JP4368710B2 - アクリル系重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の他の目的は、重量平均分子量が10万以下の低分子量のアクリル系重合体が重合反応系内に含まれていても、重合反応速度の低下や重量平均分子量の低下を生じさせずに、高分子量のアクリル系重合体を容易に製造することができる高分子量のアクリル系重合体の製造方法、および該製造方法により得られる高分子量のアクリル系重合体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、改質剤として、重量平均分子量が10万以下の低分子量のアクリル系重合体を含有していても、優れた凝集力を発揮するアクリル系粘着剤組成物を優れた生産性で製造することができるアクリル系粘着剤組成物を製造する方法、および該製造方法により得られるアクリル系粘着剤組成物を提供することにある。
なお、本明細書では、上記の発明のほか、重量平均分子量が10万以下の低分子量のアクリル系重合体を製造する方法であって、希釈剤として二酸化炭素を用い、単量体主成分としてアクリル系単量体を含有する単量体成分をラジカル重合させることにより、低分子量のアクリル系重合体を製造することを特徴とする低分子量のアクリル系重合体の製造方法、及びこの製造方法により得られる低分子量のアクリル系重合体についても説明する。
本発明の重量平均分子量が10万以下の低分子量のアクリル系重合体(「低分子アクリル系重合体」と称する場合がある)は、希釈剤として二酸化炭素を用いて、単量体主成分としてアクリル系単量体(アクリル系モノマー)を含有する単量体成分(モノマー成分)をラジカル重合させることにより、製造されている。すなわち、本発明では、溶液重合方法、乳化重合方法、懸濁重合方法、塊状重合方法などの一般的な重合方法を利用しておらず、二酸化炭素を希釈剤としたラジカル重合方法を利用している。このように、二酸化炭素を希釈剤として用いて、二酸化炭素中でラジカル重合を行っているので、例えば、溶液重合の場合のように、有機溶剤を用いなくてもよく、有機溶剤の回収や処理が必要でない。しかも、有機溶剤を用いなくてもよいので、環境問題の観点からも良好である。
単量体成分としては、単量体主成分としてアクリル系単量体を用いていればよい。アクリル系単量体等の単量体成分としては、親水性又は疎水性のいずれの特性を有していてもよく、また、該単量体成分の重合により得られるアクリル系重合体のガラス転移温度も高くても(例えば、100℃を超える温度であっても)、低くても(例えば、0℃未満の温度であっても)よい。単量体成分は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
アクリル系単量体のラジカル重合の際には、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、特に制限されず、通常のラジカル重合の際に用いられる重合開始剤から適宜選択して用いることができ、例えば、熱分解型重合開始剤や、紫外線等の光線により分解する光開始剤(光重合開始剤)などが挙げられる。熱分解型重合開始剤としては、例えば、40℃〜100℃の温度で重合を行う場合は、ベンゾイルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカンの過酸化物系重合開始剤や、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン、ジメチル−2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート等のアゾ系重合開始剤などを用いることができる。また、20℃〜40℃の温度で重合を行う場合は、ベンゾイルパーオキサイドとジメチルアニリンとの2元系開始剤(レドックス系開始剤)などが挙げられる。また、光開始剤としては、下記に示されるような光重合開始剤(例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなど)を用いることができる。なお、光開始剤の開始剤分解速度は、重合温度の影響をほとんど受けないので、重合開始剤として光開始剤を用いた場合、重合温度は、実質的にどのような温度であってもよい。
本発明では、二酸化炭素を希釈剤として用いている。二酸化炭素の使用量としては、特に制限されず、例えば、全単量体成分100重量部に対して5重量部以上(5〜2000重量部)の範囲から選択することができ、好ましくは20〜900重量部である。希釈剤としては、通常は、二酸化炭素のみで十分であるが、必要に応じて、混合性の改良等のために、少量の有機溶剤(例えば、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル)などが用いられていてもよい。
