JP3176428B2 - 光重合性組成物及び粘弾性製品の製造方法 - Google Patents

光重合性組成物及び粘弾性製品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリレート系の光重
合性組成物に関し、さらに詳しくは、高速反応条件にお
いても高性能を発現できる光重合性組成物の配合、なら
びにそれより得られる粘弾性製品に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系ポリマーからなる粘弾性製品
として、例えば、アクリル系粘着剤、アクリル系粘着テ
ープ、アクリル系粘着シート、両面粘着テープ、発泡体
類の粘着加工製品などがよく知られている。
【0003】アクリル系粘着剤は、アクリル系ポリマー
を主成分としているため、耐光性、耐候性、耐油性など
に優れており、また、プラスチックフィルムや紙などを
表面基材としたアクリル系粘着テープは、粘着力、凝集
力などの粘着性能、および耐熱性、耐候性などの耐老化
性能に優れているため、広く使用されている。
【0004】これらの粘弾性製品として代表的なアクリ
ル系粘着テープを例にとると、該粘着テープは、一般
に、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタク
リル酸アルキルエステルなどのアクリレート系モノマー
を主成分とするモノマー組成物を、有機溶剤で溶液重合
して得られる粘着剤溶液、または、水系で乳化重合して
得られるエマルジョンを、基材に塗布または含浸し、こ
れを加熱乾燥して製造されている。
【0005】上記の製造方法のうち、粘着剤溶液を用い
る場合は、基材に塗布または含浸した粘着剤溶液を高温
で乾燥するのに多大なエネルギーが消費され、また、溶
剤による大気汚染を防止するために、大規模な回収装置
が必要である。しかも、溶剤は引火しやすいため、安全
保持のために充分な安全装置を必要とする。
【0006】一方、エマルジョンを用いる場合は、水を
蒸発させるには、溶剤を用いる場合よりもさらに大きな
エネルギーを必要とし、また、性能面でも重合時に混入
する乳化剤により耐水性が低下する。しかも、水溶性モ
ノマーが使用できないため、モノマー種が限定され、粘
着テープに要求される多種多様なニーズへの対応性が乏
しいという欠点があった。
【0007】このようなテープ製造方法の問題を解決す
るための方法として、アクリレート系モノマーを基材に
塗布したのちに、アクリル系モノマーを光によって現場
重合する製造方法が提案されている。この方法によれ
ば、特開平1−121386号公報および特開平2−1
8486号公報に記載されているように、溶剤を用いる
ことなく粘着テープを製造できるため、前記の有機溶剤
または水の使用に伴う問題点は解消される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
においては、酸素によって重合阻害が起こるという問題
があるので、光透過性フィルムで覆うか、またはN2
どのイナート気流中で重合を行う必要がある。前者の光
透過性フィルムで覆う方法は、酸素阻害の影響を受けな
いという点では理想的であるが、重合収縮により均一膜
厚の薄膜を造ることが難しいという欠点がある。後者の
イナート気流中での重合では気流によるモノマー蒸発に
より表層部分に組成差が生じ易く、このため得られる粘
弾性製品の表面の粘着性能が一定しないという欠点があ
り、例えば、粘弾性製品が両面粘着テープの場合には、
表裏で粘着性能に差ができるという欠点があった。
【0009】このことを解決するために、光重合性組成
物の中のアクリル酸等の低沸点モノマーを、カルボキシ
エチルアクリレートのような比較的高沸点のカルボキシ
ル基含有不飽和モノマーに替えるという方法が、特願平
3−7792号に本出願人により提案されている。
【0010】しかしながら、モノマー単位重量中におけ
るカルボキシル基量が同一となるように、アクリル酸に
代えてカルボキシエチルアクリレートを配合させると、
両面粘着テープの場合には、ボールタック特性によって
代用されるような初期接着性が、表面は裏面よりも悪く
なるという問題があった。
【0011】本発明の目的は、光重合開始剤を含み、溶
剤を実質的に含まない粘弾性製品製造用の光重合性組成
物であって、表面の粘着性能が高水準に一定しているア
クリル系粘弾性製品を得ることができる新規な光重合性
組成物を提供することにある。
【0012】本発明の今1つの目的は、該光重合性組成
物を用いたアクリル系粘弾性製品とその製造方法を提供
することにある。
【0013】本発明者は、鋭意研究した結果、ビニル系
