JP2014098136A - ポリエステルフィルム及びポリエステル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリエステルフィルム及びポリエステル樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機架橋高分子粒子と酸化アルミニウム微粒子を併用した場合においても外観が良いポリエステルフィルム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】有機架橋高分子粒子と酸化アルミニウム微粒子を含むポリエステルフィルムであって、該ポリエステルフィルムを、微分干渉顕微鏡を用いて160倍の倍率で0.7mm×0.825mmの視野を20視野観察した際に、全ての視野において20μm以上の有機架橋高分子粒子の凝集物が確認されないポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明はポリエステルフィルム及びポリエステル樹脂組成物の製造方法に関し、さらに詳しくは有機架橋高分子粒子を含有する外観の良いポリエステルフィルム及び該ポリエステルフィルムの成形原料として好適な有機架橋高分子粒子含有ポリエステル樹脂組成物の製造方法に関する。
ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのフィルムは、優れた透明性、機械的性質、耐熱性、耐薬品性を有するため、近年、特に各種光学用フィルムに多く用いられ、液晶表示装置の部材のプリズムレンズシート、タッチパネル、バックライト等のベースフィルムや反射防止用フィルムのベースフィルム、プラズマディスプレイの電磁波シールドフィルム、有機ELディスプレイのベースフィルム、ディスプレイの防爆用ベースフィルム等の用途に用いられている。このような光学用フィルムに用いられるポリエステルフィルムは透明性を含めた良好な外観だけでなくフィルム取り扱い時の作業性改善すなわち摩擦係数の低減及び摩耗特性の向上が要求される。
フィルムの摩擦係数の低減および摩耗特性の向上は、ポリエステル中に不活性微粒子を配合させておく方法により実現しうる。この方法は、重縮合中に系内で金属化合物微粒子を沈殿させる方法と、外部から炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、有機架橋高分子等の無機または有機微粒子を添加する方法とに大別される。
これらの中でも透明性の高いポリエステルフィルムを得るため原料となるポリエステルと屈折率が近く比較的親和性に優れる有機架橋高分子粒子を用いる試みもなされている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これら有機架橋高分子粒子はポリエステル中で必ずしも良好な分散性を示さず、しばしば凝集し粗大粒子となりフィルムに加工されたとき凝集物がフィルムの外観を著しく悪化させる原因となる。有機架橋高分子粒子のポリエステル中での凝集を防止するために、重縮合段階以前の任意の時期に有機架橋高分子粒子に対し0.1〜10倍量(質量比)の酸化アルミニウム微粒子及び/またはアルミン酸塩を含有するエチレングリコールスラリーと、有機架橋高分子粒子含有するエチレングリコールスラリーとを別個に添加してポリエステルを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、有機架橋高分子粒子の水スラリーと酸化アルミニウム微粒子の水スラリーとを調製し、各スラリーのζ電位を調整し、両者を混合攪拌し数時間保持して、有機架橋高分子粒子と酸化アルミニウム微粒子の複合粒子を形成させた後、エチレングリコールを加え、加熱減圧下で水を留去することにより調製された複合粒子のエチレングリコールスラリーを用いてポリエステルを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2006−16422号公報 特開平3−100017号公報 特開平6−64034号公報
然しながら、特許文献2で実施されている様に、有機架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーと酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーを、それぞれ粉砕、分級、濾過等の処理を施した後、添加したとしても、エチレングリコールスラリーをそれぞれ別個に添加すると、有機架橋高分子粒子がポリエステル中で凝集し、該ポリエステルを原料として得られたポリエステルフィルムの外観は凝集した粒子により損なわれることがある。
又、特許文献3の方法では水スラリー調製段階、水除去段階などで粒子の凝集を招きやすく、加えてチレングリコールを加えてから水を留去する方法は操作が煩雑であり、水の除去に多大なエネルギーが必要であるため、必ずしも好ましい方法ではない。
本発明の課題は、有機架橋高分子粒子と酸化アルミニウム微粒子を併用した場合においても外観が良いポリエステルフィルム及び該フィルムの成形に好適なポリエステルの製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題に鑑み、ポリエステルフィルムの原料となるポリエステル製造反応時に添加する有機架橋高分子粒子の凝集防止を検討した結果、ポリエステルフィルムの原料であるポリエステルを製造するに際し、有機架橋高分子と酸化アルミニウム微粒子をそれぞれエチレングリコールに分散してスラリーとして、各スラリーを混合し、該エチレングリコールスラリー混合物を任意の製造段階で添加することで、容易に、ポリエステル中での有機架橋高分子粒子の凝集を防止することができ、また、この方法により製造されたポリエステル組成物から外観が大変良いポリエステルフィルムを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は次のとおりである。
[1]有機架橋高分子粒子と酸化アルミニウム微粒子とを含むポリエステル樹脂組成物を成形してなるポリエステルフィルムであって、該ポリエステルフィルムを、微分干渉顕微鏡を用いて160倍の倍率で0.7mm×0.825mmの視野を20視野観察した際に、全ての視野において20μm以上の有機架橋高分子粒子の凝集物が確認されないことを特徴とするポリエステルフィルム。
[2]ジメチルテレフタレートを使用して得られたポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とする[1]に記載のポリエステルフィルム。
[3]ポリエステル樹脂組成物が、体積平均粒径が0.01〜3μmの有機架橋高分子粒子を添加して製造されたものであることを特徴とする[1]又は[2]に記載のポリエステルフィルム。
[4]ポリエステルフィルム中のポリエステルに対し、有機架橋高分子粒子含有量が0.1〜1.0質量%であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[5]ポリエステル樹脂組成物が、体積平均粒径が0.001〜1μmの酸化アルミニウム微粒子を添加して製造されたものであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[6]有機架橋高分子粒子の体積平均粒径に対する酸化アルミニウム微粒子の体積平均粒径の比が1/2以下であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[7]有機架橋高分子粒子含有量に対する酸化アルミニウム微粒子の含有量が質量比で0.1〜10倍であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[8]テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行いポリエステル低重合体を得るエステル化工程、得られたポリエステル低重合体を重縮合してポリエステルを得る重縮合工程を有する有機架橋高分子粒子含有ポリエステルの製造方法において、有機架橋高分子粒子と酸化アルミニウム微粒子とをともに含むエチレングリコールスラリーを有機架橋高分子粒子含有ポリエステルの製造工程の任意の段階に添加することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
[9]有機架橋高分子粒子と酸化アルミニウム微粒子とをともに含むエチレングリコールスラリーが、酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーと有機架橋高分子粒子を含むエチレングリコールスラリーとを混合して調製されたものであることを特徴とする[8]に記載の製造方法。
[10]エステル形成性誘導体が、ジメチルテレフタレートであることを特徴とする[8]又は[9]に記載の製造方法。