本発明では、単量体主成分としてアクリル系単量体を含有する単量体成分と、重合開始剤と、希釈剤としての二酸化炭素と、必要に応じて連鎖移動剤との混合物中を重合に付すことにより、低分子アクリル系重合体を製造することができる。重合開始剤は、単量体成分と別個に反応容器に供給してもよいが、予め単量体成分と混合した混合物の状態で反応容器に供給してもよい。また、連鎖移動剤も重合開始剤と同様に、単量体成分と別個に、又は予め単量体成分と混合した混合物の状態で、反応容器に供給することができる。
本発明の重量平均分子量が10万を超える高分子量のアクリル系重合体(「高分子アクリル系重合体」と称する場合がある)は、(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも含有する単量体成分と、前記低分子アクリル系重合体とを含む単量体組成物に、活性エネルギー光線を照射して、光重合させることにより、製造されている。このように、高分子アクリル系重合体を調製する際の重合反応系内に重量平均分子量が10万以下の低分子量のアクリル系重合体が含まれていても、該低分子量のアクリル系重合体が、前述のような二酸化炭素を希釈剤として用いたラジカル重合反応により調製された低分子アクリル系重合体であるので、重合反応速度の低下や重量平均分子量の低下を生じさせずに、高分子アクリル系重合体を容易に製造することができる。
GPCの測定条件
・サンプル濃度:0.1重量%(テトラヒドロフラン溶液)
・サンプル注入量:100μl
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流量(流速):0.5mL/min
・カラム温度(測定温度):40℃
・カラム:商品名「TSK GEL GMHHR−H(20)」(東ソー株式会社製)を2本連結
・検出器:示差屈折計
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、アクリル系重合体を主成分として含有するアクリル系粘着剤組成物であり、(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも含有する単量体成分と、前記低分子アクリル系重合体とを含む単量体組成物に、活性エネルギー光線を照射し光重合させて、高分子アクリル系重合体を調製することにより、製造されている。なお、このアクリル系粘着剤組成物における低分子アクリル系重合体は、前記低分子アクリル系重合体の項に記載の低分子アクリル系重合体と同様である。また、アクリル系粘着剤組成物における高分子アクリル系重合体は、前記高分子アクリル系重合体の項に記載の高分子アクリル系重合体と同様である。
エネルギー線硬化型粘着剤層は、前記アクリル系粘着剤組成物により形成されている。エネルギー線硬化型粘着剤層の厚みとしては、特に制限されず、例えば、5〜3000μm(好ましくは10〜300μm、さらに好ましくは20〜100μm)の範囲から選択することができる。
エネルギー線硬化型粘着テープ又はシートが、基材を有している場合、基材としては、特に制限されず、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体(特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など)等の適宜な薄葉体を用いることができる。基材としては、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチックのフィルムやシートにおける素材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが挙げられる。これらの素材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
エネルギー線硬化型粘着テープ又はシートが、前記エネルギー線硬化型粘着剤層以外の粘着剤層を有している場合、該粘着剤層としては、公知の粘着剤(例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤など)を用いて、公知の粘着剤層の形成方法を利用して形成することができる。また、粘着剤層の厚みは、特に制限されず、目的や使用方法などに応じて適宜選択することができる。
