JP2000297206A - ポリエステル組成物、およびそれからなるフィルム - Google Patents

ポリエステル組成物、およびそれからなるフィルム

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JP2000297206A
JP2000297206A JP10877599A JP10877599A JP2000297206A JP 2000297206 A JP2000297206 A JP 2000297206A JP 10877599 A JP10877599 A JP 10877599A JP 10877599 A JP10877599 A JP 10877599A JP 2000297206 A JP2000297206 A JP 2000297206A
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Hiromichi Aoki
啓道 青木
Takahiro Nakawa
孝宏 名川
Kimitake Uematsu
君剛 植松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色を抑えたポリエステル組成物、および二
軸延伸フィルムにした場合に、優れた平坦性、滑り性、
耐磨耗性示すポリエステル組成物を提供する。 【解決手段】 水酸基を1〜4個有する芳香族化合物を
0.01〜1重量%含有するモノマーを用いて合成した
平均粒径が0.05〜3μmの架橋有機粒子を0.05
〜10重量%含有してなるポリエステル組成物、および
それからなるフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒子分散性に優
れ、着色を抑えたポリエステル組成物に関するものであ
り、さらに詳しくは平坦性、滑り性、耐磨耗性に優れた
フィルムを得るに適したポリエステル組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレートまたはポリエチレンナフタレートは、その優れ
た物理的、化学的特性を有するため、繊維、フィルムそ
の他成形品として広く利用されている。しかしながらそ
の優れた特性とは逆に、上記成形品を得る成形工程にお
ける工程通過性、あるいは製品自体の取扱い時における
滑り不良による作業性の悪化といった好ましくないトラ
ブルが発生することも知られている。
【0003】これらの問題を解決する手段は従来から種
々提案されており、ポリエステル中に無機または有機粒
子を配合する方法が最も確実な方法として知られてい
る。中でも架橋有機粒子は、ポリエステルと屈折率が近
く比較的親和性に優れていることから、これらの粒子を
用いた方法が数多く提案されている(例えば特開昭59
−217755公報、特開平3−143929公報な
ど)。
【0004】架橋有機粒子を含有するポリエステルを得
る方法としては、ポリエステル重合時に添加する方法
(例えば特開平1−240558公報など)や溶融状態
にあるポリマーに添加して混練する方法(例えば特開平
3−24150公報など)などがあるが、いずれにおい
ても架橋有機粒子を分散したスラリーとして添加するの
が一般的である。
【0005】このようにスラリーとして添加する場合、
往々にして粒子製造工程で使用する添加物、または粒子
の分散安定のために用いる添加物など(例えば特開昭6
1−215605公報など)がそのまま添加スラリー中
に持ち込まれるが、この場合、添加物への熱履歴などの
影響によって添加物自体が変色し、得られたポリエステ
ル組成物が着色してしまうなどの問題が生じている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は前記し
た問題点を解決することにあり、粒子製造工程において
添加物の濃度を規制した架橋有機粒子を、ポリエステル
組成物の製造中に水または有機化合物のスラリーの状態
で添加することによって、粒子分散性に優れ、着色を抑
えたポリエステル組成物を提供し、さらに該ポリエステ
ル組成物を使用することによって平坦性、滑り性、耐磨
耗性に優れたポリエステルフィルムを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るポリエステル組成物は、水酸基を1〜
4個有する芳香族化合物を0.01〜1重量%含有する
モノマーを用いて合成した平均粒径が0.05〜3μm
の架橋有機粒子を0.05〜10重量%含有してなるも
のからなる。
【0008】本発明に係るポリエステルフィルムは、こ
