JP4831993B2 - 有機リン酸化合物 - Google Patents

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本発明は、有機リン酸化合物に関する。本発明に係る有機リン酸化合物は、例えば、歯牙、骨等の生体硬組織、歯科用金属材料、歯科用セラミックス材料又は歯科用複合材料を被着体とする歯科用接着性組成物の接着性成分として有用である。
歯牙の窩洞に修復物を充填したり、歯牙の窩洞を修復物で被覆したりする際に、歯科用接着剤が用いられる。従来、歯科用接着剤としては、重合性基を有する有機リン酸化合物を配合したものが数多く提案されており、中でも、下記化1で表される10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(以下、「MDP」と略記することがある)の如き分子内に疎水性の高い炭化水素基を有する有機リン酸化合物を配合したものが、歯質に対して優れた接着性を発現するとともに、口腔内という湿潤環境において優れた接着耐久性を発現することが報告されている(下記特許文献1、2参照)。
Figure 0004831993
また、分子内にリン酸基を2〜6個有する下記一般式化2で表される有機リン酸化合物を配合した歯科用接着剤も提案されている(下記特許文献3参照)。
Figure 0004831993
〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 、X1 、k、m及びnは下記のとおりである。
1 :H、炭素数1〜6のハロゲンを有することがある炭化水素基、COOR' (R' は炭素数1〜20のハロゲンを有することがある炭化水素基)又はハロゲンを表す。
2 :R1 と同義である。
3 :H、炭素数1〜6のハロゲンを有することがある炭化水素基、ハロゲン又はCNを表す。
4 :(COX2 m1(CO)m2(ZCO)m3(Z)m4a を表す。但し、Ra は炭素数5〜60の(m+n)価の有機残基。m1、m2、m3、m4は0〜4の整数でm1+m2+m3+m4=mを満足する。X2 はO、S又はNRb(RbはH又は炭素数1〜4のアルキル基)を表す。ZはO又はSを表す。
1 :X2 と同義である。
m:1〜4の整数である。
n:2〜6の整数である。
k:0又は1である。〕
特許文献3には、上記化2で表される有機リン酸化合物の中でも、下記化3、4又は5で表される有機リン酸化合物が好ましい旨、記載されている。
Figure 0004831993
〔式中、R5 は水素又はメチル基、Rc は炭素数2〜54の2価の有機残基を表す。〕
Figure 0004831993
〔式中、R5 及びR5'は水素又はメチル基、X2 は化2中のX2 と同義、Rd は炭素数3〜57の2価の有機残基を表す。〕
Figure 0004831993
〔式中、R5 は水素又はメチル基、X2 は化2中のX2 と同義、Rd は化4中のRd と同義である。〕
特開昭58−21607号公報 特開昭58−21687号公報 特開昭59−135272号公報
口腔内に使用される歯科用接着剤は、高湿潤雰囲気に絶えず曝されるとともに、噛合力を受ける。特に、歯冠修復材料用の歯科用接着剤は、強い噛合力を受ける。また、歯科用接着剤の被着体は一種類ではなく、歯質、金属材料、陶材など、多種類にわたる。したがって、歯科用接着剤としては、性質が互いに異なる多種類の被着体に対して優れた接着力及び接着耐久性を発現するものが好ましい。
しかしながら、多種類の被着体に対して十分に優れた接着性及び接着耐久性を発現する歯科用接着剤は、未だ得られていないのが実情である。
特許文献1及び2記載の有機リン酸化合物、就中、化1で表されるMDPは、歯質、特にエナメル質及び象牙質、並びに、ニッケル、クロム、チタン等の卑金属に対しては、優れた接着力を発現する。しかし、MDPは、金、銀、白金、パラジウム等の貴金属及び陶材に対する接着性が良くない。それゆえ、貴金属又は陶材を被着体とする接着にMDPを用いる場合は、プライマーによる前処理が別途必要となる。また、MDPを用いた場合は接着耐久性が総じて良くない。
特許文献3記載の有機リン酸化合物は、被着体との結合に与るリン酸基を複数個有する。このため、この有機リン酸化合物は、リン酸基を1個しか有しないMDPが有する上述の課題を一掃するものとして当初は期待された。しかしながら、本発明者らが検討したところ、このように分子内のリン酸基の個数を単に増やしただけでは、歯質、金属、陶材といった多種類の被着体に対して十分に優れた接着力及び接着耐久性を発現する有機リン酸化合物を得ることは困難であることが分かった。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、新規な有機リン酸化合物、とりわけ、歯質、金属、陶材などに対して優れた接着力及び接着耐久性を発現する有機リン酸化合物並びにそれを含有する歯科用接着性組成物を提供することにある。
