JPH04221344A - 含フッ素アクリレート化合物及びそれを用いた接着性組成物 - Google Patents

含フッ素アクリレート化合物及びそれを用いた接着性組成物

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JPH04221344A
JPH04221344A JP41327490A JP41327490A JPH04221344A JP H04221344 A JPH04221344 A JP H04221344A JP 41327490 A JP41327490 A JP 41327490A JP 41327490 A JP41327490 A JP 41327490A JP H04221344 A JPH04221344 A JP H04221344A
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JP
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compound
group
acrylate
fluorine
examples
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JP41327490A
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Toshio Kawaguchi
俊夫 川口
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は新規なアクリレート化合
物及び該アクリレート化合物単独又は共重合可能な他の
単量体との混合物とラジカル開始剤とよりなる接着性組
成物を提供する。該接着性組成物は金属材料、有機高分
子材料、セラミックス材料、及び人体硬組織等の接着に
好適に使用し得る接着性組成物である。 【0002】 【従来の技術】接着材は近年、金属、有機高分子、セラ
ミックス、及び医療部門等広範に使用され、装置の軽量
化、省エネルギー、高機能性の発揮等に重要な役割を果
している。従来反応型の接着材としてはエポキシ樹脂、
ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル、シアノアクリレー
ト等が挙げられる。これらのもので接着強度に優れてい
るものは硬化速度が遅く、高温あるいは長時間の養生を
要し、シアノアクリレートのように短時間で硬化するも
のは耐水性に劣る等の問題がある。 【0003】これに対してアクリレート単量体系の接着
材は用途に応じ、加熱、常温、光等種々の硬化剤により
硬化させることができ、硬化時間も広い範囲で調整でき
る特徴がある。しかし、この接着材の接着力は主として
種々の表面処理を行ない、被接面に凹凸をつけ、いわゆ
る嵌合力によるものである。そこで表面処理なしで接着
力のある接着材が要望されている。 【0004】上記の如き要望に応へ、接着力を高める方
法として種々のカルボキシル基を有するアクリレート化
合物を使用することが報告されている。例えば、歯科理
工学雑誌第8巻第14号36〜43頁には、一般式、で
示されるアクリレート化合物が象牙との接着に有効であ
ると記載されている。 【0005】上記に示したカルボキシル基を有するアク
リレート化合物によって接着力はかなり向上してきたが
、湿潤状態での接着あるいは長期耐水性、水中での熱サ
イクルによる耐久性等はまだ十分とは言えず、これらの
性質の改良が望まれている。 【0006】 【発明が解決しようとする問題点】本発明者は上記問題
点を解決するためにより接着力が高く、耐久性のある化
合物について鋭意研究を行なった。その結果、カルボキ
シル基がフッ素化炭素に結合している特定の構造のアク
リレート化合物とラジカル開始剤とよりなる組成物が、
優れた接着力と耐久性とを有することを見い出し、本発
明を完成させるに至った。 【0007】 【発明の構成】即ち、本発明は一般式(I)、(式中、
R1 は水素原子又はアルキル基を示し、R2 はアル
キレン基を示し、R3 はパーフルオロアルキレン基又
はパーフルオロオキシアルキレン基を示す)で示される
含フッ素アクリレート化合物である。 【0008】また本発明は、(i)上記一般式(I)で
示される含フッ素アクリレート化合物又は該含フッ素ア
クリレート化合物と共重合可能な他の単量体との混合物
及び(ii)ラジカル重合開始剤から成る接着性組成物
をも提供する。 【0009】本発明の含フッ素アクリレート化合物は前
記一般式(I)で示される含フッ素アクリレート化合物
である。 【0010】前記一般式(I)中のR1 は水素原子又
はアルキル基であれば何ら制限なく用いられ得る。一般
に原料入手、単離及び精製の容易さ等の理由から、水素
原子又はメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基
の炭素数1〜4のアルキル基が好ましくは炭素原子数1
〜2のアルキル基が最も好適である。 【0011】また前記一般式(I)中、R2 はアルキ
レン基であれば特に制限なく用いられるが、一般には炭
素原子数が2〜20好ましくは2〜12のアルキレン基
が高い接着力を期待出来るので最も好適である。 【0012】最も好適に使用されるアルキレン基をより
具体的に例示すれば、 【0013】 【化1】 等である。 【0014】また前記一般式(I)中、R3 はパーフ
ルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン
基であれば特に制限なく用いられる。 【0015】該パーフルオロアルキレン基は一般に炭素
原子数1〜20好ましくは1〜10のものが好適に使用
される。特に好適に使用されるパーフルオロアルキレン
基をより具体的に例示すれば、 【0016】 【化2】 等である。 【0017】また該パーフルオロオキシアルキレン基も
特に制限されず公知のパーフルオロオキシアルキレン基
が使用出来る。一般に好適に使用されるパーフルオロオ
キシアルキレン基は、下記一般式(A)において、mと
kが0〜2で、nが2〜10であるパーフルオロオキシ
アルキレン基である。 【0018】 【化3】 【0019】最も好適に使用される該パーフルオロオキ
シアルキレン基をより具体的に例示すれば、【0020
】 【0021】 【化4】 【0022】 【化5】 【0023】 【化6】 【0024】 【化7】 【0025】 【化8】 【0026】前記一般式(I)で示される含フッ素アク
リレート化合物の製造方法は特に限定されるものではな
く、如何なる方法を採用してもよい。工業的に好適な方
法の一例を具体的に例示すれば次の通りである。 【0027】即ち下記式(II) (但し、R1 は水素原子又はアルキル基を示し、R2
 はアルキレン基を示す。)で示される水酸基を有する