[11]有機架橋高分子粒子の体積平均粒径が0.01〜3μmであることを特徴とする[8]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12]有機架橋高分子粒子の添加量がポリエステルに対し0.1〜3.0質量%であることを特徴とする[8]〜[11]のいずれかに記載の製造方法。
[13]酸化アルミニウム微粒子の体積平均粒径が0.001〜1μmであることを特徴とする[8]〜[12]のいずれかに記載の製造方法。
[14]有機架橋高分子粒子の体積平均粒径に対する酸化アルミニウム微粒子の体積平均粒径の比が1/2以下であることを特徴とする[8]〜[13]のいずれかに記載の製造方法。
[15]有機架橋高分子粒子の添加量に対する酸化アルミニウム微粒子の添加量が質量比で0.1〜10倍であることを特徴とする[8]〜[14]のいずれかに記載の製造方法。
[16][8]〜[15]のいずれかに記載の製造方法で得られたポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とするポリエステルフィルム。
[17][8]〜[15]のいずれかに記載の製造方法で得られたポリエステル樹脂組成物と、有機架橋高分子粒子を含有しないポリエステルとを混合し、さらに成形してなることを特徴とするポリエステルフィルム。
[18]微分干渉顕微鏡を用いて160倍の倍率で0.7mm×0.825mmの視野を20視野観察した際に、全ての視野において20μm以上の有機架橋高分子粒子の凝集物が確認されないことを特徴とする[16]又は[17]に記載のポリエステルフィルム。
本発明によれば、有機架橋高分子粒子と、酸化アルミニウム微粒子とをともに含むエチレングリコールスラリーを有機架橋高分子粒子含有ポリエステルの製造工程の任意の時期に添加することにより、有機架橋高分子粒子含有ポリエステルにおける有機架橋高分子粒子の凝集抑制を容易に達成することができ、このポリエステル組成物から外観が良く、摩擦係数が低いポリエステルフィルムが得られるため、本発明の工業的価値は高い。中でも、本発明のフィルムは、透明性に優れ、20μm以上の凝集物がなく、摩耗特性に優れることから、光学用フィルムとして特に有用である。
実施例1で得られたポリエステルフィルム表面の微分干渉顕微鏡写真(160倍) 比較例1で得られたポリエステルフィルム表面の微分干渉顕微鏡写真(160倍) 比較例2で得られたポリエステルフィルム表面の微分干渉顕微鏡写真(160倍)
以下、本発明を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
又、本発明において、平均粒径とは、断りのない限り体積平均粒径を指す。
(ポリエステルフィルム)
本発明のポリエステルフィルムは、有機架橋高分子粒子と酸化アルミニウム微粒子とを含むポリエステル樹脂組成物を成形してなるポリエステルフィルムであって、該ポリエステルフィルムを、微分干渉顕微鏡を用いて160倍の倍率で0.7mm×0.825mmの視野を20視野観察した際に、全ての視野において20μm以上の有機架橋高分子粒子の凝集物が確認されないことを特徴とする。本発明におけるフィルムとは1〜500μmの厚さのものを指す。
ここで、ポリエステルフィルムに含まれる有機架橋高分子粒子の凝集物の有無を観察するには、微分干渉顕微鏡を用いる。微分干渉顕微鏡は、干渉分光の原理を利用して対象を観察するものであり、微分干渉顕微鏡を用いてで観察することにより他の光学顕微鏡に比べ、ポリエステルフィルムに含まれる有機架橋高分子粒子の輪郭が観察しやすい特徴を有する。
又、ポリエステルフィルムに含まれる有機架橋高分子粒子の凝集物の有無を確認するには、微分干渉顕微鏡を用いて160倍の倍率で0.7mm×0.825mmの視野を20視野観察するが、全幅1枚のフィルムをサンプリングし、場所を変えて20回観察するものとする。
本発明のポリエステルフィルムの原料であるポリエステル樹脂組成物は、有機架橋高分子粒子と酸化アルミニウム微粒子とを含むものであればいかなる方法で製造されたものでも良いが、ジメチルテレフタレートを使用して得られたものが好ましく、また、後述の方法で製造されたものが好ましい。
後述の方法により得られるポリエステル樹脂組成物を直接成形して本発明のポリエステルフィルムを得ることができる。一方、前記ポリエステル樹脂組成物と、有機架橋高分子粒子を含有しないポリエステルとを混合してから直接成形して、又は一旦粒状のポリエステル樹脂組成物としてからこれを成形して、ポリエステルフィルムを得ることもできる。
ポリエステルフィルムの製造においては公知の方法を用いて製造することができる。成形法としては、公知のフィルム製造法を適用でき、例えば、ポリエステルの融点以上の温度で溶融した後、押出成形によりポリエステルシートを得ることができる。さらに、得られたポリエステルシートを二軸延伸してポリエステルフィルムを得ることができる。
本発明のポリエステルフィルムに含まれる有機架橋高分子粒子の含有量は0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が特に好ましい。含有量が下限値未満だとポリエステルフィルムに含まれる有機架橋高分子粒子量が少なすぎてその走行性や耐摩耗性が改善されないことがある。また有機架橋高分子粒子の含有量が1.0質量%以下であるのが好ましく、0.8質量%以下であるのがより好ましく、0.6質量%以下であるのが特に好ましい。含有量が上限値を越えるとポリエステルフィルム中の有機架橋高分子粒子添加量が多くなり過ぎ、有機架橋高分子粒子が凝集しやすい傾向となり透明性が低く外観が不良のポリエステルフィルムとなることがあるほか、通常のフィルム取り扱い時に摩擦により有機架橋高分子粒子の凝集物がフィルムから脱落してフィルム表面に欠陥を生じさせることがある。
本発明のポリエステルフィルムは、有機架橋高分子粒子含有量に対する酸化アルミニウム微粒子の含有量が、質量比で0.1〜10倍であることが好ましく、0.3〜5倍の範囲であることが特に好ましい。ポリエステル樹脂組成物における挙動と同様、この値が下限値未満ではフィルム中で凝集する傾向があり、上限を超えてもフィルム中での分散性は最早改善されないばかりか、逆に酸化アルミニウム微粒子の凝集による粗大粒子が生じやすくなる。
又、本発明のポリエステルフィルムは、有機架橋高分子粒子の体積平均粒径に対する酸化アルミニウム微粒子の体積平均粒径の比が1/2以下であることが好ましく、1/5以下が更に好ましく、1/10以下が特に好ましい。この比率が下限未満では、酸化アルミニウム微粒子による有機架橋高分子粒子の凝集防止効果を得られず、ポリエステルフィルムの外観は著しく悪化することがある。また、その下限は特に限定されないが、酸化アルミニウム微粒子の体積平均粒径の下限によって決まるものである。
本発明のポリエステルフィルムの原料であるポリエステル樹脂組成物は、後述の通り、体積平均粒径が0.01〜3μmの有機架橋高分子粒子を添加して製造されたものであることが好ましいが、ポリエステルフィルムに含まれる有機架橋高分子粒子の体積平均粒径は必ずしも0.01〜3μmの範囲である必要はない。同様にポリエステル樹脂組成物は、後述の通り、体積平均粒径が0.001〜1μmの酸化アルミニウム微粒子を添加して製造されたものであることが好ましいが、ポリエステルフィルムに含まれる有機架橋高分子粒子の体積平均粒径は必ずしも0.001〜1μmの範囲である必要はない。
以上に説明した有機架橋高分子粒子及び酸化アルミニウム微粒子の性質や含有量の詳細は、後述するとおりである。
(ポリエステル樹脂組成物)
本発明において、ポリエステル樹脂組成物に含まれる有機架橋高分子粒子の濃度は0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が特に好ましい。濃度が下限値未満だと得られるポリエステル樹脂組成物をポリエステルフィルムに成形した際、ポリエステルフィルムに含まれる有機架橋高分子粒子によって生じるポリエステルフィルム表面の凹凸の数が少なすぎて、ポリエステルフィルムの走行性や耐摩耗性が改善されないことがある。またポリエステル樹脂組成物に含まれる有機架橋高分子粒子濃度は、3.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が特に好ましい。上限値を超えると、本発明の製造方法を用いてもポリエステル樹脂組成物中における有機架橋高分子粒子の凝集を防止することが出来ず、ポリエステルフィルムに成形した際に凝集した有機架橋高分子粒子による外観が悪いポリエステルフィルムになることがある。
