JP3117516B2 - 光重合性組成物及びこの組成物より得られる粘弾性製品 - Google Patents

光重合性組成物及びこの組成物より得られる粘弾性製品

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JP3117516B2 JP03344463A JP34446391A JP3117516B2 JP 3117516 B2 JP3117516 B2 JP 3117516B2 JP 03344463 A JP03344463 A JP 03344463A JP 34446391 A JP34446391 A JP 34446391A JP 3117516 B2 JP3117516 B2 JP 3117516B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリレート系の光重
合性組成物に関し、さらに詳しくは、高速反応条件にお
いても高性能を発現できる光重合組成物の配合、ならび
にそれより得られた粘弾性製品に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系ポリマーからなる粘弾性製品
として、例えば、アクリル系粘着剤、アクリル系粘着テ
ープ、アクリル系粘着シート、両面粘着テープ、発泡体
類の粘着加工製品などがよく知られている。
【0003】アクリル系粘着剤は、アクリル系ポリマー
を主成分としているため、耐光性、耐候性、耐油性など
に優れており、また、プラスチックフィルムや紙などを
表面基材としたアクリル系粘着テープは、粘着力、凝集
力などの粘着性能、および耐熱性、耐候性などの耐老化
性能に優れているため、広く使用されている。
【0004】これらの粘弾性製品として代表的なアクリ
ル系粘着テープを例にとると、該粘着テープは、一般
に、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタク
リル酸エステルなどのアクリレート系モノマーを主成分
とするモノマー組成物を、有機溶剤で溶液重合して得ら
れる粘着剤溶液、または、水系で乳化重合して得られる
エマルジョンを、基材に塗布または含浸し、これを加熱
乾燥して製造されている。
【0005】上記の製造方法のうち、粘着剤溶液を用い
る場合は、基材に塗布または含浸した粘着剤溶液を高温
で乾燥するのに多大なエネルギーが消費され、また、溶
剤による大気汚染を防止するために、大規模な回収装置
が必要である。しかも、溶剤は引火しやすいため、安全
保持のために充分な安全装置を必要とする。
【0006】一方、エマルジョンを用いる場合は、水を
蒸発させるには、溶剤を用いる場合よりもさらに大きな
エネルギーを必要とし、また、性能面でも重合時に混入
する乳化剤により耐水性が低下する。しかも、水溶性モ
ノマーが使用できないため、モノマー種が限定され、粘
着テープに要求される多種多様なニーズへの対応性が乏
しいという欠点があった。
【0007】このようなテープ製造方法の問題を解決す
るための方法として、アクリレート系モノマーを基材に
塗布したのちに、アクリル系モノマーを光によって現場
重合する製造方法が提案されている。この方法によれ
ば、特開平1−121386号公報および特開平2−1
8486号公報に記載されているように、溶剤を用いる
ことなく粘着テープを製造できるため、前記の有機溶剤
または水の使用に伴う問題点は解消される。
【0008】これらにおいては、配合組成物の約95%
以上が単官能不飽和ビニル化合物であり、そのモノマー
は低蒸発性で、しかも粘着性能を発揮するものでなけれ
ばならないという制約条件がある。このようなモノマー
配合系としては、アルキルアクリレートとカルボキシル
基含有モノマーやビニルピロリドンとの複合系が一般的
である。ビニルピロリドンは、光現場重合をする際に光
重合反応を促進するという好ましい効果を有するのみな
らず、最終的に得られる粘着テープの粘着性能を高める
という特長を有するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ビニル
ピロリドンは蒸発性が高く重合反応の際に蒸発し、この
蒸発を制御することは製造工程上非常に困難であり、そ
の結果、粘着性能の優れた粘着テープを安定的に製造す
ることができないという問題点があった。
【0010】また、光現場重合法では、作業者がモノマ
ーを塗工工程で直接取り扱う可能性があり、ビニルピロ
リドンは蒸発性が高いので、作業者がこの蒸気を吸入す
る危険性があり、作業者の健康衛生が害されるという恐
れもあった。
