JPH0426289Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車を直角な方向に移動させるため
の装置に関する。

（従来技術） 道路に沿つて設けた車庫へ自動車を入庫させる
場合や、縦列駐車をする場合に都合がよいよう車
体の下部にキヤスタを出没自在に取付けたり、車
庫等の床面にローラやレールを配設するようにし
たものはこれまでに数多く提案されているが、前
者においてはいたずらに車体の重量を増加させる
ことになり、後者においてはその設備にかなりの
コストを要するといつた不都合を有している。

（目的） 本考案はこのような不都合に鑑みてなされたも
ので、車輌の駆動力を利用して狭いスペースにも
容易に自動車を横移送させることのできる構造簡
単な装置をを提供することにある。

（目的を達成するための手段） すなわち、本考案はかかる目的を達成するため
の自動車の横移送装置として、扁平な台車本体の
中央に自動車の車輪を載置し得る間隔をおいて一
対の車輪載置用ローラを軸支し、かつ両側に車輪
載置用ローラと直交する向きの一対の横移送用ロ
ーラを軸支して、車輪載置用ローラの１つに固定
した歯車と横移送用ローラの１つに固定した歯車
を噛合わせるとともに、横移送用ローラの軸上に
位置ズレ防止用ローラを遊転自在に取付けて該ロ
ーラと一体的に回転する歯車を車輪載置用ローラ
上の歯車に係脱可能に配設するようにしたもので
ある。

（実施例） そこで以下に本考案の詳細を図示した実施例に
基づいて説明する。

図面は本考案の一実施例をなすもので、第１図
は駆動輪載置用の台車を、第２図は従動輪載置用
の台車をそれぞれ示している。

はじめに駆動輪載置用台車１について説明する
と、この台車本体２は一端を傾斜したわたり板３
を有する井桁状の扁平な台として形成され、その
井桁状本体の内側には、わたり板３の上を転動し
てきた駆動輪Ａ（前輪駆動車の場合には第４図に
おけるその前輪）を載置することができる程度の
間隔を存して２本の車輪載置用ローラ４ａ，４ｂ
が本体２の下面に設けた軸受５に回転可能に軸支
されている。

これらの車輪載置用ローラ４ａ，４ｂのうちそ
の一方のローラ４ａは駆動力伝達用のローラを兼
ねていて、井桁状本体の一側外方に突出した軸の
端部にはベベルギヤ６が固定され、このベベルギ
ヤ６を介して後述する横移送用ローラ７ａに駆動
輪Ａの回転力を伝達するように構成されている。

一方台車本体２の両外側には、その下面に固定
した軸受５により軸支された左右２本の横移送用
ローラ７ａ，７ｂが車輪載置用ローラ４ａ，４ｂ
と直角な向きに配設されており、これらの横移送
用ローラ７ａ，７ｂのうちその一方のローラ７ａ
は被動ローラを兼ねていて、地面との間で十分な
摩擦接触が得られるよう十分な長さに形成され、
さらにその一端には、上記した車輪載置用兼駆動
力伝達用のローラ４ａに固定したベベルギヤ６と
噛合うベベルギヤ８が一体的に設けられている。
またこの横移送用兼被動ローラ７ａの軸には、上
記したベベルギヤ６を挟んでその他端に位置ズレ
防止用ローラ９が遊転自在に取付けられていて、
このローラ９の内方には、車輪載置用兼駆動力伝
達用ローラ４ａに設けたベベルギヤ６に対して係
脱可能なベベルギヤ１０が軸方向に摺動可能でか
つ一体的に回転するよう取付けられている。

これに対して第２図に示し従動輪Ｂ（前輪駆動
車の場合には第４図におけるその後輪）を載置す
る台車１１は、第１図と対比すれば明らかなよう
に、駆動輪載置用台車１から駆動力伝達機構を取
除いた構造、つまり、わたり板１３を備えた井桁
状の扁平な台車本体１２と、その内側に軸支した
２本の車輪載置用ローラ１４，１４と、台車本体
１２の両外側に軸支した２本の横移送用ローラ１
７，１７とによつて構成されている。