本発明で得られるポリエステル樹脂組成物は有機架橋高分子粒子のマスターバッチとしても使用することが出来る。即ち、ポリエステル製造において比較的高濃度の有機架橋高分子粒子を含有するポリエステル樹脂組成物を製造し、このポリエステル樹脂組成物を有機架橋高分子粒子含有しないポリエステル樹脂で適宜希釈してフィルム原料とすることが出来る。該有機架橋高分子粒子を含有するポリエステル樹脂組成物に含まれる有機架橋高分子粒子の濃度は、3.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が特に好ましい。濃度が上限値を超えると、ポリエステル樹脂組成物の製造において有機架橋高分子粒子の凝集を防止することが出来ず、ポリエステルフィルムに成形した際に凝集した有機架橋高分子粒子による外観が悪いポリエステルフィルムになることがある。一方、前記濃度の下限は、有機架橋高分子粒子を含有しないポリエステル樹脂と混合して、ポリエステル樹脂組成物とした際に、上記下限値を下回らないように設定すればよい。
(有機架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーおよびその調製方法)
本発明においては、有機架橋高分子粒子と酸化アルミニウム微粒子をともに含むエチレングリコールスラリー(以下、「スラリー混合物」と称することがある)を有機架橋高分子粒子含有ポリエステルの製造工程の任意の段階に添加する。
・有機架橋高分子粒子:
本発明において、有機架橋高分子粒子は、その形状、組成、製法に制限はなく、各種の方法から得ることができる種々の形状や組成の有機架橋高分子粒子を用いることができる。
本発明で用いる有機架橋高分子粒子の組成の典型的な例としては、分子中に一個の脂肪族不飽和結合を有するビニル化合物(A)と、架橋剤として分子中に2個以上の脂肪族不飽和結合を有する化合物(B)との共重合体を挙げることができる。
本発明で用いる有機架橋高分子粒子は、ポリエステルの製造あるいは成形時の高温においても実質的に不溶、不融で耐熱性を有するものでなければならない。具体的には窒素ガス流通下300℃で30分加熱処理した後の質量減少率が30質量%以下、好ましくは20質量%以下であることが望ましい。従って、本発明で用いる有機架橋高分子粒子は架橋構造を有することが好ましく、前記ビニル化合物(A)と前記化合物(B)との共重合体であることが好ましい。
共重合体の一成分である前記ビニル化合物(A)としては、アクリル酸、メタクリル酸、およびこれらのメチルまたはグリシジルエステル、無水マレイン酸および、そのアルキル誘導体、ビニルグリシジルエーテル、酢酸ビニル、スチレン、アルキル置換スチレン等を挙げることができる。また、前記化合物(B)としては、ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、エチレングリコールジメタクリレート等を挙げることができる。前記ビニル化合物(A)及び前記化合物(B)は各々一種類以上用いることが出来る。また、化合物(B)のジビニルベンゼン等の架橋成分は、ポリエステルフィルムに加工されるときにフィルム透明性を低下させるボイドの生成を抑制するために10質量%以下が好ましい。
本発明で用いる有機架橋高分子粒子の典型的な例としては、メタクリル酸メチルとジビニルベンゼン、アクリル酸メチルとジビニルベンゼン、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体あるいはこれらの系において更にエチレングリコール単位を導入したものを挙げることができる。
本発明で用いる有機架橋高分子粒子の製造方法についても特に制限は無く、懸濁重合、乳化重合、ソープフリー乳化重合等のいずれを用いても良い。その場合、重合開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸カリウム−チオ硫酸ナトリウム等を用いることができる。さらに形状にも制限はなく、球状、紡錘状、不定形等のいずれを用いても良い。
本発明で用いる有機架橋高分子粒子は、ポリエステルとの親和性をさらに高めるため表面処理により各種官能基を導入することができる。官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、アミド基、スルホン酸基等を挙げることができる。官能基の導入は、カルボキシル基にはメタクリル酸、水酸基にはアクリル系モノマー、アミド基にはメタクリルアミド、スルホン酸基にはスチレンスルホン酸を用いるのが好適であるが特に限定はされない。
本発明で用いる有機架橋高分子粒子の体積平均粒径は、エチレングリコールと混合してスラリーとした状態において、0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、0.3μm以上が特に好ましい。体積平均粒径が下限値未満ではポリエステルフィルムに成形した際、その走行性や耐摩耗性が改善されないことがある。一方、本発明で用いる有機架橋高分子粒子の体積平均粒径は、エチレングリコールスラリーと混合してスラリーとした状態において、3μm以下が好ましく、2.5μm以下がより好ましく、2.0μm以下がさらに好ましい。平均粒径が上限値を超えるとポリエステルの表面粗度が大きくなり過ぎて、ポリエステルフィルム表面を傷つけて透明性が損なわれることがある。
尚、本発明で用いる有機架橋高分子粒子の体積平均粒径は、該有機架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーを大量の水で希釈して水分散液とした状態で、レーザー回折型粒度分布計を用いて測定し、体積分率が50%に達するときの粒径を体積平均粒径とする。ここで有機架橋高分子粒子の粒径測定に用いる大量の水には、測定時に有機架橋高分子粒子の再凝集を防止する目的で、界面活性剤を含有することが好ましい。該界面活性剤としては低分子界面活性剤と高分子界面活性剤の両方を使用しうるが、有機架橋高分子粒子の凝集防止の観点から、適宜選択して用いることができる。また、界面活性剤の種類としては、有機架橋高分子粒子の凝集防止の観点から、アニオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤を使用することがより好ましく、アニオン性界面活性剤を使用することがさらに好ましい。中でも高分子型アニオン性界面活性剤であるポリアクリル酸ナトリウム系界面活性剤が好ましく使用できる。又、測定に用いる大量の水に含まれる界面活性剤の含有量は、50〜500質量ppm程度の範囲において適宜選択すればよい。
・酸化アルミニウム微粒子:
本発明で用いる酸化アルミニウム微粒子としては、例えば熱分解法、すなわち無水塩化アルミニウムを原料として火焔加水分解させる方法、あるいはアンモニウム明ばん熱分解法、すなわち水酸化アルミニウムを原料として硫酸と反応させて硫酸アルミニウムとした後、硫酸アンモニウムと反応させてアンモニウム明ばんとして焼成する方法等、種々の製法によるものを使うことができる。これらの方法により得られる酸化アルミニウムの結晶型はα型、γ型もしくはδ型が好ましく、さらに好ましくはγ型である。
本発明で用いる酸化アルミニウム微粒子の体積平均粒径は、エチレングリコールと混合してスラリーとした状態において、1μm以下であることが好ましい。体積平均粒径が上限値を超えると、有機架橋高分子粒子の分散性が悪化する傾向がある。一方、酸化アルミニウム微粒子の体積平均粒径の下限値は酸化アルミニウム微粒子の製造法によって決まり、通常0.001μm以上である。
本発明で用いる酸化アルミニウム微粒子の体積平均粒径は、該酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーを大量の水で希釈して水分散液とした状態で、遠心沈降型粒度分布計を用いて測定し、体積分率が50%に達するときの粒径を体積平均粒径とする。ここで、酸化アルミニウム微粒子は水に対する分散性が良好で、測定時において再凝集しにくいので、通常、酸化アルミニウム微粒子の粒径測定に用いる大量の水には、界面活性剤を含有する必要はないが、粒径測定時に酸化アルミニウム微粒子の再凝集が起きる場合には、界面活性剤を含有することが好ましい。該界面活性剤としては低分子界面活性剤と高分子界面活性剤の両方を使用しうるが、酸化アルミニウム微粒子の凝集防止の観点から、適宜選択して用いることができる。また、界面活性剤の種類としては、ノニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤の中から適宜選択して用いることができる。又、測定に用いる大量の水に含まれる界面活性剤の含有量は、50〜500質量ppm程度の範囲において適宜選択する。
又、本発明で用いる酸化アルミニウム微粒子の体積平均粒径は、有機架橋高分子粒子の体積平均粒径より小さいことが望ましく、有機架橋高分子粒子の体積平均粒径の1/2以下が好ましく、1/5以下が更に好ましく、1/10以下が特に好ましい。この比率が下限未満では有機架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーと酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーを混合してポリエステル製造時に添加しても、酸化アルミニウム微粒子による有機架橋高分子粒子の凝集防止効果を得ることができず、ポリエステル中で有機架橋高分子が凝集し、このポリエステルを原料として得られるポリエステルフィルムの外観は著しく悪化することがある。また、その下限は特に限定されないが、酸化アルミニウム微粒子の体積平均粒径の下限によって決まるものである。
