JP2006045474A - 光重合性アクリル系粘着剤組成物および該組成物を用いた粘着シート又はテープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)アルキル基の炭素数が12〜20であり、かつそのホモポリマーのガラス転移温度が15℃以下であるアクリル酸アルキルエステル、及び(b)アルキル基の炭素数が2〜9であるアクリル酸アルキルエステルからなるアクリル酸アルキルエステルと、(c)前記(a)及び(b)のアクリル酸アルキルエステルと共重合可能な不飽和カルボン酸とからなるモノマー成分又はその部分重合物と、(d)光重合開始剤、(e)(メタ)アクリル酸エステルを主構成単位とし、重量平均分子量が10000未満であり、溶解性パラメーターが20.0(MPa)0.5以下であり、ガラス転移温度が40℃以上である粘着付与樹脂を含むことを特徴とする光重合性アクリル系粘着剤組成物。
【選択図】 なし
Description
撹拌機、還流冷却機、温度計および窒素導入管を備えた装置にイソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名「IBXA」)100部、チオグリコール酸(堺化学工業(株)製、メルカプト酢酸)3部、ジ−tert−ヘキシルパーオキサイド(日本油脂(株)製、商品名「パーヘキシルD」)0.05部を仕込み、室温で撹拌しながら1時間窒素パージした。次いでこの混合物に緩やかに窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、70℃になるまで昇温し、重合反応を開始させた。発生する反応熱によって上昇する装置内温度を70℃〜80℃に保つように第1段階目の重合反応を約2時間行なった。ここにジ−tert−ヘキシルパーオキサイド0.05部を添加して、自己発生熱により生じる反応系内の温度上昇が緩やかになった後、反応系内温度を170℃にまで緩やかに昇温させ、第2段階目の重合反応を4〜6時間行ない、転化率が約98%、重量平均分子量(Mw)が3500のイソボルニルアクリレートポリマーを得た。
チオグリコール酸(堺化学工業(株)製、メルカプト酢酸)の添加量を0.7重量部とした以外は粘着付与樹脂の調製1と同様の操作を行い、重量平均分子量が15000のイソボルニルアクリレートポリマーを得た。
イソボルニルアクリレートの代わりに、tert−ブチルメタクリレート(共栄社製、商品名「ライトエステルTB」)を主構成単位として用いた以外は、粘着付与樹脂の調製1と同様の操作を行い、重合平均分子量が3500のtert−ブチルメタクリレートポリマーを得た。
イソボルニルアクリレートの代わりに、2−エチルヘキシルメタクリレート(2EHMA)(共栄社製、商品名「ライトエステルEH」)を主構成単位として用い、チオグリコール酸の添加量を1部とした以外は、粘着付与樹脂の調製1と同様の操作を行い、重量平均分子量が9000の2−エチルヘキシルメタクリレートポリマーを得た。
イソボルニルアクリレートの代わりに、シクロヘキシルメタクリレート(三菱ガス化学社製、商品名「CHMA」)を主構成単位として用いた以外は、粘着付与樹脂の調製1と同様の操作を行い、重量平均分子量が3300のシクロヘキシルメタクリレートポリマーを得た。
(分子量)
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により求めた重量平均分子量(MW)である。装置:東ソー(株)製、商品名「HLC−8020」
カラム:東ソー(株)製、商品名「TSKgelGMHHR−H(20)」
溶媒:テトラヒドロフラン
標準物質:ポリスチレン
(溶解性パラメーター)
Fedors,Polym.Eng.and Sci.,14;147(1974)に記載されている方法により算出される。
(ガラス転移温度)
粘着付与樹脂のガラス転移温度は、DSC測定により確認した。
装置:セイコーインスツルメンツ(株)製、商品名「200CU」
測定温度:−80〜160℃(10℃/min)
測定環境:窒素雰囲気
撹拌機と温度計と窒素ガス導入管および冷却管を備えた四つ口フラスコに、重合性単量体として、イソオクチルアクリレート66部、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名「ISTA」)34部、アクリル酸5部および2,2−ジメチル−2−フェニルアセトフェノン(チバガイギー社製、商品名「イルガキュア651」)0.04部を投入し、均一に分散するまで撹拌混合しながら、窒素ガスをパージすることにより溶存酸素を除去した。次に、窒素雰囲気下、紫外線を数分間照射して部分重合を行い、転化率が約7.0%のポリマーシロップを得た。
このシロップ100部にトリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学工業製、商品名「V♯295」)0.15部、2,2−ジメチル−2−フェニルアセトフェノン(チバガイギー社製、商品名「イルガキュア651」)を0.16部、粘着付与樹脂の調製1で得た粘着付与樹脂20部を混合して本発明の無溶剤型アクリル系粘着剤組成物を調製した。
この混合物を厚さ25μmのポリエステルフィルム表面に、0.1mmの厚さで塗布し、さらにカバーセパレーターとして表面が離型処理された38μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムを離型処理面が該塗工面に接するように被覆した。次に、ブラックライトを用いて照度3.6mW/cm2(照度測定装置;トプコン社製工業用UVチェッカー、商品名「UVR−Tl」)の紫外線を3分間照射することにより重合させて本発明の粘着シートを製造した。
イソオクチルアクリレートの使用量を34部、イソステアリルアクリレートの使用量を66部とした以外は実施例1と同様の操作を行った。
粘着付与樹脂として粘着付与樹脂の調製1で得られたイソボルニルアクリレートポリマーの代わりに粘着付与樹脂の調製3で得られたtert−ブチルメタクリレートポリマーを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