モノマーとして、高沸点のカルボキシル基含有モノマー
とアクリル酸のモノマー混合物を用いることにより、上
記目的を達成できることを見出し、その知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、 (1) アルキル基の炭素数が1〜12であるアクリル酸
アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステル
よりなる群から選択される少なくとも1種のアクリレー
ト系モノマー(a) 60〜98重量% (2) アクリル酸と、アクリル酸より高沸点であって、
カルボキシル基を有する単官能アクリル酸エステルとか
らなり、アクリル酸とカルボキシル基を有する単官能ア
クリル酸エステルとの混合比が、モル比で1:10〜1
0:1であるビニル系モノマー混合物(b) 2〜40重量
% (3) アクリレート系モノマー(a) とビニル系モノマー
混合物(b) の総和100重量部に対して、光重合開始剤
(c) 0.001〜5重量部 上記 (1)、 (2)および (3)を含むことを特徴とする光重
合性組成物が提供せられる。
【0015】また、本発明によれば、上記の組成物に紫
外線を照射するアクリル系粘弾性製品の製造方法、およ
び、該製造方法で得られるアクリル系粘弾性製品が提供
せられる。
【0016】以下、本発明による光重合性組成物を構成
する各成分および同組成物の光重合方法について説明す
る。
【0017】[アクリレート系モノマー(a) ]アクリレ
ート系モノマー(a) は本発明組成物のモノマー主成分で
あり、公知の光重合アクリル粘弾性製品の製造に用いら
れるものである。
【0018】アクリレート系モノマーとしては、アルキ
ル基の炭素数が1〜12、好ましくは4〜12のアクリ
ル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエス
テルが用いられる。これらのアクリレート系モノマーの
具体例としては、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニルなどを
挙げることができる。
【0019】これらモノマーは、それぞれ単独でまたは
2種以上を組み合わせて用いられる。粘着性と凝集性の
バランスなどから、通常、ホモポリマーのガラス転移温
度が−50℃以下のアクリル酸アルキルエステルを主成
分とし、コモノマーとして、低級アルキル基の(メタ)
アクリル酸エステルや下記のビニル系モノマーを用いる
ことが好ましい。
【0020】本発明において、アクリレート系モノマー
(a) の配合割合は、60〜98重量%であり、好ましく
は80〜98重量%である。
【0021】[ビニル系モノマー混合物(b) ] 本発明においては、ビニル系モノマー混合物(b) とし
て、アクリル酸と、アクリル酸より高沸点のカルボキシ
ル基を含有する単官能アクリル酸エステルとの混合物が
用いられる。
【0022】このようなカルボキシル基含有アクリル酸
エステルとしては、アクリル酸より高沸点のものであれ
ばよく、カルボキシエチルアクリレートやカルボキシプ
ロピルアクリレートなどのカルボキシアルキルアクリレ
ート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリ
レート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレートや
コハク酸モノヒドロキシエチルアクリレートなどのジカ
ルボン酸とモノヒドロキシアルキルアクリレートのエス
テルなどを挙げることができる。
【0023】本発明において、アクリル酸と前記カルボ
キシル基を有する単官能アクリル酸エステルとの混合比
は、モル比で1:10〜10:1である。前記混合モル
比の範囲以外では、アクリル酸および前記カルボキシル
基を有する単官能アクリル酸エステルがそれぞれ単独で
用いられる場合とほとんど変わらなくなり、混合の効果
が非常に少なくなってしまうからである。好ましい混合
モル比は、1:4〜4:1である。
【0024】本発明において、ビニル系モノマー混合物
(b) の配合割合は、2〜40重量%であり、好ましくは
2〜20重量%である。
【0025】本発明においては、アクリレート系モノマ
ー(a) と共重合可能なビニル系モノマー成分として、ビ
ニル系モノマー混合物(b) 以外に、例えば、メタクリル
酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、N−置換アクリルアミド、ヒドロキシエチルア
クリレート、N−ビニルピロリドン、マレイン酸、イタ
