JPH04258252A - ハードバター組成物 - Google Patents

ハードバター組成物

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JPH04258252A
JPH04258252A JP3019887A JP1988791A JPH04258252A JP H04258252 A JPH04258252 A JP H04258252A JP 3019887 A JP3019887 A JP 3019887A JP 1988791 A JP1988791 A JP 1988791A JP H04258252 A JPH04258252 A JP H04258252A
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Hiroshi Azumaoka
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハードバター組成物に
関する。さらに詳しくは、低温領域において軟らかい特
性を有し、特にチョコレート類に使用したとき、ソフト
な噛み出しが得られ、口中融解時に強い冷涼感と味の切
れおよび速融性を与え、かつ高温領域における耐熱性、
耐ブルーム性、耐マイグレーション性などの熱安定性を
合わせもつハードバター組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】カカオ
脂に代表されるハードバターは、チョコレートを主とし
た製菓、製パン等の食品分野及び医薬、化粧品分野にて
広く使用されている。この種のハードバターは、1,3
 −ジパルミトイル−2−オレオイルグリセリン(略称
POP)、1−パルミトイル−2−オレオイル−3−ス
テアロイルグリセリン(略称POSt) 、1,3−ジ
ステアロイル−2−オレオイルグリセリン(略称StO
St)等の一分子内に一個の不飽和結合を有するトリグ
リセリド類(略称S2U)を主成分としている。
【0003】一般に、S2U の供給にはS2U 成分
を多く含む天然油脂、例えばパーム油、シア脂、サル脂
等の分画油、或は酵素による選択的エステル交換反応に
よって得られるS2U 成分に富んだ油脂の分画油をそ
のままもしくは適宜配合したものが利用されている。ハ
ードバターの特性は室温以下では充分な硬度を維持しな
がらも体温付近に達すると速やかに融解するという塑性
領域が極めて狭いことである。このためハードバターは
、チョコレートを主とした製菓等の食品に使用した場合
、口中で熱を吸収しすばやく融解するため、冷涼感や味
の切れおよび速融性等の風味を発現する優れた特性を持
っている。
【0004】しかし、優れた特性をもつハードバターに
も実用上いくつかの問題点がある。最も大きな問題点と
して低温領域において噛み出しが非常に硬くなり、さら
に上述の口中融解時における冷涼感や味の切れおよび速
融性等の風味特性が悪くなってしまうことにある( こ
こでいう低温領域とはおおよそ5〜20℃の温度領域を
いう)。特にこの噛み出しの硬さは、冬期における板型
チョコレート或はスポンジ、ビスケット等にコーティン
グしたとき、食感を悪くしてしまい、また、口中で融解
する時間が長くなり、冷涼感や味の切れが失われ、口中
でモタつきネバネバした重い風味になってしまう。
【0005】低温領域における軟らかさを向上させるた
めにはナタネ油や綿実油等の液状油が添加されている(
 例えば「チョコレート・ココア製造の論理と実際」第
248 頁〜第251 頁、光琳書院、1965年) 
。しかし、この場合、液状油を添加することによって油
脂固形分量が減少し、その融解時に吸収する熱量が少な
くなるため、上述の口中融解時における冷涼感や味の切
れおよび速融性等の風味がさらに悪くなってしまう。ま
た、高温領域においても製品が軟らかくなり、熱安定性
、具体的には耐熱性や耐ブルーム性および耐マイグレー
ション性等が低下してしまう(ここでいう高温領域とは
、室温からハードバターの融点以下の温度領域である)
 。
【0006】現状の技術では、高融点油脂(シア脂分画
油等)と軟質油脂(液状油脂、ナタネ硬化油脂等)との