ビニル化合物と下記式(III) 【0028】 (但し、R3 はパーフルオロアルキレン基又はパーフ
ルオロオキシアルキレン基を示し、Xはハロゲン原子を
示す。)で示される酸ハライド化合物とを反応させるこ
とにより、下記一般式(IV)の化合物が得られる。 【0029】R1  【0030】次に一般式(IV)の化合物を、炭酸ナト
リウムや炭酸カリウムなどの炭酸塩と反応させて、一旦
金属塩に変えた後、塩酸などの強酸を添加し溶液を酸性
まで変化させる事によって、目的の含フッ素アクリレー
ト化合物(I)を得る事ができる。 【0031】尚前記一般式(II)〜(IV)中、R1
 ,R2 及びR3 はそれぞれ前記一般式(I)の化
合物について説明したのと同じである。 【0032】前記一般式(II)で示されるビニル化合
物は前記特定されたものが特に制限されず用いうる。一
般に最も好適に使用されるものを例示すれば、【003
3】 【0034】 *−(CH2 )12−OH 等である。 【0035】また前記一般式(III)で示される酸ハ
ライドは公知のものが特に制限されず使用出来る。一般
に最も好適に使用されるものを例示すれば、【0036
】ClOC(CF2 )2 COCl,FOC(CF2
 )2 COF,ClOC(CF2 )3 COCl,
FOC(CF2 )3 COF,ClOC(CF2 )
4 COCl,FOC(CF2 )4 COF,ClO
C(CF2 )5 COCl,FOC(CF2 )5 
COF,ClOC(CF2 )8 COCl,FOC(
CF2 )8 COF等のパーフルオロアルケニルジア
シッドハライドや、【0037】 【0038】 等のパーフルオロオキシアルキレンジアシッドハライド
等である。 【0039】更にまた前記一般式(IV)で示される化
合物は前記一般式(II)と(III)とを反応させて
得られる化合物であり、前記一般式(I)の直接の原料
となる。 該一般式(IV)で示される化合物は前記一般式(II
)及び(III)の種類に応じて目的のものを得ること
が出来る。一般に前記一般式(I)の原料として最も好
適に使用される代表的なものを例示すれば次の通りであ
る。 【0040】 【化9】 【0041】 【化10】 【0042】 【化11】 【0043】 【化12】 【0044】 【化13】 等が一般に最も好適に使用される。 【0045】上記一般式(II)の水酸基を有するビニ
ル化合物と一般式(III)の酸ハライドの反応に際し
ては原料化合物はどのような順序で混合してもよい。ま
た一段階でこれらの原料成分化合物をすべて混合して反
応を行なう事もできるし、数段階に分けてこれらの原料
成分化合物を混合する方法で反応を行なうこともできる
。収率の点からは、酸ハライドに対して水酸基を有する
ビニル化合物を少しずつ滴下して行く方法が好適に用い
られる。 【0046】又該酸ハライド(III)に対する該水酸
基を有するビニル化合物の添加は、モル比が0.1〜1
.5の範囲で行なわれるが、一般式(I)の含フッ素ア
クリレート化合物を収率良く得るためには、等モルで反
応させるのが好適である。 【0047】この反応の溶媒としては、原料と反応しな
い無水の極性非水溶媒が特に制限なく使用される。該極
性非水溶媒の代表的なものを例示すると、【0048】
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグラ
イム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等の
エーテル系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等
のオキソサルファ系溶媒;アセトニトリル、プロピオニ
トリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ジメチル
ホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホル
アミド等のアミド系溶媒等が好適に使用される。 【0049】前記製造方法に於ける反応温度は特に限定
されるものではないが、通常−78℃以上乃至100℃
以下の温度範囲から選択するのが望ましい。該100℃
を越える高い温度においても反応は進行するが、原料ま
たは生成物の重合などが起こったり、副反応が起ったり
する傾向があるので通常は採用しない方がよい。従って
目的物の収率の面から反応は好ましくは、−78〜10
0℃の間の温度から選択し、更に好ましくは、−78〜
50℃の間の温度範囲の中から選択するのが好ましい。 【0050】前記製造法に於ける反応は通常原料成分化
合物および溶媒を仕込んだ状態での反応温度における自
然圧下で行なうのが便利であるが必要に応じて更に加圧
又は減圧した状態で行なっても良い。尚、反応の雰囲気
は特に限定されないが一般には不活性ガスで置換した方
が好ましい結果を与えることが多い。 【0051】前記製造法に於ける反応時間は用いる原料
成分化合物溶媒の種類、反応温度等によって異なり一概
に限定出来るものではないが、一般には数分から数日の
範囲で選択すれば好ましく、必要に応じて数分から数時
間程度の反応時間にするように他の条件を選ぶのが好適
である。 【0052】前記製造法に於ける反応容器の材質は反応
に関与しない腐食に耐える材質であれば特に限定されな
いがガラス、ステンレス等の金属、テフロン等が一般に
好適に使用される。 【0053】前記製造法の実施に際して反応熱の均一な
分散および原料成分化合物の均一な分散等のために反応
系を攪拌する手段はしばしば好適な手段として採用され
うる。 【0054】前記製造法によって得られた一般式(IV
)の化合物に炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの炭酸
塩を加えて一般式(IV)のカルボン酸塩を形成させた
後、次いで塩酸を加えて前記一般式(I)の含フッ素ア
クリレート化合物を遊離させることによって本発明の含
フッ素アクリレート化合物が得られる。 【0055】本発明で提供する前記一般式(I)で示さ
れる含フッ素フクリレート化合物は新規な化合物である
。該化合物は一般に赤外吸収スペクトル、13C−核磁
気共鳴スペクトル、質量分析スペクトル、元素分析等を
測定することによって確認することが出来る。 【0056】これらの測定データに最も特徴的に現われ
る現象の一例を説明すると下記の通りである。 【0057】(A)赤外吸収スペクトル(IR)の測定
一般にメタクリル酸エステル(あるいはアクリル酸エス
テル)において、カルボニル基の吸収は1720cm−
1に、二重結合による吸収は1640cm−1に観察さ
れる。一方、フルオロアルキル基に隣接したカルボニル
基の吸収は1780cm−1付近に観察される。又、カ
ルボキシル基由来の水酸基の吸収は3200cm−1付