上述した実施例において、いま自動車を道路に
沿つた車庫に入れようとする場合、はじめに車庫
の横に車を止め、ついで駆動輪載置用台車１に設
けた位置ズレ防止用ローラ９のベベルギヤ１０を
車輪載置用兼駆動力伝達用のローラ４ａのベベル
ギヤ６に噛合わせた状態にした上で（第３図
ａ））、この台車１を駆動輪Ａである前輪の前に置
き、また従動輪Ｂである後輪の前に従動輪載置用
台車１１を置く。

ついで自動車を緩つくりと前進させながらこれ
らのわたり板３，１３を利用して各台車１，１１
上に前輪と後輪を載せるようにするが、上述した
ように駆動輪Ａ側の車輪載置用ローラ４ａに設け
たベベルギヤ６は、横移送用ローラ７ａと位置ズ
レ防止用ローラ９の両ベベルギヤ８，１０が噛合
つているため、駆動輪Ａを車輪載置用ローラ４
ａ，４ｂ上に載せる際、ローラ４ａに駆動輪Ａの
回転力が作用しても、ベベルギヤ６を介して結合
した横移送用ローラ７ａと位置ズレ防止用ローラ
９は互いに逆方向に回転しようとして車輪載置用
ローラ４ａをロツクするため、駆動輪Ａは支障な
く台車１上に載る。

このようにして各車輪がすべて台車１，１１上
に載つたら、つぎに位置ズレ防止用ローラ９側の
ベベルギヤ１０を外し（第３図ｂ）、ついで横移
動させる方向に応じて駆動輪Ａを緩つくりと前進
回転もしくは後進回転させる。

これにより、車輪載置用ローラ４ａからベベル
ギヤ６，８を介して回転力を受けた横移送用ロー
ラ７ａは、従動輪載置用台車１１を伴いつつ駆動
輪載置用台車１を緩つくりと横方向に移動して自
動車を車庫内に搬入する（第４図ｂ）。

なお自動車の搬入後、再び位置ズレ防止用ロー
ラ９のベベギヤ１０を車輪載置用ローラ４ａのベ
ベルギヤ６に噛合わせておけば、床面が傾斜して
いても自動車を横ズレさせることなく安定的に止
めておくことができ、また車庫出しの際はさきと
逆の操作をすることにより簡単に自動車を路上に
出すことができる。

（効果） 以上述べたように本考案によれば、扁平な台車
本体に車輪載置用ローラと横移送用ローラを互い
に直交するよう配設し、これら各一方のローラに
設けた歯車同士を噛合わせるようにしたので、車
長に相当するスペースさえあればこの台車を用い
て自動車を簡単に格納することができるばかりで
なく、そのために必要な台車への乗り降りと横移
動動作の全てを人手に頼ることなく自動車自らの
駆動力により行うことができる。

しかも、横移送用ローラの軸上に位置ズレ防止
用のローラを遊転自在に取付けてこれと一体的に
回転する歯車を車輪載置用ローラの歯車に係脱で
きるようにしたので、台車上への乗り降りに際し
てこの歯車を噛合い状態におくだけで、台車の位
置ズレを自らの車重により確実に防止することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例をなす駆
動輪載置用台車と従動輪載置用台車の斜視図、第
３図ａ，ｂはロツク状態及び非ロツク状態を示し
た図、第４図ａ，ｂは台車への載置状態と横移送
状態を示した図である。 １……駆動輪載置用台車、１１……従動輪載置
用台車、３，１３……車輪載置用ローラ、７，１
７……横移送用ローラ、４，８，１０……ベベル
ギヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扁平な台車本体の中央に自動車の車輪を載置し
   得る間隔をおいて一対の車輪載置用ローラを軸支
   し、かつ両側に上記車輪載置用ローラと直交する
   向きの一対の横移送用ローラを軸支して、上記車
   輪載置用ローラの１つに固定した歯車と上記横移
   送用ローラの１つに固定した歯車を噛合わせると
   ともに、上記横移送用ローラの軸上に位置ズレ防
   止用ローラを遊転自在に取付けて該ローラと一体
   的に回転する歯車を上記車輪載置用ローラ上の歯
   車に係脱可能に配設したことを特徴とする自動車
   の横移送装置。