JPH04248820A - 粘着テープの製造方法及び粘着テープ     - Google Patents

粘着テープの製造方法及び粘着テープ    

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JPH04248820A
JPH04248820A JP779291A JP779291A JPH04248820A JP H04248820 A JPH04248820 A JP H04248820A JP 779291 A JP779291 A JP 779291A JP 779291 A JP779291 A JP 779291A JP H04248820 A JPH04248820 A JP H04248820A
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acrylate
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acrylic
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Akira Nakasuga
章 中壽賀
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリレート系の光重
合性組成物の製造方法に関し、さらに詳しくは、製造工
程におけるモノマーの蒸発損失が少ない光重合性組成物
ならびに該組成物から得られる接着性に優れる粘弾性製
品とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系ポリマーからなる粘弾性製品
として、例えば、アクリル系粘着剤、アクリル系粘着テ
ープ、アクリル系粘着シート、両面粘着テープ、発泡体
類の粘着加工製品、シーラント、衝撃吸収剤などが良く
知られている。アクリル系粘着剤は、アクリル系ポリマ
ーを主成分としているため、耐光性、耐候性、耐油性な
どに優れており、また、プラスチックフィルムや、紙な
どを表面基材としたアクリル系粘着テープは、粘着力、
凝集力などの粘着性能、及び耐熱性、耐候性などの耐老
化性能に優れているため、広く使用されている。
【0003】これらの粘弾性製品として代表的なアクリ
ル系粘着テープを例にとると、該粘着テープは、一般に
、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリ
ル酸エステルなどのアクリレート系モノマーを主成分と
するビニル系モノマーを、有機溶剤で溶液重合して得ら
れる粘着剤溶液、または、水系で乳化重合して得られる
エマルジョンを、基材に塗布または含浸し、これを加熱
乾燥して製造されている。
【0004】上記の製造方法において、粘着剤溶液を用
いる場合は、基材に塗布または含浸した粘着剤溶液を高
温で乾燥するために、多くのエネルギーを必要とし、ま
た、有機溶剤による大気汚染を防止するために、大規模
な回収装置を必要とする。しかも、有機溶剤は引火しや
すいため、安全保持のために充分な安全装置を必要とす
る。
【0005】一方、エマルジョンを用いる場合は、水を
蒸発させるために、有機溶剤を用いる場合よりも大きな
エネルギーを必要とし、また、性能面でも重合時に混入
する乳化剤により耐水性等の性能が低下する。さらに、
水溶性モノマーを使用する場合使用量が限定されるため
、粘着テープに要求される多種多様なニーズへの対応力
が弱いという欠点があった。
【0006】ところで、特公昭57−17030号公報
には、アクリルモノマーにガラスミクロバルブを混合し
た後、光照射することを特徴とする感圧粘着テープの製
造方法が開示されている。この方法においては、基材に
塗布したモノマーを酸素濃度が150ppmの不活性雰
囲気で光照射したことが述べられている。また、ベルギ
ー特許675420号明細書においては、このようなア
クリルモノマーの重合には300ppm以下程度の酸素
濃度とすることが必要であることが示唆されている。
【0007】このようにアクリルモノマーの光照射によ
る重合では、雰囲気酸素による反応阻害が起こるため、
窒素ガス等の不活性な雰囲気下での重合が行なわれるが
、不活性雰囲気帯域(イナートゾーン)には酸素濃度を
低下させるために大量の不活性ガスを吹き込まなくては
ならない。このため基材上の光重合性組成物上に不活性
ガスの気流が吹き付けられ、その結果、モノマーの蒸発
が著しく、原料損失が大きいという問題があった。
【0008】さらに、粘弾性製品がアクリル粘着剤であ
る場合、その粘着剤としての特性である粘着力及び凝集
力を充分に発現し得る高分子を設計するためには、アク
リル酸のような共重合により粘着性を発現し得るモノマ
ー等の配合が必要であった。ところがこれらのモノマー
を光重合に利用した場合には、不活性雰囲気帯域におけ
る気流によりこれらが蒸発して、充分な粘着性能が得ら
れないという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光重
合による粘弾性製品の製造方法において、モノマーの蒸
発損失が少なく、しかも粘着剤としての粘着特性に優れ
たアクリル系粘弾性製品を与えることができる光重合性