近に観察され、C−Fの伸縮による吸収は1400〜1
000cm−1に現われる。 【0058】(B)13C−核磁気共鳴スペクトル(1
3C−NMR)の測定 1 Hならびに19Fをデカップリングした13C−核
磁気共鳴スペクトルにおいて、環境の異なる炭素はそれ
ぞれ一本のピークを示す。この化学シフトを調べる事に
よって生成物を同定することが出来る。本発明の化合物
についての具体的な同定については後述する実施例で述
べるが、本発明の化合物が何であるかは13C−核磁気
共鳴スペクトルでほぼ完全に確認することが出来る。 【0059】(C)質量分析 質量分析の手段として、電界脱離イオン化法(MS−F
Dと略す)を用いることによって分子量を確認できる。 本発明のアクリレート化合物の分子量をMとすると、M
+ +1又はM+ の位置に分子イオンピークが観察さ
れる。 【0060】(D)元素分析 炭素及び水素の分析結果を一般式(I)から算出される
理論値と比較することにより本発明で用いる含フッ素ア
クリレート化合物の確認ができる。 【0061】本発明の含フッ素アクリレート化合物は単
独で或いは共重合可能な他の単量体とを混合することに
よって接着性成分として好適に使用される。該含フッ素
アクリレート化合物はそのまま使用出来るが、精度が高
い場合或いは固体状である場合は一般に揮発性の高い有
機溶媒か或いは共重合可能な他の液状単量体を混合して
使用するのが好ましい。 【0062】該有機溶媒は特に限定されず必要に応じて
選択して使用すればよいが、一般にはエタノール、アセ
トン、塩化メチレン、クロロホルム等が好適に使用され
る。 【0063】また共重合可能な他の単量体は含フッ素ア
クリレート化合物の取扱いを容易にする目的で、しばし
ば好適な態様として使用される。該共重合可能な他の単
量体は特に限定されず公知のビニル化合物が使用出来る
。一般に入手が容易でしかも接着性の効果をより発揮さ
せる面から考えて前記一般式(I)で示されるアクリレ
ート化合物とは別のアクリレート化合物が好適である。 特に好適に使用出来るものをより具体的に例示すると次
の通りである。 【0064】例えばメチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリ
レート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレ
ート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アク
リレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アク
リレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アク
リレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート
、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,4ブタンジオール
ジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(
メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ
)アクリレート、1,10デカンジオールジ(メタ)ア
クリレート、ビスフェノール−Aジ(メタ)アクリレー
ト、2,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシポリエ
トキシフェニル〕プロパン、2,2′−ビス〔4−(3
−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)
フェニル〕プロパン、トリメチロールプロパン(メタ)
アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アク
リレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アク
リレート等が挙げられる。 【0065】上記一般式(I)の含フッ素アクリレート
化合物と、上記した他のアクリレートの1種又は数種を
組合せて使用する場合、一般式(I)で示されるアクリ
レート化合物の含有量は要求される接着力及び硬化物の
耐久性等によって異なり、広い範囲から選ばれ、例えば
全モノマー量に対して1重量%以上乃至100重量%未
満の範囲から選びうる。しかし高接着強度及び高耐久性
が要求される分野においては前記一般式(I)の含フッ
素アクリレート化合物を全モノマーに対して1〜50重
量%更に好ましくは2〜30wt%の範囲が好適である
。 【0066】本発明は前記一般式(I)で示される含フ
ッ素アクリレート化合物とラジカル重合開始剤とよりな
る接着性組成物をも提供する。前記一般式(I)で示さ
れる含フッ素アクリレート化合物は該接着性組成物の主
な構成成分であるが、該接着性組成物の他方の成分は、
ラジカル重合開始剤である。 【0067】該ラジカル開始剤としては、硬化させる方
法によって種々のものが使用できるため、その使用量も
一概に限定できない。一般には、全モノマー量に対して
0.05〜5重量%の範囲で用いることが好ましい。 【0068】以下に本発明に於いて好適に使用し得るラ
ジカル開始剤とその好適な使用量について説明する。 【0069】加熱によってラジカルを発生するラジカル
開始剤としては、過酸化物、アゾ化合物等が好適に用い
られる。過酸化物としては公知のものが何ら制限なく使
用される。具体的にはジベンゾイルパーオキサイド、2
,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジラウロイ
ルパーオキサイド、ジオクタノイルパーオキサイド、デ
カノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;
クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;及びシクロ
ヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオ
キサイド等のケトンパーオキサイド等が挙げられる。ま
たアゾ化合物としては2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2
,2′−アゾビス(2,4−ジメルバレロニトリル)等
が好適に使用される。 【0070】上記ラジカル開始剤は全モノマー量に対し
て0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量%の添
加が好適である。重合温度は使用する硬化触媒によって
異なるが、一般には40〜150℃、好ましくは50〜