のようなポリエステル組成物を用いて製造されたもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるポリエ
ステルは、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とするジ
カルボン酸およびエステル形成性誘導体とグリコールか
らなる。本発明における芳香族ジカルボン酸としては、
例えばテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、そのエステル形成性誘導体としてテレフタル酸ジメ
チル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルなどが
挙げられ、なかでもテレフタル酸もしくはテレフタル酸
ジメチルが好ましい。またグリコール成分としてはエチ
レングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げら
れ、なかでもエチレングリコールが好ましい。またこれ
らのポリエステルはホモポリエステルであってもコポリ
エステルであってもよい。共重合成分の例としては、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール、ポリアルキレングリコール、p−キシ
リレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、5−ナトリウムスルホレゾルシンなどのジオール成
分、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、2,6−
ナフタリンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸などのジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロ
メリット酸などの多官能ジカルボン酸成分、p−オキシ
エトキシ安息香酸などのオキシカルボン酸成分などが挙
げられる。
【0010】本発明における架橋有機粒子は、分子中に
唯一個の脂肪族の不飽和結合を有するモノビニル化合物
(A)と、架橋剤として分子中に2個以上の脂肪族の不
飽和結合を有する化合物(B)との共重合体からなる。
【0011】化合物(A)の例としては、スチレン、α
−メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、フルオロス
チレン、ビニルビリンなどの芳香族モノビニル化合物、
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化
ビニル化合物、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オク
チルアクリレート、ドデシルアクリレート、ヘキサデシ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレ
ート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート
などのメタクリル酸エステルモノマー、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのモノまたは
ジカルボン酸の酸無水物、アクリルアミド、メタクリル
アミドなどのアミド系モノマーなどが挙げられる。
【0012】化合物(B)の例としては、ジビニルベン
ゼン化合物、あるいはトリメチロールプロパントリアク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、あるいはエチレングリコールジアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレング
リコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレートな
どの多価アクリレートおよびメタクリレートが挙げら
れ、なかでもジビニルベンゼンがより好ましい。
【0013】架橋有機粒子中の化合物(B)の割合は5
5重量%以上であることが望ましい。55重量%未満で
は粒子が耐熱性に乏しく、ポリエステル重合時、あるい
は溶融成形時に軟化しやすく、ポリエステル中で凝集な
どの粒子分散性不良を引き起こす。
【0014】これらの粒子は、公知の製造方法を用いて
得られるものを用いることができる。公知の製造方法と
しては、以下のような乳化重合による方法がある。 (1)ソープフリー重合法、すなわち乳化剤を使用しな
いか、あるいは極めて少量の乳化剤を用いて重合する方
法。 (2)乳化重合に先立って重合系内へ重合体粒子を添加