本発明で用いる酸化アルミニウム微粒子の比表面積は特に限定されないが、ポリエステル中での分散性の観点から、無機酸化物粉体のBET法における比表面積は、10〜200m/gが好ましく、50〜150m/gがより好ましい。
本発明で用いるスラリー混合物中の有機架橋高分子粒子の濃度は、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が特に好ましい。該濃度が下限値未満であると添加するスラリー混合物が大量になるため大規模な設備が必要になることがある。一方、該濃度は30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。該濃度が上限値を超えるとエチレングリコールスラリーの粘度が高くなり添加が困難になることがある。
本発明で用いるスラリー混合物の調製においては、単純に前記有機架橋高分子粒子と、酸化アルミニウム微粒子と、エチレングリコールとをモーターを備えた攪拌翼を用いて混合することで得られることもあるが、分散性の観点から、有機架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーと、酸化アルミニウム微粒子とのエチレングリコールスラリーとを混合して混合物スラリーを得ることが好ましい。
有機架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーまたは酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーの調製方法は、特に限定されず、例えば、モーターを備えた攪拌翼を用いてエチレングリコールを攪拌し、そこに有機架橋高分子粒子または酸化アルミニウム微粒子を投入混合する等の一般的な方法が挙げられる。又、必要に応じ粉砕処理、分級処理、濾過処理等の前処理を施すことも出来る。さらには、市販の界面活性剤や分散剤を使用することも出来る。
有機架橋高分子のエチレングリコールスラリーと酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーとの混合方法は特に制限されず、例えばモーターを備えた攪拌翼を使用すれば良い。また添加前の混合時間については、30分以上混合することが好ましく、より好ましくは60分以上混合することであり、特に好ましくは120分以上混合することである。更に必要に応じ粉砕処理、分級処理、濾過処理等の前処理を施すことも好ましい。該粉砕処理時には、市販の界面活性剤や分散剤を使用することも出来る。
・有機架橋高分子粒子の添加:
本発明においては、スラリー混合物を有機架橋高分子粒子ポリエステルの製造工程で添加するに際し、該製造工程の任意の段階に添加することができるが、なかでも、エステル化及びまたはエステル交換反応工程における第1段目の反応槽から、第1段目の重縮合反応槽までの間に添加することが好ましい。
有機架橋高分子粒子含有ポリエステル樹脂組成物の製造における有機架橋高分子粒子添加量に対する酸化アルミニウム微粒子の添加量は、質量比で0.1〜10倍が好ましく、0.3〜5倍の範囲が特に好ましい。この値が下限値未満では有機架橋高分子粒子の表面が酸化アルミニウム微粒子で被覆されないためポリエステル樹脂組成物中で凝集する傾向がある。またこの値が上限値を超えても分散性は最早それ以上改善されないばかりか、逆に酸化アルミニウム微粒子の凝集による粗大粒子が生成するようになる。
以下、本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法について述べる。
(ポリエステル原料)
本発明の製造方法において、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を経て重縮合反応を行い、繰り返し構造単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位を有するポリエステルを得る。
・ジオール成分:
本発明において、エチレングリコールを主成分とするとは、全ジオール成分に対し、エチレングリコールを80モル%以上用いることを言う。中でもエチレングリコールを90モル%以上用いることが好ましく、95モル%以上用いることがより好ましく、99モル%以上用いることが更に好ましい。エチレングリコールの使用量が下限値以下では、ポリエステルフィルムの強度が低く、前記フィルムを得られないことがある。
本発明で用いるエチレングリコール以外のジオール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルジオール;トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、2,5−ノルボルナンジメチロール等の脂環式ジオール;キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール;2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンのエチレンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物、等が挙げられる。中でも、、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールが好適に使用できる。これらのジオール成分は単独で用いても良く、2種類以上を併用することもできる。
本発明において、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体(以下、テレフタル酸成分と称することがある)を主成分とするとは、ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体(以下、ジカルボン酸成分と称することがある)全量に対し、テレフタル酸成分を80モル%以上用いることを言う。中でもテレフタル酸成分を90モル%以上用いることが好ましく、95モル%以上用いることがより好ましく、99モル%以上用いることが更に好ましい。テレフタル酸成分の使用量が下限値未満では、十分な強度を有するポリエステルが得られないことがある。
本発明で用いるテレフタル酸のエステル形成性誘導体としては、炭素数1〜4のアルコールのジエステルが挙げられ、中でもジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレートが好ましく用いられる。
本発明で用いるテレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。これらのジカルボン酸成分は単独で用いても良く、2種類以上を併用することもできる。
(触媒、助剤)
本発明において、エステル化反応、エステル交換反応、重縮合反応における触媒を使用することができる。
・エステル化反応触媒:
前記エステル化反応においては、重縮合時に使用される後述の触媒及び助剤を使用することができる。その際、例えば、トリエチルアミン、トリ-n-ブチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の第三級アミン;水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラ-n-ブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウム;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性化合物等を少量添加しておくことにより、エチレングリコールからのジエチレングリコールの副生を抑制することができる。
・エステル交換反応触媒:
エステル交換反応触媒としては、長周期型周期表(Nomenclature of Inorganic Chemistry IUPAC Recommendations 2005)(以下、単に「周期表」と呼ぶことがある。)1A族の金属元素、周期表2A族の元素、マンガン、鉄、及びコバルトからなる群より選択された少なくとも1種の元素の化合物が挙げられる。これらのなかで周期表2A族の元素の化合物、特にはカルシウム化合物又はマグネシウム化合物は、エステル交換反応活性が高く、得られるポリエステルの着色も少ないため好ましく用いられる。更にカルシウム又はマグネシウム化合物の酢酸塩及びその水和物は反応系への溶解性がよいため好ましく用いられる。
・重縮合反応触媒:
重縮合反応触媒としてはアルミニウム、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、及びアンチモンからなる群より選択された少なくとも1種の元素の化合物、前記周期表1A族の金属元素、周期表2A族の元素、マンガン、鉄、及びコバルトからなる群より選択された少なくとも1種の元素の化合物、及び、前記周期表4A族のチタン族元素からなる群より選択された少なくとも1種の元素の化合物が挙げられる。中でもゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物は、重縮合反応活性が高く、好ましいものとして挙げられる。その中でも二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、チタンアルコキサイドが取り扱い性などの点で好ましく用いられる。尚、エステル化反応に触媒は特に必要としないが、上記重縮合反応触媒をエステル化反応時に添加することができる。
・熱安定化助剤:
本発明において熱安定化助剤としてリン化合物を添加することができる。リン化合物としては、例えば、正リン酸、ポリリン酸、及び、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート等のリン酸エステル等の5価のリン化合物、並びに、亜リン酸、次亜リン酸、及び、トリメチルホスファイト、ジエチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルデシルホスファイト、エチルジエチルホスホノアセテート、トリフェニルホスファイト等の3価のリン化合物が挙げられる。中でも、重縮合速度制御性の面から、リン酸、リン酸エステル等の5価のリン化合物のリン酸エステルが好ましく、トリメチルホスフェート、エチルアシッドホスフェートが特に好ましい。
上記触媒助剤の反応系への添加は、前記各化合物をエチレングリコール等のアルコールや水等の溶液として行うのが好ましい。
なお、エステル交換反応においては、エステル交換反応速度を低下させることがあり、通常リン化合物はエステル交換反応終了後、重縮合反応の前に添加する。
(ポリエステル樹脂組成物の製造)
本発明に適用できるポリエステル樹脂組成物の製造方法としては、有機架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーを特定の処方でポリエステル製造工程に添加すること以外は基本的には、公知のポリエステル樹脂の製造方法により製造することができ、製造は回分法でも連続法でも行うことができる。以下にポリエチレンテレフタレートを例にして製造方法を説明する。
・原料調製工程:
テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分とを、必要に応じて用いられるその他の共重合成分等と共に、スラリー調製槽に投入し、攪拌下に混合した後、必要に応じてろ過することによって原料スラリーとする。ジカルボン酸成分に対するジオール成分のモル比は、1.02〜2.0が好ましく、1.03〜1.7が更に好ましい。前記モル比が下限未満ではエステル化反応速度が低下することとなり、一方、前記モル比が上限を超えるとジエチレングリコールの生成量が増加することとなる。
テレフタル酸成分が、ジメチルテレフタレートのように昇華することなく融点を有するエステル形成性誘導体の場合は、該エステル形成性誘導体を溶融保存して原料とし、必要に応じてろ過してエチレングリコールとは別にエステル化工程に供給することができる。該エステル形成性誘導体に対するエチレングリコールのモル比は、好ましくは1.5〜2.5、更に好ましくは1.7〜2.3、特に好ましくは1.9〜2.1の範囲として混合することによりなされる。同モル比が前記範囲未満ではエステル交換反応性が低下することとなり、一方、前記範囲超過ではエチレングリコールからのジエチレングリコールの生成量が増加することとなる。
・エステル化工程:
エステル化工程はテレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応及び/またはテレフタル酸エステル形成性誘導体とエチレングリコールとのエステル交換反応を行い、ポリエステル低重合体(以下、オリゴマーと称することがある)を得る工程である。
エステル化反応は、単一のエステル化反応槽、又は、複数のエステル化反応槽を直列に接続した多段反応装置を用いて、エチレングリコールの還流下、且つ、反応で生成する水と余剰のエチレングリコールを系外に除去しながら、エステル化率(原料ジカルボン酸成分の全カルボキシル基のうちジオール成分と反応してエステル化したものの割合)が、通常90%以上、好ましくは93%以上に達するまで行われる。又、得られるオリゴマーの数平均分子量は500〜5,000であるのが好ましい。
本発明において、エステル化反応における反応条件としては、有機架橋高分子粒子または酸化アルミニウム微粒子を含まないエステル化反応条件をそのまま適用すればよく、例えば、複数のエステル化反応槽の場合、第1段目のエステル化反応槽における反応温度を、通常240〜270℃、好ましくは245〜265℃、圧力を、通常0〜300kPaG(Gは大気圧に対する相対圧力であることを示す)、好ましくは0〜200kPaGとし、最終段における反応温度を、通常250〜280℃、好ましくは255〜275℃、圧力は通常0〜180kPaG、好ましくは0〜150kPaGとすることができる。尚、単一のエステル化反応槽による場合には、前記最終段における反応条件が採られる。
エステル交換反応による場合、エステル交換反応は、単一のエステル交換反応槽、又は、複数のエステル交換反応槽を直列に接続した多段反応装置を用いて、エチレングリコールの還流下、且つ、反応で生成するエステル由来のアルコール成分と余剰のエチレングリコールを系外に除去しながら、エステル交換反応率(原料ジカルボン酸エステル成分由来の全カルボキシル基のうちジオール成分と反応してエステル化したものの割合)が、通常97%以上、好ましくは99%以上に達するまで行われる。又、得られるエステル交換反応生成物としてのポリエステル低分子量体の数平均分子量は500〜5,000であるのが好ましい。
エステル交換反応における反応条件としては、有機架橋高分子粒子または酸化アルミニウム微粒子を含まないエステル交換反応条件をそのまま適用すればよく、例えば、複数のエステル交換反応槽の場合、第1段目のエステル交換反応槽における反応温度を、通常180〜230℃、好ましくは180〜220℃、圧力を、通常0〜300kPaG、好ましくは0〜200kPaGとし、最終段における反応温度を、通常220〜260℃、好ましくは225〜240℃、圧力を、通常0〜200kPaG、好ましくは0〜150kPaGとすることができる。尚、単一のエステル交換反応槽で行う場合には、エステル交換反応槽の反応温度を150〜280℃、好ましくは150〜250℃、圧力を、0〜200kPaG、好ましくは0〜150kPaGとしてエステル交換反応を実施する。
本発明においては、テレフタル酸成分として、テレフタル酸誘導体を用いるエステル交換法を用いると、ポリエステルオリゴマーの粘度が低くなるため、スラリー混合物を添加した際に、有機架橋高分子粒子の分散性が向上するため好ましい。中でも、ジメチルテレフタレートを使用するエステル交換法を使用することが好ましい。特に、前記スラリー混合物を重縮合反応直前に添加する場合、その効果は顕著である。
前記スラリー混合物を本発明のポリエステル樹脂組成物の製造工程の任意の段階に添加するに際し、回分法においては反応容器内に一括して投入してもよく、配管等を通じて連続的に添加してもよい。また、連続法においてはエステル化槽、重縮合反応槽等の反応槽に配管等を通じて添加してもよく、反応槽を連結する配管に注入してもよい。更には気液界面を有する反応容器や反応槽等に添加する場合は、前記スラリー混合物を気相部に添加しても液相部に添加してもよいが、容器内壁面に前記スラリー混合物が付着して乾固し有機架橋高分子粒子の凝集体となってポリエステル樹脂組成物に混入することがないようにすることが好ましい。
・重縮合工程:
本発明において、エステル化反応/エステル交換反応工程に続き、重縮合工程を行う。溶融重縮合は、連続式、回分式のいずれの方法でもかまわないが、連続式の場合は複数の溶融重縮合槽を直列に接続した、例えば、第1段目が攪拌翼を備えた完全混合型の反応器、第2段及び第3段目が攪拌翼を備えた横型プラグフロー型の反応器からなる多段反応装置を用いて、減圧下に、副生するエチレングリコールを系外に留出させながら行われる。
連続式の溶融重縮合における反応条件としては、有機架橋高分子粒子または酸化アルミニウム微粒子を含まない連続式の溶融重縮合反応条件をそのまま適用すればよく、例えば、複数の重縮合槽の場合、第1段目の重縮合槽における反応温度を、通常250〜290℃、好ましくは260〜280℃、絶対圧力を、通常65〜1.3kPa、好ましくは26〜2kPaとし、最終段における反応温度を、通常265〜300℃、好ましくは270〜295℃、絶対圧力を、通常1.3〜0.013kPa、好ましくは0.65〜0.065kPaとする。中間段における反応条件としては、それらの中間の条件が選択され、例えば、3段反応装置においては、第2段における反応温度を、通常265〜295℃、好ましくは270〜285℃、絶対圧力を、通常6.5〜0.13kPa、好ましくは4〜0.26kPaとする。