モノマー成分として、ブチルアクリレート:95重量部と、アクリル酸:5重量部と、光重合開始剤として、商品名「イルガキュアー651」(チバ・スペシャリティー・ケミカル社製):0.35重量部、および商品名「イルガキュアー184」(チバ・スペシャリティー・ケミカル社製):0.35重量部とを、4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で紫外線(UV)に暴露して、単量体成分の一部を光重合させることによって、重合率が10%である部分的に重合された組成物(部分重合モノマーシロップ)を作製した。
シクロヘキシルメタクリレート:250重量部、2−メルカプトエタノール:7.5重量部、および商品名「パーブチルO」(日本油脂株式会社製):2.5重量部を、25℃の状態で、ステンレス製高圧容器(内容量:500mL)に投入し、蓋をして撹拌羽根により撹拌しながら、高圧容器の上部のガス供給口を開けて徐々に高純度の二酸化炭素を流し込み、高圧容器内の圧力(内圧)が2MPaになった時点で、一旦その状態を保持した。数秒後、高圧容器の上部の排出口を開けて、二酸化炭素を排出しながら高圧容器内を常圧まで戻した。この二酸化炭素の供給及び排出の操作を5回繰り返して、高圧容器内に残存する空気を二酸化炭素で置換した。この二酸化炭素の置換操作のあと、前記と同様にして、25℃の状態で、高純度の二酸化炭素を高圧容器内に供給(投入)し、一旦7MPaの圧力に保持した。その後、高圧容器内の温度(内部温度)を70℃まで上昇させるため、外浴電気ヒーターを加熱した。内部温度を上昇させながら、二酸化炭素を供給することで、段階的に内圧を上げていき、最終的に内部温度が70℃に達した時点で内圧を25MPaに調整した。この状態で、10時間保持して重合を行った。
イソボルニルアクリレート:250重量部、2−メルカプトエタノール:7.5重量部、および商品名「パーヘキシルD」(日本油脂株式会社製):2.5重量部を、25℃の状態で、ステンレス製高圧容器(内容量:500mL)に投入し、蓋をして撹拌羽根により撹拌しながら、高圧容器の上部のガス供給口を開けて徐々に高純度の二酸化炭素を流し込み、高圧容器内の圧力(内圧)が2MPaになった時点で、一旦その状態を保持した。数秒後、高圧容器の上部の排出口を開けて、二酸化炭素を排出しながら高圧容器内を常圧まで戻した。この二酸化炭素の供給及び排出の操作を5回繰り返して、高圧容器内に残存する空気を二酸化炭素で置換した。この二酸化炭素の置換操作のあと、前記と同様にして、25℃の状態で、高純度の二酸化炭素を高圧容器内に供給(投入)し、一旦7MPaの圧力に保持した。その後、高圧容器内の温度(内部温度)を70℃まで上昇させるため、外浴電気ヒーターを加熱した。内部温度を上昇させながら、二酸化炭素を供給することで、段階的に内圧を上げていき、最終的に内部温度が70℃に達した時点で内圧を25MPaに調整した。この状態で、10時間保持して重合を行った。
シクロヘキシルメタクリレート:200重量部、2−メルカプトエタノール:6重量部、アゾビスイソブチロニトリル:0.6重量部を、200重量部のトルエン中に混合した混合物を、4つ口フラスコに投入し、この混合物(反応液)を撹拌しながらフラスコ内に窒素を吹き込み窒素雰囲気にした後、フラスコをウォーターバスを用いて加温して、反応液温度を70℃に6時間維持した。その後、ウォーターバスの温度を80℃に設定して、反応液温度を80℃に昇温させて1時間維持した、その後に、室温まで冷却して、シクロヘキシルメタクリレートをモノマー主成分とするアクリル系重合体(シクロヘキシルメタクリレート系重合体)のトルエン溶液を得た。
シクロヘキシルメタクリレート:200重量部を4つ口フラスコに投入し、撹拌しながらフラスコ内に窒素を吹き込み窒素雰囲気にした。オイルバスを用いて、フラスコ内のシクロヘキシルメタクリレート液(反応液温度)を90℃まで昇温し、その後に、2−メルカプトエタノール:6重量部を添加した。2−メルカプトエタノールの添加から液温が130℃程度までゆっくりと上昇し、それに伴って、反応液には粘性がついてきて粘度が高くなってきた。液温の上昇が止まったのを確認してオイルバスを130℃まで上昇させた。その後、1時間ごとにオイルバスの設定温度を10℃ずつ高くしていき、オイルバス設定温度が180℃になった後、1時間攪拌を続けた。次に、フラスコ中への窒素の吹き込みを停止し、オイルバスでの180℃の加温状態を維持しながら、減圧ポンプ(真空ポンプ)により徐々にフラスコ内を減圧していった。減圧により発生した留出物を取り除きながら、フラスコ内が3hPaとなってから、さらに2時間攪拌を続けて、留出物を除去しつづけた。