JP2016183250A - 硬化性樹脂組成物及びこれを用いた硬化物 - Google Patents
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Abstract
Description
実施例では、非反応性の粘着性付与剤として、不純物が少ないロジンエステル系樹脂(荒川化学工業社のロジンエステル「KE−311」)を併用している(段落0149)。
実施例では、上記(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーとしてイソボルニルアクリレートポリマーを含有したアクリル系粘着剤組成物が、接着力及びリワーク性に優れ、さらに50℃×0.5MPaのオートクレーブにて30分間処理し、次いで60℃×90%RHの環境下で500時間処理する耐久性試験においても、剥がれや浮きが認められなかったことが示されている(段落0053−0055、0057、0058、表1)。
(B)(メタ)アクリレート系化合物;並びに
(C)下記式(11)の繰り返し単位を有する脂環骨格含有ポリマー
を含有する。
また、Rcに含まれる脂環骨格は、多環系であることが好ましい。
また、前記(C)脂環骨格含有ポリマー並びに(D)ポリブテンおよび/またはポリイソブチレンは、(D)ポリブテンおよび/またはポリイソブチレンを溶媒として重合反応を行うことにより生成された(C)脂環骨格含有ポリマー溶液であることが好ましい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の初期のヘイズ(H0)が0.5%以下であり、且つ85℃で85%RH1000時間環境下に暴露後のヘイズ(H1000)が2.0%以下であることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、
(A)水添ポリブタジエン,水添ポリイソプレン、及びポリイソプレンからなる群より選択される共役ジエン系ポリマーユニットを1種又は2種以上含み、且つ主鎖及び/又は側鎖がα,β−不飽和カルボニル変性されているポリマー(以下「α,β−不飽和カルボニル変性ジエン系ポリマー」という);
(B)(メタ)アクリレート系化合物;並びに
(C)脂環骨格含有ポリマー
を含有する。
以下、各成分について説明する。
1つのユニットしか含んでいない場合をα,β−不飽和カルボニル変性モノユニット型ジエン系ポリマーと称し、2以上のユニットを含んでいる場合をα,β−不飽和カルボニル変性マルチユニット型ジエン系ポリマーと称し、必要に応じて区別する。単に「α,β−不飽和カルボニル変性ジエン系ポリマー」と称する場合には、モノユニット型及びマルチユニット型の双方を含む。
共役ジエン系ポリマーポリオールとは、水添ポリブタジエン,水添ポリイソプレン、又はポリイソプレンの主鎖又は側鎖に水酸基を2個以上有する化合物である。好ましくは、主鎖末端に水酸基を有する末端水酸基含有タイプの(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールである。
(a−1’)は、(a−1)共役ジエン系ポリマーポリオールと連結用化合物との反応により多量体化させて得られる。
連結用化合物は、(水添)共役ジエン系ポリマーポリオール(a−1)の水酸基と反応できる官能基Lを2個以上有する化合物であり、例えば、下記式(2a)で表わされる2官能化合物、(2b)で表わされる3官能化合物、(2c)で表わされる4官能化合物が挙げられる。好ましくは2官能化合物である。式(2a)(2b)(2c)中、Lは水酸基と反応する官能基であり、M,M’,M″は有機基である。
イソシアネート基含有連結用化合物としては、イソシアネート基を2個以上、好ましくは2〜4個有する脂肪族又は芳香族ポリイソシアネートであって、好ましくはジイソシアネートである。
トリス(4−イソシアン酸フェニル)チオリン酸エステル等のトリイソシアネート、1,3,5,7−アダマンタンテトライルテトライソシアネート等のテトライソシアネートを用いてもよい。
カルボキシル基を2個以上有する連結用化合物としては、ジカルボン酸、トリカルボン酸、ポリカルボン酸、又はこれらの無水物若しくはエステル;ピリジン2,6−ジカルボン酸ジクロライド等のハロゲン化カルボニル基含有連結用化合物などを用いることができ、これらは飽和脂肪族カルボン酸、不飽和カルボン酸、カルボキシル基以外の水素原子がハロゲン、水酸基、カルボニル基等で置換された置換カルボン酸、芳香族カルボン酸など、炭素数2〜18、好ましくは3〜15、より好ましくは8〜12の飽和カルボン酸である。これらのうち、好ましくはジカルボン酸またはそのエステルである。