130℃の範囲であることが好適である。 【0071】光によるラジカル開始剤としては種々の光
増感剤が使用できる。光増感剤としては既知のどのよう
なものも用い得るが、ジアセチル、アセチルベンゾイル
、ベンジル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジ
オン、4,4′−ジメトキシベンジル、α−ナフチル、
β−ナフチル、4,4′−オキシベンジル、カンファー
キノン、9,10−フェナンスレンキノン、アセナフテ
ンキノン等のα−ジケトン;ベンゾインメチルエーテル
、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエー
テル等のベンゾインアルキルエーテル;2,4−ジエト
キシチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキ
サンソン化合物等;ベンゾフェノン、P,P′−ジメチ
ルアミノベンゾフェノン、P,P′−メトキシベンゾフ
ェノン等のベンゾフェノン系化合物が好適に使用される
。 【0072】これらの光増感剤の添加量は全モノマー量
に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重
量%が好適である。 【0073】また、光硬化を行なう場合には、光増感剤
と同時に硬化促進剤を添加することができる。硬化促進
剤としてはジメチルパラトルイジン、N,N′−ジメチ
ルベンジルアミン、N−メチルジブチルアミン、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート等のアミン化合物;ジメ
チルホスファイト、ジオクチルホスファイト等のホスフ
ァイト化合物;及びナフテン酸コバルトなどのコバルト
系化合物;バルビツール酸、5−エチルバルビツール酸
、5−チオバルビツール酸等のバルビツール酸類などが
好適に使用される。硬化促進剤の添加量は全モノマー量
に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜1重
量%であることが好適である。 【0074】光硬化の場合は高圧、中圧、低圧水銀灯に
よる紫外線;ハロゲンランプ、キセノンランプ等による
可視光線を照射することにより硬化させることができる
。 【0075】常温重合のラジカル開始剤としては過酸化
物が用いられるが、これ単独では常温重合により強力な
接着力が得られないため、過酸化物にアミン又はその塩
及び有機スルフィン酸塩が組合せて使用される。 【0076】上記過酸化物、アミン又はその塩及びスル
フィン酸塩については夫々の用いる具体的物質について
特に制限されない。しかし、有機過酸化物としてはジア
シルパーオキサイド即ちジベンゾイルパーオキサイド、
ジ−p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジラウロイ
ルパーオキサイド等が好ましく用いられる。 【0077】また、アミンとしては、アミンがアリール
基に結合した第2級または第3級アミンなどが硬化の加
速性の点で好ましく用いられる。 【0078】例えばN,N′−ジメチルアニリン、N,
N′−ジメチル−p−トルイジン、N−メチル、N′−
β−ヒドロキシエチル−アニリン、N,N′−ジ(β−
ヒドロキシエチル)−アニリン、N,N′−ジ(β−ヒ
ドロキシエチル)−p−トルイジン、N−メチル−アニ
リン、N−メチル−p−トルイジン、4−(N,N−ジ
メチルアミノ)安息香酸エチル、4−(N,N−ジエチ
ルアミノ)安息香酸エチル、4−(N,N−ジメチルア
ミノ)安息香酸などのアミノ安息香酸誘導体、4−(N
,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(N,
N−ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドなどのアミノベ
ンズアルデヒド誘導体等が好ましい例として挙げること
ができる。これらのアミンは、塩酸、酢酸、リン酸、有
機酸などと塩を形成していてもよい。 【0079】また、スルフィン酸塩としては、硬化剤の
安定性の点から、アリールスルフィン酸のアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩またはアミン塩が良好である。 例えばベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスル
フィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸ストロンチ
ウム、ベンゼンスルフィン酸アンモニウム、ベンゼンス
ルフィン酸トリエチルアンモニウム塩、ベンゼンスルフ
ィン酸・N,N′−ジメチル−p−トルイジン塩あるい
はp−トルエンスルフィン酸、β−ナフタレンスルフィ
ン酸、スチレンスルフィン酸の塩などを挙げることがで
きる。 【0080】上記のラジカル開始剤において、過酸化物
及びアミンの使用量は、全モノマー量に対してそれぞれ
0.05〜5重量%、更に0.1〜2重量%であること
が好ましい。有機スルフィン酸塩の使用量はモノマーに
対して0.05〜2重量%、更に0.1〜0.9重量%
であることが好ましい。 【0081】本発明の接着性組成物には必要に応じてハ
イドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ブ
チルヒドロキシトルエン等の重合禁止剤を少量添加する
のが好ましい。 【0082】本発明においては、接着の対象物によって
はフィラーを添加することが好ましい。フィラーを添加
することによって機械的強度、耐水性が向上し、更に流
動性、塗布性をコントロールすることができる。フィラ
ーとしては例えば、石英、無定形シリカ、クレー、酸化
アルミニウム、タルク、雲母、カオリン、ガラス、硫酸
バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、チッ化ケイ
素、チッ化アルミニウム、チッ化チタン、炭化ケイ素、
炭化ホウ素、炭酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、
リン酸カルシウム等の無機物;ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリエステル、ナイロン等の高分子又はオリ
ゴマー等の有機物;及び有機−無機の複合フィラー等が
挙げられる。無機フィラーは、通常、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン等のシランカップリング剤で処理したものを
使用するのが好ましい。 【0083】また、必要に応じて有機溶媒を添加するこ