上記の目的を達成するための請求項1記載の有機リン酸化合物は、下記一般式化6で表される。
Figure 0004831993
〔式中、Ra とRb は、互いに同一又は異なって、下記化7で表される一価の有機基である。〕
Figure 0004831993
〔式中、nは4〜20の整数であり、R1 は水素又はメチル基である。〕
請求項2記載の有機リン酸化合物は、下記一般式化8で表される。
Figure 0004831993
〔式中、Ra とRb は、互いに同一又は異なって、下記化9で表される一価の有機基である。〕
Figure 0004831993
〔式中、R1 は水素又はメチル基、mは4〜20の整数、Bは酸素原子、−COO−基又は−NHCOO−基である。〕
請求項3記載の有機リン酸化合物は、下記一般式化10で表される。
Figure 0004831993
〔式中、Ra とRb は、互いに同一又は異なって、下記化11で表される一価の有機基である。〕
Figure 0004831993
〔式中、nは4〜20の整数であり、R1 は水素又はメチル基である。〕
請求項4記載の有機リン酸化合物は、下記一般式化12で表される。
Figure 0004831993
〔式中、Ra とRb は、互いに同一又は異なって、下記化13で表される一価の有機基である。〕
Figure 0004831993
〔式中、R1 は水素又はメチル基、mは4〜20の整数、Bは酸素原子、−COO−基又は−NHCOO−基である。〕
請求項5記載の有機リン酸化合物は、下記一般式化14で表される。
Figure 0004831993
〔式中、Ra とRb は、互いに同一又は異なって、下記化15で表される一価の有機基である。〕
Figure 0004831993
〔式中、nは4〜20の整数であり、R1 は水素又はメチル基である。〕
請求項6記載の有機リン酸化合物は、下記一般式化16で表される。
Figure 0004831993
〔式中、Ra とRb は、互いに同一又は異なって、下記化17で表される一価の有機基である。〕
Figure 0004831993
〔式中、R1 は水素又はメチル基、mは4〜20の整数、Bは酸素原子、−COO−基又は−NHCOO−基である。〕
請求項7記載の歯科用接着性組成物は、請求項1〜6のいずれか1項記載の有機リン酸化合物と、当該有機リン酸化合物と共重合可能な重合性単量体と、重合開始剤とを含有する。
新規な有機リン酸化合物及び歯科用接着性組成物が提供される。本発明に係る有機リン酸化合物及びそれを含有する歯科用接着性組成物は、歯質、貴金属、卑金属及び陶材のいずれの被着体に対しても優れた接着力及び接着耐久性を発現する。
本発明に係る有機リン酸化合物は、分子内に、1価の重合性有機基(Ra 及びRb )2個と、1価のリン酸基〔−O−P(O)(OH)2 基又は−P(O)(OH)2 基〕2個とを有する。この点に関しては、本発明に係る有機リン酸化合物は、特許文献3の上記化2で表されるリン酸モノマーのうちm=2、且つn=2のものと共通する。特許文献3の化2で表されるリン酸モノマーは、本発明に係る有機リン酸化合物を概念的には包摂するが、特許文献3には、本発明に係る有機リン酸化合物は具体的には示されておらず、また本発明に係る有機リン酸化合物が各種の被着体に対して優れた接着力及び接着耐久性を発現する接着性組成物を与える極めて有用な有機リン酸化合物であることについても直接的な記載はもとより示唆すら存在しない。
化6、化10及び化14で表される有機リン酸化合物の中でも、Ra 及びRb がそれぞれ化9、化13又は化17で表される1価の有機基である化8、化12又は化16で表される有機リン酸化合物が、合成が容易で、安価で、接着耐久性などに優れるので、好ましい。
化6で表される有機リン酸化合物であってRa 及びRb が化7で表される1価の有機基である有機リン酸化合物としては、下記化18に示すものが例示される。但し、式中のmは4〜20の整数である。
Figure 0004831993
化18に示す有機リン酸化合物の中でも、mが6〜12のものが好ましい。
化10で表される有機リン酸化合物であってRa 及びRb が化11で表される1価の有機基である有機リン酸化合物としては、下記化19に示すものが例示される。但し、式中のmは4〜20の整数である。
Figure 0004831993
化14で表される有機リン酸化合物であってRa 及びRb が化15で表される1価の有機基である有機リン酸化合物としては、下記化20に示すものが例示される。但し、式中のmは4〜20の整数である。