エポキシ基含有連結用化合物は、水酸基と反応する官能基として、炭素、酸素原子からなる3員環構造(エポキシ基、オキシラン基、グリシジル基など)を2個以上有する連結用化合物で、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はこれらの水添物とエピクロルヒドリンとを反応させることにより得られるエポキシ樹脂で、炭素数2〜18、好ましくは3〜15、より好ましくは8〜12のエポキシ樹脂が好ましく用いられる。具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテルなどを用いることができる。
(a−1)(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールと、上述の連結用化合物との反応により、(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールが連結して多量体化する。(水添)共役ジエン系ポリマーポリオールの連結体を、「マルチユニット型ジエン系ポリマー」と称する。
モノユニット型(水添)共役ジエン系ポリマーポリオール(a−1)又はその連結体(a−1’)をα,β不飽和カルボニル変性するのに用いられるα,β不飽和カルボニル化合物(a−2)は、一般式が下記式(6)で表されるα,β不飽和カルボニル化合物である。(6)式中、Qはモノユニット型共役ジエン系ポリマーポリオール(a−1)又はその連結体(a−1’)の末端官能基(水酸基又は連結用化合物の官能基L)と反応する官能基、又は当該官能基を有する原子団、又はハロゲンである。
水酸基と反応する官能基としては、イソシアナート基、カルボキシル基(ハロゲン化カルボニル基、エステル含む)、エポキシ基が挙げられる。
従って、水酸基と反応する官能基を有するα,β不飽和カルボニル化合物(a−2)としては、一般式(7a)で表わされるイソシアナート基含有不飽和カルボニル化合物;一般式(7b)で表わされるカルボキシル基含有不飽和カルボニル化合物;一般式(7c)で表されるエポキシ基含有不飽和カルボニル化合物;Qが−OH又は−OR(Rは炭素数1〜20の直鎖又は分岐を有するアルキル基またはアリール基)であるカルボン酸またはカルボン酸エステル;Qがハロゲンであるカルボン酸ハロゲン化物が該当する。
官能基Lと反応する官能基を有するα,β不飽和カルボニル化合物(a−2)としては、下記一般式(8a)で表わされる不飽和カルボン酸、又は一般式(8b)で表される不飽和カルボン酸ヒドロキシエステルが該当する。(8b)式中、R(OH)は、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状アルキルの水素原子の1つは水酸基で置換されたヒドロキシルアルキル基である。
上述の共役ジエン系ポリマーポリオール(a−1)又はその連結体(a−1’)と上述のα,β不飽和カルボニル化合物((メタ)アクリロイル化剤)(a−2)とを反応させて、α,β−不飽和カルボニル変性ジエン系ポリマーを合成する。
(メタ)アクリレート系化合物は、(A)成分であるα,β−不飽和カルボニル変性ジエン系ポリマーと共硬化可能な重合性化合物として用いられる。
また、(A)成分及び(B)成分の合計含有量として、組成物に含まれる樹脂成分総量の10〜99質量%となるようにすることが好ましく、より好ましくは20〜80樹脂%、さらに好ましくは30〜50質量%である。
上記重合反応では、連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトカルボン酸類、メルカプトカルボン酸エステル類、アルキルメルカプタン類、メルカプトアルコール類、芳香族メルカプタン類、メルカプトイソシアヌレート類等のメルカプト基を有する化合物を用いることが好適である。より好ましくはアルキルメルカプタン類、メルカプトカルボン酸類、メルカプトカルボン酸エステル類であり、更に好ましくはn-ドデシルメルカプタンである。
上記重合で使用する有機溶媒の種類は特に限定せず、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステル;ジメチルエーテル、エチレングリコール物メチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;トルエン、シクロヘキサノン、メチルセロソルブなどの種々の公知の有機溶媒を使用することができる。本発明の樹脂組成物が、後述の(D)ポリブテン及び/又はポリイソブチレンを含有する場合、(D)成分を溶媒として用いることが好ましい。これにより、重合後に行う脱気処理が不要となり、そのまま組成物の調製に用いることができる。