とができる。有機溶媒としては、アセトン、塩化メチレ
ン、クロロホルム、エタノール、等の揮発しやすいもの
が好ましい。 【0084】 【発明の効果】本発明の含フッ素アクリレート化合物又
は該含フッ素アクリレート化合物と他の共重合可能な単
量体との混合物及びラジカル開始剤を含む接着性組成物
は、金属をはじめとし、セラミックス材料、歯牙や骨の
ような人体硬組織、有機高分子材料等の接着に用いるこ
とができる。 【0085】本発明の接着性組成物は、従来公知の接着
性組成物に比べ、接着強度の向上は勿論、耐水性及び熱
サイクルによる耐久性の向上を計ることができる。従っ
て、本発明の接着性組成物は、あらゆる分野の接着に於
ける新しい接着性組成物として極めて重要且つ有用であ
る。 【0086】 【実施例】本発明を更に具体的に説明するために以下実
施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。 【0087】以下の実施例に於いて用いた略号は次の化
合物を示す。 ・D−2.6E 【化14】 (但し、m+nの平均値は2.6である)【0088】
・3G      トリエチレングリコールジメタクリ
レート ・HEMA  2−ヒドロキシエチルメタクリレート・
Bis−GMA  2,2−ビス〔4−(3−メタクリ
ロイルキオシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕
プロパン ・NPG    ネオペンチルグリコールジメタクリレ
ート【0089】・BPO    ジベンゾイルパーオ
キサイド・AIBN  2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル・BHT    ブチルヒドロキシトルエン・
HQME  ハイドロキノンモノメチルエーテル【00
90】実施例1 1000mlのガラスオートクレーブに、テトラエチレ
ングリコールジメチルエーテル200g、フッ化セシウ
ム20gを入れ充分に攪拌した後、容器をドイアイス−
メタノールで冷却した状態でオギザリルフロライド10
0gを導入した。 【0091】次にあらかじめ−78℃に冷却した耐圧ガ
ラス容器に貯蔵しておいたヘキサフルオロプロピレンオ
キサイド(HFPOと略す)700gを次第に室温に戻
しながら銅パイプを通じてオートクレーブ内に導入した
。 【0092】導入後は、−10°〜0℃で10時間反応
させ、蒸留する事によって、 を単離した。 【0093】これら化合物のうち、 FC−CFOCF2 CF2 OCF−CF  44g
に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.9g、エ
チルエーテル20gの溶液を少しずつ滴下する事によっ
て、モノ酸フロライド化合物を合成した。 【0094】反応終了後、50℃、2〜3mmHgで3
時間減圧に引く事により、溶媒および未反応のジ酸フロ
ライド原料を除去した。 【0095】続いて、残留液に炭酸カリウム15gを加
える事によってCH3               
          CF3            
   CF3        |          
                  |      
            |CH2 =C−CO2 C
H2 CH2 O2 C−CFOCF2 CF2 OC
FCO2 Kで示されるカルボン酸塩に変え、フッ素系
溶剤(ダイフロン:商品名)で充分に洗浄ろ過を行った
。次に残留物に塩酸水溶液とダイフロンを加えて攪拌放
置すると二層に分離した。 【0096】下層(ダイフロン層)を減圧下で濃縮する
事により無色透明液体14gが得られた。この化合物の
構造は、下記の分析より ある事を確認した。 【0097】(1)赤外吸収スペクトル3200cm−
1              OH1780cm−1
              C=O(パーフルオロア
ルキル基に結合) 1720cm−1              C=O
(メタクリルエステル由来) 1640cm−1              C=C
(メタクリル基由来) 1400〜1000cm−1    C−F【0098
】(2)13C−核磁気共鳴スペクトル【0099】   (a)126.3 ppm      (h)11
8.1 ppm  (b)135.5 ppm    
  (i)100.7 ppm  (c)  16.8
 ppm      (j)115.1 ppm  (
d)168.0 ppm      (k)115.1
 ppm  (e)  61.8 ppm      
(l)119.3 ppm  (f)  66.1 p
pm      (m)102.3 ppm  (g)
159.5 ppm      (n)162.9 p
pm【0100】(3)質量分析スペクトルm/e53
5にM+ +1のピークが現われた。 【0101】 【0102】実施例2 実施例1で合成した −ヒドロキシエチルメタクリレート1.7g、エチルエ
ーテル20gの溶液を少しずつ滴下する事によってモノ
酸フロライド化合物を合成した。 【0103】反応終了後、50℃、2〜3mmHgで3
時間減圧に引く事により溶媒および未反応のジ酸フロラ
イド原料を除去した。 【0104】続いて、残留液に炭酸カリウム3.0gを
加える事によって イフロン;商品名)で充分に洗浄ろ過を行った。次に残
留物に塩酸水溶液とダイフロンを加えて攪拌放置すると
二層に分離した。 【0105】下層(ダイフロン層)を減圧下で濃縮する
事により無色透明液体4gが得られた。 【0106】この化合物の構造は、下記の分析より【0
107】(1)赤外吸収スペクトル    3200c
m−1              OH    17
80cm−1              C=O(パ
ーフルオロアルキル基に結合)    1720cm−
1              C=O(メタクリルエ
ステル由来)    1640cm−1       
       C=C(メタクリル基由来)    1
400〜1000cm−1    C−F【0108】
(2)13C−核磁気共鳴スペクトル【0109】   (a)128.4 ppm      (k)11
8.2 ppm  (b)136.6 ppm    
  (l)101.0 ppm  (c)  17.7
 ppm      (m)115.4 ppm  (
d)167.8 ppm      (n)115.4
 ppm  (e)  61.5 ppm      
(o)118.2 ppm  (f)  65.9 p
pm      (p)101.2 ppm  (g)
158.5 ppm      (q)116.0 p
pm  (h)118.2 ppm      (r)
118.3 ppm  (i)100.8 ppm  
    (s)101.0 ppm  (j)116.