しておいて乳化重合させるシード重合法。 (3)単量体成分の一部を乳化重合させ、その重合系内
で残りの単量体を重合させるコア−シェル重合方法。 (4)特開昭54−97582号公報、および特開昭5
4−126288号公報に示されているユーゲルスタッ
ト等による重合方法。 (5)(4)の方法において膨潤助剤を用いない重合方
法。
【0015】本発明における架橋有機粒子は滑り性、耐
磨耗性などの点から粒子形状が球形であることが好まし
く、また平坦性などの点から粒度分布はシャープなもの
が好ましい。
【0016】本発明における水酸基を1〜4個有する芳
香族化合物の例としては、フェノール、ヒドロキノン、
カテコール、4−t−ブチルカテコール、2−tert
−ブチルヒドロキノン、p−t−ブチルフェノール、フ
ロログリシノール、ビスフェノール類、フェニルフェノ
ール類などが挙げられる。なかでも芳香族化合物と結合
している水酸基の数は2〜3がより好ましく、そのよう
なものとしてカテコール、4−t−ブチルカテコールな
どが挙げられる。
【0017】また本発明の粒子製造時におけるモノマー
中の上記芳香族化合物の含有量は、0.01〜1重量%
であることが必要であり、好ましくは0.03〜0.5
重量%であり、より好ましくは0.05〜0.2重量%
である。モノマー中の化合物の含有量が0.01重量%
未満では、該粒子を含有してなるポリエステル組成物中
の粒子の分散性が悪化する場合があり、逆に1重量%を
越えると、ポリエステル組成物自体が着色することがあ
る。
【0018】本発明におけるポリエステルは公知の方法
で製造され、架橋有機粒子はポリエステルの製造過程で
添加したり、溶融ポリエステルの混練中に添加すること
ができるが、該粒子は水または有機化合物のスラリーと
して添加することが好ましく、水または沸点250℃以
下の有機化合物のスラリーで添加することがより好まし
い。本発明の有機化合物の例としては、エチレングリコ
ールやプロピレングリコールなどが挙げられる。また水
または有機化合物のスラリー濃度としては0.5〜30
重量%程度が最適である。
【0019】またスラリーとしては、架橋有機粒子の乳
化重合後に得られるスラリーをそのまま使用してもよ
い。すなわち該架橋有機粒子を乳化重合する際に用いら
れる、粒子、水または有機化合物以外の添加物がそのま
まポリエステル組成物中へ持ち込まれてもよい。
【0020】本発明において、添加するスラリー中の水
酸基を1〜4個有する芳香族化合物の含有量は1ppm
以上であることが好ましく、より好ましくは10ppm
以上であり、さらに好ましくは100ppm以上であ
る。スラリー中の化合物の含有量が上記範囲未満である
と、スラリー中での粒子分散性が悪化し、このスラリー
を用いて製造したポリエステル組成物中での粒子分散性
も悪化することがある。またこれらの芳香族化合物は、
添加するスラリーへ後から添加しても構わない。
【0021】架橋有機粒子の平均粒子径は0.05〜3
μmであることが必要であり、好ましくは0.1〜2μ
mである。平均粒子径が0.05μm未満ではフィルム
にした場合の滑り性が低下し、3μmを越えると粗大突
起に起因する耐磨耗性不良を起こす。
【0022】また架橋有機粒子のポリエステル中への含
有量は0.05〜10重量%であることが必要であり、
好ましくは0.08〜5重量%である。ポリエステル中
への含有量が0.05重量%未満ではフィルムにした場
合の滑り性が悪化し、逆に10重量%を越えると凝集粒
子が発生し、フィルムにした場合の粗大突起の原因とな
ることがある。
【0023】本発明のポリエステルにはポリエステルの
製造時に通常使用されるリチウム、カルシウム、マンガ
ン、アンチモン、チタンなどの金属化合物をはじめ、架
橋有機粒子以外の不活性粒子などを含んでいてもよい。
架橋有機粒子以外の不活性粒子の例としては、酸化アル
ミニウム、酸化ケイ素、二酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、タルク、カオリナイトなどが挙げられる。
【0024】このようにして得られた本発明におけるポ
リエステル組成物は、例えば次のような方法によってフ
ィルムに成形することができる。
【0025】ポリエステル組成物のペレットを十分乾燥
した後、直ちに押出機に供給する。このペレットを26
0〜300℃で溶融し、ダイよりシート状に押し出し、
キャスティングドラム上で冷却、固化させて未延伸フィ
ルムを得る。次にこの未延伸フィルムを二軸延伸するの
が好ましい。延伸方法としては逐次二軸延伸法、同時二
軸延伸法、あるいはこのように二軸延伸したフィルムを
再度延伸する方法などを用いてもよい。ポリエステルの