【0011】本発明の目的は、光重合開始剤を含み、溶
剤を実質的に含まない粘弾性製品製造用の光重合性組成
物であって、優れた粘着性能を有するアクリル系粘弾性
製品を安定的にかつ安全に製造することができる新規な
光重合性組成物を提供することにある。
【0012】本発明の今1つの目的は、該光重合性組成
物を用いた粘着性を有するアクリル系粘弾性製品を提供
することにある。
【0013】本発明者は、鋭意研究した結果、モノマー
成分として、アクリレート系モノマー(a) とビニル化合
物系モノマー(b) に、蒸発性の低いアクリロイルモルフ
ォリンを第三の不可欠成分として含有せしめることによ
り、上記目的を達成できることを見出だし、その知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、(a) アルキル基の炭素数が1〜12であるアクリ
ル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエス
テルよりなる群から選択される少なくとも1種のアクリ
レート系モノマー60〜98重量%と、(b) アクリレ
ート系モノマー(a) と共重合可能な不飽和二重結合を有
するビニル化合物系モノマー2〜40重量%と、(c)
アクリレート系モノマー(a) とビニル化合物系モノマー
(b) の総和100重量部に対して、アクリロイルモルフ
ォリン2〜20重量部と、(d) 光重合開始剤0.00
1〜5重量部とを含む光重合性組成物が提供せられる。
【0015】また、本発明によれば、上記組成物に紫外
線を照射することによって得られる粘着性を有するアク
リル系粘弾性製品が提供せられる。
【0016】以下、本発明による光重合性組成物を構成
する各成分および同組成物の光重合方法について説明す
る。
【0017】アクリレート系モノマー(a) アクリレート系モノマー(a) は本発明組成物のモノマー
主成分であり、公知の光重合アクリル粘弾性製品の製造
に用いられるものである。
【0018】アクリレート系モノマーとしては、アルキ
ル基の炭素数が1〜12、好ましくは4〜12のアクリ
ル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエス
テルが用いられる。これらのアクリレート系モノマーの
具体例としては、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニルなどを
挙げることができる。
【0019】これらモノマーは、それぞれ単独でまたは
2種以上を組み合わせて用いられる。粘着性と凝集性の
バランスなどから、通常、ホモポリマーのガラス転移温
度が−50℃以下のアクリル酸アルキルエステルを主成
分とし、コモノマーとして、低級アルキル基の(メタ)
アクリル酸エステルや下記のビニル系モノマーを用いる
ことが好ましい。
【0020】本発明において、アクリレート系モノマー
(a) の配合割合は、60〜98重量%であり、好ましく
は80〜97重量%である。
【0021】ビニル系モノマー(b) アクリレート系モノマーと共重合可能な他のビニル系モ
ノマー(b) としては、カルボキシル基のような強い極性
基や中程度の極性官能基を有することにより粘着剤の界
面接着力を高めるモノマーが好ましく、また、蒸発性の
高いモノマーは、光重合の際に表層部と内部との組成差
が生じ性能低下を引き起こすので、蒸発性の低いモノマ
ーが好ましい。
【0022】このようなモノマーとしては、カルボキシ
エチルアクリレート、ω−カルボキシポリカルボラクト
ン−モノアクリレート、コハク酸モノヒドロキシエチル
アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒ
ドロフタル酸を挙げることができる。これらの極性ビニ
ル系モノマーの中で特に好ましいものはカルボキシエチ
ルアクリレートである。このモノマーは、上記の性能を
満足するのみならず、重合反応性が高いので好ましい。
【0023】また、ガラス転移温度の低い重合体を形成
するビニル系モノマー、例えば、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールアクリレート、ふっ素ア
クリレート、シリコンアクリレートなどのビニル系モノ
マーも用いることができる。
【0024】これらモノマーの品質としては、粘着性に
悪影響を及ぼす多官能不飽和化合物を不純物として過剰
に含まないことが必要である。ビニル系モノマー中の多
官能不飽和化合物の不純物含有量は、ビニル系モノマー
に対して1重量%以下であることが必要である。多官能
