JPH0424631Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば自動車のステアリング装置の
ように回転数が有限である回転体と固定体との間
で信号や電力などを伝送するのに用いるブラシレ
ス伝送装置に関するものである。

（従来技術） 従来のこの種のブラシレス伝送装置は、第３図
及び第４図に示すように、略円筒状をした第１の
ハウジング１と第２のハウジング２とが同心状に
且つ相対的に回転可能に組合わされ、両ハウジン
グ１，２がなすリング状の室３内には略帯状のフ
ラツトケーブル４が渦巻状に収容され、該渦巻状
のフラツトケーブル４の内端側は第２のハウジン
グ２にケーブル固定具５で固定され、外端側は第
１のハウジング１に図示しない固定手段で固定さ
れた構造であつた。第１のハウジング１は、内筒
部６と、該内筒部６の基端の外周に突設されてフ
ラツトケーブル４の幅方向の一端側をカバーする
リング状の端板部７と、該端板部７の外周で内筒
部６に同心状に突設された外筒部８とで構成され
ている。第２のハウジング２は、内筒部６の外周
に嵌合されてたフラツトケーブル４がケーブル固
定具５で固定される内筒部９と、該内筒部９の基
端の外周に突設されてフラツトケーブル４の幅方
向の他端側をカバーするリング状の端板部１０と
で構成されている。第１、第２のハウジング１，
２は各内筒部６，９に設けられた突起６Ａ，９Ａ
により抜け止めされている。ケーブル固定具５
は、内筒部９の外周に同心状に配置されてフラツ
トケーブル４を押える円弧状のケーブル押え部１
１と、このケーブル押え部１１の一端に内向きに
突設された係止爪部１２とで構成され、該係止爪
部１２を内筒部９の係合凹部１３に係合すること
によりフラツトケーブル４の内端側の導出部４Ａ
を押えて第２のハウジング２に固定する構造であ
つた。

このようなブラシレス伝送装置においては、第
１のハウジング１と第２のハウジング２とは、渦
巻状のフラツトケーブル４の巻き締まり、巻きゆ
るみが可能な範囲で相対的に回転できるようにな
つている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような構造では、渦巻状に
されたフラツトケーブル４を渦巻きが大きくなる
方向に移動させた場合、ケーブル固定具５のケー
ブル押え部１１が内筒部９から浮き上がり、該ケ
ーブル固定具５の係止爪部１２にこれを引き抜く
方向の力が作用し、該係止爪部１２が内筒部９の
係合凹部１３から外れてしまい、フラツトケーブ
ル４の制御ができなくなつてしまう問題点があつ
た。

本考案の目的は、ケーブル固定具のハウジング
からの外れを防止できるブラシレス伝送装置を提
供することにある。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するための本考案の構成を、
実施例に対応する第１図及び第２図を参照して説
明すると、本考案は、第１のハウジング１と第２
のハウジング２とが同心状に且つ相対的に回転可
能に組み合わされ、前記両ハウジング１，２の内
筒部９と外筒部８がなすリング状の室３内にはフ
ラツトケーブル４が渦巻状に収容され、その内端
側は前記第２のハウジング２にケーブル固定具５
により固定され、その外端側は前記第１のハウジ
ング２に固定され、前記第１のハウジング１と前
記第２のハウジング２とのうちの一方をステータ
とし、他方をロータとしてなるブラシレス伝送装
置において、前記ケーブル固定具５は前記フラツ
トケーブル４の導出部４Ａを前記内筒部９と共に
挟持する導出部押え片部１６と、該導出部押え片
部１６に連設されていて前記フラツトケーブル４
の前記内筒部９に対する巻始め端を押える巻始め
端弾性押え片部１７と、該巻始め端弾性押え片部
１７の突出方向に対して直交する向きで前記導出
部押え片部１６に連設された係止片部１８とを備
え、前記第２のハウジング２の端板部１０には前
記ケーブル固定具５の前記係止片部１８を係合す
る係合凹部１５が設けられていることを特徴とす
る。

（作用） このように構成すると、ケーブル固定具５がそ
の係止片部１８を第２のハウジング２の端板部１
０を設けた係合凹部１５に係合して固定を行つて
いるので、フラツトケーブル４をその渦巻きが大
きくなる方向に移動しても、係止片部１８にはこ
れを引き抜く方向の力が作用しなくなり、ケーブ
ル固定具５が第２のハウジング２から外れなくな
る。