0 ppm      (t)162.0 ppm【0
110】(3)質量分析スペクトルm/e867にM+
 +1のピークが現われた。 【0111】(4)元素分析 【0112】実施例3 ヘキサフルオログルタリンフロライド(ヒドラス化学株
式会社製)10gに、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート4.5gとエチルエーテル20gの混合溶液を少し
ずつ滴下する事によってモノ酸フロライド化合物を合成
した。 【0113】反応終了後、実施例1と同様な方法を用い
、炭酸カリウム6.7gを加える事によってカルボン酸
塩に変えた。次に、塩酸水溶液とダイフロンを加え、ダ
イフロン層を濃縮する事によって、無色透明液体4.9
gが得られた。 【0114】この化合物の構造は下記の分析より、であ
る事を確認した。 【0115】(1)赤外吸収スペクトル    320
0cm−1              OH    
1760cm−1              C=O
(パーフルオロアルキル基に結合)    1720c
m−1              C=O(メタクリ
ルエステル由来)    1640cm−1     
         C=C(メタクリル基由来)   
 1400〜1000cm−1    C−F【011
6】(2)13C−核磁気共鳴スペクトル【0117】   (a)126.1 ppm      (g)15
8.4 ppm  (b)135.3 ppm    
  (h)106.4 ppm  (c)  16.9
 ppm      (i)109.5 ppm  (
d)167.9 ppm      (j)106.4
 ppm  (e)  66.2 ppm      
(k)161.9 ppm  (f)  61.6 p
pm 【0118】(3)質量分析スペクトルm/e353に
M+ +1のピークが現われた。 【0119】(4)元素分析 【0120】実施例4〜8   実施例1と同様にしてFOC−CFOCF2 CF
2 OCF−COFに対し、種々のモノヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレートを反応させる事によってモノ
酸フロライドを合成した。 【0121】反応終了後、実施例1と同様な方法で一旦
反応生成物をカルボン酸のカリウム塩に変えた後、塩酸
水溶液とダイフロンを加え、ダイフロン層を濃縮する事
によって、本発明の含フッ素(メタ)アクリレート化合
物が得られた。 【0122】これらの化合物のIRを測定したところ、
いずれの化合物にも3200cm−1にOH基、178
0cm−1付近にパーフルオロアルキル基に結合したカ
ルボニル基1720cm−1にメタクリルエステルに由
来するカルボニル基、1640cm−1にC=C基、1
400〜1000cm−1にC−F基による吸収が観察
された。 【0123】また、元素分析を行うことにより本発明の
含フッ素(メタ)アクリレート化合物であることを確認
した。 【0124】その結果は表1に示す通りであった。 【0125】 【表1】 【0126】実施例10〜15 実施例1と同様にして合成したジ酸フロライド−CFC
OFに対し、種々の2−ヒドロキシメタクリレートを反
応させる事によってモノ酸フロライドを合成した。 【0127】反応終了後、実施例1と同様な方法で一旦
カルボン酸のカリウム塩に変えた後、塩酸水溶液とダイ
フロンを加え、ダイフロン層を濃縮する事によって、本
発明の含フッ素(メタ)アクリレート化合物が得られた
。 【0128】これらの化合物のIRを測定したところ、
いずれの化合物にも3200cm−1にOH基、178
0cm−1付近にパーフルオロアルキル基に結合したカ
ルボニル基、1720cm−1にメタクリルエステルに
由来するカルボニル基、1640cm−1にC=C基、
1400〜1000cm−1にC−F基による吸収が観
察された。 【0129】また、元素分析を行うことにより本発明の
含フッ素(メタ)アクリレート化合物であることを確認
した。 【0130】その結果は表2に示す通りであった。 【0131】 【表2】 【0132】実施例16〜20 実施例1と同様にしてFOC−(CF2 )3 −CO
Fに対し、種々のモノヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートを反応させる事によってモノ酸フロライドを合
成した。 【0133】反応終了後、実施例1と同様な方法で一旦
カルボン酸のカリウム塩に変えた後、塩酸水溶液とダイ
フロンを加え、ダイフロン層を濃縮する事によって、本
発明の含フッ素(メタ)アクリレート化合物が得られた
。 【0134】これらの化合物のIRを測定したところ、
いずれの化合物にも3200cm−1にOH基、178
0cm−1付近にパーフルオロアルキル基に結合したカ
ルボニル基、1720cm−1にメタクリルエステルに
由来するカルボニル基、1640cm−1にC=C基、
1400〜1000cm−1にC−F基による吸収が観
察された。 【0135】また、元素分析を行うことにより本発明の
含フッ素(メタ)アクリレート化合物であることを確認
した。 【0136】その結果は表3に示す通りであった。 【0137】 【表3】 【0138】実施例21〜25 実施例1と同様にしてジ酸フロライド(FOC−(CF
)n −COF)に対し、種々の2−ヒドロキシエチル
メタクリレートを反応させる事によってモノ酸フロライ
ドを合成した。 【0139】反応終了後、実施例1と同様な方法で一旦
カルボン酸のカリウム塩に変えた後、塩酸水溶液とダイ
フロンを加え、ダイフロン層を濃縮する事によって、本
発明の含フッ素(メタ)アクリレート化合物が得られた
。 【0140】これらの化合物のIRを測定したところ、
いずれの化合物にも3200cm−1にOH基、176
0cm−1付近にパーフルオロアルキル基に結合したカ
ルボニル基、1720cm−1にメタクリルエステルに
由来するカルボニル基、1640cm−1にC=C基、
1400〜1000cm−1にC−F基による吸収が観
察された。 【0141】また、元素分析を行うことにより本発明の
含フッ素(メタ)アクリレート化合物であることを確認
した。 【0142】その結果は表4に示す通りであった。 【0143】 【表4】 【0144】実施例26〜32及び比較例1〜3【01