不飽和化合物の含有量がこれより高い場合は、得られる
粘着剤の架橋度が高くなり過ぎるために、種々の粘着物
性のバランスを得ることが困難となる。
【0025】本発明において、ビニル系モノマー(b) の
配合割合は、2〜40重量%であり、好ましくは2.5
〜10重量%である。
【0026】アクリロイルモルフォリン(c) 本発明においては、上記のアクリレート系モノマー(a)
とビニル化合物系モノマー(b) に加え、アクリロイルモ
ルフォリンを第3の不可欠成分として配合する。アクリ
ロイルモルフォリンの配合により、粘着剤の粘性を高
め、中程度の極性をポリマー中に導入することによって
界面接着力を向上させることができる。
【0027】本発明において、アクリロイルモルフォリ
ン(c) の配合割合は、アクリレート系モノマー(a) とビ
ニル化合物系モノマー(b) の総和100重量部に対し
て、2〜20重量部である。20重量部以上配合する
と、粘着力は向上するが、粘着剤のガラス転移温度を高
め低温時の初期粘着力を低下させる。好ましい配合割合
は3〜10重量部である。
【0028】光重合開始剤(d) 単官能光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロ
ピル)ケトン[ダロキュアー2959:メルク社製];
α−ヒドロキシ−α,α' −ジメチルアセトフェノン
[ダロキュアー1173:メルク社製];メトキシアセ
トフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセト
フェノンなどのアセトフェノン系開始剤;ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどの
ベンゾインエーテル系開始剤;ベンジルジメチルケター
ルなどのケタール系開始剤;その他、ハロゲン化ケト
ン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナートな
どを例示することができる。
【0029】本発明において、光重合開始剤(d) の配合
割合は、アクリレート系モノマー(a) とビニル化合物系
モノマー(b) の総和100重量部に対して、0.001
〜5重量部であり、好ましい配合割合は0.1〜5重量
部である。
【0030】光重合反応において、光照射するランプ強
度が一定条件の場合、得られるポリマーの分子量は配合
する開始剤量の平方根に反比例する。言い換えれば、目
的とする粘着剤ポリマーの分子量は開始剤量で制御する
ことができる。
【0031】架橋剤 本発明の光重合性組成物においては、耐熱性や高温での
凝集力を増加させるために、上記の光重合開始剤ととも
に、多官能ビニル化合物を架橋剤として含有させること
が好ましい。
【0032】このような架橋剤としては、例えば、ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、その他エポキシアクリレート、
ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなど
を挙げることができる。
【0033】かかる架橋剤は、一般に、前記モノマー成
分100重量部に対して、5重量部以下配合させる。光
重合反応において、ポリマー分子間に架橋結合が生じ、
粘弾性製品の耐熱性が向上する。粘弾性製品が粘着テー
プの場合には、高温での凝集力が増加し、高温での保持
力が向上する。
【0034】曲面を有する被着体に対する粘着テープの
剥がれ抵抗性は主にその粘着剤の架橋度に依存してお
り、ゲル分率として70%以下の場合においてこの曲面
接着性能が発揮される。また、高温領域での剪断方向の
荷重に対するテープの剥がれ抵抗性は粘着剤のゲル分率
が50%以上の場合に高性能となる。従って一般には、
このゲル分率のレベルが50〜70%となるように架橋
剤の配合量が決められる。しかし特定用途の場合には、
ゲル分率のレベルが上記と異なることもある。
【0035】粘着付与樹脂(タッキファイアー) 本発明による光重合性組成物には、粘着付与樹脂と呼ば
れるタッキファイアーを配合することが好ましい。
【0036】本発明で用いられるタッキファイアーとし
ては、ロジン系樹脂、変成ロジン系樹脂、テルペン樹
脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変成テルペン樹
脂、C5 およびC9 系石油樹脂、クマロン樹脂などがあ
る。
【0037】その他の添加剤 本発明による光重合性組成物には、増粘剤やチキソトロ
ープ剤、増量剤や充填剤などの通常用いられる添加剤を
