JP4151830B2 - 粘着シートの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、紫外線硬化型アクリル系感圧性接着剤(粘着剤)より得られる粘着シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル系感圧性接着剤は、粘着力、凝集力等の粘着性能、耐候性、耐油性等に優れているため、粘着テープ、ラベル若しくはシートの感圧接着剤層を形成する感圧性接着剤(粘着剤)として広く使用されている。
【0003】
従来、アクリル系感圧性接着剤としては、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのガラス転移点が比較的低く粘着性のポリマーを形成しうる(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これに架橋点を形成したり、分子間力を高めたり、凝集力を向上させる成分として、アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリルアミドなどの官能基を有する単量体や、ガラス転移点が比較的高いポリマーを形成しうるハードモノマー成分として、スチレン、酢酸ビニルなどの単量体を共重合させた共重合体が使用されている。アクリル系粘着剤用の重合体は、一般に溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法により製造されているが、環境衛生上の問題などにより、溶剤の使用を抑えて製造する方法が求められている。
【0004】
このような要求に対し、有機溶剤や水、乳化剤、分散剤などを使用しない塊状重合法によれば、溶剤の除去が不要なためエネルギーコスト等を低減できる上、不純物を含まないポリマーを得ることができる。しかし、現実には、単量体の種類によっては急激な反応進行に伴う増粘のために温度制御が難しくなって反応が暴走し、重合物の分子量設計が困難である。
【0005】
一方、粘着剤の製造工程だけでなく、粘着剤の塗工工程においても有機溶剤を全く使用しないで、熱溶融させた樹脂を基材上に塗布する方法により塗工しうる粘着剤として、アクリル系ホットメルト型粘着剤が注目されている。しかし、従来のアクリル系ホットメルト型粘着剤は、粘着力、保持力などの粘着特性に劣るという問題がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、分子量分布が狭いポリマーからなり、ホットメルト塗工が可能で、凝集力、粘着力などの粘着特性に優れた紫外線硬化型アクリル系粘着剤を用いた粘着シートの製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、溶剤を用いなくても容易に温度制御可能な方法で製造された、粘着特性に優れた紫外線硬化型アクリル系粘着剤を用いた粘着シートの製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、溶剤を用いなくても製造可能な、粘着力、保持力などの粘着特性に優れた粘着シートの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、希釈剤として二酸化炭素を用いて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体成分をバルク重合させて得られるアクリル系重合体と、紫外線硬化剤を用いることによって、有機溶剤を用いなくても粘着特性に優れた紫外線硬化型アクリル系粘着剤及び粘着シートが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体成分を、重合開始剤と希釈剤としての二酸化炭素の存在下でバルク重合させて得られるアクリル系重合体と、紫外線硬化剤とからなる紫外線硬化型アクリル系粘着剤を、基材の片面又は両面にホットメルト塗工後、紫外線照射により硬化率が40〜95%となるように硬化させることを特徴とする粘着シートの製造方法を提供する。該紫外線硬化型アクリル系粘着剤は、温度160℃における溶融粘度が200Pa・s以下であることが好ましく、また、該粘着剤を構成するアクリル系重合体の重量平均分子量は8万〜50万であることが好ましい。前記紫外線硬化剤には、トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体が好ましく用いられる。前記紫外線硬化型アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体成分、重合開始剤、希釈剤としての二酸化炭素、及び紫外線硬化剤を含む混合物をバルク重合に付して得られる。このとき、単量体成分100重量部に対し、重合開始剤は0.01〜5重量部、紫外線硬化剤は0.05〜5重量部用いられるのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明では、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体成分を、重合開始剤と、希釈剤としての二酸化炭素の存在下でバルク重合させて得られるアクリル系重合体と、紫外線硬化剤とからなる紫外線硬化型アクリル系粘着剤を用いる。
