JPH0415006B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は湿度調節装置、詳しくは、吸湿体を第
１空気通路と第２空気通路との間を巡回させて、
前記第１空気通路において前記吸湿体が流通空気
から該空気中の水分を吸収すると共に、前記第２
空気通路において吸湿体が吸収した水分を流通空
気に対し供給する如くなして、前記第１または第
２空気通路において空調対象空気の除湿又は加湿
を行うごとくした湿度調節装置に関する。

（従来技術） この種湿度調節装置のうち、除湿制御装置とし
ては特開昭54−137162号公報にも記載されてお
り、すでに知られている。

このものを第５図に基づいて説明すると、ハニ
カム構造をした円筒状の吸湿体５０に回転軸５１
を設けると共に、この吸湿体５０を、除湿対象空
気が流通する第１空気通路（以下、除湿空気通路
という）５２と、前記吸湿体５０を再生する再生
空気が流通する第２空気通路（以下、再生空気通
路という）５３とをもつ通風路５４に介装して、
前記吸湿体５０を前記回転軸１を中心に回転させ
ることにより、該吸湿体５０が前記各通路５２，
５３間を巡回するごとくしている。

さらに、前記吸湿体５０の空気入口側における
前記再生空気通路５３に、該通路５３を流通する
空気を加熱する熱交換器５５を設けている。

尚、５６は乾燥室、５７，５８はフアン、５９
は空気調和用熱交換器である。

かくして、前記除湿空気通路５２を通過する調
和対象空気を前記吸湿体５０で乾燥する一方、前
記回転軸５１の回転に伴い、前記除湿空気通路５
２において吸湿し、吸湿能力が低下した吸湿体部
分を順次前記再生空気通路５３に送り出し、該通
路５３を流通する加熱空気により前記吸湿体５０
を再生するごとくしていたのである。

（発明が解決しようとする問題点） ところが、前記従来のものは、前記吸湿体５０
を再生するに当たつて、前記再生空気通路５３に
前記熱交換器５５を設け、該熱交換器５５により
一旦空気を加熱し、更に、この加熱空気により該
吸湿体５０を加熱するようにしているために、即
ち、前記吸湿体５０を比熱の小さい空気を介して
間接的に加熱しているために、前記吸湿体５０の
再生効率が悪い問題があつたのである。

しかして、本発明の目的は、再生可能な吸湿体
を容易に構成でき、しかもコストダウンが可能に
できるようにする点にある。

（問題点を解決するための手段） 本発明では、吸湿体６を第１空気通路４と第２
空気通路５との間を巡回させて、前記第１空気通
路４において前記吸湿体６が流通空気から該空気
中の水分を吸収すると共に、前記第２空気通路５
において吸湿体６が吸収した水分を流通空気に対
し供給する如くなした湿度調節装置であつて、前
記吸湿体６を、帯状吸湿材６ｃを渦巻き状に巻回
して形成すると共に、該帯状吸湿材６Ｃに面発熱
体７を巻き方向に沿つて間欠的で、かつ、前記各
面発熱体７の巻き方向の幅及び配設間隔を前記帯
状吸湿材６ｃの長さ方向一側から他側に向つて順
次大きく配設し、渦巻き状に巻回したとき、前記
吸湿体６の各巻き層における前記面発熱体７の装
着部分と非装着部分とがそれぞれ半径方向に重合
するごとく成す一方、前記吸湿体６における半径
方向に重合する前記面発熱体７の一側に、吸湿体
６の半径方向に延びる電極８を接触して、半径方
向に重合する前記面発熱体７を電気的に連結し、
前記第２空気通路５に、前記吸湿体６の巡回で前
記第２空気５に位置する前記電極８と接触する電
極ブラシ９を設けたのである。

（作用） 面発熱体７を配設した帯状吸湿材６ｃを渦巻き
状に巻回するだけで吸湿体６を簡単に形成できる
ものであり、また、前記帯状吸湿材６ｃに配設す
る面発熱体７を巻き方向に沿つて間欠的に設け、
しかも巻き方向の幅及び配設間隔を前記帯状吸湿
材６ｃの長さ方向一側から他側に向つて順次大き
くし、巻回時、前記吸湿体６の各巻き層における
前記面発熱体７の装着部分と非装着部分とがそれ
ぞれ半径方向に重合させるようにしたから、前記
電極ブラシ９と接触する前記電極８を半径方向に
重合する面発熱体７と簡単に電気的に連結でき、
第１空気通路４を巡回している吸湿材６ｃに配設
した面発熱体７に通電することなく第２空気通路
５を巡回している吸湿材６ｃに配設した面発熱体
７に通電できる通電構造も容易にできるものであ
り、それでいて前記面発熱体７を分散させながら
再生すべき箇所の帯状吸湿材６ｃを効率よく再生
できる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第４図に示すごとく、円筒状のケーシング１内
に通風路２を形成すると共に、該通風路２内に、
該通風路２を空気流れ方向に沿つて２分割する仕
切体３を設け、この通風路２内に第１空気通路４
と第２空気通路５とを形成している。

