JPH04554Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば自動車のステアリング装置の
ように回転数が有限である回転体と固定体との間
で信号や電力などを伝送するのに用いるブラシレ
ル伝送装置に関するものである。

（従来技術） 従来のこの種のブラシレス伝送装置は、第４図
乃至第６図Ａ，Ｂに示すように、略円筒状をした
第１のハウジング１と第２のハウジング２とが同
心状に且つ相対的に回転可能に組合わされ、両ハ
ウジング１，２がなすリング状の室３内には略帯
状のフラツトケーブル４が渦巻状に収容され、該
渦巻状のフラツトケーブル４の一端（外端）４Ａ
は第１のハウジング１に固定され、他端（内端）
４Ｂは第２のハウジング２に固定された構造であ
つた。第１のハウジング１は、内筒部５と、該内
筒部５の基端の外周に突設されてフラツトケーブ
ル４の幅方向の一端側をカバーする円板部６と、
該円板部６の外周で内筒部５に同心状に突設され
た外筒部７とで構成されている。第２のハウジン
グ２は、内筒部５の外周に嵌合されてフラツトケ
ーブル４が固定リング８で固定された内筒部９
と、該内筒部９の基端の外周に突設されてフラツ
トケーブル４の幅方向の他端側をカバーする円板
部１０とで構成されている。第１、第２のハウジ
ング１，２は各内筒部５，９に設けられた突起１
１，１２により抜け止めされている。

このようなブラシレス伝送装置においては、第
１のハウジング１と第２のハウジング２とは、渦
巻状のフラツトケーブル４の巻き締まり、巻きゆ
るみが可能な範囲で相対的に回転できるようにな
つている。

この場合、ロータとして作用する例えば第２の
ハウジング２の回転可能範囲は、第６図Ａに示す
フラツトケーブル４が内筒部９の付近に略密巻き
された状態（巻き締つた状態）から第６図Ｂに示
すフラツトケーブル４が外筒部７の付近に略密巻
きされた状態（巻きがゆるんだ状態）までに制限
される。

従つて、この装置を例えばハンドル軸部に組み
付ける場合は、ハンドルの回転可能回転数の1/2
の回転位置と、該ブラシレス伝送装置の回転可能
回転数の1/2の回転位置とを一致させて組み付け
る必要がある。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、従来のこの種の装置では、ロー
タ側が正方向或は逆方向に許容範囲を越えて回転
を受けた場合、フラツトケーブル４に大きな張力
が作用し、該フラツトケーブル４が切断された
り、その接続部分が破壊されたりする問題点があ
つた。

本考案の目的は、ロータ側の回転範囲を制限で
きるブラシレス伝送装置を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するための本考案の構成を、
実施例に対応する第１図乃至第３図Ａ〜Ｃを参照
して説明すると、本考案は、第１のハウジング１
と第２のハウジング２とが同心状に且つ相対的に
回転可能に組み合わされ、前記両ハウジングが
１，２がなすリング状の室３内にはフラツトケー
ブル４が渦巻状に収容され、その一端は前記第１
のハウジング１に固定され、その他端は前記第２
のハウジング２に固定され、前記第１のハウジン
グ１と前記第２のハウジング２とのうちの一方を
ステータとし、他方をロータとしてなるブラシレ
ス伝送装置において、前記第１、第２のハウジン
グ１，２のいずれか一方のハウジング２の円板部
１０の板面に、前記第１、第２のハウジング１，
２のうちのロータ側の回転中心を中心としてスパ
イラル状溝１３が形成され、前記溝１３をガイド
として相対的に回転可能に前記板面に回転数表示
用駒１４が当接され、前記第１、第２のハウジン
グ１，２のうちの他方のハウジング１には前記駒
１４の周方向の移動を阻止し径方向の移動のみ移
動するように規制するガイド部材１５が設けられ
ていることを特徴とする。

（作用） このように構成すると、ロータ側のハウジング
が許容範囲まで正或いは逆回転すると、その回転
に応じて回転数表示用駒１４が径方向に移動し、
回転数を表示する。