コン酸、N−メチロールアクリルアミド、ヒドロキシエ
チルメタクリレートなどが用いられてもよい。さらに、
ガラス転移温度の低い重合体を形成するビニル系モノマ
ー、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ポ
リエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレング
リコールアクリレート、ふっ素アクリレート、シリコン
アクリレートなどのビニル系モノマーが用いられてもよ
い。
【0026】[光重合開始剤(c) ]単官能光重合開始剤
としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン[ダ
ロキュア2959:メルク社製];α−ヒドロキシ−
α,α' −ジメチルアセトフェノン[ダロキュア117
3:メルク社製];メトキシアセトフェノン、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどのアセト
フェノン系開始剤;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系
開始剤;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系開
始剤;その他、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキ
シド、アシルホスフォナートなどを例示することができ
る。
【0027】本発明において、光重合開始剤(c) の配合
割合は、アクリレート系モノマー(a) とビニル系モノマ
ー混合物(b) の総和100重量部に対して、0.001
〜5重量部であり、好ましい配合割合は0.1〜2重量
部である。
【0028】光重合反応において、光照射するランプ強
度が一定条件の場合、得られるポリマーの分子量は配合
する開始剤量の平方根に反比例する。言い換えれば、目
的とする粘着剤ポリマーの分子量は開始剤量で制御する
ことができる。
【0029】[架橋剤]本発明の光重合性組成物におい
ては、耐熱性や高温での凝集力を増加させるために、上
記の光重合開始剤とともに、架橋剤として多官能ビニル
化合物が配合されることが好ましい。
【0030】このような架橋剤としては、例えば、ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、その他エポキシアクリレート、
ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなど
を挙げることができる。
【0031】かかる架橋剤は、一般に、前記モノマー成
分100重量部に対して、5重量部以下配合させる。光
重合反応において、ポリマー分子間に架橋結合が生じ、
粘弾性製品の耐熱性が向上する。粘弾性製品が粘着テー
プの場合には、高温での凝集力が増加し、高温での保持
力が向上する。
【0032】[粘着付与樹脂(タッキファイアー)]本
発明による光重合性組成物には、タッキファイアーと呼
ばれる粘着付与樹脂が配合されることが好ましい。
【0033】本発明で用いられるタッキファイアーとし
ては、ロジン系樹脂、変成ロジン系樹脂、テルペン樹
脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変成テルペン樹
脂、C5およびC9 系石油樹脂、クマロン樹脂、スチレ
ン系樹脂、イソプレン系樹脂などがある。
【0034】[その他の添加剤]本発明による光重合性
組成物には、増粘剤やチキソトロープ剤、増量剤や充填
剤などの通常用いられる添加剤が配合されてもよい。
【0035】増粘剤としては、アクリルゴム、エピクロ
ルヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴムなどが用
いられる。
【0036】チキソトロープ剤としては、コロイドシリ
カ、ポリビニルピロリドンなどが用いられる。
【0037】増量剤としては、炭酸カルシウム、酸化チ
タン、クレーなどが用いられる。
【0038】充填剤としては、ガラスバルン、アルミナ
バルン、セラミックバルンなどの無機中空体;ナイロン
ビーズ、アクリルビーズ、シリコンビーズなどの有機球
状体;塩化ビニリデンバルン、アクリルバルンなどの有
機中空体;ポリエステル、レーヨン、ナイロンなどの単
繊維などが用いられる。
【0039】[光重合プロセス条件]光照射に用いられ
るランプとしては、光重合開始剤の吸光波長と同じ領域
(400nm以下)に発光分布を有するものが用いられ、
その例としては低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、