Figure 0004831993
本発明に係る有機リン酸化合物は、これを単独でプライマー、接着剤などとして用いてもよいが、粘度調整、硬化物の機械的強度の改善、取り扱い性、接着性能の改善などのために、これと共重合可能な重合性単量体及び重合開始剤を混合して、接着性組成物として用いてもよい。
本発明に係る有機リン酸化合物と共重合可能な重合性単量体としては、(メタ)アクリレート系モノマーが好ましい。(メタ)アクリレート系モノマーの具体例は次のとおりである。
(イ)一官能性モノマー
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドジェンホスフェート、(メタ)アクリル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸無水物、10−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−デカンジカルボン酸、10−スルホデシル(メタ)アクリレート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン
(ロ)二官能性モノマー
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート(通称「Bis−GMA」)、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート(通称「UDMA」)、ビス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ハイドロジェンホスフェート
(ハ)三官能性以上のモノマー
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタン
上記の(メタ)アクリレート系モノマーは1種類単独を用いてもよく、複数種類を組み合わせて用いてもよい。また、(メタ)アクリレート系モノマーとともに、α−シアノアクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和有機酸のエステル類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、モノ−N−ビニル誘導体、スチレン誘導体等を必要に応じて併用してもよい。(メタ)アクリレート系モノマー等の重合性単量体の配合量は、用途により異なるが、通常、有機リン酸化合物1重量部に対して、0.1〜1000重量部、好ましくは1〜100重量部である。
重合開始剤としては、加熱重合には、ベンゾイルパーオキサイド等の加熱重合触媒が、また常温重合(化学重合)には、ベンゾイルパーオキサイド/アミン系、有機スルフィン酸(またはその塩)/アミン/過酸化物系等のレドックス触媒が、それぞれ好適に用いられる。また、光重合触媒としては、α−ジケトン類/還元剤、ベンジルジメチルケタール、アシルホスフィンオキサイド等の紫外線重合触媒があげられる。重合開始剤の配合量は、通常、有機リン酸化合物及び重合性単量体の総量100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
必要に応じて、上記の重合性組成物に、さらに、溶剤(水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、重合禁止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、着色剤、抗菌剤、香料などを配合してもよい。
上記の重合性組成物の歯科用途としては、歯科用プライマー、歯科用接着剤、歯科用セメント(レジンセメント、グラスアイオノマーセメント、レジン強化型グラスアイオノマーセメント)、小窩裂溝填塞材、歯科用コンポジットレジン、義歯床用レジンが例示される。
本発明に係る有機リン酸化合物を配合した歯科用プライマー又は歯科用接着剤としては、当該有機リン酸化合物と酸性基を有さず疎水性の(メタ)アクリレート系モノマーと重合開始剤とからなる液状の歯科用接着性組成物が例示される。歯質に対して高い接着力を発現する組成物としては、上記の液状の歯科用接着性組成物に、さらに、酸性基を有するモノマーと水と親水性の(メタ)アクリレート系モノマーとを配合してなる均一な溶液が挙げられる。この均一な溶液は、所謂セルフエッチング型接着剤であり、象牙質に対して優れた接着力を発揮する。