組成物を提供することにある。本発明者は、前記従来技
術の有する問題点を克服するために鋭意研究した結果、
アクリレート系モノマーを含有する光重合性組成物に、
カルボキシル基を有し、かつ、1気圧での沸点が180
℃以上の(メタ)アクリル系モノマーを共重合成分とし
て含有させることにより、モノマーの蒸発損失が少なく
、しかも粘着特性に優れたアクリル系粘弾性製品を与え
ることのできる光重合性組成物の得られることを見出し
、その知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、 (a)炭素数1〜12のアルキル基を有するアクリル酸
アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステル
からなる群から選択される少なくとも1種のアクリレー
ト系モノマー60〜98重量部、 (b)アクリレート系モノマー(a)と共重合可能な不
飽和2重結合を有する化合物であって、カルボキシル基
を有し、かつ、1気圧での沸点が180℃以上であるア
ルクリレート系モノマーもしくはメタクリレート系モノ
マー2〜40重量部、および (c)モノマー成分100重量部に対して、光重合開始
剤0.001〜5重量部を含む光重合性組成物が提供さ
れる。また、本発明によれば、前記の光重合性組成物に
紫外線を照射して、前記モノマー混合物を重合させるこ
とを特徴とする粘弾性製品の製造方法、および該製造方
法で得られた粘弾性製品が提供される。以下、本発明に
ついて詳述する。
【0011】(モノマー成分) アクリレート系モノマー(a) 本発明で使用するモノマー成分(a)は、炭素数1〜1
2のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルお
よびメタクリル酸アルキルエステルからなる群から選択
される少なくとも1種のアクリレート系モノマーである
。このアクリレート系モノマー成分(a)は、40重量
%以下(0〜40重量%)の該アクリレート系モノマー
と共重合可能なビニル系モノマーを含んでいてもよい。
【0012】アクリレート系モノマーとしては、アルキ
ル基の炭素数が1〜14、好ましくは4〜12のアクリ
ル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエス
テルが用いられ、具体例としては、(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸
イソノニルなどを挙げることができる。
【0013】これらは、それぞれ単独で、または2種以
上を組み合わせて用いる。粘着性と凝集性のバランスな
どから、通常、ホモポリマーのガラス転移温度が−50
℃以下のアクリル酸アルキルエステルを主成分とし、コ
モノマーとして、低級アルキル基の(メタ)アクリル酸
エステルや下記の他のビニル系モノマーを用いることが
好ましい。
【0014】アクリレート系モノマーと共重合可能な他
のビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、N−置換アクリルアミド、ヒドロキシ
エチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、マレイン
酸、イタコン酸、N−メチロールアクリルアミド、ヒド
ロキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
【0015】また、ガラス転移温度の低い重合体を形成
するビニル系モノマー、例えば、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート
、ポリプロピレングリコールアクリレート、フッ素アク
リレート、シリコンアクリレートなどのビニル系モノマ
ーも用いることができる。
【0016】これらのビニル系モノマーは、1種または
2種以上を組み合わせて使用できるが、全モノマー成分
中における使用割合が40重量%を越えると、アクリル
系粘着剤としての粘着特性などが低下するので、好まし
くない。
【0017】カルボキシル基含有(メタ)アクリレート
系モノマー(b) 本発明で不可欠な成分として使用されるモノマー(b)
は、1気圧での沸点が180℃以上のカルボキシル基を
有する極性モノマーであり、その例としては、カルボキ
シエチルアクリレート(β−CEA;INTEREZ社
商品名)、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアク
リレート(M−5300;東亜合成化学工業社製商品名
)、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート(M−
5400;東亜合成化学工業社製商品名)、琥珀酸モノ
ヒドロキシエチルアクリレート(M5500;亜合成化
学工業社製商品名)、β−アクリロイルオキシエチルハ
イドロジエンサクシネート(NKエステルA−SA;新
中村化学社製商品名)、2−アクリロイルオキシエチル
ヘキサヒドロフタル酸(HOA−HH;共栄社油脂化学
工業社製商品名)等が挙げられる。これらの中でも、他
のアクリルモノマーとの相溶性、得られたポリマーの被