組成にもよるが、磁気記録媒体用フィルムとして十分な
弾性率を得るには、最終的な延伸面積倍率(縦倍率x横
倍率)を6以上とすることが好ましい。
【0026】またフィルムの熱収縮率を小さく保つた
め、150〜200℃の温度範囲で0.1〜60秒程度
の熱処理を行うことが好ましい。
【0027】本発明におけるポリエステル組成物は、単
層、複層のいずれのフィルムにも適用することができる
が、フィルムの易滑性等の点から、本発明のポリエステ
ル組成物からなるフィルムを少なくとも一層、特に最外
層に有する積層フィルムとすることができる。このよう
なフィルムは従来公知の方法によって製造することがで
きる。
【0028】本願のポリエステル組成物は、特にフィル
ムとした場合に平坦性、滑り性、耐磨耗性に優れてお
り、磁気記録媒体用に特に適している。また該組成物は
着色が抑えられるため、包材用、コンデンサー用などの
工業材料用途にも好適である。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。なお得られたポリエステル組成物およびポリエステ
ルフィルムの各特性値測定は、次の方法に従って行っ
た。
【0030】(A)粒子の粒径 平均粒子径は粒子の電子顕微鏡写真によって測定した5
0体積%の点にあたる粒子等価球直径により求めた。等
価球直径とは粒子と同じ体積を有する球の直径である。
【0031】(B)架橋有機粒子中の添加物濃度 架橋有機粒子中の芳香族化合物濃度は、熱分解ガスクロ
マトグラフィーを使用し、粒子を500℃まで加熱して
発生したガスを定量した。必要により熱分解ガスクロマ
トグラフィー−質量分析計直結装置を利用して発生ガス
の同定を行った。
【0032】(C)ポリマー色調 ポリエステル組成物を290℃で10分間窒素雰囲気下
で加熱して完全にポリマーを溶融し、その後室温まで急
冷して厚み2cmの測定用サンプルを作製した。上記方
法で作製したポリマーサンプルをカラーメーターによっ
てb値(黄色/青色指数)を測定し、0〜6.0を合格
とした。
【0033】(D)ポリマー中の粒子分散性 チップを表面処理した後、走査型電子顕微鏡によって任
意の視野における粒子の分散状態を観察した。分散性の
評価は任意の視野における100個の粒子のうちの凝集
粒子数をカウントし、凝集粒子5個以下を合格とした。
【0034】(E)フィルム特性 (1)表面粗さRa JIS−B−0601に準じて、触針式表面粗さ計を用
いて測定した(カットオフ値0.08mm、測定長4m
m)。
【0035】(2)滑り性μs ASTM−D−1894B−63に従い、スリップテス
ターを用いて静摩擦係数(μs)を測定し、0.7以下
を合格とした。
【0036】(3)耐摩耗性 テープ走行性試験機TBT−300型((株)横浜シス
テム研究所製)を使用し、25℃、50%RHの雰囲気
で1500回繰り返し走行させた後、ガイド部に付着し
た白色の削れ粉(白粉)を目視にて判定した。ここで、
ガイド径は8mm であり、ガイド材質はSUS27
(表面粗度0.2S)、巻き付け角は180°、テープ
走行速度は3.3cm/秒である。評価基準は次の通り
である。 1級:白粉発生量が非常に少なく、目的を達成する。 2級:白粉発生量が少なく、目的を達成する。 3級:白粉発生量がやや多く、目的を達成しない。 4級:白粉発生量が非常に多く、目的を達成しない。
【0037】実施例1 ベントタイプ二軸押出機を使用して、極限粘度0.61
5の未乾燥ポリエチレンテレフタレートチップを溶融
し、平均粒子径0.3μmの架橋ポリスチレン粒子を、
ポリマー中の含有量が1.0重量%となるように水スラ
リーの状態で添加した。また該粒子は、添加物として4
−t−ブチルカテコール(以下TBCと略称する。)を
0.1重量%含有するジビニルベンゼン80重量%とエ
チルビニルベンゼン20重量%とをシード重合法によっ
て合成したものを使用した。ベント口を10Torrの
真空度に保持し、樹脂温度280℃で溶融押出して架橋
ポリスチレン粒子含有ポリエチレンテレフタレートを得
た。得られたポリエチレンテレフタレート組成物は着色
が抑えられ、粒子分散性にも優れていた。
【0038】該ポリエステル組成物を290℃で溶融押
出しし、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃の
キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化し、厚さ約
150μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フィル
ムを90℃で縦方向3.4倍、100℃で横方向に3.