また、本発明に係る有機リン酸化合物を配合した接着性組成物を歯科用コンポジット又は歯科用セメントとして用いる場合は、フィラーを配合することが好ましい。フィラーとしては、シリカ、シリカを主成分とするガラス(バリウムボロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムボロアルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラスなど)、アルミナ等の無機フィラー、ポリメチルメタクリレート等の有機フィラー、有機・無機複合フィラーが挙げられる。
フィラーを配合する場合は、接着性組成物(液状)とフィラー(粉末)とを混練してペースト化する。レドックス重合触媒を配合する場合は、貯蔵安定性の点で、フィラー又は重合性組成物のいずれか一方に酸化剤を配合するとともに、他方に還元剤を配合して2剤型とし、使用直前にその2剤を混練してレドックス重合を進行させて硬化させることが好ましい。
本発明に係る有機リン酸化合物を配合した接着性組成物は、骨セメント、建築用接着剤、陶磁器用接着剤、封止材、コーティング材など、歯科用途以外の用途にも有用である。
実施例により本発明を更に詳細に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。以下において用いる略記号は次のとおりである。
〔有機リン酸化合物〕
Bis−MUPP:2,2−ビス(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシメチル)プロパン−1,3−ビス(ジハイドロジェンホスフェート)
1,4MUBP:1,4−ビス(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシ)ブタン−2,3−ビス(ジハイドロジェンホスフェート)
1,3MUBP:1,3−ビス(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシ)ブタン−2,4−ビス(ジハイドロジェンホスフェート)
Bis−MUPPは、下記化21に示すように、モノベンザルペンタエリスリトールと11−メタクリロイルオキシウンデカン酸クロリドとを反応させてジエステルとした後、それを加水分解して2,2−ビス(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシメチル)−1,3−プロパンジオールとし、このジオールとオキシ塩化リンとを反応させることにより作製することができる。
Figure 0004831993
本実施例で用いたBis−MUPPは次に示す方法により合成したものである。
(1)2,2−ビス(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシメチル)−1,3−プロパンジオールの合成
反応容器内にて11−ヒドロキシウンデカン酸400g(1.98モル)、ピリジン180g及びハイドロキノンモノメチルエーテル1gをテトラヒドロフランに溶かし、0°Cにて塩化メタクリロイル218g(2.09モル)を滴下した。室温にて一晩攪拌した後、析出した塩酸塩を濾別して除去し、濾液を濃縮した。得られた粗11−メタクリロイルウンデカン酸443gを酢酸エチル/n−ヘキサンを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、11−メタクリロイルオキシウンデカン酸を得た。
11−メタクリロイルオキシウンデカン酸62g(0.23モル)と塩化チオニル120g(1.0)とをジメチルホルムアミドを触媒として反応させた。反応終了後、揮発成分を減圧留去して、11−メタクリロイルオキシウンデカン酸クロリド66.2g(0.23モル)を得た。
モノベンザルペンタエリスリトール25g(0.11モル)及びトリエチルアミン30g(0.3モル)をテトラヒドロフラン200mlに溶かし0°Cに冷却した。なお、ここで使用したモノベンザルペンタエリスリトールは、Org. Synthesis. Col. Vol. 679 頁(1963)に記載の方法により製造したものである。上記の冷却液に先に合成した11−メタクリロイルオキシウンデカン酸クロリド66gのテトラヒドロフラン溶液を滴下した。滴下終了後、室温にて一晩攪拌し、反応混合物からトリエチルアミン塩酸塩をろ過により取り除き、ろ液を濃縮した。濃縮液に水を加えて攪拌し、混合物をエーテルで抽出した。捕集したエーテル層を希塩酸水、重曹水、水にて順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、エーテルを留去して粗生成物を得た。
この粗生成物を酢酸エチル/n−ヘキサンを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、ジエステル60g(0.082モル)を得た。