一方、回分式の場合は、有機架橋高分子粒子または酸化アルミニウム微粒子を含まない回分式の溶融重縮合反応条件をそのまま適用すればよく、通常、エステル化またはエステル交換反応槽とそれに直列に接続された重縮合反応槽からなる反応装置を用いて、減圧下に、副生するエチレングリコールを系外に留出させながら行われる。
回分式の溶融重縮合における反応条件としては、例えば、溶融重縮合槽における反応温度を、通常220〜300℃、好ましくは220〜295℃の範囲で漸次昇温し、漸次減圧し通常最終圧力を1.3〜0.013kPa、好ましくは0.65〜0.065kPaとする。
・ペレット化、固相重縮合:
溶融重縮合により得られた樹脂は、通常、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷しながら若しくは水冷後、カッターで切断してペレット状、チップ状等の粒子状体のポリエステル樹脂組成物とされる。得られたポリエステル樹脂組成物は必要に応じて融点以下で不活性ガス雰囲気下または減圧下で固相重縮合を行ってもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、「ポリエステル樹脂分」とある場合は、ポリエステル樹脂組成物に含まれるポリエステルの質量を示す。
本発明で用いたポリエステルおよびポリエステルフィルムの各特性値の測定は次の方法に従って行なった。
(ポリエステルの固有粘度(IV)[dL/g])
1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=1/1(質量比)の混合溶液を溶媒として30℃にて測定した。
ポリエステル樹脂試料約0.25gを、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(質量比1/1)の混合溶媒約25mLに、濃度が1.00g/dLとなるように溶解させた後、30℃まで冷却し、30℃において全自動溶液粘度計(センテック社製、「DT553」)にて、試料溶液及び溶媒のみの落下秒数を測定し、以下の式により、固有粘度(IV)を算出した。
IV=((1+4Kηsp0.5−1)/(2KC)
ここで、ηsp=η/η−1であり、ηは試料溶液の落下秒数、ηは溶媒のみの落下秒数、Cは試料溶液濃度(g/dL)、Kはハギンズの定数である。Kは0.33を採用した。なお試料の溶解条件は、110℃で30分間である。
(有機架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーに含まれる有機架橋高分子粒子の体積平均粒径の測定[μm])
有機架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリー0.03〜0.10gをポリアクリル酸系分散剤(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)の水溶液200mlに混合して、レーザー回折型粒度分布計(商品名:MT−3000II、日機装社製)を用いて体積平均粒径を測定した。この場合の体積平均粒径とは体積分率で50%に達するときの粒径である。また、アロンT−50の水溶液は水100質量部に対しアロンT−50(濃度43質量%)を固形分で0.01質量部加え充分に混合することで得た。
(酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーに含まれる酸化アルミニウム微粒子の体積平均粒径の測定[μm])
酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリー1gを純水50gに混合して、遠心沈降型粒度分布計(商品名:SACP−4L、島津製作所製)を用いて体積平均粒径を測定した。この場合の体積平均粒径とは体積分率で50%に達するときの粒径である。
(フィルム外観の評価)
フィルムの外観評価は目視で実施した。目視で凝集物が確認できない場合は「良」、目視で凝集物が確認できる場合は「不良」とした。
(ポリエステルフィルムに含まれる有機架橋高分子粒子凝集物の確認)
厚さ15μmのポリエステルフィルムを1.5cm×0.8cmの切片に成形した後、アルミニウムを蒸着させ、微分干渉顕微鏡を用いて、160倍の倍率(接眼レンズ倍率は16倍、対物レンズ倍率は10倍)で、0.7mm×0.825mmの視野を20個観察し、全20視野中におけるフィルム平面方向の大きさが20μm以上の有機架橋高分子粒子の凝集物の有無を確認した。
(フィルム摩擦試験)
実施例で得られたフィルムを2枚重ね、荷重をできるだけ掛けない様にしながら2枚のフィルムを手で30回擦り合わせ、表面状態を目視判定し、傷や欠陥を生じていれば「不良」、傷や欠陥がなければ「良」とした。
(酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーの製造)
エチレングリコール100質量部、高分子型分散剤(ポリエチレンイミンアルキレンオキシド付加物、商品名:ディスコールE420、第一工業製薬社製)0.003質量部、純水0.02質量部を計量し、酸化アルミニウム微粒子(親水性フュームドアルミナ、一次粒径:13nm、商品名:Aluminium Oxide C、日本アエロジル社製)22質量部を加え攪拌機で混合して酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーを得た。次いで酸化アルミニウム微粒子の平均粒径が0.07μmになるように横型連続式湿式媒体攪拌ミル(商品名:ダイノーミル、シンマルエンタープライゼス社製)で粉砕処理を実施した。次いで円筒型遠心分離機(ASM160、巴工業社製)で遠心分離処理を施した後、カートリッジフィルター(商品名:SL−030、ロキテクノ社製)でろ過することで平均粒径が0.07μmの酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーを得た。
(架橋ポリスチレン粒子の製造)
脱塩水1500質量部に水溶性重合開始剤の過硫酸カリウム3.2質量部と分散安定剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.15質量部を添加し均一に溶解させた後、スチレン92質量部とジビニルベンゼン8質量部の混合溶液を加えた。窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら70℃で24時間重合反応を行った。得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径1.0μmのほぼ球状のものであった。重合反応後のスラリーをスプレードライして粉末状の架橋ポリスチレン粒子を得た。
(架橋ポリスチレン粒子エチレングリコールスラリーの製造)
上記で得られた架橋ポリスチレン粒子10質量部とエチレングリコール90質量部とを計量し攪拌機で混合した後、カートリッジフィルター(商品名:SLS−150、ロキテクノ社製)でろ過して架橋ポリスチレンの粒子のエチレングリコールスラリーを得た。レーザー回折型粒度分布計で測定したスラリー中の架橋ポリスチレン粒子の平均粒径は1.0μmであり、粒子濃度は10質量%であった。
(架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の製造)
脱塩水1500質量部に水溶性重合開始剤の過硫酸カリウム3.2質量部と分散安定剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.15質量部を添加し均一に溶解させた後、メタクリル酸メチル63質量部とジビニルベンゼン37質量部の混合溶液を加えた。窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら70℃で24時間重合反応を行った。得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、ほぼ球状であった。重合反応後のスラリーをスプレードライして粉末状の架橋ポリスチレン粒子を得た。得られた粒子の粒度分布を測定したところ、90質量%以上が250〜850μmであった。
(架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の粒度分布の測定方法)
試料約3gをはかり取り、その中にホワイトカーボン(含水ケイ酸塩)を約0.06g入れ、使い捨てポリエチレン製手袋を使用し、掌上で良くまぶし、試料表面の付着水分を取り除いた。次に、前記ホワイトカーボンをまぶした試料を、音波振動式自動フルイ分け粒度分布測定器(商品名:ロボットシフターRPS−85、セイシン企業社製)に順次重ねてセットされたJIS標準フルイ(850μm、710μm、500μm、300μm、250μm、212μm)の最上部に入れる。次に、ロボットシフターの操作条件を振幅強度7〜9に設定し、5分間(作動と休止を1秒間隔で交互に実施)ふるい分けた。