分子量が低すぎると、所望の耐熱性と接着力が得られにくくなる。一方、分子量が高くなりすぎると、組成物の粘度が高くなり、他成分との相溶性が低下するため、得られる硬化物の光線透過率が低下する傾向にある。さらに分子量が10万を超えるような場合、高粘度のため、組成物の調製自体が困難になり、なおかつ相溶性が低下し、樹脂組成物が濁るおそれがある。
また、本発明で用いる(C)脂環骨格含有ポリマーは、(A)成分である(メタ)アクリロイル変性ジエン系ポリマーとの相溶性に優れる。従って、(A)成分である(メタ)アクリロイル変性ジエン系ポリマーと(B)成分である(メタ)アクリレート系化合物との硬化反応で得られる硬化物のネットワーク中に取り込まれることで、(C)脂環骨格含有ポリマーの微分散化を図ることができる。
さらに、脂環骨格含有ポリマーは、ガラス転移点が高く、耐熱性に優れる。高温下で長時間保持されても、分解、脱水素、酸化が起こりにくいことから、透明性、黄変といった光学的特性に対する変化が少なくて済む。
本発明の組成物には、さらに、数平均分子量が300〜1500の低分子量タイプのポリブテンおよび/またはポリイソブチレンが含有されていることが好ましい。ポリブテン、ポリイソブチレンは、各々単独で用いてもよいし、両者を混合して用いてもよい。
(C)成分と(D)成分との含有比率(C:D)は、特に限定しないが、通常85:15〜5:95の範囲であり、好ましくは60:40〜20:80の範囲から選択される。
尚、前記(C)脂環骨格含有ポリマー並びに前記(D)ポリブテンおよび/またはポリイソブチレンの合計含有量は、樹脂成分総量の1〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは50〜70質量%である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記成分の他に、さらに、(E)光重合開始剤を含有することが好ましい。これにより、組成物を、エネルギー線照射により短時間で硬化することが可能となる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記成分以外に、必要に応じて、本発明の効果、特に無色透明性を害しない範囲内であれば、その他の非反応性樹脂、ヒュームドシリカ、その他の添加剤を含有してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、以上のような成分を、所定割合で混合すればよい。
樹脂組成物中の樹脂成分中における(A)成分及び(B)成分の含有総量と、(C)成分((D)成分を含有する場合には(C)成分と(D)成分の含有総量)との比(A+B:C+D)が10:90〜99:1とすることが好ましいく、より好ましくは20:80〜60:40、さらに好ましくは50:50〜70:30である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、塗工、滴下充填、流し込みなどの方法により、所定部位に適用することができる。組成物の性状、粘度、適用箇所に応じて、適宜選択すればよい。
本発明の樹脂組成物の硬化物は、無色透明性、特に高温、高湿で長時間保存された場合でも黄変、曇りが少なく、且つ密着性に優れている。
尚、例中「部」とあるのは、断りのない限り質量基準を意味する。
本実施例で採用した測定、評価方法は以下の通りである。
(1)数平均分子量(Mn)
テトラヒドロフランを移動相とし、温度40℃、流速0.3mL/分の条件下で、東ソー社製のカラムTSK−gel SuperHM−H2本、TSK−gel SuperH2000 1本を使用し、東ソー社製のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置HLC−8220GPCにより求め、標準ポリスチレン換算した値である。
得られた樹脂組成物の粘度は、温度25℃の条件下で、R/S Rheometer(BROOKFIELD社製、コーンプレートC50-2)を用いて測定し、1rpmにおける値を測定値とした。