このようにして得たジエステル51gを70%酢酸500mlに溶かし、65°Cに一晩加温保持して加水分解した。次いで、揮発分を減圧留去して、得られた反応混合物を酢酸エチル/n−ヘキサンを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、2,2−ビス(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシメチル)−1,3−プロパンジオール18gを得た。
(2)Bis−MUPPの合成
上記(1)で合成した2,2−ビス(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシメチル)−1,3−プロパンジオール1.0g(1.56ミリリットル)及びオキシ塩化リン0.96g(6.24ミリモル)をテトラヒドロフラン15mlに溶かし、0〜5°Cにてトリエチルアミン0.35g(3.43ミリモル)を滴下し、反応溶液を室温にて10時間攪拌した。この段階で−P(O)Cl2 基を有する化合物が生成する。この反応混合物にトリエチルアミン1.58g(15.6ミリモル)と水0.45g(25.0ミリモル)の混合溶液を加えて室温にて3時間攪拌し、反応溶液に希塩酸を加えて酸性にして有機成分をエーテルにて抽出した。有機層を捕集して水洗し、ハイドロキノンモノメチルエーテルを少量加えて溶媒を減圧留去して、白色固体0.98gを得た。プロトンNMR分析より、この白色固体が目的とするBis−MUPPであることを確認した。
合成したBis−MUPPのプロトンNMR(溶媒:CDCl3 (重水素化クロロホルム))を下記に示す。
δ1.4〜1.2ppm 24H −(CH2 6
δ1.55〜1.75 8H −C 2 CH2 O−、−C 2 CH2 COO− δ1.95ppm 6H −CH3
δ2.35ppm 4H −CH2 COO−
δ4.05〜4.2ppm 8H −CH2 OOC−
δ4.3ppm 4H −CH2 OP
δ5.55ppm 2H CH=C−
δ6.1ppm 2H CH=C−
1,4MUBPと1,3MUBPは、下記化22に示すように、11−メタクリロイルオキシウンデカン酸と1,3−ブタジエンジエポキシドとを反応させて、1,4−ジ(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシ)−2,3−ブタンジオール及び1,3−ジ(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシ)−2,4−ブタンジオールを主に含む混合物を調製し、この混合物中の各ジオールをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離し、単離した各ジオールをオキシ塩化リンと反応させることにより作製することができる。
Figure 0004831993
本実施例で用いた1,4MUBP及び1,3MUBPは次に示す方法により合成したものである。
(1)1,4−ビス(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシ)−2,3−ブタンジオール及び1,3−ビス(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシ)−2,4−ブタンジオールの合成
11−メタクリロイルオキシウンデカン酸17.6g(65ミリモル)、1,3−ブタジエンジエポキシド2.15g(25ミリモル)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.38g(1.68ミリモル)及びハイドロキノンモノメチルエーテル7mg(0.054ミリモル)を混合して80°Cに加熱し、6時間攪拌した。室温まで冷却し、塩化メチレンに溶かして飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄し、水洗し、塩化メチレンを留去して、白色固体12.5gを得た。この白色固体(粗生成物)を酢酸エチル/n−ヘキサンを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製・単離して、1,4−ビス(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシ)−2,3−ブタンジオール7.5gと、1,3−ビス(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシ)−2,4−ブタンジオール1.5gとを得た。
(2)1,4MUBP及び1,3MUBPの合成