併用による軟らかさと熱安定性との妥協点を計っている
のみであり(例えば特開平2−35039 号公報、特
開昭63−248343号公報、特開平2−65744
 号公報) 、前述のハードバターのもつ問題点である
低温領域における噛み出しの軟らかさを保ちながら、か
つ口中融解時の冷涼感、味の切れ、速融性等の風味特性
の悪化を改善する技術は現在のところ全く見あたらない
。ましてや、この2項目(噛み出しの軟らかさと冷涼感
等の風味特性)と、熱安定性(耐熱性、耐ブルーム性等
)を加えた3項目を満足する技術も全く見あたらない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑み、更に鋭意研究した結果、特定組成のトリ
グリセリド混合物と一分子内に2個以上の不飽和結合を
有するジグリセリドとを併用してなるハードバター組成
物が低温領域における軟らかさと口中融解時における冷
涼感や味の切れおよび速融性等の風味特性の両方を向上
させ、更に高温領域における熱安定性をもたらすことを
見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、(a) 一分子中に2個の
飽和脂肪酸残基及び1個の不飽和脂肪酸残基を有するト
リグリセリドであって、構成脂肪酸残基の総炭素数が5
0以下のトリグリセリド“X”および52以上のトリグ
リセリド“Y”について、X/Yの重量比が2を超える
トリグリセリド混合物を両者の合計含量で30〜95重
量%、及び(b) 一分子内に2個以上の不飽和結合を
有する一種または二種以上のジグリセリドを5〜70重
量%含有することを特徴とするハードバター組成物を提
供するものである。
【0009】本発明におけるハードバター組成物は本質
的に一分子中に2個の飽和脂肪酸残基及び1個の不飽和
脂肪酸残基を有するトリグリセリド(S2U 、(a)
 成分) と一分子内に2個以上の不飽和結合を有する
ジグリセリド((b)成分) とからなるものである。
【0010】本発明においては(a) 成分としては、
一分子中に2個の飽和脂肪酸残基及び1個の不飽和脂肪
酸残基を有するトリグリセリド、好ましくは1,3 位
飽和2位不飽和型のトリグリセリドであって、上記“X
”および“Y”で表されるトリグリセリドS2U の混
合物で、X/Yの重量比が2を超えるもの、好ましくは
2.2 〜30のものが用いられる。X/Yの重量比が
2以下である場合は、口中融解時における冷涼感、味の
切れ、速融性等の改善が不十分となる。また、(a) 
のトリグリセリドの含量がハードバター組成物中30重
量%未満である場合、熱安定性が不十分となり、95重
量%を超えると噛み出しの軟らかさと風味特性の改善が
不十分となる。
【0011】本発明におけるハードバターに用いるより
好ましい“X”のトリグリセリド成分としてPOP が
あるが、これよりも低い融点を有するMOP, MOM
, PLP, MLP, MLM(脂肪酸残基、P :
パルミチン酸残基、O :オレイン酸残基、M :ミリ
スチン酸残基、L :リノール酸残基を意味する)など
が必要に応じて配合できる。
【0012】本発明におけるハードバターに用いるより
好ましい“Y”のトリグリセリド成分はPOSt, S
tOStがあるが、これら以外により高い融点を有する
POA, StOA, AOA,POB, StOB,
 AOB, BOB(P, O, St:上述の脂肪酸
残基、A :アラキン酸残基、B :ベヘン酸残基を意
味する)が必要に応じて配合できる。更に、噛み出しの
軟らかさを調整するために、PLSt, StLSt,
 PLB, StLBやBLB などを配合することも
有効である。
【0013】本発明においては(b) 成分として、一
分子内に二個以上の不飽和結合を有する一種または二種
以上のジグリセリドをハードバター組成物中5〜70重
量%、好ましくは10〜70重量%の範囲で含有する。 (b) のジグリセリドの含量が5重量%未満である場
合、噛み出しの軟らかさが不十分となり、70重量%を
超えると熱安定性が不十分となる。また、ジグリセリド
成分が一分子内に2個以上の不飽和結合を有していない
と低温下での軟らかさが得られないばかりか、高温下で