（実施例） 以下本考案の実施例を第１図乃至第３図Ａ〜Ｃ
を参照して詳細に説明する。なお、前述した第４
図乃至第６図Ａ，Ｂと対応する部分には同一符号
を付して示している。本実施例では、ロータとし
て作用する第２のハウジング２の円板部１０の板
面の、該ロータの回転中心を中心としてスパイラ
ル状溝１３が形成されている。該スパイラル状溝
１３には相対的に回転可能に回転数表示用駒１４
が嵌め込まれている。ステータとして作用する第
１のハウジング１には、回転数表示用駒１４の周
方向の移動を阻止し径方向のみ移動するように規
制するガイド部材１５が固設されている。このガ
イド部材１５は透明樹脂によりＬ字状に形成され
ていて、スパイラル状溝１３に対向する板面に、
該溝１３に直交する向きの溝によりガイド路１６
が形成され、このガイド路１６で回転数表示用駒
１４の動きを規制するようになつている。このガ
イド部材１５の表面には回転数を示す０，１，
２，３，４，５，と番号が彫り込まれている。

なお、本実施例では、第１のハウジング１は内
筒部９を有さず、また円板部６と外筒部７とが分
割された構造とし、これに伴つて外筒部７の両端
に内鍔７Ａ，７Ｂを有し、円板部１０，６を把持
する構造としているが、これは前述した従来技術
に示した構造と同様の構造にしてもよいことは勿
論である。また、１７は室３内でフラツトケーブ
ル４の振動を抑える振動防止板である。

このようなブラシレス伝送装置は、ロータとし
て作用する第２のハウジング２の回転につれてそ
のスパイラス状溝１３の作用とガイド部材１５と
の相互作用により回転数表示用駒１４が径方向に
相対的に移動し、回転数を表示する。従つて、フ
ラツトケーブル４が回転可能回転数の1/2の回転
位置にあるか否かの判定を、回転数表示用駒１４
の位置を見ることにより行うことができる。

上記実施例では、第２のハウジング２側をロー
タとしたが、第１のハウジング１側をロータとし
てもよいことは勿論である。

また、ガイド路１６は回転数表示用駒１４が脱
落しないような幅でガイド部材１５の表面に開口
するようにしてもよい。

（考案の効果） 以上説明したように本考案に係るブラシレス伝
送装置においては、一方のハウジングの円板部の
板面に、ロータ側の回転中心を中心としてスパイ
ラル状溝を設け、この溝をガイドとして相対的に
回転可能に表示用駒を設け、他方のハウジングに
該駒の周方向の移動を阻止し径方向にのみ移動す
るように規制するガイド部材を設けたので、ロー
タとして作用するハウジングの回転につれて回転
数表示用駒が径方向に移動して回転数を表示する
ことができる。従つて、フラツトケーブルが回転
可能回転数の1/2回転位置にあるか否かの判定を、
回転数表示用駒の位置を見ることにより行うこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係るブラシレス伝
送装置の一実施例の平面図及び縦断面図、第３図
Ａ，Ｂ，Ｃは本実施例で用いているガイド部材の
正面図、側面図及び平面図、第４図は従来の伝送
装置の縦断面図、第５図は該伝送装置の横断面、
第６図Ａ，Ｂは該伝送装置内のフラツトケーブル
の２種の状態を示す横断面図である。 １……第１のハウジング、２……第２のハウジ
ング、３……室、４……フラツトケーブル、６，
１０……円板部、１３……スパイラル状溝、１４
……回転数表示用駒、１５……ガイド部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１のハウジングと第２のハウジングとが同心
   状に且つ相対的に回転可能に組み合わされ、前記
   両ハウジングがなすリング状の室内にはフラツト
   ケーブルが渦巻状に収容され、その一端は前記第
   １のハウジングに固定され、その他端は前記第２
   のハウジングに固定され、前記第１のハウジング
   と前記第２のハウジングとのうちの一方をステー
   タとし、他方をロータとしてなるブラシレス伝送
   装置において、前記第１、第２のハウジングのい
   ずれか一方のハウジングの円板部の板面に、前記
   第１、第２のハウジングのうちのロータ側の回転
   中心を中心としてスパイラル状溝が形成され、前
   記溝をガイドとして相対的に回転可能に前記板面
   に回転数表示用駒が当接され、前記第１、第２の
   ハウジングのうちの他方のハウジングには前記駒
   の周方向の移動を阻止し径方向の移動のみ移動す
   るように規制するガイド部材が設けられているこ
   とを特徴とするブラシレス伝送装置。