上記(1)で合成した1,4−ビス(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシ)−2,3−ブタンジオール1.0g(1.60ミリモル)及びオキシ塩化リン0.98g(6.38ミリモル)をテトラヒドロフラン15mlに溶かし、0〜5°Cにてトリエチルアミン0.36g(3.52ミリモル)を滴下し、反応溶液を室温にて10時間攪拌した。この段階で−P(O)Cl2 基を有する化合物が生成する。この反応混合物にトリエチルアミン1.61g(16.0ミリモル)と水0.46g(25.5ミリモル)の混合溶液を加えて室温にて3時間攪拌し、反応溶液に希塩酸を加えて酸性にして有機成分を酢酸エチルにて抽出した。有機層を捕集して水洗し、ハイドロキノンモノメチルエーテルを少量加えて溶媒を減圧留去して、白色固体0.98gを得た。プロトンNMR分析より、この白色固体が1,4MUBPであることを確認した。1,4−ビス(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシ)−2,3−ブタンジオール1.0g(1.60ミリモル)に代えて、1,3−ビス(11−メタクリロイルオキシウンデカノイルオキシ)−2,4−ブタンジオール1.0g(1.60ミリモル)を用いたこと以外は上記と同様にして、白色固体0.98gを得た。プロトンNMR分析より、この白色固体が1,3MUBPであることを確認した。
合成した1,4MUBP及び1,3MUBPのプロトンNMR(溶媒:CDCl3 )を下記に示す。
(1,4MUBP)
δ1.1〜1.37ppm 24H −(CH2 6
δ1.5〜1.8 8H −C 2 CH2 O−、−C 2 CH2 COO− δ1.95ppm 6H −CH3
δ2.38ppm 4H −CH2 COO−
δ4.0〜4.4ppm 10H −CH2 OOC−、−CHOP
δ5.55ppm 2H CH=C−
δ6.1ppm 2H CH=C−
(1,3MUBP)
δ1.1〜1.4ppm 24H −(CH2 6
δ1.45〜1.85ppm 8H −C 2 CH2 O−、−C 2 CH2 COO− δ1.95ppm 6H −CH3
δ2.36ppm 4H −CH2 COO−
δ4.05〜4.45ppm 10H −CH2 OOC−、−CHOOC−、
−CHOP、−CH2 OP
δ5.56ppm 2H CH=C−
δ6.1ppm 2H CH=C−
〔水溶性の重合性単量体〕
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
〔光重合開始剤〕
TMDPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
〔架橋性重合性単量体〕
Bis−GMA:2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン
NPG:ネオペンチルグリコールジメタクリレート
#801:1,2−ビス(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン
〔塩基性化合物〕
TPSS:2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム
DEPT:N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン
〔その他〕
BHT:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(安定剤(重合禁止剤))
(実施例1)
下記の各成分を秤取し、常温下で混合して、セルフエッチング型プライマー、2剤型の化学重合型ボンディング材及び歯科用接着剤を調製した。
セルフエッチング型プライマー:
Bis−MUPP 17重量部
HEMA 23重量部
#801 8重量部
蒸留水 52重量部
化学重合型ボンディング材:
(第1剤)
Bis−GMA 40重量部
HEMA 30重量部
NPG 20重量部
Bis−MUPP 10重量部
BHT 0.05重量部
BPO 1重量部
(第2剤)
Bis−GMA 40重量部
HEMA 40重量部
NPG 20重量部
BHT 0.05重量部
DEPT 1重量部
TPSS 1重量部
歯科用接着剤:
アセトン 100重量部
Bis−MUPP 0.2重量部
(実施例2)
各剤中のBis−MUPPをそれと等重量部の1,4MUBPに変えたこと以外は実施例1と同様にして、セルフエッチング型プライマー、2剤型の化学重合型ボンディング材及び歯科用接着剤を調製した。
(実施例3)
各剤中のBis−MUPPをそれと等重量部の1,3MUBPに変えたこと以外は実施例1と同様にして、セルフエッチング型プライマー、2剤型の化学重合型ボンディング材及び歯科用接着剤を調製した。