の耐熱性や融解性が低下する。本発明の組成物中に一分
子内に1個以下の不飽和結合を有するジグリセリドが少
量存在してもよいが、ハードバター組成物を基準にして
5重量%未満であることが好ましい。(b) のジグリ
セリド成分を構成する脂肪酸としては炭素数16〜22
の飽和、不飽和脂肪酸が好ましく、その含有量としては
ジグリセリドの脂肪酸残基を基準として70重量%以上
が好ましい。
【0014】本発明における最も大きな特徴は、(a)
 の“X”のトリグリセリド成分と(b)のジグリセリ
ド成分を併用すると、なんらかの相乗効果的な作用によ
って、噛み出しの軟らかさと冷涼感や速融性等の風味特
性の両方が顕著に増大することにある。また、この(a
) の“X”のトリグリセリド成分と(b) のジグリ
セリド成分による噛み出しの軟らかさと冷涼感や速融性
などの風味特性の両立効果を維持しながら、(a) の
“Y”のトリグリセリド成分を配合することによってよ
り大きな耐熱性、耐ブルーム性などの熱安定性を付与す
ることができる。
【0015】このような(a), (b)2種類のグリ
セリドを主成分とする本発明のハードバター組成物は、
天然油脂あるいは酵素による選択的エステル交換反応油
脂、選択的エステル化反応生成物からの分画もしくは他
の単離生成技術または化学的合成技術により得られる。 特に、酵素による選択的反応を利用すると容易に調製す
ることができる。即ち、好ましくは、(a) のS2U
 成分は、トリグリセリド中2−位にオレイン酸、リノ
ール酸等の不飽和脂肪酸が結合している油脂と、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベ
ヘン酸またはそれらのエステルとを、グリセリドの1,
3 −位に位置特異性を有するリパーゼ、例えば、アス
ペルギルス系、ムコール系あるいはリゾプス系リパーゼ
等の存在下で1,3 −位選択的エステル交換反応をす
ることによって得られる。 また、一分子内に2個以上の不飽和結合を有するジグリ
セリド成分は、オレイン酸やリノール酸等の不飽和脂肪
酸とグリセリンとを、同様なグリセリドの1,3 −位
に位置特異性を有するリパーゼの存在下で1,3 −位
選択的エステル化反応することによって得られる。例え
ば、特開昭55−71797 号公報、特開昭64−7
1495 号公報に開示されている方法に準ずればよい
【0016】尚、本発明によるハードバター組成物中に
は上記(a) 及び(b) 成分のみでなく、他のグリ
セリド成分も夾雑してくる。かかる夾雑グリセリド成分
は可及的少ないほうが良いことはいうまでもないが、本
発明の組成物の効果を損なわない少量の存在は問題ない
。また、本発明のハードバター組成物は、従来のハード
バターと併用することにより、噛み出しの軟らかさと冷
涼感、味の切れ、速融性等の風味特性の両立、および耐
熱性、耐ブルーム性などの熱安定性において従来以上に
有効性を示すことはいうまでもない。
【0017】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して本発明の効
果をより一層明確にするが、本発明は以下の例示のみに
限定されるものではない。なお、例中の部及び%は全て
重量基準である。
【0018】製造例1(トリグリセリド試料の調製)(
1) パーム油中融点部(ヨウ素価32)500部と市
販のミリスチン酸(純度95%)500部をn−ヘキサ
ン2000部に溶解し、リゾプス・デレマーのリパーゼ
25部を吸着させたセライト80部を添加し、40℃3
日間密閉容器中で混合撹拌しエステル交換反応をおこな
った。しかる後に系から酵素を濾別し、n−ヘキサンを
除去した粗反応生成物を薄膜式分子蒸留機により180
 ℃/0.05TORRの条件で脱酸し反応生成物48
0 部を得た。
【0019】次いで、その反応生成物400 部をシリ
カゲル2000部のカラムクロマト処理して精製を行い
トリグリセリド330 部を得た。更に、そのトリグリ
セリド300 部をn−ヘキサンによる分画を行い、中
融点画分(収率45.2%) を得た(S2U 試料−
1)。
【0020】(2) パーム油中融点部(ヨウ素価32
)500部と市販のパルミチン酸(純度95%)300