さらに、前記通風路２の途中に略円筒状をな
し、かつ、空気流れ方向に沿つた回転軸６１を備
えた吸湿体６を介装している。

この吸湿体６は、第１図に示すように、帯状の
活性炭紙を平板状に設けた板材６ａに、前記帯状
の活性炭紙を波板状にした波板材６ｂを貼着して
なる帯状吸湿材６ｃから形成されており、この帯
状吸湿材６ｃを前記回転軸６１の周りに渦巻き状
に巻回して、第３、４図に示すごとく略円筒状に
なしたものである。

かくして、前記吸湿体６は前記回転軸６１の軸
芯方向に沿つて空気を流通させるハニカム構造と
なつている。

尚、図示していないが、前記回転軸６１はモー
タに連結されている。

しかして、前記吸湿体６を構成する前記吸湿材
６ｃの前記板材６ａの背面側に、面発熱体７を一
体に貼着して、該面発熱体７により前記吸湿材６
ｃを直接加熱できるようにしている。

更に、前記吸湿体６は、該吸湿体６のうち前記
第２空気通路５を横断中の部分のみを選択的に順
次加熱できるように下記のごとくしている。即
ち、第２図に示すように、 前記面発熱体７を、前記帯状吸湿材６ｃにその
巻き方向に沿つて間欠的に設けると共に、各面発
熱体７の巻き方向の幅及び配設間隔を、前記巻き
方向に沿つて、それぞれ所定量α，βずつ大きく
していき、第３図に示すように、前記吸湿体６の
各巻き層における前記面発熱体７の装着部分と非
装着部分とがそれぞれ半径方向に重合するごとく
なすのである。尚、図中、ａ，ｂはそれぞれ面発
熱体７の最小幅、及び最小間隔を示している。

そして、半径方向に重合する各面発熱体７をそ
れぞれ連絡する棒状電極８を、筒状の前記吸湿体
６の両端面にそれぞれ半径方向に沿つて設けてい
る。

更に、第４図に示すごとく、第２空気通路５に
おける前記吸湿体６の半径方向外方位置に、前記
各電極８の半径方向外方への突出部分と接触する
円弧状の一対の電極ブラシ９を設けるのである。

以上のごとく、前記吸湿体６の各巻き層の面発
熱体７をそれぞれ半径方向に分割して、半径方向
に重合する各巻き層の面発熱体７から成る扇形の
面発熱体群Ａを形成し、前記電極８と前記電極ブ
ラシ９との接触により各面発熱群Ａ毎に、通電、
非通電を制御できるようにしているのである。

以上のごとく構成する湿度調節装置は、湿度調
節の対象となる空気を、第１空気通路４中に流通
させることにより除湿運転することができ、又、
第２空気通路５中に流通させることにより加湿運
転することができるのである。以下、除湿装置と
して適用した場合の作用について説明する。

一対の前記電極ブラシ９に電源を接続すると共
に、前記回転軸６１を介して吸湿体６を回転させ
るものである。

かくして、前記第１空気通路４に、多湿空気を
矢印方向に流入させ、前記吸湿体６の該第１空気
通路４対応部分を流通させるのである。そして、
この流通過程でこの空気中の水分が前記吸湿材６
ａに吸収され、乾燥空気と成つて流出するのであ
る。

尚、第１空気通路４には電極ブラシを設けてい
ないので、該通路４においては前記各面発熱体７
は通電されることがなく、従つて、吸湿材６ａは
加熱されることなく低温に保持されている。

第１空気通路４に位置する前記吸湿体６は、そ
の吸湿作用により徐々に吸湿能力が低下していく
のであるが、該吸湿体６は一定の速さで回転して
おり、従つて、この吸湿体６の各部分は所定時間
前記第１空気通路４で除湿作用を行つた後、前記
第２空気通路５に入つていくのである。そして、
この第２空気通路５に入ると、その部分に設けら
れた前記電極８が前記電極ブラシ９に接触して、
前記面発熱体群Ａが、従つて、該群Ａ内の各面発
熱体７が同時に通電され、この面発熱体７の発熱
により当該部分の吸湿材６ｃが加熱され、該吸湿
材６ｃの水分が前記第２空気通路５を流通する空
気に吸収されていき、この結果、前記吸湿材６ｃ
が再生されていくのである。