(実施例4〜10、参考例1〜5及び比較例1〜11)
各剤中のBis−MUPPをそれと等重量部の他の有機リン酸化合物に変えたこと以外は実施例1と同様にして、セルフエッチング型プライマー、2剤型の化学重合型ボンディング材及び歯科用接着剤を調製した。比較例2で使用した有機リン酸化合物は、特許文献1及び2記載の有機リン酸化合物(MDP)であり、比較例3、9、10、11で使用した有機リン酸化合物は、いずれも特許文献3記載の有機リン酸化合物である。
実施例1〜10、参考例1〜5及び比較例1〜11において使用した有機リン酸化合物を下記化23〜化48に示す。また、実施例1〜10、参考例1〜5及び比較例1〜11において使用した有機リン酸化合物について、重合性有機基の個数、当該重合性有機基中の重合性二重結合以外の部分に存在する炭化水素基の炭素数、リン酸基の個数、2個のリン酸基を隔てる炭素原子の個数を表1に示す。
Figure 0004831993
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実施例1〜10、参考例1〜5及び比較例1〜11で調製したセルフエッチング型プライマー及び2剤型の化学重合型ボンディング材について、下記の試験方法Aにより歯質(エナメル質及び象牙質)に対する接着力及び接着耐久性を調べた。また、実施例1〜10、参考例1〜5及び比較例1〜11で調製した歯科用接着剤について、下記の試験方法Bにより歯科用金属(貴金属及び卑金属)及び歯科用陶材に対する接着力及び接着耐久性を調べた。結果を表2及び表3に示す。
〔試験方法A:歯質に対する接着力及び接着耐久性〕
ウシ下顎前歯の唇面を流水下にて#80シリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)で研磨してエナメル質の平坦面及び象牙質の平坦面を得る。各平坦面を流水下にて#1000のシリコン・カーバイド紙(日本研紙(株)製)でさらに研磨して平滑面を得た後、表面の水を歯科用エアーシリンジを用いて吹き飛ばす。各平滑面に、直径3mmの丸穴を有する厚さ約150μmの粘着テープを貼着し、接着面積を規制する。丸穴内にセルフエッチングプライマーを筆を用いて塗布し、30秒間放置した後、歯科用エアーシリンジを用いて、塗布したセルフエッチングプライマーの流動性が無くなるまで乾燥する。次いで、2剤型の化学重合型ボンディング材の第1剤と第2剤とを混和し、得られた混和物をセルフエッチングプライマーの塗布面上に置き、離型フィルム(クラレ社製、商品名「エバール」)で被覆した後、30分静置して硬化させる。次いで、この硬化面に対して、歯科用レジンセメント(クラレメディカル社製、商品名「パナビア21」)を用いて、直径5mm、長さ1.5cmのステンレス製の円柱棒の一方の端面(円形断面)を接着し、30分間静置して、試験片を作製する。試験片は、全部で32個(エナメル質平滑面に円柱棒を接着したもの(エナメル質用の試験片)16個、象牙質平滑面に円柱棒を接着したもの(象牙質用の試験片)16個)作製し、試験片をサンプル容器内の蒸留水に浸漬した状態で、37°Cに設定した恒温器内に24時間放置する。次いで、エナメル質用の試験片及び象牙質用の試験片それぞれ8個について、引張接着強度を測定する。引張接着強度は、万能試験機(島津製作所社製)を用い、クロスヘッドスピードを2mm/分に設定して測定する。残りのエナメル質用の試験片及び象牙質用の試験片各8個は、蒸留水に浸漬した状態のまま70°Cに保持した恒温器内に移し、7日間放置した後、同様に引張接着強度を測定する。
〔試験方法B:金属及び陶材に対する接着力及び接着耐久性〕
貴金属合金(ヘレウスクルツァー社製、商品名「ハラドールH」、金78.5%/白金10.0%/パラジウム7.8%/その他3.7%)、卑金属合金(トーワ技研社製、商品名「ナウクロームI」、ニッケル92.7%/クロム6.0%/その他1.3%)及び陶材(ビタ社製、商品名「ビタ・セレイ」)を流水下にて#1000シリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)で研磨して平滑面を得た後、表面の水を歯科用エアーシリンジを用いて吹き飛ばす。貴金属合金、卑金属合金又は陶材の各平滑面に、歯科用接着剤を塗布し、自然乾燥後、直径3mmの丸穴を有する厚さ約150μmの粘着テープを貼着して接着面積を規制する。歯科用接着剤を塗布した面上に市販の光重合型歯科用コンポジットレジン(クラレメディカル社製、商品名「フォトSC」)を置き、離型フィルム(クラレ社製、商品名「エバール」)で被覆した後、その離型フィルムの上にスライドガラスを載置して押しつけ、歯科用可視光線照射器「JETライト3000」(J.Morita USA製)にて20秒間光照射して硬化させる。