なお、ふるい分けられた各フルイ上の粒子の質量は自動的に測定される。また、ホワイトカーボンの粒径は212μm以下であるため、前記フルイ上に残らない。
250〜850mμの粒度分布は、前記フルイの中で212μmを除いた5つのそれぞれのフルイ上に残った粒子質量の和を、投入した粒子質量で除して求める。
(架橋ポリメタクリル酸メチル粒子エチレングリコールスラリーの製造)
上記で得られた架橋ポリメチルメタクリル酸粒子を乾式粉砕機(商品名:ウルトラマイザーASK−2型、不二パウダル社製)で乾式粉砕処理し、平均粒径2.0μmの不定形架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を得た。次いでエチレングリコール100質量部、高分子型分散剤(特殊ポリカルボン酸アンモニウム、商品名:ディスコートN14、第一工業製薬社製)0.18質量部を反応器にとり、乾式粉砕処理した架橋ポリメタクリル酸メチル粒子11質量部を加え攪拌機で混合することで架橋ポリメタクリル酸メチル粒子のエチレングリコールスラリーを得た。次いで架橋ポリメチルメタクリル粒子の平均粒径が0.3μmになるように横型連続式湿式媒体攪拌ミル(商品名:ダイノーミル、シンマルエンタープライゼス社製)で湿式粉砕処理を実施した後、円筒型遠心分離機(商品名:ASM160、巴工業社製)で遠心分離処理を施し、カートリッジフィルター(商品名:SL−150、ロキテクノ社製)でろ過して架橋ポリメチルメタクリル酸粒子のエチレングリコールスラリーを得た。スラリー中の架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の平均粒径は0.3μmであり、粒子濃度は6質量%であった。
(有機高分子粒子及び酸化アルミニウム微粒子の各エチレングリコールスラリーの混合)
有機架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーと粉砕処理を施した酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーとを攪拌翼とモーターを使用して120分間混合した。
(有機架橋高分子粒子を含まないポリエチレンテレフタレート樹脂の製造)
スラリー調製槽、及びそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、及び2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールを質量比で865:485の割合で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートの0.3質量%エチレングリコール溶液を、生成ポリエステル樹脂に対して燐原子(P)としての含有量が23質量ppmとなる量で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製し、このスラリーを、窒素雰囲気下で260℃、圧力50kPaG、平均滞留時間4時間に設定された第1段目のエステル化反応槽、次いで、窒素雰囲気下で260℃、5kPaG、平均滞留時間1.5時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、エステル化反応させた。
引き続いて、前記で得られたエステル化反応生成物を溶融重縮合槽に移送する際、その移送配管に、酢酸マグネシウム四水塩の0.2質量%エチレングリコール溶液を、生成ポリエステルに対してマグネシウム原子(Mg)としての含有量が31質量ppmとなる量で連続的に添加した後、三酸化アンチモンの0.3質量%エチレングリコール溶液を生成ポリエステル樹脂に対してアンチモン原子(Sb)としての含有量が233質量ppmとなる量で連続的に添加した。次いで、270℃、圧力2.6kPa、平均滞留時間1.2時間に設定された第1段目の溶融重縮合槽、次いで、278℃、0.5kPa、平均滞留時間1.2時間に設定された第2段目の溶融重縮合槽、次いで、280℃、圧力0.3kPa、平均滞留時間1.2時間に設定された第3段目の溶融重縮合槽に連続的に移送して、溶融重縮合させ、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷後、カッターで切断して、数平均粒重が24mgのチップ状粒状体としたポリエステル樹脂を製造した。得られた樹脂の固有粘度は0.60dL/gであった。
以下の実施例において、有機架橋高分子粒子及び酸化アルミニウム微粒子は、エチレングリコールスラリーとして添加したが、記載されている添加量は該化合物の固形分としての添加量である。
実施例1:
ジメチルテレフタレート100質量部、エチレングリコール65質量部を、攪拌装置、昇温装置および留出液分離塔を備えたエステル交換反応槽に仕込み、150℃に加熱してジメチルテレフタレートを溶融させた。次いで、酢酸マグネシウムを、得られるポリエステル組成物に対し0.09質量部添加されるように酢酸マグネシウム四水塩のエチレングリコール溶液を添加した後、常圧下で3時間かけて225℃まで昇温させ、さらに225℃で1時間15分攪拌保持すると共にメタノールを留去しながらエステル交換反応を行ない、実質的にエステル交換反応を終了してポリエステル低重合体(オリゴマー)を得た。
次に、該ポリエステルオリゴマーを攪拌装置、昇温装置および減圧装置を備えた重縮合反応槽へ移送した後、攪拌下架橋ポリスチレン粒子が、得られるポリエステルに対して1.0質量%、酸化アルミニウム微粒子が、得られるポリエステルに対して0.50質量%添加されるように、あらかじめ調製した架橋ポリスチレン粒子のエチレングリコールスラリーと酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーの混合物を前記オリゴマーに添加した。
次いで熱安定剤としてリン酸のエチレングリコール溶液を、重縮合触媒として三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液を、リン酸添加量が得られるポリエステルに対し0.03質量%となるように、又、三酸化アンチモン添加量が得られるポリエステルに対し0.04質量%となるように、前記オリゴマーに添加した後、101.3kPaから0.4kPaまで85分間で減圧し0.4kPaに保持するとともに、225℃から280℃まで2時間かけて昇温させ280℃で1.5時間保持して重縮合反応を行い、組成物として測定した固有粘度0.62dL/gのポリエステル組成物を得た。
次いで該ポリエステル組成物と架橋ポリスチレン粒子を含まないポリエチレンテレフタレート樹脂とをポリエステルフィルム中に含まれる架橋ポリスチレン粒子量が0.3質量%になるように、ポリエステルフィルム成形機のホッパー内で混合した後285℃で溶融押出成形することで未延伸シートを得た後、90℃で縦方向に4.0倍、次いで横方向に3.5倍逐次二軸延伸し、次いで180℃3分間で熱固定することで厚さ15μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを微分干渉顕微鏡で観察したところ、図1に示すとおり20μm以上の有機架橋高分子粒子の凝集物は0個であることを確認した。ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。目視で確認できる有機架橋高分子粒子の凝集物は存在せず、ポリエステルフィルムの外観は良好であった。
実施例2:
実施例1において、得られるポリエステル樹脂組成物に対する架橋ポリスチレン粒子および酸化アルミニウム微粒子の添加量を表1のとおりに変更したことの他は、実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、20μm以上の有機架橋高分子粒子の凝集物は0個であった。又、目視で確認できる有機架橋高分子粒子の凝集物は存在せず、ポリエステルフィルムの外観は良好であった。
実施例3:
実施例1において、ポリエステル重縮合触媒として三酸化アンチモンに代えてテトラ−n−ブチル−チタネート0.02質量%を用い、有機架橋高分子粒子および酸化アルミニウム微粒子の添加量を表1のとおりに変更した他は実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、20μm以上の有機架橋高分子粒子の凝集物は0個であった。又、目視で確認できる有機架橋高分子粒子の凝集物は存在せず、ポリエステルフィルムの外観は良好であった。
実施例4:
実施例1において、架橋ポリスチレン粒子に代えて、湿式粉砕処理を施して体積平均粒径が0.3μmとした架橋ポリメタクリル酸メチル粒子と、酸化アルミニウム微粒子との混合スラリーとし、有機架橋高分子粒子および酸化アルミニウム微粒子の添加量を表1のとおりに変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、20μm以上の有機架橋高分子粒子の凝集物の個数は0個であった。又、目視で確認できる有機架橋高分子粒子の凝集物は存在せず、ポリエステルフィルムの外観は良好であった。