【0012】
単量体成分として用いる(メタ)アクリル酸アルキルエステルには、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが含まれる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどが挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
【0013】
単量体としては、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルのみを用いてもよいが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これと共重合可能な他のモノマーを併用してもよい。前記共重合可能なモノマーの代表的な例として、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体が挙げられる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体の中でも特に好適なのはアクリル酸である。このカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体は重合体に架橋結合を生じさせるのに重要な成分である。他の共重合可能なモノマーとして、酢酸ビニル等のビニルエステル類、スチレン等のスチレン系単量体、アクリロニトリル等のシアノ基含有単量体、(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン等のアミド基含有単量体、ヒドロキシル基含有単量体、エポキシ基含有単量体などのアクリル系粘着剤の改質用モノマーとして知られる各種モノマーのいずれも使用可能である。これらの共重合可能なモノマーの使用量は、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを合わせた総モノマー中、50重量%以下とするのが粘着特性上好ましい。
【0014】
重合反応は、分解してラジカルを生成させる重合開始剤の助けによって行われ、ラジカル重合に用いられる開始剤を使用できる。例を挙げれば、ジベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、ラウロイルパーオキシドなどの有機過酸化物や2,2′−アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスイソバレロニトリルなどのアゾ化合物等が使用できる。
【0015】
重合開始剤の使用量はアクリル系モノマーの重合の際に通常用いられる量でよく、例えば、前記モノマーの総量100重量部に対して、0.01〜5重量部程度、好ましくは0.05〜1重量部程度である。
【0016】
また、重合には連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤を用いることによりアクリル系重合体の分子量を調整することができる。連鎖移動剤としては、慣用の連鎖移動剤、例えば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノールなどが例示できる。これらは単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。連鎖移動剤の使用量は、通常、前記モノマーの総量100重量部に対して0.001〜0.5重量部程度である。
【0017】
本発明において希釈剤として用いられる二酸化炭素の使用量は、前記モノマーの総量100重量部に対して、例えば5〜2000重量部、好ましくは20〜900重量部である。希釈剤としては通常二酸化炭素のみで充分であるが、必要に応じて混合性の改良などのために少量の有機溶媒を含んでいてもよい。
【0018】
本発明の紫外線硬化型アクリル系粘着剤は、紫外線硬化剤を含むことを特徴とする。紫外線硬化剤によれば、得られた粘着剤をホットメルト塗工する際の加熱によっても硬化することなく、硬化後には十分な保持力を有する粘着シートが得られる。具体的には、特にトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体が好適に用いられ、必要に応じて他の紫外線硬化剤を使用してもよく、複数の紫外線硬化剤を併用してもよい。
【0019】
紫外線硬化剤の使用量は、前記アクリル系重合体100重量部に対して、例えば0.1〜5重量部、好適には0.2〜2重量部の範囲である。0.1重量部未満では、粘着剤の硬化不足により、粘着シートとしたときの保持力が十分に得られず、また、5重量部を超えても、粘着シートの保持力や粘着力(タック)が低下するため好ましくない。