次いで、この硬化面に対して、市販の歯科用レジンセメント(クラレメディカル社製、商品名「パナビア21」)を用いて直径5mm、長さ1.5cmのステンレス製の円柱棒の一方の端面(円形断面)を接着し、30分間静置して、試験片とする。試験片は、全部で48個(貴金属合金と円柱棒とを接着したもの16個、卑金属合金と円柱棒とを接着したもの16個、陶材と円柱棒とを接着したもの16個)作製する。次いで、試験片を、サンプル容器内の蒸留水に浸漬した状態で、37°Cに保持した恒温器内に24時間放置する。その後、貴金属合金用の試験片、卑金属合金用の試験片、陶材用の試験片それぞれ8個について、引張接着強度を測定する。この24時間放置した後の引張接着強度でもって初期接着性を評価する。引張接着強度は、万能試験機(島津製作所社製)を用い、クロスヘッドスピードを2mm/分に設定して測定する。残りの貴金属合金用の試験片、卑金属合金用の試験片、陶材用の試験片各8個は、蒸留水に浸漬した状態のまま70°Cに保持した恒温器内に移し、7日間放置した後、同様に引張接着強度を測定する。この7日間放置した後の引張接着強度でもって接着耐久性を評価する。
Figure 0004831993
Figure 0004831993
表2に示すように、本発明に係る有機リン酸化合物を用いた場合は、エナメル質及び象牙質、並びに、金属(貴金属合金及び卑金属合金)及び陶材に対する接着性及び接着耐久性が良い(実施例1〜10)。これに対して、表3に示すように、重合性有機基を1個しか有しない有機リン酸化合物(比較例2、3、9)、重合性有機基中の炭化水素基の炭素数が4未満である有機リン酸化合物(比較例1、5〜7、10〜11)、リン酸基を1個しか有しない有機リン酸化合物(比較例2、4〜5)又は2個のリン酸基を隔てる炭素原子の個数が1か5以上である有機リン酸化合物(比較例8〜11)を用いた場合は、37°C1日後及び70°C7日後の接着強度がいずれも低い。

Claims (7)

  1. 下記一般式化1で表される有機リン酸化合物。
    Figure 0004831993
    〔式中、Ra とRb は、互いに同一又は異なって、下記化2で表される一価の有機基である。〕
    Figure 0004831993
    〔式中、nは4〜20の整数であり、R1 は水素又はメチル基である。〕
  2. 下記一般式化3で表される有機リン酸化合物。
    Figure 0004831993
    〔式中、Ra とRb は、互いに同一又は異なって、下記化4で表される一価の有機基である。〕
    Figure 0004831993
    〔式中、R1 は水素又はメチル基、mは4〜20の整数、Bは酸素原子、−COO−基又は−NHCOO−基である。〕
  3. 下記一般式化5で表される有機リン酸化合物。
    Figure 0004831993
    〔式中、Ra とRb は、互いに同一又は異なって、下記化6で表される一価の有機基である。〕
    Figure 0004831993
    〔式中、nは4〜20の整数であり、R1 は水素又はメチル基である。〕
  4. 下記一般式化7で表される有機リン酸化合物。
    Figure 0004831993
    〔式中、Ra とRb は、互いに同一又は異なって、下記化8で表される一価の有機基である。〕
    Figure 0004831993
    〔式中、R1 は水素又はメチル基、mは4〜20の整数、Bは酸素原子、−COO−基又は−NHCOO−基である。〕
  5. 下記一般式化9で表される有機リン酸化合物。
    Figure 0004831993
    〔式中、Ra とRb は、互いに同一又は異なって、下記化10で表される一価の有機基である。〕
    Figure 0004831993
    〔式中、nは4〜20の整数であり、R1 は水素又はメチル基である。〕
  6. 下記一般式化11で表される有機リン酸化合物。
    Figure 0004831993
    〔式中、Ra とRb は、互いに同一又は異なって、下記化12で表される一価の有機基である。〕
    Figure 0004831993
    〔式中、R1 は水素又はメチル基、mは4〜20の整数、Bは酸素原子、−COO−基又は−NHCOO−基である。〕
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の有機リン酸化合物と、当該有機リン酸化合物と共重合可能な重合性単量体と、重合開始剤とを含有する歯科用接着性組成物。
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