超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトラン
プ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドラン
プなどが用いられる。この中でも超高圧水銀灯は開始剤
の活性波長領域の光を効率よく発光し、得られる高分子
の粘弾性的性質を架橋により低下させるような短波長の
光や、反応組成物を加熱蒸発させるような長波長の光を
多く発光しないために好ましい。特にこのランプの効果
はランプに循環水のジャケットを付設したいわゆる水冷
式において発揮される。
【0040】上記ランプによる反応性組成物への照射強
度は、得られるポリマーの重合度を左右する因子であ
り、目的製品の性能毎に適宜制御される。通常のアセト
フェノン基を有する開裂型の開始剤を配合した場合、そ
の開始剤の光分解に有効な波長領域(開始剤によって異
なるが通常365〜420nmの光が用いられる)の光強
度は0.1〜100mW/cm2 の範囲が好ましい。
【0041】本発明における光重合は、空気中の酸素ま
たは反応性組成物中に溶存する酸素により阻害される。
このため、光照射は酸素の反応阻害を消去し得る手法を
用いて実施されねばならない。その手法の1つとして、
反応性組成物をポリエチレンテレフタレートやテフロン
製のフィルムによって覆い酸素との接触を断ち、光はこ
のフィルムを通して該組成物へ照射する方法がある。ま
た、窒素ガスや炭酸ガスのような不活性なガスにより酸
素を置換したイナート雰囲気において、光透過性の窓を
通して組成物に光を照射してもよい。後者の方法におい
て反応性組成物の重合が転化率99.7%以上になる程
度まで充分に完結されるためには、この照射雰囲気の酸
素濃度は5000ppm 以下である必要がある。該組成物
の光照射によって得られた高分子生成物の分子量は、雰
囲気酸素濃度の増加とともに低下する。完全にイナート
な雰囲気での重合による生成物の分子量と同程度の分子
量にするためには雰囲気酸素濃度は1000ppm 以下で
ある必要がある。さらに該反応性組成物の極薄い表層部
分は重合体内部よりも酸素による反応阻害を受け易く凝
集力が低下する。この表層部分が内部と同程度に凝集性
を有するためには、雰囲気酸素濃度は300ppm 以下で
あることが望ましい。
【0042】
【作用】本発明の配合組成物は、カルボキシル基含有ビ
ニル系モノマーとして、高沸点のカルボキシル基含有単
官能アクリル酸エステルの一部が低沸点のアクリル酸に
置き替えられた混合物が配合されていることにより、モ
ノマー単位重量当たりのカルボキシル基量を保持しつ
つ、両面粘着テープ製造の光重合プロセスにおいて、気
流によりモノマー蒸発が起こり表裏面でモノマー組成差
が生じても、一括塗工時において表裏面でのボールタッ
ク差を、前記単官能アクリル酸エステル単独使用時より
も少なくし、さらに、ボールタック値を向上する。
【0043】この作用は、次のように考えることができ
る。すなわち、高沸点の前記単官能アクリル酸エステル
単独使用時では、これが表層に蓄積されるために表層の
Tgが上昇し、ボールタックが悪くなる。逆に、低沸点
のアクリル酸単独使用時では、表層のアクリル酸が減少
し重合後のTg が低下するためにボールタックが良くな
る。このことより、これら両者を併用し混合比率をうま
く調節することによって、表層性能を安定化することが
でき、また、両面粘着テープ製造時における表裏面での
ボールタック差を少なくすることができるものと考えら
れる。
【0044】
【実施例】つぎに、本発明の一例を示す実施例およびこ
れとの比較を示す比較例を挙げて、本発明を具体的に説
明する。尚、実施例におけるボールタックの測定は、
J.Dow法による。
【0045】[実施例1]2−エチルヘキシルアクリレ
ート90g、カルボキシエチルアクリレート4g、N−
ビニルピロリドン3g、アクリル酸3gおよび光重合開
始剤ダロキュア2959(メルク社製、商品名)1.3
4gからなる配合組成物に予め光照射し塗工可能な粘度
(およそ400cps)まで増粘したのち、組成物をコ
ンマコータで38ミクロンの厚みの離型処理を施したP
ET基材上に塗工した。これに酸素濃度200ppmの
イナートゾーンで超高圧水銀灯を線源として用い、その
照射面のランプ強度が15mW/cm2 (365nmに
最大感度を有する光強度測定器UVR−1(東京光学機
械社製)にて測定した強度値)となるようにランプ高さ
を設定し、1.5分間紫外線を照射し、テープサンプル
を得た。このときのサンプル中の残存モノマー量は0.