【0020】
本発明の紫外線硬化型アクリル系粘着剤は、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体成分、重合開始剤、希釈剤としての二酸化炭素、及び紫外線硬化剤を含む混合物をバルク重合に付すことにより製造できる。重合開始剤は単量体と別個に供給してもよいが、予め単量体と混合した混合液を反応容器に供給してもよい。また、紫外線硬化剤は重合時に添加してもよいが、重合反応終了後の混合液に添加してもよい。
【0021】
反応温度は、例えば50〜100℃、好ましくは55〜90℃程度で行われる。また、反応時間は、例えば10分〜500分、好ましくは60分〜400分、更に好ましくは70〜400分である。反応温度が50℃未満の場合には反応速度が遅く実用的ではない。また、反応温度が100℃を超えると急激に反応が進行して熱架橋が発生したりする。また、反応時間が10分以下の場合には充分な重合率を得ることができず、500分を超えると熱架橋が発生するため好ましくない。
【0022】
重合は、例えば5.73〜50MPa程度の圧力に調整した二酸化炭素(例えば、超臨界状態の二酸化炭素)中で行うことができる。重合の圧力、温度は必要に応じて数段階に設定されてもよい。
【0023】
本発明の方法では、希釈剤として二酸化炭素を用いて単量体をバルク重合させるため、有機溶剤や水を使用する必要がなく、環境衛生上有利であり、生産性が高く、コストも低減できる。また、二酸化炭素の希釈効果により系が終始低粘度に保たれて攪拌効率が向上し、急激な反応の進行に伴う増粘及び反応の暴走を防止でき、容易に反応を制御することができる。さらに、従来の有機溶剤を用いた重合方法と比較し、二酸化炭素はラジカル連鎖移動を生じないため、分子量分布が狭い均質なアクリル系重合体が得られる。このような重合体を含むアクリル系粘着剤は、凝集力及び接着力などの粘着特性に優れている。
【0024】
上記方法により、例えば、重量平均分子量が8万〜50万、好ましくは9万〜40万であるアクリル系重合体が得られる。8万未満では、粘着剤の凝集力が不足するため、粘着シートとしたとき、特に高温雰囲気下の保持力に劣り、また、50万を超えると、溶融粘度が上昇するため粘着剤をホットメルト塗工する際の作業性が低下する傾向にある。このとき、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn))は狭いものが好ましい。このようなアクリル系重合体からなる粘着剤は、粘度が安定であるためホットメルト塗工時の作業性が向上し、均一に塗工することができる。前記アクリル系重合体における重量平均分子量や分子量分布は、例えば、単量体成分の種類や割合、重合開始剤の種類や量、重合条件(反応温度、反応圧力、反応時間等)等を適宜選択することにより調整できる。
【0025】
また、上記方法により得られたアクリル系重合体からなる紫外線硬化型アクリル系粘着剤は、160℃における溶融粘度が例えば200Pa・s以下、好ましくは50〜200Pa・s、さらに好ましくは60〜180Pa・s程度である。200Pa・sを超える場合には、ホットメルト塗工に供する際の塗工作業性が低下しやすい。なお、前記粘着剤の溶融粘度は、例えば、単量体成分の種類や割合、重合開始剤の種類や量、重合条件(反応温度、反応圧力、反応時間等)、重量平均分子量などにより調整される。
【0026】
上記方法により調製された粘着剤は、そのまま使用してもよいが、必要に応じて各種添加剤を添加して使用に供してもよい。例えば前記アクリル系重合体を主粘着性成分とする粘着剤組成物の粘着特性を調整するため、公知乃至慣用の粘着付与樹脂(例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂など)を配合してもよい。また、粘着付与樹脂以外の添加剤として、可塑剤や炭酸カルシウム、微粉末シリカなどの充填剤、着色剤、紫外線吸収剤などの公知の各種添加物を配合することもできる。これらの添加剤の使用量は、いずれもアクリル系粘着剤に適用される通常の量でよい。
【0027】
本発明の粘着シートの製造方法は、前記紫外線硬化型アクリル系粘着剤を、基材の片面又は両面にホットメルト塗工後、紫外線照射により硬化させることを特徴とする。なお、粘着シートの形状は特に限定されず、例えば、粘着テープ、粘着フィルム、粘着ラベルなどの形状であってもよい。
【0028】
基材としては、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリオレフィンフィルム、エチレン−プロピレン共重合体フィルム、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ酢酸ビニルフィルムなどのプラスチックフィルム;クラフト紙などの紙;金属箔などを使用できる。前記プラスチックフィルムは、無延伸フィルム及び延伸(一軸延伸又は二軸延伸)フィルムの何れであってもよい。また、基材の片面又は両面に、粘着剤層の密着力の向上などを目的にコロナ処理やプラズマ処理などの物理的処理、下塗り剤などの化学的処理など、適宜表面処理を施してもよい。基材の厚みは、10〜300μm、好ましくは20〜150μm程度である。
