に
問題となっていた粒子の脱落による白粉の発生、滑り性
の悪化を防止することができ、フィルム、繊維などの製
造時の工程汚染の防止や、特に磁気テープなどの製品と
しての好適な使用を可能とするものである。
は、適当な粒径比を持ち低強度で柔らかい有機高分子微
粒子を含有しているので、安定した突起を形成し、ポリ
エステルとの親和性に優れ、外力を受けた際に粒子が脱
落しにくい。したがって、従来無機粒子を添加した時に
問題となっていた粒子の脱落による白粉の発生、滑り性
の悪化を防止することができ、フィルム、繊維などの製
造時の工程汚染の防止や、特に磁気テープなどの製品と
しての好適な使用を可能とするものである。
【図1】本発明における粒子の強度(S10)の測定方
法を示す概略縦断面図である。
法を示す概略縦断面図である。
1 下部加圧圧子 2 上部加圧圧子 3 微粒子
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 粒径比(r)が(1)式を満たし、粒子
を10%変形させた時の強度(S10)が(2)式を満
たす有機高分子微粒子を含有してなる熱可塑性ポリエス
テル組成物。 1.1<r<10 (1) 0<S10≦10 (kgf/mm2) (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27604891A JPH0532874A (ja) | 1991-07-29 | 1991-07-29 | 熱可塑性ポリエステル組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27604891A JPH0532874A (ja) | 1991-07-29 | 1991-07-29 | 熱可塑性ポリエステル組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0532874A true JPH0532874A (ja) | 1993-02-09 |
Family
ID=17564065
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27604891A Pending JPH0532874A (ja) | 1991-07-29 | 1991-07-29 | 熱可塑性ポリエステル組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0532874A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63178144A (ja) * | 1987-01-20 | 1988-07-22 | Teijin Ltd | 二軸配向ポリエステルフイルム |
JPH01204959A (ja) * | 1988-02-10 | 1989-08-17 | Toray Ind Inc | ポリエステル組成物及びそれからなる二軸延伸ポリエステルフイルム |
JPH0211640A (ja) * | 1988-06-29 | 1990-01-16 | Toray Ind Inc | 二軸配向ポリエステルフイルム |
JPH03143929A (ja) * | 1989-10-30 | 1991-06-19 | Dia Hoiru Kk | 二軸配向ポリエステルフィルム |
-
1991
- 1991-07-29 JP JP27604891A patent/JPH0532874A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63178144A (ja) * | 1987-01-20 | 1988-07-22 | Teijin Ltd | 二軸配向ポリエステルフイルム |
JPH01204959A (ja) * | 1988-02-10 | 1989-08-17 | Toray Ind Inc | ポリエステル組成物及びそれからなる二軸延伸ポリエステルフイルム |
JPH0211640A (ja) * | 1988-06-29 | 1990-01-16 | Toray Ind Inc | 二軸配向ポリエステルフイルム |
JPH03143929A (ja) * | 1989-10-30 | 1991-06-19 | Dia Hoiru Kk | 二軸配向ポリエステルフィルム |
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