前記電極ブラシ９は、前記第２空気通路５部分
全体に円弧状に設けられているから、前記面発熱
体７も、前記第２空気通路５に位置する間は通電
され、発熱するのである。

一方、前記電極８が前記第２空気通路５を通過
し、前記電極ブラシ９から外れると、前記面発熱
群Ａへの通電が遮断され、前記各発熱体７の発熱
も停止されるのである。

この吸湿材７は前記第１空気通路４に入ると自
然冷却されて低温となり、再び吸湿作用を開始す
るのであり、かくして、連続的に吸湿を行えるの
である。

以上の説明では、吸湿材６ｃに活性炭紙を用い
たが、ゼオライト混抄紙その他の吸湿性を有する
ものを用いればよい。

また、前記吸湿材６ｃの形状は前記実施例に限
られるものではない。

更に、前記吸湿体６の形状は円筒状に限られる
ものではない。

（発明の効果） 以上のごとく、本発明は本発明では、第１空気
通路４と第２空気通路５との間を巡回させる吸湿
体６を、帯状吸湿材６ｃを渦巻き状に巻回して形
成すると共に、該帯状吸湿材６ｃに面発熱体７を
巻き方向に沿つて間欠的で、かつ、前記各面発熱
体７の巻き方向の幅及び配設間隔を前記帯状吸湿
材６ｃの長さ方向一側から他側に向つて順次大き
く配設し、渦巻き状に巻回したとき、前記吸湿体
６の各巻き層における前記面発熱体７の装着部分
と非装着部分とがそれぞれ半径方向に重合するご
とく成す一方、前記吸湿体６における半径方向に
重合する前記面発熱体７の一側に、吸湿体６の半
径方向に延びる電極８を接触して、半径方向に重
合する前記面発熱体７を電気的に連結し、前記第
２空気通路５に、前記吸湿体６の巡回で前記第２
空気通路５に位置する前記電極８と接触する電極
ブラシ９を設けたから、面発熱体７を配設した帯
状吸湿材６ｃを渦巻き状に巻回するだけで再生可
能な吸湿体６を簡単に形成できるものであり、ま
た、前記帯状吸湿材６ｃに面発熱体７を巻き方向
に沿つて間欠的に設け、しかも巻き方向の幅及び
い配設間隔を前記帯状吸湿材６ｃの長さ方向一側
から他側に向つて順次大きくし、巻回時、前記吸
湿体６の各巻き層における前記面発熱体７の装着
部分と非装着部分とがそれぞれ半径方向に重合さ
せるようにしたから、第１空気通路４を巡回して
いる吸湿材６ｃに配設した面発熱体７に通電する
ことなく第２空気通路５を巡回している吸湿材６
ｃに配設した面発熱体７のみに通電する通電構造
を容易に構成できるのであつて、この通電構造も
簡単に構成することができる。

従つて、帯状吸湿材６ｃに面発熱体７を間欠的
に設けて渦巻き状に巻回するだけで、再生可能な
吸湿体６を容易に形成できるし、また、面発熱体
７を分散状に配設しながら、吸湿体６の再生を有
効にでき、しかも、面発熱体７への通電構造も簡
単にできるのであつて、再生可能な吸湿体６を製
作性良好に構成でき、それだけコストダウンが可
能にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本発明の実施例の説明図で、
第１図は吸湿材の部分断面図、第２図は同部分底
面図、第３図は吸湿体の部分正面図、第４図は模
式全体図、第５図は従来例の説明図である。 ２……通風路、３……仕切体、４……第１空気
通路、５……第２空気通路、６……吸湿体、６ｃ
……吸湿材、７……面発熱体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 吸湿体６を第１空気通路４と第２空気通路５
   との間を巡回させて、前記第１空気通路４におい
   て前記吸湿体６が流通空気から該空気中の水分を
   吸収すると共に、前記第２空気通路５において吸
   湿体６が吸収した水分を流通空気に対し供給する
   如くなした湿度調節装置であつて、前記吸湿体６
   を、帯状吸湿材６ｃを渦巻き状に巻回して形成す
   ると共に、該帯状吸湿材６Ｃに面発熱体７を巻き
   方向に沿つて間欠的で、かつ、前記各面発熱体７
   の巻き方向の幅及び配設間隔を前記帯状吸湿材６
   ｃの長さ方向一側から他側に向つて順次大きく配
   設し、渦巻き状に巻回したとき、前記吸湿体６の
   各巻き層における前記面発熱体７の装着部分と非
   装着部分とがそれぞれ半径方向に重合するごとく
   成す一方、前記吸湿体６における半径方向に重合
   する前記面発熱体７の一側に、吸湿体６の半径方
   向に延びる電極８を接触して、半径方向に重合す
   る前記面発熱体７を電気的に連結し、前記第２空
   気通路５に、前記吸湿体６の巡回で前記第２空気
   通路５に位置する前記電極８と接触する電極ブラ
   シ９を設けたことを特徴とする湿度調節装置。