6倍延伸した。その後180℃で熱固定し、厚さ15μ
mの二軸延伸フィルムを得た。該フィルムの特性を評価
した結果、平坦性、滑り性、耐磨耗性ともに良好であっ
た(表1)。
【0039】実施例2〜6、比較実施例1、2 モノマー中のTBC量、架橋ポリスチレン粒子の平均粒
子径、添加量を変えて、実施例1と同様にベント押出機
を用いて粒子含有ポリエチレンテレフタレートを得た。
また該ポリマーを実施例1と同様に二軸配向フィルムを
得た。モノマー中のTBC量、架橋ポリスチレン粒子の
平均粒子径が本願発明の範囲内であるものは、ポリエス
テル組成物の着色が抑えられ、粒子分散性に優れてい
た。また該ポリエステル組成物を使用したフィルムの特
性を評価した結果、平坦性、滑り性、耐磨耗性に優れて
いた(実施例2〜6)(表1)。
【0040】しかし、モノマー中のTBC量が本願発明
の範囲外である場合は、ポリエステル組成物自体が着色
し、粒子分散性を満足させることができなかった。また
該ポリエステル組成物を使用したフィルムについても、
平坦性、滑り性、耐磨耗性を満足させることはできなか
った(比較実施例1、2)(表1)。
【0041】実施例7、8 実施例1と同様にベント押出機を用いてポリエチレンテ
レフタレート組成物を得た。また架橋ポリスチレン粒子
は、実施例1におけるモノマー中の添加物としてTBC
のかわりにカテコールを含むものを使用した。得られた
ポリエチレンテレフタレート組成物は着色が抑えられ、
粒子分散性にも優れていた。また該ポリエステル組成物
を実施例1と同様に二軸配向フィルムを得た。該フィル
ムの特性を評価した結果、平坦性、滑り性、耐磨耗性と
もに良好であった(表1)。
【0042】実施例9、比較実施例3 モノマー中のTBC量、架橋ポリスチレンおよび酸化ア
ルミニウム粒子の添加量を変えて、実施例1と同様にベ
ント押出機を用いてポリエチレンテレフタレート組成物
を得た。なお該粒子は、架橋有機粒子と酸化アルミニウ
ム粒子とを含むエチレングリコールスラリーの状態で添
加した。また該ポリマーを実施例1と同様に二軸配向フ
ィルムを得た。モノマー中のTBC量、架橋ポリスチレ
ン粒子および酸化アルミニウム粒子の平均粒子径が本願
発明の範囲内であるものは、ポリエステル組成物の着色
が抑えられ、粒子分散性に優れていた。また該ポリエス
テル組成物を使用したフィルムの特性を評価した結果、
平坦性、滑り性、耐磨耗性に優れていた(実施例9)
(表2)。
【0043】しかし、モノマー中のTBC量が本願発明
の範囲外である場合は、ポリエステル組成物自体が着色
し、粒子分散性を満足させることができなかった。また
該ポリエステル組成物を使用したフィルムについても、
平坦性、滑り性、耐磨耗性を満足させることはできなか
った(比較実施例3)(表2)。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明のポリエステル組成物によれば、
特定の濃度範囲で水酸基を1〜4個有する芳香族化合物
を含むモノマーから合成した架橋有機粒子を含有するた
め、ポリエステル組成物の着色が抑えられ、粒子の分散
性にも優れた効果を発揮する。またこのポリエステル組
成物を用いてフィルムを成形した場合、平坦性、滑り
性、耐磨耗性に優れたフィルムが得られる。かかるフィ
ルムは、磁気テープ用途、包材用途、コンデンサー用途
などに好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植松 君剛 静岡県三島市4845番地(町、丁目表示な し) 東レ株式会社三島工場内 Fターム(参考) 4F071 AA22 AA22X AA43 AA46 AA77X AC11 AE05 AE11 AE12 AF22 AF27 BA01 BB06 BB08 BC01 BC08 4J002 BC012 BC042 BC092 BC112 BG012 BG042 BG052 BG072 BG102 BG112 BG132 BH022 CF041 CF051 CF061 CF071 CF081 CF101 EJ016 EJ036

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基を1〜4個有する芳香族化合物を
    0.01〜1重量%含有するモノマーを用いて合成した
    平均粒径が0.05〜3μmの架橋有機粒子を0.05
    〜10重量%含有してなるポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリエステル組成物より
    なるポリエステルフィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6793992B2 (en) 2001-07-10 2004-09-21 Canon Kabushiki Kaisha Molded product for cushioning material, and production process and recovery thereof
JP2006016422A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Toray Ind Inc ポリエステル樹脂組成物およびフィルム
JP2014098136A (ja) * 2012-10-18 2014-05-29 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエステルフィルム及びポリエステル樹脂組成物の製造方法

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