配合してもよい。
【0038】増粘剤としては、アクリルゴム、エピクロ
ルヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴムなどが用
いられる。
【0039】チキソトロープ剤としては、コロイドシリ
カ、ポリビニルピロリドンなどが用いられる。
【0040】増量剤としては、炭酸カルシウム、酸化チ
タン、クレーなどが用いられる。
【0041】充填剤としては、ガラスバルン、アルミナ
バルン、セラミックバルンなどの無機中空体;ナイロン
ビーズ、アクリルビーズ、シリコンビーズなどの有機球
状体;塩化ビニリデンバルン、アクリルバルンなどの有
機中空体;ポリエステル、レーヨン、ナイロンなどの単
繊維などが用いられる。
【0042】光重合プロセス条件 光照射に用いられるランプとしては、光重合開始剤の吸
光波長と同じ領域(400nm以下)に発光分布を有する
ものが用いられ、その例としては低圧水銀灯、中圧水銀
灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラ
ックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタ
ルハライドランプなどが用いられる。この中でも超高圧
水銀灯は開始剤の活性波長領域の光を効率よく発光し、
得られる高分子の粘弾性的性質を架橋により低下させる
ような短波長の光や、反応組成物を加熱蒸発させるよう
な長波長の光を多く発光しないために好ましい。特にこ
のランプの効果はランプに循環水のジャケットを付設し
たいわゆる水冷式において発揮される。
【0043】上記ランプによる反応性組成物への照射強
度は、得られるポリマーの重合度を左右する因子であ
り、目的製品の性能毎に適宜制御される。通常のアセト
フェノン基を有する開裂型の開始剤を配合した場合、照
度は0.1〜100mw/cm 2 の範囲が好ましい。
【0044】本発明における光重合は、空気中の酸素ま
たは反応性組成物中に溶解する酸素により阻害される。
このため、光照射は酸素の反応阻害を消去し得る手法を
用いて実施されねばならない。その手法の1つとして、
反応性組成物をポリエチレンテレフタレートやテフロン
製のフィルムによって覆い酸素との接触を断ち、光はこ
のフィルムを通して該組成物へ照射する方法がある。ま
た、窒素ガスや炭酸ガスのような不活性なガスにより酸
素を置換したイナート雰囲気において、光透過性の窓を
通して組成物に光を照射してもよい。後者の方法におい
て反応性組成物の重合を転化率が99.7%以上になる
程度まで充分に完結されるためには、この照射雰囲気の
酸素濃度は5000ppm 以下である必要がある。該組成
物の光照射によって得られた高分子生成物の分子量は、
雰囲気酸素濃度の増加とともに低下する。完全にイナー
トな雰囲気での重合による生成物の分子量と同程度の分
子量にするためには雰囲気酸素濃度は1000ppm 以下
である必要がある。さらに該反応性組成物の極薄い表層
部分は重合体内部よりも酸素による反応阻害を受け易く
凝集力が低下する。この表層部分が内部と同程度に凝集
性を有するためには、雰囲気酸素濃度は300ppm 以下
であることが望ましい。
【0045】光照射をイナートゾーンにおいて行なう場
合、その雰囲気酸素濃度を低レベルに保つために、この
ゾーンに常に一定量の不活性ガスが導入される。この導
入ガスにより、反応性組成物表面には気流が発生しモノ
マー蒸発が起こる。この蒸発レベルを低く抑制するのに
必要な気流速度は、このゾーン内を基材と共に移動され
る該組成物との相対速度が1m/sec 以下であることが
好ましく、さらに好ましくは0.1m/sec 以下であ
る。気流速度を0.1m/sec 程度にするならば気流に
よる蒸発は実質的に抑えられる。
【0046】
【作用】本発明の配合組成物は、蒸発性の低いアクリロ
イルモルフォリンの配合により、重合時における蒸気発
生の問題を解決できるとともに、粘着剤の粘性を高め、
界面接着力を向上させることができる。
【0047】さらに本発明において好ましくは、ビニル
系モノマー(b) として高沸点の極性モノマーを添加する
ので、粘着剤本来の性能を低下させることなくモノマー
蒸発を低減させることができる。
【0048】
【実施例】つぎに、本発明を具体的に説明するために、
本発明の一例を示す実施例およびこれとの比較を示す比
較例を挙げ、さらに得られた各粘弾性製品の性能試験結
果を示す。
【0049】[実施例1]2−エチルヘキシルアクリレ
ート82g、アクリロイルモルフォリン8g、カルボキ