次に、減圧ポンプを停止させ、フラスコ内に窒素を吹き込んで常圧まで戻した。これを、高温状態のままでフラスコからステンレス製の平皿に流し込み、室温まで自然冷却した。冷却後に、ガラス状に硬まったシクロヘキシルメタクリレート系重合体をハンマーによって粉砕して、ステンレスバットより取り出した。この得られたシクロヘキシルメタクリレート系重合体の重量平均分子量(Mw)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定によって求めたところ、3900であった。また、ガスクロマトグラフィー(GC)測定により、残存成分を測定したところ、モノマー成分としてのシクロヘキシルメタクリレートが2.3重量%、2−メルカプトエタノールは検出限界以下(0.01重量%以下)であった。
シクロヘキシルメタクリレート:200重量部を4つ口フラスコに投入し、撹拌しながらフラスコ内に窒素を吹き込み窒素雰囲気にした。オイルバスを用いて、フラスコ内のシクロヘキシルメタクリレート液(反応液温度)を90℃まで昇温し、その後に、2−メルカプトエタノール:6重量部を添加した。2−メルカプトエタノールの添加から液温が130℃程度までゆっくりと上昇し、それに伴って、反応液には粘性がついてきて粘度が高くなってきた。液温の上昇が止まったのを確認してオイルバスを130℃まで上昇させた。その後、1時間ごとにオイルバスの設定温度を10℃ずつ高くしていき、オイルバス設定温度が180℃になった後、そのまま3時間攪拌を続けた。次に、これを高温状態のままフラスコからステンレス製の平皿に流し込み、室温まで自然冷却した。冷却後に、ガラス状に硬まったシクロヘキシルメタクリレート系重合体をハンマーによって粉砕して、ステンレスバットより取り出した。この得られたシクロヘキシルメタクリレート系重合体の重量平均分子量(Mw)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定によって求めたところ、3900であった。また、ガスクロマトグラフィー(GC)測定により、残存成分を測定したところ、モノマー成分としてのシクロヘキシルメタクリレートが11重量%、2−メルカプトエタノールは0.12重量%であった。
GPCの測定条件
・サンプル濃度:0.1重量%(テトラヒドロフラン溶液)
・サンプル注入量:100μl
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流量(流速):0.5mL/min
・カラム温度(測定温度):40℃
・カラム:商品名「TSK GEL GMHHR−H(20)」(東ソー株式会社製)を2本連結
・検出器:示差屈折計
GCの測定条件
・カラム:DB−1 1.5μm(0.544mmφ×30M)
・キャリアーガス:He(ヘリウム) 12.0ml/min(定流モード)
・カラムヘッド圧:52kPa(40℃)
・注入口:スプリット(スプリット比2.5:1、150℃)
・カラム温度:最初に40℃で3分間保持し、その後、10℃/minの昇温速度で260℃まで昇温していき、260℃で5分間保持する
・検出器:FID(温度:280℃)
実施例1〜2および比較例1〜3で得られた接着力・保持力測定用粘着テープ又はシートおよび重合率・ゲル分率測定用粘着テープ又はシート(重合率測定用粘着テープ又はシート、ゲル分率測定用粘着テープ又はシート)の評価用の粘着テープ又はシートを用いて、重合率、ゲル分率、接着力、保持力を、下記の測定方法又は評価方法により評価した。なお、評価結果は、表1に示した。
各実施例、各比較例に係る重合率測定用粘着テープ又はシートから、セパレータおよびカバーフィルムを剥離させて得られる紫外線硬化型粘着剤層の重量(初期重量)を測定し、この初期重量を「X1」とする。次に、初期重量の測定後、130℃で2時間乾燥させて重量(乾燥後重量)を測定し、この乾燥後重量を「X2」とする。このようにして測定された初期重量X1と、乾燥後重量X2とを用いて、下記式(1)を利用して、重合率(%)を算出した。
重合率(%)=(X2/X1)×100 (1)
各実施例、各比較例に係るゲル分率測定用粘着テープ又はシートから、セパレータおよびカバーフィルムを剥離させて得られる紫外線硬化型粘着剤層から0.1g程度の紫外線硬化型粘着剤層を切断して小片を取り出し、該小片の紫外線硬化型粘着剤層を秤量し、この重量を「浸漬前重量」と称する。その後、この小片の紫外線硬化型粘着剤層を酢酸エチル(約30g)中に7日間浸漬させた。次に、酢酸エチルに溶解しなかったゲル分(粘着剤分)を取り出し、130℃で2時間乾燥した後、秤量し、この重量を「浸漬後重量」と称する。このようにして測定された浸漬前重量と、浸漬後重量とを用いて、下記式(2)を利用して、ゲル分率(%)を算出した。