着体への接着性、非架橋性、応力緩和性の付与等の特性
の点で、特に、カルボキシエチルアクリレート、カルボ
キポリカプロラクトンモノアクリレートが優れている。
【0018】モノマー(a)とモノマー(b)との使用
割合(a:b)は、98:2〜60:40(重量比)で
ある。モノマー(b)の使用割合が過小であると、粘着
性付与効果が少なく、逆に、過大であると、アクリル系
粘着剤としての粘着特性などが低下する。
【0019】(光重合開始剤)本発明で使用する光重合
開始剤は、特に限定されないが、一般に用いられている
光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤とし
ては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン〔ダロキュ
ア−2959:メルク社製〕;α−ヒドロキシ−α,α
′−ジメチル−アセトフェノン〔ダロキュア−1173
:メクル社製〕;メトキシアセトフェノン、2,2−ジ
メトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどのアセトフ
ェノン系;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系;ベンジ
ルジメチルケタールなどのケタール系;その他、ハロゲ
ン化ケトン、アシルホシフィノキシド、アシルホスフォ
ナートなどを挙げることができる。
【0020】これらの光重合開始剤は、前記モノマー成
分100重量部に対して、0.001〜5重量部の割合
で使用する。この割合が0.001重量部未満であると
、光重合開始剤が光エネルギーにより重合初期に消費さ
れるため、未反応モノマーが残存しやすく、モノマー臭
が残るだけではなく、凝集力が低下する。逆に、5重量
部を越えると、重合反応速度は早くなるが、光重合開始
剤の分解臭が激しくなり、また、分子量のばらつきが大
きくなり、粘着性能も低下する。
【0021】光重合による重合体の重量平均分子量は、
粘着性能から見て、通常、約30〜約100万程度に調
節することが好ましく、約50〜約100万に調節する
のがさらに好ましい。したがって、目標とする重合体の
分子量に応じて、光重合開始剤の配合割合は、上記範囲
内で調節される。
【0022】(任意成分)タッキファイアー本発明に於
いては、光重合性組成物に、粘着付与樹脂と呼ばれるタ
ッキファイアーを配合してもよい。ここで用いられるも
のとしては、ロジン系樹脂、変成ロジン系樹脂、テルペ
ン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変成テルペン
樹脂、C6およびC9系石油樹脂、クマロン樹脂等があ
る。
【0023】その他の添加剤 また、本発明においては、光重合性組成物に、増粘剤や
チキソトロープ剤、増量剤や充填剤などの通常用いられ
る添加剤を配合してもよい。増粘剤としては、アクリル
ゴム、エピクロルヒドリゴムなどがある。チキソトロー
プ剤としては、コロイドシリカ、ポリビニルピロリドン
などがある。増量剤としては、炭酸カルシウム、酸化チ
タン、クレーなどがある。充填剤としては、ガラスバル
ン、アルミナバルン、セラミックバルンなどの無機中空
体;ナイロンビース、アクリルビーズ、シリコンビーズ
などの有機球状体;塩化ビニリデンバルン、アクリルバ
ルンなどの有機中空体;ポリエステル、レーヨン、ナイ
ロンなどの単繊維などがある。
【0024】光架橋剤 本発明の光重合性組成物においては、耐熱性や高温での
凝集力などを付与するために、上記の光重合開始剤と共
に、光架橋剤を含有させるのが好ましい。このような光
架橋剤としては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)
アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ
)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
その他エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレー
ト、ウレタンアクリレートなどがある。
【0025】かかる光架橋剤は、一般に、前記モノマー
成分100重量部に対して、5重量部以下含有させるこ
とにより、光重合反応の過程で重合体分子間に架橋結合
が生じ、粘弾性製品の耐熱性が向上する。粘弾性製品が
粘着テープの場合には、高温での凝集力が増加し、高温
での保持力が向上する。
【0026】(粘弾性製品とその製造方法)本発明の光
重合性組成物は、例えば、粘着テープを始め、感熱接着
剤シート、建築用や自動車用などのシーリング材、防振
材中間膜など種々の粘弾性製品の製造に有用である。粘
弾性製品として、例えば、粘着テープを製造する場合は
、光重合性組成物を剥離紙、剥離型枠などの上に塗布ま
たは注入するか、あるいはプラスチックフィルム、紙、
セロハン、布、不織布、金属箔などの基材に塗布または
含浸する。前者の場合には、基材の無い粘着テープが得
られる。粘弾性製品として、シーリング材を製造する場
合には、光重合性組成物を剥離性の細長い型などに注入