3%であった。
【0046】[比較例1]2−エチルヘキシルアクリレ
ート82g、カルボキシエチルアクリレート10g、N
−ビニルピロリドン8gおよび光重合開始剤ダロキュア
2959(メルク社製、商品名)1.34gからなる配
合組成物に実施例1と同様の操作を行い、テープサンプ
ルを得た。尚、2−エチルヘキシルアクリレートとN−
ビニルピロリドンの比率を調節することにより、得られ
る共重合体のガラス転移温度を合わせた。このときのサ
ンプル中の残存モノマー量は0.3%であった。
【0047】実施例1および比較例1のテープサンプル
それぞれについて、ボールタックを測定した結果を表1
に示す。
【0048】
【表1】 表1より、実施例1のテープサンプルは、比較例1のテ
ープサンプルに比べ、N2 気流面とPET面のボールタ
ック値の差が小さく、かつ、ボールタック値が向上して
いる。
【0049】[実施例2および比較例2〜3]2−エチ
ルヘキシルアクリレート93g、カルボキシエチルアク
リレート4g、アクリル酸3gおよび光重合開始剤ダロ
キュア2959(メルク社製、商品名)1.34gから
なる配合組成物C(実施例2)、2−エチルヘキシルア
クリレート95g、アクリル酸5gおよび光重合開始剤
ダロキュア2959(メルク社製、商品名)1.34g
からなる配合組成物A(比較例2)、および、2−エチ
ルヘキシルアクリレート90g、カルボキシエチルアク
リレート10gおよび光重合開始剤ダロキュア2959
(メルク社製、商品名)1.34gからなる配合組成物
B(比較例3)、の3種類の配合組成物について、実施
例1と同様の操作を行い、テープサンプルを得た。これ
らのテープサンプルそれぞれについて、N2 気流量の多
い時(10m3 /Hr)と少ない時(3m3 /Hr)で
のN2 気流面のボールタックを測定した。その結果を表
2に示す。
【0050】
【表2】 表2より、組成物Aおよび組成物BではN2 気流量の多
い時と少ない時でのボールタック値が変動しているのに
対して、組成物Cではボールタック値が一定している。
【0051】
【発明の効果】本発明の光重合性組成物は、カルボキシ
ル基含有ビニル系モノマーとして、高沸点のカルボキシ
ル基含有単官能アクリル酸エステルとアクリル酸のモノ
マー混合物が配合されているので、組成物を基材上に塗
工後、イナートガス気流中で光重合する際に、気流によ
るモノマー蒸発によって起こる表裏面でのカルボキシル
基量差を抑えることができるので、表裏面でのTg 差を
少なくし、イナート雰囲気界面側の接着面の性能を一定
に保つことができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) アルキル基の炭素数が1〜12で
    あるアクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸ア
    ルキルエステルよりなる群から選択される少なくとも1
    種のアクリレート系モノマー(a) 60〜98重量% (2) アクリル酸と、アクリル酸より高沸点であって、
    カルボキシル基を有する単官能アクリル酸エステルとか
    らなり、アクリル酸とカルボキシル基を有する単官能ア
    クリル酸エステルとの混合比が、モル比で1:10〜1
    0:1であるビニル系モノマー混合物(b) 2〜40重量
    % (3) アクリレート系モノマー(a) とビニル系モノマー
    混合物(b) の総和100重量部に対して、光重合開始剤
    (c) 0.001〜5重量部上記 (1)、 (2)および (3)を
    含むことを特徴とする光重合性組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光重合性組成物に紫外線
    を照射する、アクリル系粘弾性製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の製造方法で得られる、ア
    クリル系粘弾性製品。
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