得られた樹脂組成物をガラス板で、樹脂組成物の厚みが4mmとなるように挟んだ状態で、コンベア式UV照射器(照射ランプ:フュージョン社製ランプ、Dバルブ、照度:200mW/cm2、コンベアスピード:1.2m/分、UVセンサ:UIT−250(ウシオ電機社製))でUV光を1J/cm2ずつ照射していき、硬度値が一定になる光照射量を測定した。
硬化性の評価で作製した硬化物を、ガラス板から取り出し、この硬化物を試験片(幅20mm×長さ20mm×厚み4mm)として、Durometer E硬度計(アスカー社)を用いて硬度を測定した。
樹脂組成物をガラス板(厚み1mm)で、樹脂組成物の厚みが0.3mmとなるように挟んだ状態で紫外線照射し(3J/cm2、30秒)硬化させた。ガラス板に挟んだ状態の硬化物試験片(幅50mm×長さ70mm×厚み0.3mm)について、400nmにおける光線透過率を分光光度計(形式「UV−3100」、島津製作所社製)を用いて測定した。
樹脂組成物をガラス板(厚み1mm)で、樹脂組成物の厚みが0.5mmとなるように挟んだ状態で紫外線照射し(3J/cm2、30秒)硬化させた。得られた硬化物試験片(幅50mm×長さ50mm×厚み0.5mm)を取り出し、電極(ソーラトロン社SH2−Z、電極直径10mm)で挟持し、インピーダンスアナライザ(ソーラトロン社S1−1260)でキャパシタンスを測定し、比誘電率を算出した。
樹脂組成物をガラス板(厚み1mm)で、樹脂組成物の厚みが0.3mmとなるように挟んだ状態で紫外線照射し(3J/cm2、30秒)硬化させた。ガラス板に挟んだ状態の試験片(幅50mm×長さ70mm×厚み0.3mm)について、下記評価を行った。なお、透明耐湿性、黄変度についても、当該方法で作製した試験片を用いた。
ガラス板に挟んだ状態の試験片を、恒温恒湿機中(温度85℃、湿度85%RH)で1000時間保持した。1000時間加熱後の試験片の状態(外観)を目視により確認した。変化なしの場合を「○」、ガラス板からのハガレが認められた場合又は液化が起こっていた場合を「×」とした。
(7−2)密着耐熱性
ガラス板に挟んだ状態の試験片を、105℃のオーブン中で1000時間加熱した。恒温恒湿機中(温度85℃、湿度85%RH)で1000時間保持した。その後、試験片を取り出し、試験片の状態(外観)を目視により確認し、密着耐湿性と同様の基準で評価した。
ガラス板に挟んだ状態の試験片(幅50mm×長さ70mm×厚み0.3mm)の耐湿試験前及び試験後(1000時間保持後)の曇り度(ヘイズ)を、Haze Meter NDH2000(日本電色工業社)を用いて測定した。試験前のヘイズ値(H0)及び1000時間保持後のヘイズ値(H1000)から、透明変化率(ΔH(%)=(H1000 −H0)/H0×100)を求めた。
ガラス板に挟んだ状態の試験片(幅50mm×長さ70mm×厚み0.3mm)の黄色度(YI)を、Spectro Color Meter SE2000(日本電色工業社)を用いて測定した。加熱前の黄色度(YI0)及び105℃のオーブン中で1000時間加熱後の黄色度(YI1000)を測定し、黄変度(ΔYI(%)=(YI1000 −YI0)/YI0×100)を求めた。
(1)アクリロイル変性ポリブタジエン1(マルチユニット水添型、0.5当量)
溶媒として使用するイソボルニルアクリレート(日本触媒製)639.2gをいれた容器に、水添共役ジエン系ポリマーポリオールとして日本曹達製のNISSOPB GI-3000(数平均分子量3000,ヨウ素価21以下)1000gを仕込んだ。ウレタン化触媒ジブチルスズジバーサテート(0.53g)及び重合禁止剤アデカスタブAO−60(0.53g)を添加し、バブリング下、撹拌しながら77℃に加熱した。次いで、連結用化合物としてイソホロンジイソシアナート(住化バイエルウレタン社製、品番デスモジュールI、以下同様)28.32g(GI-3000に含まれる水酸基に対して0.5当量に相当)を投入し、80℃で120分間反応させ、多量体化した。続いて、α,β−不飽和化合物として、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工社製、品番カレンズAOI)35.97g(GI-3000に含まれる水酸基に対して0.5当量に相当)を投入し、80℃で120分間反応させて、マルチユニット型水添ポリブタジエン(0.5当量)のアクリロイル変性体1(Mn=8000)を得た。
水添共役ジエン系ポリマーポリオールとして日本曹達社製のNISSOPB GI-3000に代えて、非水添型の共役ジエン系ポリマーポリオールである日本曹達社製のG−3000を用いた以外は、アクリロイル変性ポリブタジエン1と同様の方法で合成を行い、アクリロイル変性ポリブタジエン2(0.5当量)(Mn=8000)を得た。