して賦形する。
【0027】光重合性組成物を型枠や基材などに塗布、
含浸または注入する際に、作業が円滑に行われるように
、増量剤やチキソトロープ剤で増粘することが好ましい
。増粘方法としては、この他に、例えば、紫外線を少量
照射して、予めモノマー成分の一部を重合させる方法も
ある。これらの塗布、含浸または注入作業は、空気(酸
素)と接触しないように工夫された装置が用いられる。
【0028】型枠や基材などに塗布、含浸または注入後
、光重合性組成物は、不活性ガスで置換されたボックス
内を通され、石英ガラスやパイレックスガラス、ホウ酸
ガラスごしに紫外線や可視光線などの光の照射が行なわ
れる。また、不活性ガス雰囲気中でなくても、型枠や基
材などに塗布、含浸または注入された光重合性組成物の
表面を離型性を有するポリエステルフィルムでカバーす
ることにより、空気との接触を防止して、光の照射を行
なってもよい。この場合は、酸素除去能のある化合物を
添加しておくことが好ましい。
【0029】光照射に用いられるランプ種類としては、
光波長400nm以下に発光分布を有するものが用いら
れ、その例としては低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトラ
ンプ、マイクロウエーブ励起水銀灯、メタルハライドラ
ンプ等が用いられる。この中でも超高圧水銀灯は開始剤
の活性波長領域の光を効率よく発光し、得られる高分子
の粘弾性的性質を架橋により低下させるような短波長の
光や、反応組成物を加熱蒸発させるような長波長の光を
多く発光しないために好ましい。特に、このランプの効
果はランプに循環水のジャケットを付設したいわゆる水
冷式において発揮される。
【0030】上記ランプによる反応性組成物への照射強
度は、得られるポリマーの重合度を左右する因子であり
目的製品の性能毎に適宜制御されるのであるが、通常の
アセトフェノン基を有する開裂型の開始剤を配合した場
合その範囲は0.1〜100mW/cm2が好ましい。 なお、光の照射は、一定の光強度で行なってもよいが、
二段階以上に分けてそれぞれの光強度を変えて照射する
ことにより、粘弾性製品の物性をさらに精密に調整する
こともできる。
【0031】本発明における光重合は、空気中の酸素お
よび反応性組成物中に溶存する酸素により反応が阻害さ
れる。そこで、本発明の光重合性組成物を用いて粘弾性
製品を製造するには、通常、この組成物中に溶存する酸
素を除去するために、窒素ガスなどの不活性ガスでパー
ジするか、あるいは、不活性ガスでパージするとともに
、フェニルジイソデシルホスファイト、トリイソデシル
ホスファイト、オクタン酸第一錫などの酸素除去能のあ
る化合物を添加する。酸素を遮断する手法としては、光
重合性組成物をポリエチレンテレフタレートやポリテト
ラフルオロエチレン製フィルムによって覆い、光はフィ
ルムを介して該組成物へ照射する方法もある。
【0032】通常は、窒素ガスや炭酸ガスのような不活
性なガスにより酸素を置換した光透過性の窓を有するイ
ナートゾーンの中で反応させる。この方法において、光
重合性組成物の重合がモノマーの転化率99.7重量%
以上になる程度まで十分に完結されるためには、この照
射雰囲気の酸素濃度を5000ppm以下とする必要が
ある。該組成物の光照射によって得られる高分子の分子
量は、雰囲気酸素濃度の増加とともに低下する。完全に
不活性な条件での重合におけるのと同程度の分子量とす
るためには、雰囲気酸素濃度を1000ppm以下とす
る必要がある。さらに、該光重合性組成物と雰囲気との
極薄い界面部分は、組成物内部よりも酸素の阻害を受け
易く、凝集力がこれら部分よりも低下する。この表層部
分が内層と同程度の凝集力を有するためには、雰囲気酸
素濃度を300ppm以下とすることが望ましい。
【0033】光照射をイナートゾーンにおいて行なう場
合、その雰囲気酸素濃度を低レベルに保つために、常に
一定の不活性ガスがこのゾーンに投入される。この投入
ガスにより、光重合性組成物の表面には気流が発生し、
モノマーの蒸発が起こる。この蒸発を抑制するのに必要
な気流速度は、このゾーンを基材に載せて流される該組
成物との相対速度が1m/sec以下であることが好ま
しく、本発明の組成物の場合は、さらに0.1m/se
c以下であればこの気流を因子とする蒸発は実質的に抑
え得る。
【0034】
【作  用】本発明においては、高沸点の極性モノマー
を配合しているため、光重合において問題となるイナー
トゾーンでのモノマーの蒸発が抑制される。本発明にお
ける極性モノマーを配合物として含有する組成物の光重
合により得られる粘着剤組成物は、ポリマー中のカルボ
キシル基同志の比較的弱い相互作用により、ポリマー全
体の粘性が高まり、優れた被着体への濡れ性が発現され
、また、応力分散性も向上し、優れた接着力を発現でき
る。
【0035】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これ
らの実施例のみに限定されるものではない。
【0036】[実施例1]2−エチルヘキシルアクリレ
ート90g、カルボキシエチルアクリレート10g、光
重合開始剤ダロキュア1173を1.0g、アクリルゴ