部をn−ヘキサン1000部に溶解し、上記(1) と
同様にエステル交換反応及び脱酸を行い反応生成物48
0 部を得た。
【0021】次いで、その反応生成物400 部をカラ
ムクロマト処理して生成を行い、トリグリセリド360
 部を得た。更に、n−ヘキサンによる分画から中融点
画分(収率54.5%) を得た(S2U 試料−2)
【0022】(3) パーム油中融点部(ヨウ素価32
)500部と市販のステアリン酸(純度98%)100
0部をn−ヘキサン2500部に溶解し、上記(1) 
と同様にエステル交換反応及び脱酸を行い反応生成物4
80 部を得た。
【0023】次いで、その反応生成物400 部をカラ
ムクロマト処理して生成を行い、トリグリセリド345
 部を得た。更に、n−ヘキサンによる分画から中融点
画分(収率48.5%) を得た(S2U 試料−3)
【0024】(4) サフラワー油(ヨウ素価145)
 500部とステアリン酸(純度98%) 及びベヘン
酸(純度90%) との等量混合物1500部をn−ヘ
キサン3000部に溶解し、上記(1)と同様にエステ
ル交換反応及び脱酸を行い、反応生成物440 部を得
た。
【0025】次いで、その反応生成物400 部をカラ
ムクロマト処理して生成を行い、トリグリセリド330
 部を得た。更に、n−ヘキサンによる分画から中融点
画分(収率34.3%) を得た(S2U 試料−4)
【0026】(5) パーム油中融点部(ヨウ素価32
)500部と市販のベヘン酸(純度90%)750部を
n−ヘキサン2000部に溶解し、上記(1) と同様
にエステル交換反応及び脱酸を行い反応生成物480 
部を得た。
【0027】次いで、その反応生成物400 部をカラ
ムクロマト処理して生成を行い、トリグリセリド300
 部を得た。更に、n−ヘキサンによる分画から中融点
画分(収率43.5%) を得た(S2U 試料−5)
【0028】製造例2(ジグリセリド試料の調製)(1
) ナタネ油分解脂肪酸(組成はパルミチン酸:4%、
ステアリン酸:2%、オレイン酸:60%、リノール酸
:21%、リノレン酸:12%)500部と精製グリセ
リン80部にムコール・ミーハイのリパーゼ製剤100
 部を混合し、40℃で8時間減圧下で撹拌し、エステ
ル化反応を行った。 生成物を脱酸処理後、エステル化反応物430 部を得
た。 この反応物400 部に対してシリカゲル2000部の
カラムクロマト処理を行いジグリセリド315 部を得
た(ジグリセリド試料−1)。
【0029】(2) パーム油分解脂肪酸(パルミチン
酸:45%、ステアリン酸:4%、オレイン酸:40%
、リノール酸:9%)500 部と精製グリセリン80
部にムコール・ミーハイのリパーゼ製剤100 部を混
合し、65℃で8時間減圧下で撹拌し、エステル化反応
を行った。生成物を脱酸処理後、エステル化反応物41
0 部を得た。この反応物400 部に対してシリカゲ
ル2000部のカラムクロマト処理を行いジグリセリド
290 部を得た(ジグリセリド試料−2)。
【0030】上記製造例1で調製したトリグリセリドの
組成を表1に、また上記製造例2で調製したジグリセリ
ドの組成を表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】注)*:2位に不飽和脂肪酸残基を、1,
3 位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリド、(a
) 成分に該当する。
【0033】
【表2】
【0034】注)*:DG/U0:一分子内に不飽和結
合を有しないジグリセリド DG/U1:一分子内に不飽和結合を1個有するジグリ
セリド DG/U2:一分子内に不飽和結合を2個以上有するジ
グリセリド 実施例1〜4及び比較例1〜4 表3に示す各種グリセリドを配合して表3に示すハード
バター組成物を調製した。得られた各ハードバター組成
物を用いて以下の配合によりチョコレートを製造し、得
られたチョコレートの性能を評価した。その結果を表4
に示す。
【0035】 チョコレート組成     カカオ粉(油分11%)          
     15  部ハードバター組成物      