(1)ポリイソボルニルアクリレート7000(PIBA7000)
(1−1)PIBA7000−1
溶媒としてポリブテン(JX日鉱日石エネルギー製の日石ポリブテンHV−15(Mw=630)105gを入れた容器に、イソボルニルアクリレート(株式会社日本触媒製)44gを仕込み、窒素バブリング下、攪拌しながら77℃に加熱した。予めイソボルニルアクリレート16gで希釈した2,2’−アゾビス(3,4−ジメチルバレロニトリル)(以下、「ABNV」と略記)0.6gとn−ドデシルメルカプタン1.2gを投入し、85℃で150分間反応させた。得られたポリイソボルニルアクリレートの数平均分子量は7000であった。こうして得られたポリイソボルニルアクリレートを「PIBA7000−1」と称する
このポリイソボルニルアクリレート(PIBA7000−1)溶液は、そのまま組成物No.1の調製に供した。
溶媒としてトルエン105gをいれた容器に、イソボルニルアクリレート(株式会社日本触媒製)44gを仕込み、窒素バブリング下、攪拌しながら77℃に加熱した。予めイソボルニルアクリレート16gで希釈したABNV0.6gとn−ドデシルメルカプタン1.2gを投入し、85℃で150分間反応させた。得られたポリイソボルニルアクリレートの数平均分子量は7000であった。このようにして得られたポリイソボルニルアクリレートを、「PIBA7000−2」と称する。
このポリイソボルニルアクリレート(PIBA7000−2)溶液に、調製すべき組成に応じて所定量のイソボルニルアクリレート及びポリブテン(HV−15)を加え、トルエンを脱圧脱気し、組成物No.4,6の調製に供した。
溶媒としてポリブテン(HV−15)105gを入れた容器に、イソボルニルアクリレート(株式会社日本触媒製)44gを仕込み、窒素バブリング下、攪拌しながら77℃に加熱した。予めイソボルニルアクリレート16gで希釈したABNV0.1gを投入し、85℃で150分間反応させた。得られたポリイソボルニルアクリレートの数平均分子量は50000であった。
得られたポリイソボルニルアクリレート(PIBA50000)溶液は、ポリブテン混合物として、組成物調製に供した。
溶媒としてトルエン75gをいれた容器に、イソボルニルアクリレート(株式会社日本触媒製)44gを仕込み、窒素バブリング下、攪拌しながら77℃に加熱した。予めイソボルニルアクリレート16gで希釈したABNV0.1gを投入し、85℃で150分間反応させた。得られたポリイソボルニルアクリレートの数平均分子量は10万であった。得られたポリイソボルニルアクリレート(PIBA100000)溶液に、調製すべき組成に応じて所定量のイソボルニルアクリレート及びポリブテン(HV−15)を加え、トルエンを減圧脱気して、組成物調製に供した。
溶媒としてポリブテン(HV−15)175gを入れた容器に、イソボルニルメタクリレート(株式会社日本触媒製)75gを仕込み、窒素バブリング下、攪拌しながら77℃に加熱した。予めイソボルニルメタクリレート25gで希釈したABNV1.0gとn−ドデシルメルカプタン2.0gを投入し、85℃で150分間反応させた。得られたポリイソボルニルメタクリレートの数平均分子量は7500であった。
得られたポリイソボルニルメタクリレート(PIBM7500)溶液は、ポリブテン混合物として、組成物調製に供した。
イソボルニルアクリレートの代わりに、ジシクロペンタニルアクリレート(日立化成工業製)を用いた以外は、(1)ポリイソボルニルアクリレートと同様に合成した。得られたポリジシクロペンタニルアクリレートの数平均分子量は8000であった。
得られたポリジシクロペンタニルアクリレート溶液は、ポリブテン混合物として、組成物調製に供した。
イソボルニルアクリレートの代わりに、イソデシルアクリレート(サートマー製)を用いた以外は、(1)ポリイソボルニルアクリレートと同様に合成した。得られたポリイソデシルアクリレートの数平均分子量は6800であった。
得られたポリイソデシルアクリレート溶液は、ポリブテン混合物として、そのまま組成物調製に供した。