比較例1:
実施例2において、酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーを添加しなかった(即ち架橋ポリスチレン粒子を単独添加した)こと以外は実施例2と同様にしてポリエステル組成物およびポリエステルフィルムを得た。図2に示すとおり20μm以上の凝集物を多数確認した。100μm以上の大きさを有する凝集物も多数確認された。ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。目視で確認できる有機架橋高分子粒子の凝集物が多数存在するため外観は不良であった。
比較例2:
実施例2において、架橋ポリスチレン粒子のエチレングリコールスラリーと、酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーとを別個に添加したこと以外は実施例2と同様にしてポリエステル組成物およびポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、図3に示すとおりポリスチレン粒子の凝集物が多数確認され、20μm以上の凝集物を多数確認した。100μmの大きさを有する凝集物も多数確認された。ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。目視で確認できる有機架橋高分子粒子の凝集物が多数存在するため外観は不良であった。
表1に示すとおり、有機架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーと酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーとの混合物をポリエステルオリゴマーに添加して重縮合反応により得られた実施例1〜4のポリエステル組成物は、20μm以上の凝集物が観察されず、また、架橋高分子粒子が分散し、フィルム表面に凹凸を生じている様子が確認できた。又、該ポリエステル組成物から得られたポリエステルフィルムは、目視で確認できる有機架橋高分子粒子の凝集物が無く、外観良好であった。
一方、酸化アルミニウム微粒子を使用せず、有機架橋高分子粒子のみを使用して製造した比較例1のポリエステル組成物は、20μm以上の凝集物が多数観察され、有機架橋高分子粒子の分散性が不良であった。又、該ポリエステル組成物から得られたポリエステルフィルムは、目視で確認できる有機架橋高分子粒子の凝集物が多数存在し、外観不良であった。
又、有機架橋高分子粒子のエチレングリコールスラリーと酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーとを混合せず、別々にポリエステルオリゴマーに添加して重縮合反応により得られた比較例2のポリエステル組成物は、20μm以上の凝集物が多数観察され、有機架橋高分子粒子の分散性が不良であった。又、該ポリエステル組成物から得られたポリエステルフィルムは、目視で確認できる有機架橋高分子粒子の凝集物が多数存在し外観不良であった。さらに、比較例のポリエステルフィルム同士を重ねて30回擦り合わせたところ、ポリエステルフィルム表面に傷が生じたが、実施例のポリエステルフィルムを同様に評価しても、表面に傷は生じなかった。
Figure 2014098136
本発明によれば、凝集しやすい有機架橋高分子粒子のポリエステル中における分散性が改良され、本発明の製造方法で得られたポリエステル組成物から製造されたポリエステルフィルムは外観が良好であり、良好に分散した有機架橋高分子粒子により、ポリエステルフィルムの摩擦係数が低減すると同時に摩耗特性が向上するため、フィルム用途全般において有用である。中でもフィルムの透明性を損なわず、20μm以上の凝集物が確認されないことから、光学用フィルムとして特に有用である。

Claims (18)

  1. 有機架橋高分子粒子と酸化アルミニウム微粒子とを含むポリエステル樹脂組成物を成形してなるポリエステルフィルムであって、該ポリエステルフィルムを、微分干渉顕微鏡を用いて160倍の倍率で0.7mm×0.825mmの視野を20視野観察した際に、全ての視野において20μm以上の有機架橋高分子粒子の凝集物が確認されないことを特徴とするポリエステルフィルム。
  2. ジメチルテレフタレートを使用して得られたポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  3. ポリエステル樹脂組成物が、体積平均粒径が0.01〜3μmの有機架橋高分子粒子を添加して製造されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステルフィルム。
  4. ポリエステルフィルム中のポリエステルに対し、有機架橋高分子粒子含有量が0.1〜1.0質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステルフィルム。
  5. ポリエステル樹脂組成物が、体積平均粒径が0.001〜1μmの酸化アルミニウム微粒子を添加して製造されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステルフィルム。
  6. 有機架橋高分子粒子の体積平均粒径に対する酸化アルミニウム微粒子の体積平均粒径の比が1/2以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリエステルフィルム。
  7. 有機架橋高分子粒子含有量に対する酸化アルミニウム微粒子の含有量が質量比で0.1〜10倍であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリエステルフィルム。
  8. テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行いポリエステル低重合体を得るエステル化工程、得られたポリエステル低重合体を重縮合してポリエステルを得る重縮合工程を有する有機架橋高分子粒子含有ポリエステルの製造方法において、有機架橋高分子粒子と酸化アルミニウム微粒子とをともに含むエチレングリコールスラリーを有機架橋高分子粒子含有ポリエステルの製造工程の任意の段階に添加することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  9. 有機架橋高分子粒子と酸化アルミニウム微粒子とをともに含むエチレングリコールスラリーが、酸化アルミニウム微粒子のエチレングリコールスラリーと有機架橋高分子粒子を含むエチレングリコールスラリーとを混合して調製されたものであることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  10. エステル形成性誘導体が、ジメチルテレフタレートであることを特徴とする請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 有機架橋高分子粒子の体積平均粒径が0.01〜3μmであることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 有機架橋高分子粒子の添加量がポリエステルに対し0.1〜3.0質量%であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 酸化アルミニウム微粒子の体積平均粒径が0.001〜1μmであることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 有機架橋高分子粒子の体積平均粒径に対する酸化アルミニウム微粒子の体積平均粒径の比が1/2以下であることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 有機架橋高分子粒子の添加量に対する酸化アルミニウム微粒子の添加量が質量比で0.1〜10倍であることを特徴とする請求項8〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 請求項8〜15のいずれか1項に記載の製造方法で得られたポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とするポリエステルフィルム。
  17. 請求項8〜15のいずれか1項に記載の製造方法で得られたポリエステル樹脂組成物と、有機架橋高分子粒子を含有しないポリエステルとを混合し、さらに成形してなることを特徴とするポリエステルフィルム。
  18. 微分干渉顕微鏡を用いて160倍の倍率で0.7mm×0.825mmの視野を20視野観察した際に、全ての視野において20μm以上の有機架橋高分子粒子の凝集物が確認されないことを特徴とする請求項16又は17に記載のポリエステルフィルム。
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