ゲル分率(%)=(浸漬後重量/浸漬前重量)×100 (2)
各実施例、各比較例に係る接着力・保持力測定用粘着テープ又はシートを、幅が20mm、長さが150mmとなるように切断して、接着力用試験片を作製した。この接着力用試験片を用いて、JIS Z 0237に準じて、接着力を測定した。具体的には、前記接着力用試験片を、23℃の温度下で、被着体であるステンレス板(表面は、#280サンドペーパーにより研磨済み)の上に、2kgのローラーを1往復させる方法により貼り合わせた。貼り合わせから30分経過後に、引張試験機にて剥離角度:180°、引張り速度:300mm/分で、接着力(N/20mm)を測定した。
各実施例、各比較例に係る接着力・保持力測定用粘着テープ又はシートを、幅が10mm、長さが150mmとなるように切断して、保持力用試験片を作製した。この保持力用試験片を用い、また、被着体としてベークライト樹脂板を用いて、JIS Z 0237に準じて、接着力を測定した。具体的には、前記保持力用試験片を、10mm×20mmの面積で、ベークライト樹脂板の端に、2kgのローラーを1往復させる方法により貼り合わせた。保持力用試験片のうち、ベークライト樹脂板に貼り合わせられていない部分(長さが130mmの部分)は、粘着面を内側にして折り重ねた。23℃で30分以上経過した後、80℃に温調(温度調整)された恒温槽付き保持力試験機に、保持力用試験片が垂直に垂れ下がるように取り付け、30分経過後に、折り重ねた部分の端に、500gの重りによる荷重をかけた。その後、1時間経過後に、保持力用試験片がずれた距離を測定し、このずれた距離により、保持力を評価した。なお、落下した場合は、荷重をかけた後に落下した時間を求めた。従って、前記ずれた距離が短いほど保持力は良好である。
Claims (5)
- 重量平均分子量が10万を超える高分子量のアクリル系重合体を製造する方法であって、(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも含有する単量体成分(a)と、希釈剤として二酸化炭素を用い、単量体主成分としてアクリル系単量体を含有する単量体成分をラジカル重合させることにより、重量平均分子量が1000〜50000の低分子量のアクリル系重合体を調製した後、二酸化炭素を利用して、反応混合物から残存物を取り除き、前記低分子量のアクリル系重合体を分離することにより得られる該重量平均分子量が1000〜50000の低分子量のアクリル系重合体(b)とを含む単量体組成物に、活性エネルギー光線を照射して、光重合させることにより、重量平均分子量が10万を超える高分子量のアクリル系重合体を製造することを特徴とする高分子量のアクリル系重合体の製造方法。
- 重量平均分子量が10万を超える高分子量のアクリル系重合体であって、請求項1記載の高分子量のアクリル系重合体の製造方法により得られたことを特徴とする高分子量のアクリル系重合体。
- アクリル系重合体を主成分として含有するアクリル系粘着剤組成物を製造する方法であって、(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも含有する単量体成分(a)と、希釈剤として二酸化炭素を用い、単量体主成分としてアクリル系単量体を含有する単量体成分をラジカル重合させることにより、重量平均分子量が1000〜50000の低分子量のアクリル系重合体を調製した後、二酸化炭素を利用して、反応混合物から残存物を取り除き、前記低分子量のアクリル系重合体を分離することにより得られる該重量平均分子量が1000〜50000の低分子量のアクリル系重合体(b)とを含む単量体組成物に、活性エネルギー光線を照射し光重合させて、重量平均分子量が10万を超える高分子量のアクリル系重合体を調製することにより、アクリル系粘着剤組成物を製造することを特徴とするアクリル系粘着剤組成物の製造方法。
- アクリル系重合体を主成分として含有するアクリル系粘着剤組成物であって、請求項3記載のアクリル系粘着剤組成物の製造方法により得られたことを特徴とするアクリル系粘着剤組成物。
- エネルギー線硬化型粘着剤層を有するエネルギー線硬化型粘着テープ又はシートであって、前記エネルギー線硬化型粘着剤層が、請求項4に記載のアクリル系粘着剤組成物により形成されていることを特徴とするエネルギー線硬化型粘着テープ又はシート。
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