45】本発明の加熱重合タイプの接着性組成物の接着強
度の測定を行なった。測定方法は以下の通りである。縦
10mm×横10mm×厚さ3mmのNi−Cr合金を
#1000研摩紙で研摩した後に0.3μmのAl2 
O3 で研摩を行なった。その面に5mmφの穴を開け
た。厚さ50μmの粘着テープを貼りつけその穴に接着
性組成物を塗布した。その組成物のに上に320#で研
摩した8mmφ×20mmのステンレス棒を押しあて、
100℃,15分間加熱した。その接着物を冷却直後(
A)及び4℃と60℃の水中を各1分間づつの熱サイク
ルを5000回行なった場合(B)のそれぞれの接着強
度の測定を行なった。 【0146】接着性組成物の組成は以下の通りである。   接着性組成物組成 ・D−2.6E                  
                         
   40重量部・ネオペンチルジメタクリレート  
                         
   30重量部・トリエチレングリコールジメタクリ
レート                    20
重量部・含フッ素アクリレート化合物        
                        1
0重量部・シラン処理石英微粉           
                         
  100重量部・BPO             
                         
                2重量部・HQME
                         
                     0.05
重量部【0147】また以下の実施例に用いた本発明の
含フッ素アクリレート化合物を以下のような記号で示す
。 【0148】 【0149】 *CO2 H 【0150】又比較例として本発明で用いたアクリレー
ト化合物にかえて、下記の化合物を以下のような記号で
示す。 【0151】 【化15】 【0152】接着強度の測定結果を表5に示す。 【0153】 【0154】実施例33〜38 実施例26〜32と同様な接着材組成で含フッ素アクリ
レート化合物は(A)とし、BPOのかわりにラジカル
開始剤として種々の過酸化物を2重量部添加して接着強
度の測定を行なった。測定方法は実施例26〜32と同
様であるが、過酸化物の種類により加熱温度を変えた。 【0155】接着強度の測定結果を表6に示す。 【0156】 【0157】実施例39〜44及び比較例4〜6実施例
26〜32の接着材組成において、ベンゾイルパーオキ
サイドを表7に示したアゾ化合物にかえ、接着温度を8
0℃、15分間にかえた以外は、実施例26〜32と同
様な方法で接着強度の測定を行なった。 【0158】測定結果を表7に示す。 【0159】 【0160】実施例45〜52及び比較例7〜9本発明
の接着性組成物と牛歯象牙質の接着強度の測定を行なっ
た。測定方法は以下の通りである。冷水中に保存してお
いた抜去後まもない牛の前歯を使用直前に取り出し、#
800のエメリーペーパーで注水下、唇面に水平になる
ように象牙質を削り出す。次にその面に圧縮空気を約1
0秒間吹きつけて乾燥し、直径4mmφの穴のあいた両
面テープ、パラフィンワックスを固定して模擬窩洞を形
成した。 【0161】その面に下記の組成の接着性組成物のI液
及びII液を等量混合して塗布し、圧縮空気を吹きつけ
て、エタノールを蒸発させた。更に練和した市販コンポ
ジットレジン「パルフィーク」(徳山曹達(株)製)を
填入した。コンポジットレジンが硬化した後にパラフィ
ンワックスを取り除き、37℃の水中に24時間保存し
た。試験片に金属製のアタッチメントを取りつけ、引張
り試験機で引張り接着強度の測定を行なった。(クロス
ヘッドスピード10mm/min) 【0162】接着性組成物の組成は以下の通りである。 【0163】 【0164】上記方法で得られた接着強度を表8に示す
。 【0165】 【表5】 【0166】実施例53〜57 実施例45〜52の接着性組成物において、I液のアク
リレート化合物を(A)とし添加量を20重量部とした
。一方、II液のスルフィン酸塩又はアミンの異なる化
合物、あるいは添加量を変えて接着強度の測定を行なっ
た。測定方法は実施例45〜52と同様である。 【0167】接着強度の測定結果を表9に示す。 【0168】 【表6】 【0169】実施例58〜67及び比較例10〜12本
発明の接着性組成物と牛歯エナメル質及びNi−Cr金
属との接着強度の測定を行なった。測定方法は以下の通
りである。冷水中に保存しておいた抜去後まもない牛の
前歯を使用直前に取り出し、#800のエメリーペーパ
ーで注水下、唇面に水平になるようにエナメル質を削り
出す。 【0170】次に37wt%のリン酸溶液で30秒間酸
エッチングを行ない、水洗した後圧縮空気を約10秒間
吹きつけて乾燥し、直径5mmφ、厚さ50μmの両面
テープを貼りつけた。その穴に下記組成の接着性組成物
を塗布し、その上から50μmのサンドブラストで表面
を荒らした8mmφ  20mmのステンレス棒を押し
あてた。 【0171】接着性組成物が硬化後、37℃の水中に2
4時間浸漬後、引張り試験機で引張り接着強度の測定を
行なった(クロスヘッドスピード10mm/min )
。Ni−Cr金属との接着強度は実施例26〜32と同
様の方法で試験片を作製し、23℃の常温硬化後、37
℃の水中に24時間浸漬を行ない、引張り強度の測定を
行なった。接着性組成物の組成は以下の通りである。 【0172】 【0173】 【0174】接着を行なう直前に液組成を1に対して粉
組成を2の重量比で約30秒間混合し使用した。 【0175】上記方法で得られた接着強度を表10に示
す。 【0176】 【表7】 【0176】実施例68〜77及び比較例13〜15実
施例19〜26で示したと同様に牛歯象牙質に模擬窩洞
を形成した後に、下記組成の接着性組成物を塗布した後
に、光硬化用として調整したコンポジットレジンを填入
した後、市販の可視光線照射器「オプテイラックス」(
デメトロン社製)を用いて30秒間光照射し、コンポジ
ットレジンを硬化させた。パラフィンワックスを取り除
き、37℃の水中に24時間保存した。試験片に金属製