          35  部砂  糖      
                      40 
 部脱脂粉乳                   
       10  部レシチン         
                  0.3部チョコ
レートの性能評価   噛み出しの軟らかさは、チョコレート製造後20℃
に1ケ月保存後の硬度を測定し、かつソフト感を官能評
価した。風味評価(冷涼感、味の切れ、速融性)は、2
0℃に1ケ月保存したチョコレートを官能評価した。熱
安定性のうち、耐熱性は30℃に1ケ月おいたのち保型
性を観察した。耐ブルーム性は、20℃と30℃の各1
2時間サイクル下に1ケ月保存し観察した。耐マイグレ
ーション性は、製造したチョコレートを内層に、比較例
−4(カカオバター100 %) のハードバターによ
るチョコレートを外層に用いたシェル型チョコレートを
作製し、20℃に1ケ月保存した後の中央の陥没度を観
察した。いずれもコントロールとしてカカオバターのみ
を用いたチョコレート(比較例−4)の評価を基準(0
−普通)とした。
【0036】
【表3】
【0037】注)*1:2位に不飽和脂肪酸残基を、1
,3 位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリド、(
a) 成分に該当する。 *2:ナタネ油(ジグリセリド試料−1と同等の脂肪酸
組成を有するトリグリセリド)37.1重量%*3:ハ
ードバター組成物中の一分子内に1個以下の不飽和結合
を有するジグリセリドの含有量6.6 重量%
【003
8】
【表4】
【0039】注)*:評価基準 2:きわめて良い 1:良い 0:普通 −1:悪い −2:きわめて悪い 結  果   実施例−1〜4と比較例−1の傾向から、(a) 
成分のX/Y比が大きいほど、(b) 成分ジグリセリ
ドとの併用効果による噛み出しの軟らかさと風味特性(
冷涼感、味の切れ、速融性)の両立する作用の大きいこ
とが認められる。
【0040】実施例−3と比較例−2の系列比較から(
b) 成分ジグリセリドの噛み出しの軟らかさ、風味特
性、及び熱安定性に対する効果が認められる。しかし、
実施例−4と比較例−3の対比からジグリセリドとして
の組成が有効性を大きく左右することがわかった。
【0041】本発明に規定する特定組成のトリグリセリ
ド混合物である(a)成分とジグリセリド(b) 成分
との併用による相乗効果的な有効性は、そのチョコレー
ト中のグリセリド結晶と粉体成分との相互作用が関与し
ているものと考えられる。
【0042】
【発明の効果】本発明のハードバター組成物は、低温領
域での軟らかさと風味の両方を向上し、かつ高温領域で
の熱安定性を兼ね備えたものであり、特にチョコレート
類(板もの、コーティング、クリーム等)における噛み
出しの軟らかさ、口中融解時における風味特性(冷涼感
、味の切れ、速融性)および熱安定性をもたらす。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 一分子中に2個の飽和脂肪酸残基
    及び1個の不飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドで
    あって、構成脂肪酸残基の総炭素数が50以下のトリグ
    リセリド“X”および52以上のトリグリセリド“Y”
    について、X/Yの重量比が2を超えるトリグリセリド
    混合物を両者の合計含量で30〜95重量%、及び(b
    ) 一分子内に2個以上の不飽和結合を有する一種また
    は二種以上のジグリセリドを5〜70重量%含有するこ
    とを特徴とするハードバター組成物。
  2. 【請求項2】  (a) 成分のトリグリセリドが 1
    ,3位飽和2位不飽和型である請求項1記載のハードバ
    ター組成物。
  3. 【請求項3】  一分子内に一個以下の不飽和結合を有
    するジグリセリドの含量がハードバター組成物中5重量
    %未満である請求項1又は2記載のハードバター組成物
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