【0029】
ホットメルト塗工は、前記紫外線硬化型アクリル系粘着剤を加熱溶融し、ダイコータなどの慣用のコーターを用いて行われる。加熱溶融する際の温度は、融点以上の温度、例えば130〜180℃程度の温度が好ましい。温度が高すぎる場合には紫外線硬化剤の脱離や劣化などが生じやすいため、できるだけ低温であるのが好ましい。また、塗工作業には、重合直後のアクリル系重合体を含む粘着剤を供することにより、粘着剤や硬化剤の劣化を避けることができる。さらに、このような粘着剤によれば、二酸化炭素を含むため可塑化効果を利用して塗工作業性を向上させることができる。
【0030】
紫外線の照射は、慣用の方法によって行うことができる。紫外線照射により、粘着剤の硬化率が、例えば40〜95%、好ましくは50〜90%程度である粘着剤層を形成することができる。硬化率は、アクリル系重合体の種類、紫外線硬化剤の量、紫外線照射強度、照射時間などにより調整される。
【0031】
本発明の粘着シートの製造方法によれば、アクリル系粘着剤が紫外線硬化剤を含有しているので、この粘着剤を基材上にホットメルト塗工した後、紫外線照射することにより硬化させた粘着剤層が形成されるため、適度な接着力と同時に優れた保持力を有する粘着シートが得られる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、希釈剤として二酸化炭素を用いて(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体成分をバルク重合させ、且つ紫外線硬化剤を添加するため、分子量分布が狭いポリマーからなり、ホットメルト塗工が可能で、凝集力、粘着力などの粘着特性に優れた紫外線硬化型アクリル系粘着剤を得ることができ、このような粘着剤を、溶剤を用いなくても容易に温度制御することができる方法により製造できる。さらに、本発明によれば、溶剤を用いなくても製造可能な、粘着力、保持力などの粘着特性に優れた粘着シートを得ることができ、該粘着シートは、前記粘着剤を基材上にホットメルト塗工する方法により製造できる。
【0033】
【実施例】
以下に、この発明の実施例を記載して、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下において、部とあるのは重量部を、%とあるのは重量%をそれぞれ意味する。なお、得られた重合体の平均分子量及び分子量分布は下記の方法により測定した。
(平均分子量)
ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ法により測定した。値は、ポリスチレンにおける換算値である。
(分子量分布)
ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ法により測定した。重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)により表した。
【0034】
実施例1
アクリル酸n−ブチル100部、アクリル酸5部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(開始剤)0.1部、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン(紫外線硬化剤;商品名「トリアジンPP」、日本シイベルヘグナー(株)製)1部、及び2−メルカプトエタノール(連鎖移動剤)0.05部を、全体が250gとなるように配合して500ml高圧ステンレス容器に投入し、攪拌羽根により攪拌しながら、25℃の温度下、二酸化炭素を供給して圧力2MPaに保持し、数秒後、排出口から二酸化炭素を排出して、高圧容器中に残存する空気を二酸化炭素で置換した。同様にして25℃下、二酸化炭素を供給して圧力7MPaに保持した。その後、容器を加温して、65℃に到達した時点でもう一度二酸化炭素を投入して内部圧力を20MPaに調節し、約6時間重合を進行させて、塊状重合物を得た。
この結果、重量平均分子量41万、Mw/Mn=2.9のアクリル系ポリマーが得られた。得られたポリマーは、160℃における溶融粘度が121Pa・sであった。なお、単量体の転化率は90.9%であった。
得られたポリマーをそのまま紫外線硬化型粘着剤として、170℃に加熱したダイコータを用いて、ポリエステルフィルム(基材)上に溶融塗工した後、1J/cm3の紫外線を照射して硬化処理し、硬化率89.8%、厚さ70μmの粘着剤層を有する粘着テープを得た。
【0035】
実施例2
実施例1において、トリアジンPP(紫外線硬化剤)を0.5部用い、重合時間を2時間とした以外は、実施例1と同様の操作で反応を行い、塊状重合物を得た。