イソステアリルアクリレートの代わりに、イソミリスチルアクリレート(共栄社製、商品名「ライトアクリレートIM−A」)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
粘着付与樹脂の添加量を40部とした以外は、実施例1と同様の操作を行った
イソオクチルアクリレートの代わりにn−ブチルアクリレートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
イソステアリルアクリレートを用いず、イソオクチルアクリレートの使用量を100部とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
イソステアリルアクリレートを用いず、イソオクチルアクリレートの使用量を100部とし、粘着付与樹脂を配合しない以外は、実施例1と同様の操作を行った。
イソオクチルアクリレートの代わりにn−ブチルアクリレートを用いた以外は、比較例1と同様の操作を行った。
イソオクチルアクリレートの代わりにn−ブチルアクリレートを用いた以外は比較例2と同様の操作を行った。
粘着付与樹脂を配合しない以外は、実施例1と同様の操作を行った。
アクリル酸の使用量を0.5部とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
イソステアリルアクリレートの代わりに、イソボルニルアクリレートを用い、アクリル酸の使用量を0.5部とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
粘着付与樹脂の添加量を50部とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
粘着付与樹脂の調製2で得た重量平均分子量15000のイソボルニルアクリレートポリマーを粘着付与樹脂として用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
粘着付与樹脂の調製4で得られた2−エチルヘキシルメタクリレートポリマーを粘着付与樹脂として用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
粘着付与樹脂の調製5で得られたシクロヘキシルメタクリレートポリマーを粘着付与樹脂として用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
粘着付与樹脂として市販のフェノール系樹脂(住友ベークライト社製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、粘着剤組成物の重合が進行せず、粘稠な液体のままで、粘着シートは得られなかった。
実施例及び比較例で得た粘着シートに対し、以下の試験を行った。結果を表2に示す。
(接着力)
20±2℃、65%R.H.下において、長さ150mm、幅20mmの切断粘着テープ片を表面が平滑で清浄な被着体に重さ2kgのゴムローラーを1往復させる方法で圧着し、30分間放置後にその接着力(180度ピール、引張り速度300mm/分)を測定した。被着体には、ステンレス鋼板(SUS板)、ポリプロピレン板(PP板)を用いた。接着力が12(N/20mm)未満の場合には接着力が不十分である。なお、実施例2において、被着体にステンレス鋼板を用いたときの破壊モードはスリップスティックである。
(保持力)
貼着面積が長さ20mm、幅10mmとなるように切断粘着テープ片をベークライト板に圧着し、30分間放置後に被着体の一端を固定すると共に、その粘着テープの自由端に500gの荷重を負荷し荷重が負荷されてから1時間後のズレ距離を測定した。試験は80℃の雰囲気で行った。ずれ距離の評価 ○;0.5mm未満 △;0.5mm以上、2mm以下 ×;落下
(外観)
透明であるか白濁しているか、白濁している場合はその程度を目視により評価した。評価 ○;透明 △;やや白濁 ×;白濁
Claims (6)
- (a)アルキル基の炭素数が12〜20であり、かつそのホモポリマーのガラス転移温度が15℃以下であるアクリル酸アルキルエステル;10〜70重量%、及び(b)アルキル基の炭素数が2〜9であるアクリル酸アルキルエステル;90〜30重量%からなるアクリル酸アルキルエステルと、(c)前記(a)及び(b)のアクリル酸アルキルエステルと共重合可能な不飽和カルボン酸;前記(a)及び(b)の総和100重量部に対して1〜10重量部とからなるモノマー成分又はその部分重合物と、(d)光重合開始剤;前記(a)、(b)、(c)の総和100重量部に対して0.01〜5重量部と、(e)(メタ)アクリル酸エステルを主構成単位とし、重量平均分子量が10000未満であり、溶解性パラメーターが20.0(MPa)0.5以下であり、ガラス転移温度が40℃以上である粘着付与樹脂;(a)、(b)、(c)の総和100重量部に対して5〜40重量部とを含むことを特徴とする光重合性アクリル系粘着剤組成物。
- アクリル酸アルキルエステル(a)のアルキル基の炭素数が14〜18である請求項1記載の光重合性アクリル系粘着剤組成物。
- 粘着付与樹脂(e)が、(a)、(b)、(c)からなるモノマー成分の部分重合物に可溶である請求項1又は2記載の光重合性アクリル系粘着剤組成物。
- さらに架橋剤を(a)、(b)、(c)の総和100重量部に対して、0.01〜5重量部含む請求項1〜3の何れかの項に記載の光重合性アクリル系粘着剤組成物。
- 請求項1〜4の何れかの項に記載の光重合性アクリル系粘着剤組成物を支持体上に塗布した後、紫外線を照射して重合させることにより粘着剤層を形成して得られる粘着シート又はテープ。
- 粘着剤層を構成する粘着剤中に架橋構造が形成されている請求項5記載の粘着シート又はテープ。
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