シエチルアクリレート10g、光重合開始剤ダロキュア
1173(メルク社製、商品名)1.0gおよびアクリ
ルゴムPS250(東洋ゴム株式会社製、商品番号PS
−250)2.0gを均一になるまで攪拌混合し、得ら
れた反応組成物を35μmの厚みとなるようにコンマコ
ータで塗工した。酸素濃度300ppmのイナートゾー
ンで超高圧水銀灯を線源として用い、その照射面のラン
プ強度が8mw/cm2 (365nmに最大感度を有す
る光強度測定器UVR−1(東京光学機械社製)にて測
定した強度値)となるようにランプ高さを設定し、紫外
線を照射した。
【0050】このときのイナートゾーン中のモノマー蒸
発量を測定したところ(大倉理研(株)製炭化水素計)
400ppmと低いものであった。さらに、蒸発モノマ
ーの成分をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
蒸発モノマー成分は2−エチルヘキシルアクリレートの
みであり、アクリロイルモルフォリンは検出されなかっ
た。
【0051】[比較例1]実施例1のアクリロイルモル
フォリン8gの替わりに、ビニルピロリドン8gを添加
した以外は、実施例1と同様の条件でテープを製造し
た。
【0052】このときのイナートゾーン中のモノマー蒸
発量を測定したところ500ppmであった。この蒸気
密度から計算した蒸発モノマー量は塗工モノマー量の
2.5%であった。蒸発モノマーの成分を実施例1と同
様にガスクロマトグラフィーで分析したところ、蒸発モ
ノマーには2−エチルヘキシルアクリレートと当量比の
ビニルピロリドンが含まれていた。
【0053】[実施例2、比較例2]実施例1および比
較例1の配合組成に更に架橋剤としてヘキサンジオール
ジアクリレート0.046gをそれぞれ添加した反応組
成物より、実施例1と同様の条件でテープを製造した。
このようにして得られた粘着剤のテープの性能を測定し
た。
【0054】
【表1】 本発明の配合組成物より得られた粘着テープは、2−エ
チルヘキシルアクリレート、ビニルピロリドン系の配合
組成物より得られた粘着テープと同等の粘着特性を有す
るものであった。
【0055】
【発明の効果】本発明の光重合性組成物は、蒸発性で毒
性のあるビニルピロリドンを用いずに、蒸発性の低いア
クリロイルモルフォリンを配合し、好ましくはビニル系
モノマーとして高沸点の極性モノマーを配合するので、
重合時における蒸気発生がなく、作業者の健康衛生が害
されることがない。また、重合時の蒸気発生がないの
で、製造装置の排気設備への負荷が少なくて済むと同時
に、製造を安定に行うことができる。
【0056】本発明の光重合組成物より得られる粘着性
を有する粘弾性製品の粘着性能は優れたものであり、特
に残存モノマーによる不快臭を低減することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 220/12 - 220/18 C08F 2/48 C09J 7/02 C09J 133/06 - 133/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) アルキル基の炭素数が1〜12で
    あるアクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸ア
    ルキルエステルよりなる群から選択される少なくとも1
    種のアクリレート系モノマー60〜98重量%と、 (b) アクリレート系モノマー(a) と共重合可能な不飽
    和二重結合を有するビニル化合物系モノマー2〜40重
    量%と、 (c) アクリレート系モノマー(a) とビニル化合物系モ
    ノマー(b) の総和100重量部に対して、アクリロイル
    モルフォリン2〜20重量部と、 (d) 光重合開始剤0.001〜5重量部とを含む光重
    合性組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成物に更に粘着付与樹
    脂を含む光重合性組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の組成物に紫外線
    を照射することによって得られる粘着性を有するアクリ
    ル系粘弾性製品。
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JPH05170836A (ja) 1993-07-09

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