この結果、重量平均分子量27万、Mw/Mn=2.6のアクリル系ポリマーが得られた。得られたポリマーは、160℃における溶融粘度が90Pa・sであった。なお、単量体の転化率は84.2%であった。
得られたポリマーをそのまま紫外線硬化型粘着剤として、170℃に加熱したダイコータを用いて、ポリエステルフィルム(基材)上に溶融塗工した後、3J/cm3の紫外線を照射して硬化処理し、硬化率79.6%、厚さ70μmの粘着剤層を有する粘着テープを得た。
【0036】
実施例3
実施例1において、トリアジンPPを0.2部用いた以外は、実施例1と同様の操作で反応を行い、塊状重合物を得た。
この結果、重量平均分子量31万、Mw/Mn=2.7のアクリル系ポリマーが得られた。得られたポリマーは、160℃における溶融粘度が165Pa・sであった。なお、単量体の転化率は85.0%であった。
得られたポリマーをそのまま紫外線硬化型粘着剤として、170℃に加熱したダイコータを用いて、ポリエステルフィルム(基材)上に溶融塗工した後、3J/cm3の紫外線を照射して硬化処理し、硬化率56.5%、厚さ70μmの粘着剤層を有する粘着テープを得た。
【0037】
比較例1
実施例1において、トリアジンPPを用いなかった点及び高圧容器へのモノマー等の全供給量を400gとした点以外は、実施例1と同様の操作で反応を行い、塊状重合物を得た。
この結果、重量平均分子量24万、Mw/Mn=9.3のアクリル系ポリマーが得られた。得られたポリマーは、160℃における溶融粘度が44Pa・sであった。なお、単量体の転化率は86.8%であった。
得られたポリマーをそのまま紫外線硬化型粘着剤として、140℃に加熱したダイコータを用いて、ポリエステルフィルム(基材)上に溶融塗工した後、1J/cm3の紫外線を照射して硬化処理し、硬化率2.6%、厚さ70μmの粘着剤層を有する粘着テープを得た。
【0038】
評価試験
(接着力)
実施例及び比較例で得た粘着テープ(幅10mm)を、50mm×125mmで厚み2mmの金属(SUS304)板に、2kgのゴムローラーを1往復して圧着し、30分間放置した後、剥離速度300mm/minで剥離して金属板に対する接着力(N/10mm幅)を測定した。結果を表1の「接着力」の欄に示す。
【0039】
(保持力)
幅10mmの粘着テープをベークライト板に対し10mm×20mmの接触面積で貼り付け、30分経過後ベークライト板を垂下し、粘着テープの自由端に500gの均一荷重を負荷して、40℃で放置したときの粘着シートのずれが生じるまでの時間(min)と、ずれた距離(mm)を測定した。結果を表1の「保持力」の「時間」及び「距離」欄に示す。なお、荷重して2時間以上経過してもずれが生じなかった場合には、表中、「時間」の欄には「120<」、「距離」の欄には「0」と示した。
【0040】
【表1】
Figure 0004151830
実施例1〜3の粘着テープは、適度な接着力を有し、且つ、ベークライト板に対して少なくとも2時間は接着力が保持され、2時間後のずれた距離もわずかな範囲に抑えることができるため、高い保持力を発揮することができた。これに対し、比較例1の粘着テープは、接着力は十分に有しているが、対ベーク板保持時間は0分であって、粘着テープとしての性能を全く発揮することができなかった。

Claims (7)

  1. (メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体成分を、重合開始剤と希釈剤としての二酸化炭素の存在下でバルク重合させて得られるアクリル系重合体と、紫外線硬化剤とからなる紫外線硬化型アクリル系粘着剤を、基材の片面又は両面にホットメルト塗工後、紫外線照射により硬化率が40〜95%となるように硬化させることを特徴とする粘着シートの製造方法
  2. 紫外線硬化型アクリル系粘着剤の温度160℃における溶融粘度が200Pa・s以下である請求項1記載の粘着シートの製造方法。
  3. アクリル系重合体の重量平均分子量が8万〜50万である請求項1記載の粘着シートの製造方法。
  4. 紫外線硬化剤がトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体である請求項1記載の粘着シートの製造方法。
  5. 紫外線硬化型アクリル系粘着剤が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体成分、重合開始剤、希釈剤としての二酸化炭素、及び紫外線硬化剤を含む混合物をバルク重合に付して得られる紫外線硬化型アクリル系粘着剤である請求項1記載の粘着シートの製造方法。
  6. 単量体成分100重量部に対して重合開始剤を0.01〜5重量部を用いる請求項5記載の粘着シートの製造方法。
  7. 単量体成分100重量部に対して紫外線硬化剤を0.05〜5重量部用いる請求項5記載の粘着シートの製造方法。
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