また、導出部押え片部１６に巻始め端弾性押え
片部１７を設けると、フラツトケーブル４の反転
を防止できる。

更に、導出部押え片部１６に巻始め端弾性押え
片部１７と係止片部１８を共に連設すると、一体
成形で形成でき、部品点数の増加をまねかず、コ
ストの増大を抑制できる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を第１図及び第２図を参
照して詳細に説明する。なお、前述した第３図及
び第４図と対応する部分には同一符号を付して示
している。本実施例では、第１のハウジング１の
内筒部６（第３図参照）が省略されている。第１
のハウジング１の外筒部８は第２のハウジング２
におけるリング状の端板部１０の外周を包囲する
ようにその高さが定められ、該外筒部８の上端の
内周には内鍔部８Ａが突設されて第２のハウジン
グ２の抜け止めが図られている。第２のハウジン
グ２の端板部１０にはその表面側に突設されてケ
ーブル固定具支持部１４が設けられ、該ケーブル
固定具支持部１４には端板部１０の内面に開口さ
せて係合凹部１５が設けられている。フラツトケ
ーブル１４の内端側では、第２図に示すように該
フラツトケーブル１４の端部が直角に折り曲げら
れて導出部４Ａが形成され、該導出部４Ａは係合
凹部１５を通つて外部に導出されている。このよ
うなフラツトケーブル１４の導出部４Ａは、ケー
ブル固定具５で第２のハウジング２に固定されて
いる。このケーブル固定具５は、フラツトケーブ
ル４の導出部４Ａを内筒部９と共に挟持する導出
部押え片部１６と、該導出部押え片部１６に連設
されてフラツトケーブル４の内筒部９に対する巻
始め端を押える巻始め端弾性押え片部１７と、こ
の巻始め端弾性押え片部１７の突出方向に対して
直交する向きで導出部押え片部１６に連設された
係止片部１８とで構成されている。このようなケ
ーブル固定具５は、フラツトケーブル４の導出部
４Ａを導出部押え片部１６で押え、フラツトケー
ブル４の内筒部９に対する巻始め端側を巻始め端
弾性押え片部１７で押えた状態で、その係止片部
１８を第２のハウジング２の係合凹部１５に挿入
して第２のハウジング２に固定する。

（考案の効果） 以上説明したように本考案に係るブラシレス伝
送装置においては、ケーブル固定具をその係止片
部を第２のハウジングの端板部に設けられた係合
凹部に挿入して固定を行つているので、フラツト
ケーブルがその渦巻きを大きくする方向に移動し
ても係止片部にはこれを引き抜く方向の力が作用
せず、ケーブル固定具が第２のハウジングから外
れるのを防止することができる。また、導出部押
え片部に巻始め端弾性押え片部を設けると、フラ
ツトケーブルの反転を防止することができる。更
に、導出部押え片部に巻始め端弾性押え片部と係
止片部を共に連設すると、一体成形で形成でき、
部品点数の増加をまねかず、コストの増大を抑制
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るブラシレス伝送装置の一
実施例の縦断面図、第２図は本実施例で用いてい
る第２のハウジングとフラツトケーブルとケーブ
ル固定具との関係を示す組立前の状態の斜視図、
第３図は従来のブラシレス伝送装置の縦断面図、
第４図は第３図の中心部の横断面図である。 １……第１のハウジング、２……第２のハウジ
ング、３……室、４……フラツトケーブル、４Ａ
……導出部、５……ケーブル固定具、８……外筒
部、９……内筒部、１０……端板部、１４……ケ
ーブル固定具支持部、１５……係合凹部、１６…
…導出部押え片部、１７……巻始め端弾性押え片
部、１８……係止片部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１のハウジングと第２のハウジングとが同心
   状に且つ相対的に回転可能に組み合わされ、前記
   両ハウジングの内筒部と外筒部がなすリング状の
   室内にはフラツトケーブルが渦巻状に収容され、
   その内端側は前記第２のハウジングにケーブル固
   定具により固定され、その外端側は前記第１のハ
   ウジングに固定され、前記第１のハウジングと前
   記第２のハウジングとのうちの一方をステータと
   し、他方をロータとしてなるブラシレス伝送装置
   において、前記ケーブル固定具は前記フラツトケ
   ーブルの導出部を前記内筒部と共に挟持する導出
   部押え片部と、該導出部押え片部に連設されてい
   て前記フラツトケーブルの前記内筒部に対する巻
   始め端を押える巻始め端弾性押え片部と、該巻始
   め端弾性押え片部の突出方向に対して直交する向
   きで前記導出部押え片部に連結された係止片部と
   を備え、前記第２のハウジングの端板部には前記
   ケーブル固定具の前記係止片部を嵌合する係合凹
   部が設けられていることを特徴とするブラシレス
   伝送装置。