上記で合成したアクリロイル変性ジエン系ポリマー溶液(溶媒:イソボルニルアクリレート);脂環骨格含有ポリマー溶液(溶媒:ポリブテン)、又はポリイソデシルアクリレート溶液(溶媒:ポリブテン)及びヒドロキシプロピルアクリレート(Tg−7℃、株式会社日本触媒製)を、表1に示す割合となるように混合した。さらに、光重合開始剤(E)としてイルガキュアTPO(モノアシルフォスフィンオキサイド)(BASF製)1質量部を添加混合し、ホモミキサー(プライミクス社製)で分散撹拌することにより樹脂組成物No.1−9,11,12を調製した。尚、脂環骨格含有ポリマー溶液における脂環骨格含有ポリマーとポリブテンとの含有量比率との関係から、組成物No.1については、PIBA7000−1のポリマー溶液(溶媒:ポリブテン)を使用し、組成物No.2,4については、PIBA7000−2を用いた。
得られた樹脂組成物の粘度を測定した。また、樹脂組成物の硬化性を上記評価方法にて測定したところ、いずれも2J/cm2であった。
上記で合成したアクリロイル変性ジエン系ポリマー溶液(溶媒:イソボルニルアクリレート);非反応性樹脂としてポリブテン(HV−15);粘着付与剤としてKE-311(荒川化学工業社製の水添ロジンエステルの商品名)、及びヒドロキシプロピルアクリレート(Tg−7℃、株式会社日本触媒製)を表1に示す割合となるように配合した。さらに光重合開始剤(E)としてイルガキュアTPO(モノアシルフォスフィンオキサイド)(BASF製)1質量部を添加し、ホモミキサー(プライミクス社製)で分散撹拌することにより樹脂組成物No.10を調製した。
得られた樹脂組成物の粘度を測定した。また、樹脂組成物の硬化性を上記評価方法にて測定したところ、いずれも2J/cm2であった。
樹脂組成物を、上記測定評価方法に基づいて、硬度、光線透過率、比誘電率、密着性、透明耐湿性、黄変度を測定した。測定結果を表1に示す。
一方、No.9について、高温で長時間保持した場合の黄変度(ΔYI)が小さかったのは、粘着性付与樹脂となる非反応性樹脂を含有しないためと考えられる。
Claims (13)
- 前記(C)脂環骨格含有ポリマーの数平均分子量は5000〜80000である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- (1)式中のRcに含まれる脂環骨格は、多環系である請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記(C)脂環骨格含有ポリマーのガラス転移温度(Tg)は50℃以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに(D)数平均分子量が300〜1500であるポリブテンおよび/またはポリイソブチレンを含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記(C)脂環骨格含有ポリマーと前記(D)ポリブテンおよび/またはポリイソブチレンの含有質量比率(C:D)は85:15〜5:95である請求項5に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記(C)脂環骨格含有ポリマー並びに前記(D)ポリブテンおよび/またはポリイソブチレンの合計含有量は、樹脂成分総量の1〜90質量%である請求項5又は6に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記(C)脂環骨格含有ポリマー並びに(D)ポリブテンおよび/またはポリイソブチレンは、(D)ポリブテンおよび/またはポリイソブチレンを溶媒として重合反応を行うことにより生成された(C)脂環骨格含有ポリマー溶液である請求項5〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記(A)α,β−不飽和カルボニル変性ジエン系ポリマー及び(B)(メタ)アクリレート系化合物の合計含有量は、樹脂成分総量の10〜99質量%である請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の初期の黄色度(YI0)が1.0以下であり、且つ105℃で1000時間の条件下に暴露後の黄色度(YI1000)が1.9以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の初期のヘイズ(H0)が0.5%以下であり、且つ85℃で85%RH1000時間環境下に暴露後のヘイズ(H1000)が2.0%以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物をエネルギー線照射により硬化して得られる硬化物。
- 請求項12に記載の硬化物を有する画像表示装置。
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