ム2.5gを均一になるまで撹拌混合した。得られた光
重合性組成物を25μmのポリエチレンテレフタレート
フィルムに35μmの厚みとなるようにコンマコーター
で塗工し、酸素濃度300ppmのイナートゾーンで3
65nm付近のランプ強度が8mW/cm2となるよう
に、高さの調節された超高圧水銀灯により2.5分間紫
外線を照射した。得られた粘着剤の重量平均分子量は3
7万、残存するモノマー量は0.1%であった。この時
のモノマー蒸発量は、0.3gであった。
【0037】[比較例1]2−エチルヘキシルアクリレ
ート90g、アクリル酸5g、光重合開始剤ダロキュア
1173を1.0g、アクリルゴム2.5gを均一にな
るまで撹拌混合した。得られた光重合性組成物を25μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルムに35μmの
厚みとなるようにコンマコーターで塗工し、酸素濃度3
00ppmのイナートゾーンで365nm付近のランプ
強度が8mw/cm2となるように高さの調節された超
高圧水銀灯により2.5分間紫外線を照射した。得られ
た粘着剤の重量平均分子量は34万、残存するモノマー
量は0.1%であった。この時のモノマー蒸発量は、3
.5gであった。
【0038】[比較例2]2−エチルヘキシルアクリレ
ート90g、アクリル酸5g、光重合開始剤ダロキュア
1173を1.0g、ヘキサンジオールジアクリレート
0.07g、アクリルゴム2.5gを均一になるまで撹
拌混合した。得られた光重合性組成物を離型性を有する
紙セパレータに置いた坪量15gの紙不織布の上から1
25μmの厚みとなるようにコンマコーターで塗工し、
酸素濃度300ppmのイナートゾーンで365nm付
近のランプ強度が8mW/cm2となるように、高さの
調節された超高圧水銀灯により2.5分間紫外線照射し
た。この結果両面粘着性の両面テープが得られた。
【0039】その気流と接触する側(以下、「上面」と
いう)とセパレータと接触する面(以下、「背面」とい
う)との粘着性能を評価した。その結果、上面での粘着
力は1100gで、背面のそれは1300gであり、双
方に大きな差が生じた。また、保持力を評価したところ
、上面での80℃での保持力は、1時間未満で重りが落
下したのに対し、背面のそれは4時間以上剥れず、やは
り双方に大きな差が生じた。
【0040】[実施例2]2−エチルヘキシルアクリレ
ート90g、カルボキシエチルアクリレート10g、光
開始剤ダロキュア1173を1.0g、ヘキサンジオー
ルアクリレート0.07g、アクリルゴム2.5gを均
一になるまで撹拌混合した。得られた光重合性組成物を
離型性を有する紙セパレータに置いた坪量15gの紙不
織布の上から125μmの厚みとなるようにコンマコー
ターで塗工し、酸素濃度300ppmのイナートゾーン
で365nm付近のランプ強度が8mW/cm2となる
ように高さの調節された超高圧水銀灯により2.5分間
紫外線を照射した。この結果両面粘着性の両面テープが
得られた。
【0041】その気流と接触する側(上面)とセパレー
タと接触する面(背面)との粘着性能を評価した。その
結果、上面での粘着力は1200gで、背面のそれは1
250gであり、双方に有意差はなかった。また、保持
力を評価したところ、80℃での保持力は上面背面とも
に24時間以上重りは落下せず、双方に有意差は無かっ
た。
【0042】
【発明の効果】本発明の光重合性組成物は、イナートゾ
ーンでの光重合においてモノマーの蒸発が起きにくいた
め、生産ロスが少なく、省資源となり、また、製品コス
トを削減できる。
【0043】低沸点の極性モノマーを配合物として含有
する光重合性組成物においては、表層部分においてモノ
マー組成比が変化するため、表層部分と内層部分との組
成に差が生じ、界面接着力が低下するが、本発明の反応
組成物は、接着性能が優れ、表層と内層との組成は均一
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)炭素数1〜12のアルキル基を有す
    るアクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アル
    キルエステルからなる群から選択される少なくとも1種
    のアクリレート系モノマー60〜98重量部、(b)ア
    クリレート系モノマー(a)と共重合可能な不飽和2重
    結合を有する化合物であって、カルボキシル基を有し、
    かつ、1気圧での沸点が180℃以上であるアルクリレ
    ート系モノマーもしくはメタクリレート系モノマー2〜
    40重量部、および (c)モノマー成分100重量部に対して、光重合開始
    剤0.001〜5重量部を含む光重合性組成物。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の光重合性組成物に紫外
    線を照射して、前記モノマー混合物を重合させることを
    特徴とする粘弾性製品の製造方法。
  3. 【請求項3】  請求2項記載の製造方法で得られた粘
    弾性製品。
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