のアタッチメントを取りつけ、引張り試験機で引張り接
着強度の測定を行なった(クロスヘッドスピード10m
m/min)。 【0177】接着性組成物の組成は以下の通りである。       Bis−GMA            
              27重量部      
3G                       
             43  〃      H
EMA                      
          20  〃      アクリレ
ート化合物                    
  表11に記載      カンファーキノン   
                   0.4重量部
      4−(N,N−ジメチルアミノ)    
  0.57  〃                
    安息香酸エチル      HQME    
                        0
.05重量部       【0178】   コンポジットレジンの組成は以下の通りである。       Bis−GMA            
              42重量部      
3G                       
             28  〃      テ
トラメチロールメタン               
   30  〃                 
   トリアクリレート      カンファーキノン
                      0.4
重量部      N,N−ジメチル−P−トルイジン
      0.4  〃      HQME   
                         
0.05  〃      シラン処理石英微粉   
                 200  〃【0
179】上記方法で得られた接着強度を表11に示す。 【0180】 【表8】 【0181】実施例78〜81 実施例68〜77の接着性組成物において、アクリレー
ト化合物を(A)とし、添加量を20重量部とした。更
に光増感剤及び硬化促進剤を替えたときの接着強度を測
定した。測定方法は実施例68〜77と同様である。 【0182】接着強度の測定結果を表12に示す。 【0183】 【0184】実施例82〜87 実施例58〜67と同様に牛歯エナメル及びNi−Cr
金属を処理した後に、直径5mmφ厚さ0.1mmの両
面テープを貼りつけ、その穴に接着性組成物を塗布した
後に6μmのポリプロピレン膜を乗せた。次に市販紫外
線照射器ヌバライト(L.D.コーク社,米国)を用い
て、1分間紫外線照射を行ない硬化させた。ポリプロピ
レン膜を取り除いた後に金属製のアタッチメントを取り
つけ、引張り試験機で引張り接着強度の測定を行なった
。 【0185】接着性組成物の組成は以下の通りである。       Bis−GMA            
              30重量部      
3G                       
             40  〃      N
PG                       
           20  〃      アクリ
レート化合物(A)                
10  〃      光増感剤          
                      表13
に記載      硬化促進剤           
                   表13に記載
【0186】接着強度測定の結果を表13に示す。 【0187】 【表9】 【0188】実施例88〜94 本発明の接着材組成物と牛歯象牙質の接着強度の測定を
行なった。測定方法は以下の通りである。冷水中に保存
しておいた抜去後まもない牛の前歯を使用直前に取り出
し、#800のエメリーペーパーで注水下、唇面に水平
になるように象牙質を削り出す。次にその面に圧縮空気
を約10秒間吹きつけて乾燥し、直径4mmφの穴のあ
いた両面テープ、パラフィンワックスを固定して模擬窩
洞を形成した。 【0189】その面に下記の組成の接着性組成物を塗布
し、圧縮空気を吹きつけて、エタノールを蒸発させた後
に、光硬化用として調製したコンポジットレジンを填入
し、実施例68〜77と同様な方法で接着強度の測定を
行った。 【0190】接着性組成物の組成は以下の通りである。       含フッ素アクリレート化合物      
        30重量部      カンファーキ
ノン                      0
.2  〃      4−(N,N−ジメチルアミノ
)        0.3  〃          
            安息香酸エチル      
エタノール                    
          70  〃      HQME
                         
   0.05  〃【0191】またコンポジットレ
ジンの組成は実施例68〜77と同様な組成物を用いた
。 【0192】上記方法で得られた接着強度を表14に示
す。 【0193】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式、 はアルキル基を示し、R2 はアルキレン基を示し、R
    3 はパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキ
    シアルキレン基を示す)で示される含フッ素アクリレー
    ト化合物。
  2. 【請求項2】  (i)一般式、 はアルキル基を示し、R2 はアルキレン基を示し、R
    3 はパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキ
    シアルキレン基)で示される含フッ素アクリレート化合
    物又は該含フッ素アクリレート化合物と共重合可能な他
    の単量体との混合物及び(ii)ラジカル重合開始剤か
    ら成る接着性組成物。
JP41327490A 1990-12-21 1990-12-21 含フッ素アクリレート化合物及びそれを用いた接着性組成物 Pending JPH04221344A (ja)

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